JPH0760413A - 広幅薄肉鋳片の連続鋳造用ノズル - Google Patents
広幅薄肉鋳片の連続鋳造用ノズルInfo
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- JPH0760413A JPH0760413A JP21275393A JP21275393A JPH0760413A JP H0760413 A JPH0760413 A JP H0760413A JP 21275393 A JP21275393 A JP 21275393A JP 21275393 A JP21275393 A JP 21275393A JP H0760413 A JPH0760413 A JP H0760413A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 広幅薄肉鋳片の連続鋳造用ノズルにおいて、
中間ノズルとこれを内挿する扁平ノズル本体間からの大
気の巻き込みを防止してタンディッシュ内の溶湯を移動
鋳型内に安定供給できるノズル構造を提供するものであ
る。、 【構成】 タンディッシュ底部に配設されストッパーに
より開度調整される中間ノズルの下部を、タンディッユ
底部の外側で保持される扁平ノズル本体の上部開口部に
挿通するとともに、該ノズル本体の上部開口部の上端面
をタンディッシュ底部外面に当接・固定し、タンディッ
シュに該ノズル本体を固設可能としたことを特徴とし、
必要に応じて該中間ノズル外周面と該ノズル本体開口部
間に形成される空間部にシール用耐火モルタルを充填
し、タンディッシュ底部と該ノズル本体との接合部に耐
熱シートを挿入またはシール用耐火モルタルを充填した
ことを特徴とする広幅薄肉鋳片の連続鋳造用ノズル。
中間ノズルとこれを内挿する扁平ノズル本体間からの大
気の巻き込みを防止してタンディッシュ内の溶湯を移動
鋳型内に安定供給できるノズル構造を提供するものであ
る。、 【構成】 タンディッシュ底部に配設されストッパーに
より開度調整される中間ノズルの下部を、タンディッユ
底部の外側で保持される扁平ノズル本体の上部開口部に
挿通するとともに、該ノズル本体の上部開口部の上端面
をタンディッシュ底部外面に当接・固定し、タンディッ
シュに該ノズル本体を固設可能としたことを特徴とし、
必要に応じて該中間ノズル外周面と該ノズル本体開口部
間に形成される空間部にシール用耐火モルタルを充填
し、タンディッシュ底部と該ノズル本体との接合部に耐
熱シートを挿入またはシール用耐火モルタルを充填した
ことを特徴とする広幅薄肉鋳片の連続鋳造用ノズル。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、双ドラム式連続鋳造装
置等の広幅薄肉鋳片の連続鋳造装置においてタンディッ
シュから移動鋳型内に溶湯を供給する場合に用いられる
ノズルの構造に関するものである。
置等の広幅薄肉鋳片の連続鋳造装置においてタンディッ
シュから移動鋳型内に溶湯を供給する場合に用いられる
ノズルの構造に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来から一般に知られている例えば双ド
ラム式連続鋳造装置を用いた連続鋳造においては、図４
に示されるように、回転する一対の冷却ドラムＲａ、Ｒ
ｂとこのドラムの両端に当接されるサイド堰Ｓａ，Ｓｂ
によって形成される移動鋳型内に、タンディッシュ内か
ら内ノズルａ、外ノズルｂを介して溶湯ｅを供給し、移
動鋳型内に所定レベルの湯溜り部ｐをつくりつつ、冷却
ドラムＲａ、Ｒｂで冷却して凝固シェルを形成し、この
凝固シェルを一対の冷却ドラムの最接近部に形成される
ギャップにおいて圧接・一体化して広幅薄肉鋳片ｃを得
るようになっており、この際、均質な鋳片を得るために
は、移動鋳型内に形成されるメニスカスの位置変動を極
力抑制する必要があり、そのために、移動鋳型内への溶
湯の供給量の制御精度が、一段と優れていることが要求
される。
ラム式連続鋳造装置を用いた連続鋳造においては、図４
