JPH075986Y2 - ハンマーの構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （本考案の目的及び産業上の利用分野） 本考案は打撃部と把手部とよりなる手工具ハンマーの構
造に関するもので、一般用は勿論、建築、建具、機械組
立その他の産業分野に汎く利用することができる。

（従来構造の問題点） 手工具用ハンマーにおいて、釘その他の固着具の打込み
固定は、例えば金槌による固定の場合、先づ初めに片方
の手指に支持した釘等の固着具を目的物の固定部分に当
接し、他方の手に把持した金槌で軽く打込み固定した
後、支持した手指を離して更に強打して、確実に固定す
るのが従来の一般的な固定手段である。

而し手先を使つて釘等を支持してする最初の打込みに際
しては、一般人は勿論のこと技術者においても屡々支持
した手指を誤つて打ち損じ怪我をすることは日常経験す
るところである。

又これを業とする建築、建具等の技術者は高所や建物の
隅角等、狭い場所での作業においては上述の従来型のハ
ンマーによる打込み、固定手段は最初の打込みは両手操
作を必要とするので作業場所によつては体をねじつた
り、両手が使えないので高所での危険を伴つたりする難
点があり、作業の安全性、能率性に欠ける面があつた。

本考案は、上述の難点に鑑みこれを解消することを目的
としてなされたものである。

（本考案の構成及び実施例） ハンマーの打撃部において、打撃部の両側叩打面を平面
に形成し、一側を本打用叩打部、反対側を仮止用の叩打
部とし、仮止用の叩打部は、釘等のサイズに合わせて１
個もしくは複数の仮止挿着孔を設け、その仮止挿着孔に
は挿着孔周囲に突子と前記突子に強制嵌着し、かつ爪を
備えた弾性リングを設け、仮止用挿着孔に挿着した釘等
を仮止して抜け落ちを抑止するように設けた構成に係る
ものである。

以下本考案の適切な実施例を図示説明する。第１図〜第
６図は本考案の具体的な実施態様を示す打撃部１と把手
部２とよりなる手工具ハンマーの各部を示す部分図で、
打撃部は両側を平面に形成し、一側に仮止用叩打用1a、
他側に本打用叩打部1bを設け、仮止用叩打部1aは見分け
易い様に本打用叩打用1bより細径とし、材質は鉄等の金
属、木製又は硬質の合成樹脂等、打撃強度性のある材質
であればよい。

仮止用叩止部1aには叩打面の中央に挿着孔３を穿設し、
第７図のように釘ｔその他の固着具の頭部及び軸の一部
を着脱可能に挿入する。挿着孔３は第２図のように叩打
面の中央に１ケ所もしくは、第４図のように釘ｔの太さ
サイズの合わせた複数の挿着孔３、４を設け、挿着孔の
深さも釘等の固着具に合わせ適宜穿設する。

又挿着孔は打撃部の長さ方向側面の略中央部に孔径の小
さい挿着孔５を設け短寸の釘を打ちつける係止孔として
もよい。６は挿着孔の基部に埋設した磁性体である。第
３図のように把手の頭部に楔形磁性体７のように取着
し、あるいは叩打部1aを磁性体に形成し一体に連結して
もよい。（図示省略） いづれも挿着孔に挿入した釘ｔ等の固定具を仮止係止す
る作用をする。８は挿着孔の周囲に設けた突子で、９は
該突子８に強制嵌着する係止リングである。第５図のよ
うにリング体の内周に爪9aを突設する。係止リングはゴ
ム、合成樹脂等の弾性体で形成し、挿着孔周囲の突子８
の強制嵌着した際、爪9aが挿着孔に挿着した釘等を弾性
圧着しハンマーを振り回した際、釘等の抜け落ちを抑止
する作用をする。

尚係止体としては係止リングの外に挿着孔内周にスプリ
ングを装着してもよい。（図示省略） このように挿着孔、磁性体及び係止リング等は釘ｔ等の
固着具を目的物への打込みの際に先づ釘の一端をハンマ
ーの挿着孔に抜け落ちない程度に仮止して片手打ちを可
能にする機能を果すものである。

又ハンマーや打撃部の構造は上述の実施例に限定される
ものではなく適宜形状等設計変更して実施する。

上述の構造の本考案ハンマーは使用の際は第７図のよう
に釘ｔその他の固着具を仮止用叩止部1aの挿着孔に差し
込み磁性体及び係止リング又はそのいづれかによりハン
マー先端又は側面部に係着支持させて目的物に軽く打込
み、更に反対側の本打用叩打部1bで強打し確実に打込み
固定させる。

従つてハンマーを把持した片手操作で釘等の固着具の固
定が簡単にできる。

（本案の効果） 本考案は上述の構造作用を備えた新規なハンマー構造で
あるので、釘等の打込み打撃操作をすべて片手操作で簡
単に作業することができるので、高所や、建物の突端、
窮屈な場所でも片手が自由に利用できるので安全確実な
釘打や作業の能率を高める効果がある。

又釘を支持した手指の打ち損じによる怪我等の事故防止
にも有効である。

構造的には挿着孔に釘等の一端を差し込み磁性体や係止
リングで仮止係着しておくのでハンマーを大きく振つて
も釘等が抜け落るおそれもなく片手操作による打込み作
用を有効に果す効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す部分断面図、第２図は
叩打部1aの正面図、第３図は叩打部1aの他の実施例図、
第４図は叩打部1aの他の実施例正面図、第５図は係止リ
ング８の正面図、第６図は第２図の叩打部1aに係止リン
グを嵌着した正面図、第７図は本考案の使用例を示す全
体図、 図面において１は打撃部、1aは仮止用叩打部、1bは本打
用叩打部、２は把手、３、４、５は挿着孔、６は磁性
体、７は楔形磁性体、８は突子、９は係止リング、ｔは
釘を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ハンマーの打撃部に釘等の挿着孔及び磁性
   体を取付け、Ｔ状に構成したハンマーの打撃部におい
   て、打撃部の両側叩打面を平面に形成し、一側を本打用
   叩打部、反対側を本打用叩打部より細径の仮止用の叩打
   部とし、仮止用の叩打部は、釘等のサイズに合わせて１
   個もしくは複数の仮止挿着孔を設け、その仮止挿着孔に
   は挿着孔周囲に突子と前記突子に強制嵌着し、かつ爪を
   備えた弾性リングを設け、前記弾性リングの爪は仮止用
   挿着孔に挿着した釘等の抜け落ちを仮止するように設け
   てなることを特徴とするハンマーの構造。