JPH0759175A - フィールドネットワーク伝送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、伝送路の使用効率を改善することを
目的とする。 【構成】本フィールドネットワーク伝送装置は、他局へ
送信すべきサンプリングデータと、そのサンプリングデ
ータのサンプリング時よりも少なくとも１周期前のサン
プリングデータとの排他論理和をとり、その排他論理和
データを出力する排他論理和手段５と、前記排他論理和
手段５から出力される排他論理和データのビット列を判
断し、そのビット列を形成する各デジタル値の連続性に
基づいたデータ圧縮を行う圧縮手段７と、前記圧縮手段
７でデータ圧縮した圧縮データを、サンプリングデータ
として前記他局へ送信する送信手段９とを具備して構成
される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、分散制御システムにお
けるフィールド機器の制御データを伝送する装置に係
り、さらに詳しくは、制御データの伝送効率を改善する
ためのフィールドネットワーク伝送装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般的な分散制御システムは、フィール
ドネットワークに複数のプロセスコントローラが接続さ
れ、それら各プロセスコントローラが種々のフィールド
機器の入出力動作を管理している。フィールドネットワ
ーク上のプロセスコントローラは、自局のフィールド機
器の制御データを同じフィールドネットワーク上に接続
されている他局のプロセスコントローラへ送信すると共
に、他局のプロセスコントローラから送られてくる制御
データを受信している。

【０００３】上記各プロセスコントローラ間でのデータ
伝送には、スキャン伝送又はサイクリック伝送と呼ばれ
る伝送方式が採用されている場合が多い。この伝送方式
は、フィールドネットワークの送信局で伝送対象のデー
タ発生源を周期的にサンプリングし、そのサンプリング
で得られた全データを、他の受信局へ向けて送信する方
式である。

【０００４】ところで、上述した分散制御システムで
は、周期的にサンプリングされるデータは、前回のサン
プリングで得られたデータと変わらないことが多いた
め、同一内容のデータを送信し続けている場合が多い。
しかし、各サンプリングで得られるデータは、その値に
変化がなくても時事示刻々と変化するフィールドの状態
を示す情報にかわりはないので必ず送信しなければなら
ない。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】このように、従来の分
散制御システムにおけるデータ伝送は、ほぼ内容の同じ
データであるにも拘らず、データ伝送路の占有率が高
く、データ伝送の性能アップを妨げる要因となってい
た。

【０００６】本発明は、以上のような実情に鑑みてなさ
れたもので、サンプリングデータを有効にデータ圧縮し
て伝送することにより伝送路の使用効率を改善できると
共に全サンプリングデータと同じ内容のデータを受信局
に対して送信できるフィールドネットワーク伝送装置を
提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明のフィールドネットワーク伝送装置は、離散的
に変化する入力データを周期的にサンプリングし、その
サンプリングデータをデジタル化して他局へ送信するも
のにおいて、他局へ送信すべきサンプリングデータと、
そのサンプリングデータのサンプリング時よりも少なく
とも１周期前のサンプリングデータとの排他論理和をと
り、その排他論理和データを出力する排他論理和手段
と、前記排他論理和手段から出力される排他論理和デー
タのビット列を判断し、そのビット列を形成する各デジ
タル値の連続性に基づいたデータ圧縮を行う圧縮手段
と、前記圧縮手段でデータ圧縮した圧縮データを、サン
プリングデータとして前記他局へ送信する送信手段とを
具備する構成とした。

【０００８】

【作用】本発明のフィールドネットワーク伝送装置で
は、他局へ送信すべきサンプリングデータが排他論理和
手段に入力されて、そのサンプリングデータのサンプリ
ング時よりも少なくとも１周期前のサンプリングデータ
との排他論理和がとられ、その排他論理和データが出力
される。その排他論理和データは圧縮手段に入力され、
そこで排他論理和データのデジタル値の連続性に基づき
データ圧縮される。そして圧縮手段でデータ圧縮された
サンプリングデータが送信手段によって他局へ送信され
る。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。図
１には本発明の一実施例に係るフィールドネットワーク
伝送装置の構成が示されている。