に示されるように、回転する一対の冷却ドラムＲａ、Ｒ
ｂとこのドラムの両端に当接されるサイド堰Ｓａ，Ｓｂ
によって形成される移動鋳型内に、タンディッシュ内か
ら内ノズルａ、外ノズルｂを介して溶湯ｅを供給し、移
動鋳型内に所定レベルの湯溜り部ｐをつくりつつ、冷却
ドラムＲａ、Ｒｂで冷却して凝固シェルを形成し、この
凝固シェルを一対の冷却ドラムの最接近部に形成される
ギャップにおいて圧接・一体化して広幅薄肉鋳片ｃを得
るようになっており、この際、均質な鋳片を得るために
は、移動鋳型内に形成されるメニスカスの位置変動を極
力抑制する必要があり、そのために、移動鋳型内への溶
湯の供給量の制御精度が、一段と優れていることが要求
される。
【０００３】このような要求に答えるものとして、例え
ば特開昭６３−２０３２５４号の発明では、多孔質耐火
物からなるフィルタ−と溶融性金属部材を内蔵したノズ
ルが提案されている。
ば特開昭６３−２０３２５４号の発明では、多孔質耐火
物からなるフィルタ−と溶融性金属部材を内蔵したノズ
ルが提案されている。
【０００４】ここに示されるノズルは、図４、図５に示
されるように内ノズルａの下部を偏平の外ノズルｂの上
部の開口部に内装したものであり、外ノズルが扁平で、
下部閉鎖端（底部）近傍の側壁にスリット状のノズル孔
ｏがあるために，鋳造のスタ−ト時に溶湯の圧損の大き
さによってはこの外ノズルが破壊に至ってしまう懸念が
大である。
されるように内ノズルａの下部を偏平の外ノズルｂの上
部の開口部に内装したものであり、外ノズルが扁平で、
下部閉鎖端（底部）近傍の側壁にスリット状のノズル孔
ｏがあるために，鋳造のスタ−ト時に溶湯の圧損の大き
さによってはこの外ノズルが破壊に至ってしまう懸念が
大である。
【０００５】この懸念を取り除くため、ここでは、図５
に示されるように外ノズルｂ内に多孔質耐火物ｆ、溶融
性金属部材ｄを内蔵させ、鋳造のスタ−ト時に外ノズル
ｂ内で高い圧損を与え、外ノズルｂ内に溶湯を充満し、
タンディッシュ、内ノズルａ、外ノズルｂ、移動鋳型内
の溶湯を密に連続させて、外ノズルｂ内の圧損をこのノ
ズルが破壊に至らないような低圧損状態にして鋳造を行
うようにしている。
に示されるように外ノズルｂ内に多孔質耐火物ｆ、溶融
性金属部材ｄを内蔵させ、鋳造のスタ−ト時に外ノズル
ｂ内で高い圧損を与え、外ノズルｂ内に溶湯を充満し、
タンディッシュ、内ノズルａ、外ノズルｂ、移動鋳型内
の溶湯を密に連続させて、外ノズルｂ内の圧損をこのノ
ズルが破壊に至らないような低圧損状態にして鋳造を行
うようにしている。
【０００６】しかし、実際には鋳造初期に溶湯が密に連
続していても、外ノズルｂ内は多少負圧になっているた
め、内ノズルａと外ノズルｂとの間のシール性確保の対
策が十分でないと、鋳造中に外ノズルｂ内に大気中の空
気を巻き込み、溶湯の密な連続性が損なわれる。そのた
め、移動鋳型内への溶湯供給量の制御性が低下し、溶湯
を移動鋳型内に安定供給することができず安定鋳造によ
る均質な鋳片の鋳造が困難になる。
続していても、外ノズルｂ内は多少負圧になっているた
め、内ノズルａと外ノズルｂとの間のシール性確保の対
策が十分でないと、鋳造中に外ノズルｂ内に大気中の空
気を巻き込み、溶湯の密な連続性が損なわれる。そのた
め、移動鋳型内への溶湯供給量の制御性が低下し、溶湯
を移動鋳型内に安定供給することができず安定鋳造によ
る均質な鋳片の鋳造が困難になる。
【０００７】上記した従来の発明では、内ノズルと外ノ
ズル間のシール性確保の対策が十分なされているとはい
い難く、このような観点では、改善の余地が残されてい
るといえる。
ズル間のシール性確保の対策が十分なされているとはい
い難く、このような観点では、改善の余地が残されてい
るといえる。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、タンディッ
シュ・ノズル（中間ノズル）を上部に内装し溶融性金属
部材と多孔質耐火物からなるフィルターを内蔵した扁平
ノズル本体からなる広幅薄肉鋳片の連続鋳造用ノズルに
おいて、中間ノズルとノズル本体間から大気の巻き込み
