JP3484340B2 - イメージセンサ - Google Patents

イメージセンサ

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JP3484340B2
JP3484340B2 JP06506398A JP6506398A JP3484340B2 JP 3484340 B2 JP3484340 B2 JP 3484340B2 JP 06506398 A JP06506398 A JP 06506398A JP 6506398 A JP6506398 A JP 6506398A JP 3484340 B2 JP3484340 B2 JP 3484340B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フォトダイオード
とブロッキングダイオードを積層した構造を有するセン
サ素子をマトリックス状に配列した高解像度な2次元イ
メージセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】ファクシミリ、スキャナ等の原稿読取装
置では、小型化するために密着型イメージセンサの開発
が長年試みられてきた。このセンサは、原稿と1対1に
対応するエリアセンサであり、従来のCCDやMOS型
のICイメージセンサのように縮小レンズ系が不要で、
装置の大幅な小型化が図れる。
【0003】このセンサの材料には、すでに砒素−セレ
ンーテルル系非晶質半導体、硫化カドミウム、水素化ア
モルファスシリコン(以下、a−Si:Hと略す)等が
報告されている。これらの材料では、すべて大型のイメ
ージセンサを形成する上で必要な大面積に一様な薄膜を
形成することができ、可視光に対する感度が高い薄膜材
料である。
【0004】このうち、a−Si:Hはその構成物が無
公害材料であり、可視光全域にわたって高い感度を示
し、光応答速度が速く、高抵抗であるため、高速、高解
像度のカラーイメージセンサに適した材料である。この
a−Si:Hを密着型イメージセンサに適用する場合、
a−Si:Hセンサ素子をシリコンMOS FETのス
イッチング素子で代表される薄膜半導体素子と組み合わ
せて用いられてきたが、従来のa−Si:Hを用いた電
界効果型薄膜トランジスタ型に比べて、読み取り速度が
速く、高解調のセンサ素子を実現できるPIN型フォト
ダイオードを光電変換素子とした画像読取装置が注目さ
れている。
【0005】このようなイメージセンサにおいて、読み
取り動作中に光が入射される選択されたフォトダイオー
ドの周囲のフォトダイオードに、相互間の電気的な結合
が生じることにより光起電力が発生し、その結果選択さ
れたフォトダイオード以外のフォトダイオードに漏れ電
流が流れ、これが出力電流に上乗せされ、正確な出力を
取り出せないことがある。
【0006】この漏れ電流を防止するためには、ブロッ
キングダイオードをフォトダイオードに直列に接続すれ
ばよい。例えば、特公昭62−57261号公報には、
PIN型フォトダイオードおよび漏れ電流防止ダイオー
ド(ブロッキングダイオード)を連続的に積層してなる
非晶質半導体層をセンサ素子として用いたイメージセン
サが開示されている。このセンサ素子がライン状に配置
された構造において、走査回路で各ラインを電圧制御す
ることにより、選択されたフォトダイオードの出力を取
り出す。このとき、ブロッキングダイオードの働きによ
り、他のフォトダイオードによる出力が選択されたフォ
トダイオードの出力の上に乗るのを防止して、正確な出
力を取り出すことができ、オン/オフ比が103以上に
なる特性が得られ、画像等の読み取りが容易に行える。
【0007】また、漏れ電流を防止する他の技術とし
て、マトリックス構造を有するイメージセンサにおい
て、フォトダイオードからなる光電池(センサ素子)の
制御回路が特開平9−50342号公報に記載されてい
る。これは、選択されている光電池の座標点のみを確実
に検出するために、同一ライン上にある他の光電池に漏
れ電流が発生しないようなバイアス電圧を印加すること
によって、所望の光電池からの出力の取り出しを行うと
いうものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ここで、フォトダイオ
ードとブロッキングダイオードからなるセンサ素子をマ
トリックス状に配列した場合、このセンサ素子は、図1