【００１０】本実施例のフィールドネットワーク伝送装
置は、ある種のプラント設備の制御システムにおいて、
通信回線を介して接続された複数の各プロセス制御部に
それぞれ備えられており、自局のフィールドからサンプ
リングしたデータを後述する手段により圧縮し、その圧
縮データをシステムのサイクリック伝送機能（スキャン
伝送）を使ってネットワーク上へ送出することにより他
局へデータ伝送する。

【００１１】このフィールドネットワーク伝送装置は、
該当するフィールドの外部プロセス１からビット毎，ワ
ード毎に離散的に入力する各種のデータを入力バッファ
メモリ２に保存する。入力バッファメモリ２の保存デー
タはサンプリング回路３が周期的にサンプリングしてキ
ューバッファ４へ蓄える。キューバッファ４には、前回
のサンプリングで得られた前回サンプリングデータと、
今回のサンプリングで得られた今回サンプリングデータ
とが保持され、その両方のサンプリングデータを排他論
理和回路５へ並列に送出する。排他論理和回路５は、前
回サンプリングデータと今回サンプリングデータとの同
桁のビット値の排他論理和をとり、その排他論理和値を
排他論理和データ生成回路６へ送出する。排他論理和デ
ータ生成回路６は、排他論理和回路５からの排他論理和
値を、外部プロセス１からの入力データ単位で、「０」
「１」のビット列に変換してデータ圧縮回路７へ出力す
る。データ圧縮回路７は、排他論理和データ生成回路６
からの入力ビット列データを既知のデータ圧縮方式であ
るエリアス符号化方式に基づいてデータ圧縮する。デー
タ圧縮回路７で圧縮したデータを送信バッファメモリ８
に保存し、データ伝送回路９が送信バッファメモリ８か
らデータを読出してシステムのサイクリック伝送機能を
使って他の局へデータ伝送する。

【００１２】次に、以上のように構成された本実施例の
動作について説明する。本実施例では、外部プロセス１
から図２に示すようなサンプリング対象データＡ，Ｂ，
Ｃ，Ｄ，Ｅ…が入ってくると、逐次入力バッファメモリ
２に保存される。Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄ，Ｅ…は、それぞれ１
ワード（１６ビット）で構成される２進符号データであ
る。

【００１３】サンプリング回路３は、入力バッファメモ
リ２に保存されているデータを周期的にサンプリングし
てキューバッファ４に蓄える。キューバッファ４は、立
ち上げ時を除いて、前回サンプリングデータＡｏ，Ｂ
ｏ，Ｃｏ，Ｄｏ，Ｅｏ…と今回サンプリングデータＡ
１，Ｂ１，Ｃ１，Ｄ１，Ｅ１…が常にセットされる。そ
して、サンプリング回路３により新しいサンプリングデ
ータがサンプリングされると、そのサンプリングデータ
が今回サンプリングデータとしてキューバッファ４へ蓄
えられ、それまで今回サンプリングデータとして蓄えら
れていたデータは前回サンプリングデータに更新され、
それまでの前回サンプリングデータは削除される。

【００１４】排他論理和回路５では、今回サンプリング
データと前回サンプリングデータとを、ワード毎に同桁
のデジタル値を比較して排他論理和をとり、排他論理和
データ生成回路６では、その排他論理和値をワード単位
のビット列に変換して出力する。

【００１５】例えば、図３に示すように、今回サンプリ
ングデータと前回サンプリングデータとが相違していれ
ば、「０」と「１」が混在する排他論理和データＡ２が
得られる。また、図４に示すように、今回サンプリング
データが前回サンプリングデータから変化していなけれ
ば、「０」のみからなる排他論理和データＡ２が得られ
る。