を防止してタンディッシュ内の溶湯を移動鋳型内に安定
供給できるノズル構造を提供するものである。
シュ・ノズル（中間ノズル）を上部に内装し溶融性金属
部材と多孔質耐火物からなるフィルターを内蔵した扁平
ノズル本体からなる広幅薄肉鋳片の連続鋳造用ノズルに
おいて、中間ノズルとノズル本体間から大気の巻き込み
を防止してタンディッシュ内の溶湯を移動鋳型内に安定
供給できるノズル構造を提供するものである。
【０００９】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項１は、タ
ンディッシュから移動鋳型内に溶湯を注入する広幅薄肉
鋳片の連続鋳造用ノズルにおいて、タンディッシュ底部
に配設されストッパーにより開度調整される中間ノズル
の下部を、タンディッシュ底部の外側で保持される偏平
ノズル本体の上部開口部に挿通するとともに該ノズル本
体の上部開口部の上端面をタンディッシュ底部外面に当
接・固定し、タンディッシュに扁平ノズル本体固設可能
としたことを特徴とする広幅薄肉鋳片の連続鋳造用ノズ
ルであり、請求項２は、請求項１において、該中間ノズ
ル外周面と該ノズル本体開口部間に形成される空間部に
シール用耐火モルタルを充填したことを特徴とする広幅
薄肉鋳片の連続鋳造用ノズルである。
ンディッシュから移動鋳型内に溶湯を注入する広幅薄肉
鋳片の連続鋳造用ノズルにおいて、タンディッシュ底部
に配設されストッパーにより開度調整される中間ノズル
の下部を、タンディッシュ底部の外側で保持される偏平
ノズル本体の上部開口部に挿通するとともに該ノズル本
体の上部開口部の上端面をタンディッシュ底部外面に当
接・固定し、タンディッシュに扁平ノズル本体固設可能
としたことを特徴とする広幅薄肉鋳片の連続鋳造用ノズ
ルであり、請求項２は、請求項１において、該中間ノズ
ル外周面と該ノズル本体開口部間に形成される空間部に
シール用耐火モルタルを充填したことを特徴とする広幅
薄肉鋳片の連続鋳造用ノズルである。
【００１０】また請求項３は、請求項２において、中間
ノズルと耐火モルタル間に相互の剥離を良好にする易剥
離性の耐火材を介在させたことを特徴とする広幅薄肉鋳
片の連続鋳造用ノズルである。
ノズルと耐火モルタル間に相互の剥離を良好にする易剥
離性の耐火材を介在させたことを特徴とする広幅薄肉鋳
片の連続鋳造用ノズルである。
【００１１】そして請求項４は、請求項１において、タ
ンディッシュ底部とノズル本体上部の接合部に空隙が生
じないように、耐熱シートでパッキングまたはシール用
耐火モルタルを充填したことを特徴とする広幅薄肉鋳片
の連続鋳造用ノズルである。
ンディッシュ底部とノズル本体上部の接合部に空隙が生
じないように、耐熱シートでパッキングまたはシール用
耐火モルタルを充填したことを特徴とする広幅薄肉鋳片
の連続鋳造用ノズルである。
【００１２】
【作用】本発明の請求項１においては、タンディッシュ
の底部に配設された中間ノズルとこれを内装する扁平ノ
ズル本体の上部開口部上端面をタンディッシュ底部外面
に当接・固定してシール性を確保し、鋳造中、ノズル本
体内への大気の巻き込みを防止できるので、溶湯をタン
ディッシュから移動鋳型へ安定供給することができ、安
定鋳造を実現し、鋳片の均質化を容易にする。
の底部に配設された中間ノズルとこれを内装する扁平ノ
ズル本体の上部開口部上端面をタンディッシュ底部外面
に当接・固定してシール性を確保し、鋳造中、ノズル本
体内への大気の巻き込みを防止できるので、溶湯をタン
ディッシュから移動鋳型へ安定供給することができ、安
定鋳造を実現し、鋳片の均質化を容易にする。
【００１３】また、請求項２においては、中間ノズルと
扁平ノズル本体間にシール用耐火モルタルを充填し、さ
らに、請求項３においては、中間ノズルと扁平ノズル本
体上部の接合部に耐熱シートをパッキングまたはシール
用耐火モルタルを充填しているので、シール性をさらに
高めることができる。
扁平ノズル本体間にシール用耐火モルタルを充填し、さ
らに、請求項３においては、中間ノズルと扁平ノズル本
