JPH0760157B2 - 尿中成分の定量分析方法 - Google Patents

尿中成分の定量分析方法

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JPH0760157B2
JPH0760157B2 JP2417139A JP41713990A JPH0760157B2 JP H0760157 B2 JPH0760157 B2 JP H0760157B2 JP 2417139 A JP2417139 A JP 2417139A JP 41713990 A JP41713990 A JP 41713990A JP H0760157 B2 JPH0760157 B2 JP H0760157B2
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茂雄 今井
征夫 軽部
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株式会社イナックス
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は水晶振動子を用いた尿
中の蛋白等特定成分の定量分析方法に関する。
【0002】
【従来の技術】尿中の蛋白の量を知ることは、生体の状
態に関する情報を得る方法として有用な方法である。そ
こで近時、図4に示しているように各家庭等のトイレ
(便器)100に尿中成分の測定装置を設け、これを電
話回線102で医療機関104と結んで、各家庭等で得
られたデータをオンラインで医療機関104に送り、医
療機関104において患者の健康状態をチェックできる
ようにすることが構想されている。
【0003】このシステムは、早朝起床尿の成分を測定
出来るという点で大きなメリットがある。尿中成分は日
差変動が大きく、食事内容と運動負荷状態,環境等によ
って影響を受け易い。従って検尿の日時によって尿中成
分は大きく変動する。このような影響を受けにくいのが
臨床的に早朝起床尿(早朝第一尿)とされており、而し
て上記構想によれば、この早朝起床尿を容易に採尿で
き、尿中成分を測定できるメリットがあるのである。
【0004】従来、尿中の蛋白の測定方法として主に臨
床的に用いられている方法は、採取した尿を含む液を酸
性として蛋白を正に帯電させ、そしてこれにスルホサリ
チル酸を加えて蛋白とスリホサリチル酸との反応による
塩を沈澱せしめ、その沈澱により液に濁りが出ることを
利用したものである。詳述すると、まず蛋白量が既知
の、且つその含量が種々異なった尿中にスルホサリチル
酸を加えて沈澱生成せしめる。一方蛋白量の未知の尿に
ついても同様の操作を施して濁りを生ぜしめる。そして
蛋白量未知の試料の濁度を蛋白量が既知のものの濁度と
目視で比較することにより、蛋白量を知るといったもの
である。
【0005】尿中蛋白の測定方法としては、この外、試
料の濁度を吸光度計により測定する方法も行われてい
る。即ち濁りを与えた試料に特定波長の光を当てて、試
料の吸光度を測定するといったものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の方法は操作が煩雑であり、測定のために多大な手間と
時間とを要してしまう外、測定精度の点でも充分に満足
のいくものでなかった。また吸光度計を用いた方法では
セルの汚れが問題となり、これが測定誤差を生ぜしめる
といった問題が存していた。
【0007】そこで後者の方法にあっては、セルの汚れ
が影響しないように測定に当っては注意を払い、またセ
ルを清浄に保つように充分なメンテナンスを行うように
しており、こうした作業が面倒且つ煩雑な作業となって
いた。
【0008】またこれらの方法は、医療機関において行
う場合はよいが、上述のように家庭内のトイレにおいて
行う尿中成分の測定方法としては採用困難であり、前述
した構想を現実化する上においても簡便且つ容易,正確
に尿中成分を測定し得る方法の実現が望まれるところで
あった。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような課題
を解決するためになされたものであり、その要旨は、採
取した尿中に沈澱剤を加えて尿中の蛋白等特定種類の生
体関連物質を水晶振動子表面上に沈澱せしめ、その沈澱
