JPH0758306A - 光センサ素子 - Google Patents

光センサ素子

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JPH0758306A
JPH0758306A JP5199409A JP19940993A JPH0758306A JP H0758306 A JPH0758306 A JP H0758306A JP 5199409 A JP5199409 A JP 5199409A JP 19940993 A JP19940993 A JP 19940993A JP H0758306 A JPH0758306 A JP H0758306A
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light
insulating
thin film
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Hiroyuki Uchida
宏之 内田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 完全密着型イメージセンサに用いられる光セ
ンサ素子のリーク電流を抑制し、かつ光応答速度を速く
する。 【構成】 透光性絶縁基板1上に遮光層として絶縁性黒
色薄膜2を形成し、この上に絶縁膜7を介して光電変換
層8を設ける。この絶縁性黒色薄膜8はカーボン膜,非
晶質シリコンカーボン膜でもよく、さらにカーボンブラ
ックを分散させた架橋構造を有するアクリル系樹脂、も
しくは共役系ポリマー組成物でもよい。次に、光源4に
より原稿5を照射し、反射光を光電変換層8により電気
信号に変換する。これにより、絶縁性黒色薄膜2には、
絶縁性が多少低下しても光の透過率が小さい材料が選択
でき、漏洩光によって引き起こされるリーク電流を抑制
し、かつ金属よりも電気抵抗が低くないため、電界効果
の影響がなく光電変換層8に均一な電界が形成され、光
応答速度が速くなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光センサ素子に関し、特
に原稿の幅と同じ大きさの1次元ラインセンサを形成
し、原稿と密着させながら原稿を相対的移動させながら
画像情報を読み取るファクシミリ装置,イメージリー
ダ,デジタル複写装置等に用いられる低リーク高速光応
答光センサ素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、完全密着型と呼ばれるイメージセ
ンサは、線状に配置した光センサ素子と原稿とを完全密
着させた状態で原稿を移動させることにより、ロッドレ
ンズアレイ,集光性光ファイバー等を不要にし、画像読
み取り装置の低コスト及び小型化等を目的として開発さ
れている。
【0003】図2は、従来の完全密着型イメージセンサ
に用いられている光センサの構造を示す断面図であり、
このような構造は、例えば、特開昭56−27562号
公報に示されている。図2において、透光性絶縁基板1
上には高絶縁性遮光薄膜14が形成され、この高絶縁性
遮光薄膜14に入射窓3が開けられている。この高絶縁
性遮光薄膜14上に島状に光電変換層8が形成されてい
る。そして、光電変換層8の一方の側に透光性電極12
を、他方の側に不透光性電極1を接触させるように設
け、光センサ部6が形成されている。光センサ部6は保
護膜10に覆われており、原稿5はこの保護膜10上に
置かれる。光源4は透光性絶縁基板1に対し光センサ形
成面とは反対側に設けられている。
【0004】次に、従来の光センサの動作について説明
する。光源4から発した照明光が入射窓3により原稿5
の特定の位置を照射する。原稿5から反射してきた反射
光は光センサ部6に到達し、光電変換層8で電気信号に
変換される。このような光センサを原稿と密着させ、照
明光を基板の裏面から入射させ原稿を照明し、反射して
きた光を読みとっている。
【0005】従って、照明光が直接光電変換層8を照射
するとリーク電流が発生するため、光センサ部の基板側
には遮光膜を必要としている。図2に示す構造から判る
ように、光絶縁性遮光膜14は直接光電変換層8に接し
ており、遮光膜は光電変換層8よりも電気抵抗が低いと