体上部の接合部に耐熱シートをパッキングまたはシール
用耐火モルタルを充填しているので、シール性をさらに
高めることができる。
【００１４】また請求項３では、中間ノズルと扁平ノズ
ルとの分離を容易にできるので、その着脱作業性が良好
であり、この際にノズルを損傷することも少なく、再使
用も可能にし、設備コストの低減も可能にする等の効果
が期待できる。
ルとの分離を容易にできるので、その着脱作業性が良好
であり、この際にノズルを損傷することも少なく、再使
用も可能にし、設備コストの低減も可能にする等の効果
が期待できる。
【００１５】
【実施例】以下に本発明を図１に示す実施例に基づいて
説明する。図１において、１はタンディッシュで、その
底部の外皮鉄皮２の内側には耐火物３が内張されてお
り、耐火ブロック４により形成された中間ノズル挿入孔
６が設けられている。この挿入孔６はその径が下方に向
かい小さくなるような傾斜孔となっており、外皮鉄皮２
を貫通している。
説明する。図１において、１はタンディッシュで、その
底部の外皮鉄皮２の内側には耐火物３が内張されてお
り、耐火ブロック４により形成された中間ノズル挿入孔
６が設けられている。この挿入孔６はその径が下方に向
かい小さくなるような傾斜孔となっており、外皮鉄皮２
を貫通している。
【００１６】この挿入孔６には、上部外周面がこの挿入
孔内面に係止されるテ−パ面になっている中間ノズル５
がタンディッシュ１の内側から挿入されている。この中
間ノズルの下端部は閉鎖端になっておりその近傍の側壁
にはノズル孔５ａが設けられている。
孔内面に係止されるテ−パ面になっている中間ノズル５
がタンディッシュ１の内側から挿入されている。この中
間ノズルの下端部は閉鎖端になっておりその近傍の側壁
にはノズル孔５ａが設けられている。
【００１７】この中間ノズル５の上方には、タンディッ
シュ１からの溶湯供給量を制御するストッパー７が上下
位置調整自在に配設されている。即ち中間ノズル５の上
端面とストッパー７の下端面間の間隙を調整することに
よって、溶湯供給量を制御することができる。
シュ１からの溶湯供給量を制御するストッパー７が上下
位置調整自在に配設されている。即ち中間ノズル５の上
端面とストッパー７の下端面間の間隙を調整することに
よって、溶湯供給量を制御することができる。
【００１８】中間ノズル５の下部は、扁平ノズル本体８
の上部開口部８ａに挿入されており、該上部開口部８ａ
の上端面は、タンディッシュ１の外皮鉄皮２の外面に当
接されており、扁平ノズル本体８は外皮鉄皮２に取り付
けられた支持体９とこの支持体に固定される可動支持部
１０とこれらを固定するボルト・ナット１１により、タ
ンディッシュ１の外皮鉄皮２と一体的に固定される。
の上部開口部８ａに挿入されており、該上部開口部８ａ
の上端面は、タンディッシュ１の外皮鉄皮２の外面に当
接されており、扁平ノズル本体８は外皮鉄皮２に取り付
けられた支持体９とこの支持体に固定される可動支持部
１０とこれらを固定するボルト・ナット１１により、タ
ンディッシュ１の外皮鉄皮２と一体的に固定される。
【００１９】扁平ノズル本体８は、上部と下部に分割さ
れており下部には、中間ノズル５のノズル孔５ａからの
溶湯に圧損を付与するための金網状の溶融性金属１２と
多孔質耐火物からなるフィルタ−１３が内蔵されてお
り、下部閉鎖端の近傍の側壁にはスリット状ノズル８ｂ
が設けられている。また、側部にはこの扁平ノズル本体
の下部、フィルターに対する熱衝撃を緩和するための予
熱または溶湯の温度を調整するための通電加熱用の電極
１４が取り付けられている。
れており下部には、中間ノズル５のノズル孔５ａからの
溶湯に圧損を付与するための金網状の溶融性金属１２と
多孔質耐火物からなるフィルタ−１３が内蔵されてお
り、下部閉鎖端の近傍の側壁にはスリット状ノズル８ｂ
が設けられている。また、側部にはこの扁平ノズル本体
の下部、フィルターに対する熱衝撃を緩和するための予
熱または溶湯の温度を調整するための通電加熱用の電極
１４が取り付けられている。
【００２０】なお、この実施例では、扁平ノズル本体８