前後における水晶振動子の発振周波数変化を測定するこ
とにより、前記特定関連物質の量を求めることにある。
【0010】[作用及び発明の効果]本発明者は、水晶
振動子表面上に付着物質がある場合、水晶振動子の発振
周波数が変化する性質を有することに着目し、これを尿
中成分の測定に適用できないかと考え、そこで尿中成分
の内の特定成分に所定の沈澱剤を作用させて水晶振動子
表面上に沈澱させ、その沈澱量と水晶振動子の発振周波
数変化とを求めたところ、それらの間に良好な比例関係
があることを見出し、本発明を完成させた。
【0011】図3はかかる本発明の原理をモデル的に示
したものである。図に示しているように本発明では、尿
を含む液1中に沈澱剤を作用させて、尿中に溶けている
蛋白2等特定成分を水晶振動子3の表面上に沈澱させ
る。すると水晶振動子3の発振周波数が変化し、そして
その周波数変化は水晶振動子3表面の沈澱量に比例する
ことから、水晶振動子3の周波数変化を測定し、以て尿
中成分の量を定量的に求めようとするものである。
【0012】かかる本発明によれば、従来の方法のよう
に尿中成分の測定に際して成分濃度が既知の且つ濃度の
異なった(濁度の異なった)複数の比較サンプルを用意
するといったことが必要でなく、簡単な操作で且つ短い
時間で測定を行うことができる。また吸光度測定の場合
のように、セルの汚れが測定値に影響を与えるといった
不具合を回避できる。
【0013】尚、本発明方法によれば尿中成分を自動的
に、装置的に簡便に測定することが可能となり、これに
より上述したように各家庭等と医療機関とをオンライン
で結んで患者の健康状態のチェックを行う構想を現実の
ものとすることができる。
【0014】本発明方法の場合、尿中成分を高精度で定
量分析することができる。例えば尿中蛋白の場合、5m
g/dlまで正確に測定できることが確認されている。
【0015】尿中蛋白の測定において、蛋白尿陽性と判
定される下限値は、尿中に蛋白が150mg/日検出さ
れた場合であり、これを1回あたりの尿中蛋白の量に換
算すると、15mg/dlとなる。即ち15mg/dl
以下であれば健常人であり、15mg/dl以下の数値
は特に問題とならないのである。
【0016】このため、従来尿中蛋白の測定方法として
簡便に行われている試験紙を用いた方法、具体的には尿
中に試験紙を浸漬してその色の変化により蛋白が出てい
るか否かを判定する方法においても、判定可能な量が1
5mg/dlとされている。これより少ない蛋白量につ
いてはこの試験紙による方法では判別困難であり、また
前述した濁りを目視により判定する方法においても、1
5mg/dl以下の量は目視による判定は困難である。
しかるに本発明によれば、5mg/dlまでも容易に測
定することができ、高精度で尿中蛋白量を知ることがで
きるのである。
【0017】
【実施例】次に本発明を更に明確にすべく、以下にその
実施例を詳述する。標準用蛋白としてのBSA(牛血清
アルブミン)溶液(0.1M,リン酸緩衝液PH=7.
0)500μlに5%酢酸を加えて液を酸性状態とし、
その液中に水晶振動子を浸漬状態で発振周波数を測定し
た。次に液中に20%スルホサリチル酸を30μl加え
て、液中に溶解していたBSAを液中に浸漬状態の水晶
振動子表面上に沈澱させ、水晶振動子の発振周波数を測
定した。このようにしてBSA量の種々異なる液につい
て同様の試験を行い、水晶振動子の発振周波数変化とB
SA量の関係を求めた。図2はこの結果を表している。
図2から、BSA量と周波数変化とは比例関係にあるこ
と、また発振周波数変化を測定することによってBSA
量5mg/dl程度まで精度良く検出できることが分か
る。
【0018】次に図1は、便器に受けた尿の中の蛋白を
自動的に測定する場合の例を示したもので、図中10は
測定セルであり、水晶振動子12及びこれをサンドイッ
チ状に挟む一対の電極14を有している。この測定セル
10は、恒温槽13の水の循環流によって一定温度に保
持されるようになっている。
【0019】16は発振回路でこれには周波数カウンタ
ー18が接続され、この周波数カウンター18にマイク
ロコンピューター20が接続されている。マイクロコン
ピューター20は、測定データの演算処理を行う。
【0020】上記恒温槽13内には、酢酸溶液24,ス