リーク電流の原因になる。このため、遮光膜は高抵抗か
つ光吸収係数の大きな物質が必要になるが、現実にはこ
のような2つの特性を同時に満足するものはほとんど知
られていない。
【0006】また、別の構造として遮光膜として光吸収
率の大きな金属膜を用いた例もある。例えば、図3は特
開昭64−71173号公報に記載される完全密着型光
センサの構造を示す断面図である。これは透光性絶縁基
板1上に設けられた金属遮光膜13に入射窓3が開けら
れている。金属遮光膜13上には絶縁膜7,光電変換層
8,電極9からなる光センサ部が形成されている。光セ
ンサは保護膜10に保護されており、原稿5はこの保護
膜10上に置かれる。光源4は透光性絶縁基板1に対し
光センサ部形成面とは反対側に設けられている。
【0007】次に、この動作について説明する。光源4
から発せられた照明光は透光性絶縁基板1を透過し、金
属遮光膜13に開けられた入射部3を通り原稿5に照射
する。照明光は原稿5により乱反射され、その照明光の
一部は光センサ部に入射する。入射した光は光電変換層
8で電気信号が変換される。ここで、光変換層8に直接
照明光が当らないように遮光膜として金属膜が用いられ
るが、この金属膜と光電変換層との間に絶縁膜が形成さ
れているため、遮光膜の電気抵抗が低くてもリーク電流
が発生せず、光吸収係数が大きく遮光性能が優れている
金属膜が使用でき、光センサとしては明暗電流比が大き
くとれるという長所がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように、絶縁性遮
光膜上に直接光電変換層を設ける構造では、遮光膜に高
抵抗性と低透過率性とが同時に要求されるが、実現する
ことは困難であり、実際には遮光膜の特性が不完全なた
め遮光膜の漏洩光による光リーク電流や遮光膜を通じて
流れるリーク電流が増加するという欠点がある。
【0009】一方、遮光膜に金属膜を用い光電変換層と
の間に絶縁層を設ける構造では、前述のようなリーク電
流は低いが、光応答速度が遅くなるという欠点がある。
これは、導電性の金属遮光膜により引き起こされる電界
効果現象により光電変換層の電界分布に不均一性が生
じ、その結果、低電界領域における光キャリアの走行が
遅くなったためであると考えられる。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、透光性絶縁基
板上に形成した遮光層と、前記遮光層上に配置した光電
変換層と、前記光電変換層上に透光性絶縁保護層とを有
する光センサ素子において、前記遮光層と前記光電変換
層との間に絶縁層が形成され、かつ前記遮光層が絶縁性
黒色薄膜であることを特徴とする。
【0011】また、前記絶縁性黒色薄膜が、カーボン膜
もしくは非晶質シリコンカーボン膜からなってもよく、
さらに、カーボンブラックを分散させた架橋構造を有す
るアクリル系樹脂、もしくは共役系ポリマー組成物であ
ってもよい。
【0012】
【作用】遮光膜に金属膜を用いた場合に光応答速度が遅
くなる原因について述べる。本来、光電変換層の両端に
設けられた電極に印加された電圧により、光電変換層に
は両電極間に均一な電界が形成されるはずである。とこ
ろが、従来の光センサ素子の構造は金属/絶縁膜/半導
体の集積構造になっており、金属遮光膜が導電性のため
の電界効果が生じ、光電変換層の電位が変調される。
【0013】例えば、金属遮光膜に接地電位または負電
位を与えると、金属遮光膜全面が同電位であるため、光
電変換層と金属遮光膜との間が等電位になろうとして、
光電変換層は両電極の低い電位側に引き寄せられる。光
電変換層に設けられた両電極間に印加した電圧は、結果
的にほとんど高電位側の電極コンタクト付近に集中して
しまう。
【0014】この現象は薄膜トランジスタのオフ状態に
おける電位分布とまったく等価である。このため、光変
換層の大部分は低電界になり、光信号によって励起され
た光キャリアの走行速度が極端に小さくなり、光センサ
素子特性としては光応答速度が遅くなると理解される。
従って、応答速度を早くするには、光電変換層に均一な
電界を形成すればよい。
【0015】また、光源から光電変換層に直接光が入射
するのを防止する遮光膜が絶縁性であれば、前述したよ
うな電界効果による光電変換層の電界不均一性は発生し