の上部開口部８ａの上端面はタンディッシュ１底部の外
皮鉄皮２外面に当接されており、鋳造中、ここからの大
気侵入を抑制できるが、この当接面精度が不十分であっ
たり、熱変形があったりして、当接面間に隙間が生ずる
ことがあるので、大気とノズル内とのシール性をより確
実にするために、中間ノズル５の外周面と扁平ノズル本
体８の上部開口部８ａ間に形成される空間部に、該上部
開口部８ａと中間ノズル５に対して易剥離性の耐火モル
タル１５を充填するとともに、タンディッシュ１底部の
外皮鉄皮２外面と扁平ノズル本体上部の接合部に空隙が
生じないように、耐熱シートを挿入している。ここでい
う易剥離性とは、５００〜８００℃領域で中間ノズル５
或いは偏平ノズル本体８と接着・固化しないものをい
う。
の上部開口部８ａの上端面はタンディッシュ１底部の外
皮鉄皮２外面に当接されており、鋳造中、ここからの大
気侵入を抑制できるが、この当接面精度が不十分であっ
たり、熱変形があったりして、当接面間に隙間が生ずる
ことがあるので、大気とノズル内とのシール性をより確
実にするために、中間ノズル５の外周面と扁平ノズル本
体８の上部開口部８ａ間に形成される空間部に、該上部
開口部８ａと中間ノズル５に対して易剥離性の耐火モル
タル１５を充填するとともに、タンディッシュ１底部の
外皮鉄皮２外面と扁平ノズル本体上部の接合部に空隙が
生じないように、耐熱シートを挿入している。ここでい
う易剥離性とは、５００〜８００℃領域で中間ノズル５
或いは偏平ノズル本体８と接着・固化しないものをい
う。
【００２１】扁平ノズル本体上部にはＡｌ2 Ｏ3 −Ｃ系
あるいはＺｒＢ2 系の耐火物が用いられ、中間ノズル５
にも同様のものが用いられるのが一般的であり、この場
合の易剥離性の耐火モルタルとしては、例えばＡｌ2 Ｏ
3 系或いはＡｌ2 −ＳｉＯ2系、ＭｇＯ系の耐火物が好
適といえる。また、耐熱シートとしては、耐熱温度が１
２００〜１６００℃の繊維状のＡｌ2 −ＳｉＯ2 質を有
機バインダ−を用いて成形した耐火物が好適といえる。
あるいはＺｒＢ2 系の耐火物が用いられ、中間ノズル５
にも同様のものが用いられるのが一般的であり、この場
合の易剥離性の耐火モルタルとしては、例えばＡｌ2 Ｏ
3 系或いはＡｌ2 −ＳｉＯ2系、ＭｇＯ系の耐火物が好
適といえる。また、耐熱シートとしては、耐熱温度が１
２００〜１６００℃の繊維状のＡｌ2 −ＳｉＯ2 質を有
機バインダ−を用いて成形した耐火物が好適といえる。
【００２２】このように、タンディッシュ１と扁平ノズ
ル本体８とを一体化してから、扁平ノズル本体８の下
部、フィルターを通電加熱電極１４で予熱するとともに
移動鋳型に対して位置決めしたのち、ストッパー７を上
げてこのストッパーの下端面と中間ノズル５の上端面間
に所定の間隙を形成し、タンディッシュ１から溶湯を中
間ノズル５を介して扁平ノズル本体８に供給し、溶融性
金属１２、フイルター１３による圧損作用で溶湯を扁平
ノズル本体８内に充満させ、この溶湯を、タンデッシュ
１、中間ノズル５、扁平ノズル本体８間で密に連続させ
て、扁平ノズル本体下部のスリット状ノズル８ｂから移
動鋳型内に供給し、連続鋳造を開始する。定常操業移行
後においては、移動鋳型内におけるメニスカスの位置が
極力変動しないように、ストッパー７の位置を調整し溶
湯供給量が制御される。
ル本体８とを一体化してから、扁平ノズル本体８の下
部、フィルターを通電加熱電極１４で予熱するとともに
移動鋳型に対して位置決めしたのち、ストッパー７を上
げてこのストッパーの下端面と中間ノズル５の上端面間
に所定の間隙を形成し、タンディッシュ１から溶湯を中
間ノズル５を介して扁平ノズル本体８に供給し、溶融性
金属１２、フイルター１３による圧損作用で溶湯を扁平
ノズル本体８内に充満させ、この溶湯を、タンデッシュ
１、中間ノズル５、扁平ノズル本体８間で密に連続させ
て、扁平ノズル本体下部のスリット状ノズル８ｂから移
動鋳型内に供給し、連続鋳造を開始する。定常操業移行
後においては、移動鋳型内におけるメニスカスの位置が