【００１６】データ圧縮回路７では、図３に示す排他論
理和データＡ２が入力すると、その排他論理和データＡ
２の最上位に「１」を付加して１７ビットで符号化した
送信データ（Ａ３）を作成する。なお、最上位の「１」
は、異なるビット長の符号単位を識別するために使われ
る。また、図４に示す排他論理和データＡ２が入力する
と、「０」の１ビットに符号化される。

【００１７】以上のデータ圧縮処理がサンプリングデー
タの各ワード単位に実施される。ここで、今回と前回の
サンプリングデータが異なる場合には、１ワードにつき
１ビット長くなってしまう。しかし、本実施例が適用さ
れる各種プラントのプロセス制御等の分野では、サンプ
リング周期が短く、多くのデータは前回のサンプリング
で得られるデータと同一であるため、図４に示す排他論
理和データＡ２の発生頻度が高い。すなわち、１ワード
につき１６ビットのものを１ビットに圧縮できる。従っ
て、全データのビット長は大幅に圧縮される可能性が高
い。

【００１８】この様にして圧縮されたサンプリングデー
タがデータ伝送回路９からフィールドネットワーク上へ
送出され、所定の他局へ伝送される。受信局は、データ
圧縮回路７が実行する符号化方式に対応した復合化方式
を有している。そして送信局から送られてくる上記圧縮
データＡ３をＡ２へ復合し、さらにＡ２からＡ１を復元
して自局のメモリに蓄える。

【００１９】このように本実施例によれば、前回サンプ
リングデータと今回サンプリングデータとの排他論理和
を各ワード毎にとり、前回と今回でデータが同じ時には
当該ワードを１ビットに短縮して送信するようにしたの
で、前回と今回とでデータの変化が少ない場合には、送
信するデータ長を大幅に短縮することができ、ネットワ
ーク上の伝送路の使用効率を改善することができる。

【００２０】なお、上記一実施例では、サンプリングデ
ータに変化があった場合に、排他論理和値Ａ２に「１」
を付加した送信データＡ３を送信しているが、サンプリ
ングデータの変化を検知したときには今回サンプリング
データに「１」を付したものを送信するようにしても良
い。本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本
発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変形実施可能であ
る。

【００２１】

【発明の効果】以上詳記したように本発明によれば、サ
ンプリングデータを有効にデータ圧縮して伝送すること
により伝送路の使用効率を改善できると共に全サンプリ
ングデータと同じ内容のデータを受信局に対して送信で
きるフィールドネットワーク伝送装置を提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係るフィールドネットワー
ク伝送装置の構成図である。

【図２】サンプリングデータおよび排他論理和データの
データ例を示す図である。

【図３】サンプリングデータに変化がある場合のデータ
例を示す図である。

【図４】サンプリングデータに変化がない場合のデータ
例を示す図である。

【符号の説明】

１…外部プロセス、２…入力バッファメモリ、３…サン
プリング回路、４…キューバッファ、５…排他論理和回
路、６…排他論理和データ生成回路、７…データ圧縮回
路、８…送信バッファメモリ８、９…データ伝送回路。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 離散的に変化する入力データを周期的に
   サンプリングし、そのサンプリングデータをデジタル化
   して他局へ送信するフィールドネットワーク伝送装置に
   おいて、 他局へ送信すべきサンプリングデータと、そのサンプリ
   ングデータのサンプリング時よりも少なくとも１周期前
   のサンプリングデータとの排他論理和をとり、その排他
   論理和データを出力する排他論理和手段と、 前記排他論理和手段から出力される排他論理和データの
   ビット列を判断し、そのビット列を形成する各デジタル
   値の連続性に基づいたデータ圧縮を行う圧縮手段と、 前記圧縮手段でデータ圧縮した圧縮データを、サンプリ
   ングデータとして前記他局へ送信する送信手段とを具備
   したことを特徴とするフィールドネットワーク伝送装
   置。