ない。従って、絶縁性黒色薄膜を導電性金属のかわりに
遮光膜に用いれば、高速な光応答速度を持つ光センサ素
子ができる。
【0016】しかも、遮光膜上に絶縁層を介して光電変
換層を設ける場合、遮光膜の抵抗率が107 S/cmで
あっても光応答速度の低下は認められていない。この程
度まで遮光膜に対する抵抗率の許容範囲が広がると、絶
縁性遮光膜の材料選択に与える制限が緩和され、実用的
な特性を有する材料がある。
【0017】例えば、すでに知られているように、無機
膜としては1990年11月、アプライド・フィジック
ス・レターズ、第57巻、第22号、2288頁(Ap
pl.Phys.,Lett.57(22),228
8,1990)に示されるようなダイヤモンド状カーボ
ンや1985年11月、アプライド・フィッジックス・
エー、第38巻、37〜43頁(Appl.Phy
s.,A38,37−43,1985)に示されるよう
な非晶質シリコンカーボイト膜がある。
【0018】このような膜は、プラズマCVD法やスパ
ッタ法により300℃以下の温度で形成でき、高抵抗か
つ104 cm-1以上の光吸収係数を有しており、本発明
の光センサ用遮光膜に適している。しかも、このような
無機膜は、次工程の絶縁膜及び光電変換層の成膜工程と
同じ製造装置で形成できるため、光センサの製造プロセ
スと整合性がよいという特徴がある。
【0019】また、有機膜としては、すでに液晶ディス
プレイのブラックマトリックスに用いられているカーボ
ンブラックのような分散型膜や、共役系ポリマーを用い
ることができる。
【0020】カーボンブラックのような分散型膜として
は、カーボンブラックを分散させた架橋構造を有するア
クリル系樹脂が遮光用絶縁性黒色薄膜として適してい
る。この樹脂は、光重合反応を使用して製造することが
できることから、紫外線露光を用いたフォトリソグラフ
ィ技術でパターニングが可能である。また、膜形成もス
ピンコート等の比較的安価な製造装置でよく、製造コス
トが安いという特徴がある。
【0021】一方、共役系ポリマーとしては、例えば、
ポリピロール,ポリチオフェン,ポリフラン,ポリセレ
ノフェン等の複素5員環式化合物重合体やポリヘキシル
チオフェン,ポリオクチルチオフェン、及びポリフェニ
ルチオフェン等の複素5員環式化合物重合体のアルキル
置換体、及びアリール置換体等の誘導体,ポリフェニレ
ン,ポリナフタレン,ポリアントラセン,ポリアズレ
ン,ポリイソチアナフテン等の多核芳香族化合物重合体
やポリメトキシフェニレン等の誘導体、ポリフェニルア
セチレン等のポリアセチレン誘導体、ポリフェニレンビ
ニレン,ポリチェニレンビニレン及びそれらの誘導体、
ポリアニリン及びその誘導体等が使用できる。
【0022】また、共役系ポリマー薄層の形成方法とし
ては、基板上で直接芳香族化合物を重合する方法や共役
系ポリマーの溶液を必要な部分に塗布する方法等が挙げ
られる。本発明における共役系ポリマー組成物のパター
ニング方法としては、例えば、共役系ポリマー組成物も
しくはその溶液を印刷によってパターニングする方法
や、レジスト層を形成してドライエッチング等のリソグ
ラフィー技術を利用する方法等がある。
【0023】これら共役系ポリマーは、無機物に比較し
て光の吸収係数が大きく、膜厚が薄くても透過光を小さ
くできる。これは、段差が小さくなり配線の断線が減
り、製造歩留まりが良くなるという長所もある。また、
ポリアニリン等は300℃の温度下でも変化せず、プロ
セス適合性に優れている。
【0024】
【実施例】次に、本発明について図面を参照して説明す
る。図1は、本発明の一実施例の構造を示す断面図であ
る。図1は光センサ素子の1素子分の構造を示してある
が、ファクシミリ等の画像読み取り装置に用いる場合
は、この光センサ素子を原稿5の横方向(原稿5の移動
方向と直行する方向)にライン状に複数個並べて、1次
元ラインセンサを形成する。
【0025】例えば、原稿5の横方向にA4版サイズ相
当の216mmに渡って8本/mmの解像度を持たせる
とすれば、1728個の光電変換素子部を配列させるこ
とになる。また、図中には示されていないが、透光性絶
縁基板1上の他の部分には、光センサの光信号を蓄積す
るコンデンサと、このコンデンサに蓄積された電荷を転