極力変動しないように、ストッパー７の位置を調整し溶
湯供給量が制御される。
【００２３】本発明においては、タンディッシュ１と扁
平ノズル本体８が一体化されており、ノズル内と大気と
のシール性が確保され、ノズル内への大気の巻き込みが
なく溶湯の密な連続性が確保できるので、溶湯供給量の
制御性が良好で、メニスカス位置の変動を抑制し、連続
鋳造操業を安定化することによって均質な薄肉鋳片を安
定的に鋳造することができる。
平ノズル本体８が一体化されており、ノズル内と大気と
のシール性が確保され、ノズル内への大気の巻き込みが
なく溶湯の密な連続性が確保できるので、溶湯供給量の
制御性が良好で、メニスカス位置の変動を抑制し、連続
鋳造操業を安定化することによって均質な薄肉鋳片を安
定的に鋳造することができる。
【００２４】図２は、本発明のノズルを用いた場合と、
従来のタンディッシュ・ノズルと扁平ノズル本体が分割
されているタイプのノズルを用いた場合における、移動
鋳型内メニスカス位置の経時変化を、また図３はタンデ
ィッシュ・ストッパー開度の経時変化を示したものであ
る。
従来のタンディッシュ・ノズルと扁平ノズル本体が分割
されているタイプのノズルを用いた場合における、移動
鋳型内メニスカス位置の経時変化を、また図３はタンデ
ィッシュ・ストッパー開度の経時変化を示したものであ
る。
【００２５】これらの図からも明らかなように、従来の
分割タイプのノズルでは大幅な変動があるのに対して、
本発明のノズルでは極めて安定している。移動鋳型内メ
ニスカス位置の変動現象はタンディッシュ１からの溶湯
流がみだれ、移動鋳型内の溶湯面が変動していることを
表しており、この現象は溶湯流が大気を巻き込んで、溶
湯流の連続性が損なわれたことに起因して生ずることが
多い。
分割タイプのノズルでは大幅な変動があるのに対して、
本発明のノズルでは極めて安定している。移動鋳型内メ
ニスカス位置の変動現象はタンディッシュ１からの溶湯
流がみだれ、移動鋳型内の溶湯面が変動していることを
表しており、この現象は溶湯流が大気を巻き込んで、溶
湯流の連続性が損なわれたことに起因して生ずることが
多い。
【００２６】また、タンディッシュ・ストッパー開度の
変動（振れ）現象は、移動鋳型内の溶湯面の変動に起因
して生ずることが多い。このような現象が生ずると、タ
ンデッシュ・ストッパーによる溶湯供給量の制御性が低
下し、連続鋳造操業を安定化することができず、均質な
薄肉鋳片を鋳造することはできない。
変動（振れ）現象は、移動鋳型内の溶湯面の変動に起因
して生ずることが多い。このような現象が生ずると、タ
ンデッシュ・ストッパーによる溶湯供給量の制御性が低
下し、連続鋳造操業を安定化することができず、均質な
薄肉鋳片を鋳造することはできない。
【００２７】本発明のノズルを用いた場合には、移動鋳
型内メニスカス位置の経時変化、タンデッシュ・ストッ
パー開度経時変化とも極めて小さく、タンディッシュか
らの溶湯供給量の制御性も良く、極めて安定した連続鋳
造操業ができ、均質な薄肉鋳片を鋳造することができ
る。
型内メニスカス位置の経時変化、タンデッシュ・ストッ
パー開度経時変化とも極めて小さく、タンディッシュか
らの溶湯供給量の制御性も良く、極めて安定した連続鋳
造操業ができ、均質な薄肉鋳片を鋳造することができ
る。
【００２８】なお、本発明は、この実施例に限られるも
のではなく、請求項１〜請求項４の構成を満足する範囲
内で適宜構成を変更することができるものである。例え
ば、この実施例では、耐熱シート１６は繊維状のＡｌ2
Ｏ3 −ＳｉＯ2 系のものを用いているが、Ａｌ2 Ｏ3 系
のシール用のモルタルでも良く、さらに、扁平ノズル本
体８はタンディッシュ１の外皮鉄皮２に設けた支持体９
に可動支持部１０、ボルト・ナット１１によってタンデ
ィッシュ１の外皮鉄皮２の外面に当接・固定し、タンデ
ィッシュに扁平ノズルを固設可能としているが、支持体
９を別設して、扁平ノズル本体８を適宜の手段で支持し
タンディッシュ１の外皮鉄皮２の外面に当接・固定して
も良い。
のではなく、請求項１〜請求項４の構成を満足する範囲