ルホサリチル酸溶液26をそれぞれ収容する容器が保持
されており、それぞれ反応コイル28の上流側及び下流
側において管路29に接続されている。スルホサリチル
酸26を収容する容器と管路29との接続部には電磁弁
30が配設されており、流路の切替がなされるようにな
っている。尚34は便器36に設けられた採尿シリンダ
で、32は定量ポンプである。
【0021】この実施例では、便器36中に放出された
尿の一部が採尿シリンダ34に採取されてここから管路
29中に送られ、そしてその途中でこれに酢酸24が加
えられてそれらが反応コイル28を通過する際に充分に
混合される。混合液は電磁弁30を経てセル10内に送
られ、水晶振動子12がその液中に浸漬される。この状
態で水晶振動子12が発振させられ、その発振周波数が
周波数カウンタ18によってカウントされ、マイクロコ
ンピュータ20に送られる。
【0022】次に電磁弁30が操作されて尿と酢酸24
との混合液中にスルホサリチル酸26が加えられ、それ
らの混合液がセル10内に導かれる。而してスルホサリ
チル酸26が加えられ、その混合液がセル10に導かれ
ると、水晶振動子12表面上に蛋白とスルホサリチル酸
との塩が沈澱する。そこで沈澱後の水晶振動子12の発
振周波数を再び周波数カウンタ18にてカウントし、マ
イクロコンピュータ20に送るとそこで演算処理が行わ
れ、蛋白の量が導き出される。
【0023】本方法によれば、特別な操作を施さなくて
も尿中の蛋白を自動的に測定することができ、場合によ
ってその測定データをオンラインで医療機関へ送るよう
にすることができる。このようにすれば、便器使用者で
ある患者の健康状態を、通常の日常生活の中で自動的に
チェックできるようになる。
【0024】尚、本方法においてスルホサリチル酸26
と反応して沈澱した蛋白は水晶振動子12表面に付着せ
ず、次の液が送られてくると自動的に洗い流されるが、
スルホサリチル酸26と反応する前の未反応の蛋白につ
いては、水晶振動子12表面に付着する恐れがある。而
してこのような付着が次々と行われて累積していくと、
測定誤差を生じる原因となる。
【0025】このような場合、1回の測定毎に水晶振動
子12表面上の蛋白を脱離させるための脱離剤を流すよ
うにすると好都合である。ここで蛋白の脱離剤としては
ペプシン,プロテアーゼ等の蛋白分解酵素や界面活性
剤,酸その他のものを用いることができる。因みに10
回の測定において2回目以降にプロテアーゼを用いて蛋
白の脱離処理を行った場合、処理を行わなかったものに
比較し、CV値において約3倍の再現性が見られた。表
1はその比較結果を示している。尚ここでCV値とは、
式数1に表わされる値であって標準偏差Sの、平均値X
バーに対する相対値で、変動係数と呼ばれる。
【0026】
【数1】
【0027】
【表1】
【0028】以上本発明の実施例を詳述したが、これは
あくまで本発明の一例示であり、本発明はその主旨を逸
脱しない範囲において、当業者の知識に基づき様々な変
更を加えた態様で実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において得られたBSA濃度と水晶振動
子の発振周波数変化との関係を示す図である。
【図2】本発明の一実施例を示す系統図である。
【図3】本発明の原理の説明図である。
【図4】本発明の一利用形態を示す説明図である。
【符号の説明】
10 測定セル 12 水晶振動子 16 発振回路 18 周波数カウンタ 24 酢酸 26 スルホサリチル酸

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 採取した尿中に沈澱剤を加えて、尿中の
    蛋白等特定種類の生体関連物質を水晶振動子表面上に沈
    澱せしめ、その沈澱前後における水晶振動子の発振周波
    数変化を測定することにより、前記特定関連物質の量を
    求めることを特徴とする尿中成分の定量分析方法。
JP2417139A 1990-12-28 1990-12-28 尿中成分の定量分析方法 Expired - Fee Related JPH0760157B2 (ja)

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