送して信号処理するための薄膜トランジスタで形成した
スイッチとが形成されている。
【0026】図1において、透光性絶縁基板1上に絶縁
性黒色薄膜2が形成される。ここで、透光性絶縁基板1
としてガラスを用いた。また、絶縁性黒色薄膜2とし
て、本実施例では、プラズマCVD法で形成したダイヤ
モンド状カーボンを用いた。ダイヤモンドカーボンは、
メタンガスを13.56MHzの高周波プラズマCVD
法で膜厚800nm形成した。この膜の波長570nm
の光に対する透過率は8%であった。成膜条件は、10
0mTorr,放電電力1kW,基板温度は80℃であ
る。そして、フォトリソグラフィ法により希望のパター
ンのマスクを形成し、ドライエッチング法でエッチング
を行い、ダイヤモンド状カーボン膜からなる絶縁性黒色
薄膜2を形成した。
【0027】この絶縁性黒色薄膜2上に絶縁膜7を介し
て光電変換層8が形成される。絶縁膜7と光電変換層8
とは、それぞれプラズマCVD法で形成した窒化シリコ
ン膜と非晶質シリコン膜とを用いた。薄膜トランジスタ
において、ゲート絶縁膜には窒化シリコン膜を、また、
半導体膜には非晶質シリコン膜を用いることで良好な特
性が得られることが知られている。従って、これら材料
を光センサに用いることで、1回の成膜で同じ基板上に
光センサとスイッチ用薄膜トランジスタとが形成でき、
低コスト化が可能になる。
【0028】他の材料、例えば、絶縁膜にはシリコン酸
化膜タンタル酸化膜と窒化シリコン膜との2層膜なども
用いることができる。また、半導体膜である光電変換層
としても、非晶質シリコンの他に、非晶質シリコンゲル
マニウム,非晶質シリコンカーバイト,ポリシリコンな
ど絶縁性黒色薄膜が劣化しない温度で形成可能であって
光電導現象が見られる薄膜ならばどのような材料を用い
てもよい。
【0029】光電変換層8の両端には光信号を取り出す
ための電極が設けられている。ここでは電極材料として
クロミウムを用いたが他の材料でもよい。また、図1に
は省略されているが、光電変換層と電極とが接する部分
には、オーミックコンタクト形成用n型非晶質シリコン
膜(膜厚400オングストローム)が設けられている。
光源4としては発光中心波長570nmのLEDを使用
し、透光性絶縁基板1の光センサ素子が形成されている
面の反対側に設けられている。このような光センサ部6
の上に保護膜10が形成され光センサ素子が完成する。
【0030】保護膜10としては、ここではポリイミド
膜,エポキシ系樹脂膜及びマイクロシートガラスの3層
膜を用いている。そして、原稿5は光センサ素子の保護
膜10上に直接密着するように配置される。
【0031】次に、図1に示す光センサ素子の動作につ
いて説明する。光源4から入射した光は透光性絶縁基板
1を透過して光センサ形成面に到達する。ここで、ほと
んどの光は絶縁性黒色薄膜2で吸収されるが、同膜に開
けられた入射窓3に入射した光は保護膜10を透過し、
原稿5を照明する。照明される原稿5の面積は、ほぼ入
射窓3の面積に相当しており、この光センサ素子の位置
の分解能が決定される。原稿面では光は乱反射し入射窓
3の近傍に光センサ素子が形成されているため、一部の
光は反射して光センサ部6に到達する。これにより、原
稿5から反射してきた光は電気信号に変換され読み出さ
れる。
【0032】ここで、本実施例の光センサ素子の光応答
速度を測定したところ、立ち上がりが6ミリ秒,立ち下
がりが10ミリ秒であった。これは、従来の遮光膜とし
て金属膜を用いた素子の30〜50ミリ秒に比較して5
倍程度速くなっている。また、リーク電流は非常に小さ
く、光電流の1/300以下の値であった。
【0033】次に、本発明の第2の実施例について述べ
る。作成した光センサ素子の構造は、第1の実施例と同
じ構造であり、図1の通りである。本実施例では、透光
性絶縁基板1上にカーボンブラックを分散させた架橋構
造を有するアクリル系樹脂からなる絶縁性遮光膜を形成
した。
【0034】以下、形成方法について詳細に述べる。ま
ず、無水マレイン酸とポリエチレングリコールのオリゴ
エステルアクリレートとからなるアクリル系樹脂に、光
重合開始材,カーボンブラックからなる黒色顔料を加
え、エチルセルフォルブ(2−エトキシエヌノール)か
らなる溶剤で粘度を調整し、希釈した黒色ネガレジスト