内で適宜構成を変更することができるものである。例え
ば、この実施例では、耐熱シート１６は繊維状のＡｌ2
Ｏ3 −ＳｉＯ2 系のものを用いているが、Ａｌ2 Ｏ3 系
のシール用のモルタルでも良く、さらに、扁平ノズル本
体８はタンディッシュ１の外皮鉄皮２に設けた支持体９
に可動支持部１０、ボルト・ナット１１によってタンデ
ィッシュ１の外皮鉄皮２の外面に当接・固定し、タンデ
ィッシュに扁平ノズルを固設可能としているが、支持体
９を別設して、扁平ノズル本体８を適宜の手段で支持し
タンディッシュ１の外皮鉄皮２の外面に当接・固定して
も良い。
【００２９】また、シール用耐火モルタル１５はタンデ
ィッシュ１の外皮鉄皮２の外面と偏平ノズル本体８との
当接・固定状態等を考慮して必要に応じて用いるもので
ある。さらに、扁平ノズル本体８は上部と下部が分割さ
れているが、一体のものでも良い。
ィッシュ１の外皮鉄皮２の外面と偏平ノズル本体８との
当接・固定状態等を考慮して必要に応じて用いるもので
ある。さらに、扁平ノズル本体８は上部と下部が分割さ
れているが、一体のものでも良い。
【００３０】
【発明の効果】本発明においては、タンディッシュ底部
に配設した中間ノズルを偏平ノズルの上部開口部に挿通
するとともに、この上部開口部の上端面をタンディッシ
ュ底部外面に当接・固定して、大気とノズル内とのシー
ル性を高め、ノズル内への大気の巻き込みを防止して、
タンディッシュからの溶湯流を密な連続流とし、溶湯供
給量の制御性を高めて、移動鋳型への溶湯の安定供給を
可能にすることができるので、連続鋳造操業を安定化し
均質な薄肉鋳片を鋳造することができる。
に配設した中間ノズルを偏平ノズルの上部開口部に挿通
するとともに、この上部開口部の上端面をタンディッシ
ュ底部外面に当接・固定して、大気とノズル内とのシー
ル性を高め、ノズル内への大気の巻き込みを防止して、
タンディッシュからの溶湯流を密な連続流とし、溶湯供
給量の制御性を高めて、移動鋳型への溶湯の安定供給を
可能にすることができるので、連続鋳造操業を安定化し
均質な薄肉鋳片を鋳造することができる。
【００３１】なお、中間ノズル外周面と扁平ノズル本体
の上部空間部に形成される空間部にシール用耐火モルタ
ルを充填し、さらに、タンディッシュ底部と扁平ノズル
本体上部の接合部に空隙が生じないように、耐熱シート
でパッキングまたはシール用耐火モルタルを充填すれ
ば、シール効果をより確かものにすることができる。こ
の場合、シール用耐火モルタルの材料を扁平ノズル本体
或いは中間ノズルに対して、易剥離性のものを用いるこ
とによって、ノズル交換をする場合等の着脱を容易にで
きる。
の上部空間部に形成される空間部にシール用耐火モルタ
ルを充填し、さらに、タンディッシュ底部と扁平ノズル
本体上部の接合部に空隙が生じないように、耐熱シート
でパッキングまたはシール用耐火モルタルを充填すれ
ば、シール効果をより確かものにすることができる。こ
の場合、シール用耐火モルタルの材料を扁平ノズル本体
或いは中間ノズルに対して、易剥離性のものを用いるこ
とによって、ノズル交換をする場合等の着脱を容易にで
きる。
【図１】本発明の実施例を示す断面説明図。
【図２】本発明の効果説明グラフ。
【図３】本発明の効果説明グラフ。
【図４】従来例を示す立面説明図。
【図５】従来例を示す断面説明図。
１：タンディッシュ ２：外皮鉄皮 ３：内張耐火物 ４：耐火ブロック ５：中間ノズル ６：挿入孔 ７：ストッパー ８：扁平ノズル本体 ９：支持体 １０：可動支持部 １１：ボルト・ナット １２：溶融性金属 １３：フィルタ− １４：通電加熱用電極 １５：シール用耐火モルタル １６：耐熱シート ａ：内ノズル ｂ：外ノズル ｃ：鋳片 ｆ：多孔質耐火物 ｄ：溶融性金属部材 ｅ：溶湯 ｐ：湯溜り部 Ｒａ，Ｒｂ：冷却ドラム Ｓａ，Ｓｂ：サイド堰 ｏ スリット状ノズル孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新井 貴士 山口県光市大字島田3434番地 新日本製鐵 株式会社光製鐵所内 (72)発明者 築地 秀男 福岡県北九州市八幡西区東浜町１番１号 黒崎窯業株式会社内 (72)発明者 小山 敏弘 福岡県北九州市八幡西区東浜町１番１号 黒崎窯業株式会社内 (72)発明者 井上 幸生 千葉県君津市君津１番地 新日本製鐵株式 会社君津製鐵所サービスセンター黒崎窯業 株式会社君津支社内
Claims (4)
- 【請求項１】 タンディッシュから移動鋳型内に溶湯を
供給する広幅薄肉鋳片の連続鋳造用ノズルにおいて、タ
ンディッシュ底部に配設されストッパーにより開度調整
される中間ノズルの下部を、タンディッシュ底部の外側
で保持され扁平ノズル本体の上部開口部に挿通するとと
もに該開口部上端面をタンディッシュ底部外面に当接・
固定し、タンディッシュに扁平ノズル本体を固設可能と
したことを特徴とする広幅薄肉鋳片の連続鋳造用ノズ
ル。 - 【請求項２】 請求項１において、中間ノズル外周面と
扁平ノズル本体の上部開口部間に形成される空間部にシ
ール用耐火モルタルを充填したことを特徴とする広幅薄
肉鋳片の連続鋳造用ノズル。 - 【請求項３】 請求項２において、シール用耐火モルタ
ルが、中間ノズル外周面、扁平ノズル本体上部開口部に
対して易剥離性のものであることを特徴とする広幅薄肉
鋳片の連続鋳造用ノズル。 - 【請求項４】 請求項１において、タンディッシュ底部
と扁平ノズル本体上部の接合部に空隙が生じないよう
に、耐熱シートでパッキングまたはシール用耐火モルタ
ルを充填したことを特徴とする広幅薄肉鋳片の連続鋳造
用ノズル。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5212753A JP3043927B2 (ja) | 1993-08-27 | 1993-08-27 | 広幅薄肉鋳片の連続鋳造用ノズル |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5212753A JP3043927B2 (ja) | 1993-08-27 | 1993-08-27 | 広幅薄肉鋳片の連続鋳造用ノズル |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0760413A true JPH0760413A (ja) | 1995-03-07 |
| JP3043927B2 JP3043927B2 (ja) | 2000-05-22 |
Family
ID=16627849
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5212753A Expired - Fee Related JP3043927B2 (ja) | 1993-08-27 | 1993-08-27 | 広幅薄肉鋳片の連続鋳造用ノズル |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3043927B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6810091B1 (en) | 1998-04-22 | 2004-10-26 | Nippion Precision Circuits, Inc. | Digital data deinterleaver |
-
1993
- 1993-08-27 JP JP5212753A patent/JP3043927B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6810091B1 (en) | 1998-04-22 | 2004-10-26 | Nippion Precision Circuits, Inc. | Digital data deinterleaver |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3043927B2 (ja) | 2000-05-22 |
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