をスピンコータを用いて光学濃度2.5以上となる1〜
2.5μmの厚さに塗布し、プリベークにより溶剤を蒸
発させた。
【0035】続いて、水溶液ポリビニールアルコールか
らなる酸素遮断膜を塗布し、黒色ネガレジスト中での光
重合反応を円滑に起こるように工夫した。ここで、紫外
線を用いて黒色ネガレジストを遮光膜のパターンで露光
し、界面活性剤を用いて現像し黒色遮光膜パターンを形
成した。その後、通常の方法により光センサを形成し
た。
【0036】本実施例の光センサ素子の光応答速度を測
定したところ、立ち上がり8ミリ秒,立ち下がりが10
ミリ秒であり、かつリーク電流も非常に小さかった。
【0037】次に、本発明の第3の実施例について述べ
る。光センサ素子構造は図1に示す構造と同じである。
本第3の実施例では、絶縁性黒色薄膜として有機膜、具
体的にはポリアニリンを用いている。以下に、このポリ
アニリン膜を形成する工程について詳述する。
【0038】まず、ガラス基板である透光性絶縁基板上
に、5重量%ポリアニリンのN−メチルピロリドン溶液
を塗布し、120℃減圧下で2時間乾燥した。ポリアニ
リンの重合はアニリンをモノマーとして等モルの硝酸水
溶液中、ペルオキソ2硫酸アンモニウムを酸化剤として
行い、アンモニア水で中性化した後、水,アセトンで洗
浄し、これをN−メチルピロリドンに溶解してポリアニ
リン溶液とした。
【0039】合成したポリアニリン溶液から作成した薄
膜の導電率は、1.8×10-10 S/cmであった。ま
た、このポリアニリンの膜厚は0.5μmであり、波長
570nmに対する光の透過率は2%であった。本ポリ
アニリン層のパターニングにはドライエッチングを用い
レジスト膜との膜厚差を利用した。このようにして、絶
縁性黒色薄膜2が得られた。
【0040】その後、第1の実施例と同様な材料プロセ
スで光センサ素子を形成したが、この工程を経てもポリ
アニリン膜の絶縁性,遮光性は劣化せず、このセンサ素
子ではポリアニリン膜を用いたことによる動作不良は認
められなかった。また、本実施例の光センサ素子の光応
答速度を測定したところ、立ち上がりが6ミリ秒,立ち
下がりが10ミリ秒であり、かつリーク電流も非常に小
さかった。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように本発明の光センサ素
子は、光センサ部の遮光膜に絶縁性黒色薄膜を用い、か
つ絶縁性黒色薄膜と光電変換層との間に絶縁膜を設けて
いるため、光センサ素子のリーク電流が小さくなり、か
つ光応答速度が速くなるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す断面図である。
【図2】従来の光センサ素子の一例を示す断面図であ
る。
【図3】従来の光センサ素子の別の例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 透光性絶縁基板 2 絶縁性黒色薄膜 3 入射窓 4 光源 5 原稿 6 光センサ部 7 絶縁膜 8 光電変換層 9 電極 10 保護膜 11 不透光性電極 12 透光性電極 13 金属遮光膜 14 高絶縁遮光膜

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透光性絶縁基板上に形成した遮光層と、
    前記遮光層上に配置した光電変換層と、前記光電変換層
    上に透光性絶縁保護層とを有する光センサ素子におい
    て、前記遮光層と前記光電変換層との間に絶縁層が形成
    され、かつ前記遮光層が絶縁性黒色薄膜であることを特
    徴とする光センサ素子。
  2. 【請求項2】 前記絶縁性黒色薄膜がカーボン膜もしく
    は非晶質シリコンカーボン膜からなることを特徴とする
    請求項1記載の光センサ素子。
  3. 【請求項3】 前記絶縁性黒色薄膜がカーボンブラック
    を分散させた架橋構造を有するアクリル系樹脂からなる
    ことを特徴とする請求項1記載の光センサ素子。
  4. 【請求項4】 前記絶縁性黒色薄膜が共役系ポリマー組
    成物であることを特徴とする請求項1記載の光センサ素
    子。
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