3に示すI−V特性を持っており、同一ライン上にある
他のセンサ素子に漏れ電流が発生しないようにするため
に、オフ電圧が図中のAとなるように各センサ素子に印
加する制御を行う。オフ電圧を正確に印加しないと、選
択されたセンサ素子と同一ライン上にあるこれ以外の他
のセンサ素子から生じた漏れ電流が大きくなり、選択さ
れたセンサ素子にも流れて、個々のセンサ素子の信号電
流だけを取り出すことができなくなる。
【0009】そのため、漏れ電流を抑制しようとすれ
ば、オフ電圧を個々のセンサ素子の開放電圧近傍(図1
3のAの位置)に正確に制御しなければならない。例え
ば、この制御誤差がA−0.05<A<A+0.05の
幅をもつと、発生する漏れ電流は最大で次のようにな
る。
【0010】
【数1】
【0011】この漏れ電流は、オン電流の約10倍に相
当するため、任意のセンサ素子からの信号電流を取り出
して画像を読み取ることは不可能となる。
【0012】このように、マトリックス状に配列された
センサ素子において、個々のセンサ素子の出力を取り出
すためには、同一ライン上の他のセンサ素子で発生する
漏れ電流を信号電流に比べて十分小さく抑え込む必要が
ある。すなわち、所望のS/N以上になるように漏れ電
流を抑え込むことが最低条件となる。もちろん、センサ
素子において、ノイズ源はこの漏れ電流以外にも存在す
るが、デバイス設計の際には他のノイズをなくすことよ
りも漏れ電流の大きさをできるだけ抑制した方が有利で
ある。しかしながら、センサ素子の面内分布から考える
と、漏れ電流を抑制するために同一ライン上にある各セ
ンサ素子に正確にオフ電圧(開放電圧)を印加すること
は非常に困難である。
【0013】そこで、本発明は、上記に鑑み、マトリッ
クス状に配列されたセンサ素子に対して、同一ライン上
の他のセンサ素子の漏れ電流を小さく抑え込むことがで
きる構造にすることにより、個々のセンサ素子の出力を
容易に取り出すことができるイメージセンサの提供を目
的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明による課題解決手
段は、フォトダイオードとブロッキングダイオードとい
う逆方向のダイオードを積層形成する構造のセンサ素子
に対して、ブロッキングダイオードで発生する光電流を
抑えることによって選択されたセンサ素子以外のセンサ
素子からの漏れ電流を小さく抑え込み、マトリックス状
に配列されたセンサ素子における個々のセンサ素子の信
号電流の読み取りを可能にするものである。
【0015】そのためには、フォトダイオードの空乏層
がブロッキングダイオードの空乏層より厚くされる。具
体的には、フォトダイオードがa−Si:Hからなる場
合、その空乏層の膜厚が100nm以上3000nm以
下とされ、ブロッキングダイオードも同じくa−Si:
Hからなる場合、その空乏層の膜厚が5nm以上50n
m以下とされる。これによって、フォトダイオードでは
光の吸収量が多くなり、ブロッキングダイオードでは光
の吸収量が少なくなって、フォトダイオードで発生する
信号電流に比べてブロッキングダイオードで発生する漏
れ電流を小さく抑えることができる。したがって、選択
されたセンサ素子と同一ライン上にある他のセンサ素子
の漏れ電流の影響を軽微にして、個々のセンサ素子の出
力を容易に取り出すことができる。
【0016】あるいは、フォトダイオードとブロッキン
グダイオードとの間にあるドープ層の膜厚を20nm以
上150nm以下とする。これによって、入射光がブロ
ッキングダイオードに到達する前にドープ層において吸
収されるので、ブロッキングダイオードで発生する漏れ
電流を小さく抑えることができる。
【0017】また、ブロッキングダイオードに入射する
光を遮断することによっても、ブロッキングダイオード
で発生する漏れ電流を小さく抑えることができる。その
ためには、フォトダイオードとブロッキングダイオード
との間に、遮光膜を設ける。さらに、この遮光膜に反射
膜としての機能を与えれば、フォトダイオードにおける
信号電流を増加させることができ、信号電流と漏れ電流
の比を向上できる。
【0018】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)本発明の第1実
施形態のイメージセンサを図2に示す。イメージセンサ
は、フォトダイオード1およびブロッキングダイオード
2が積層された構造を有するセンサ素子3をマトリック
ス状に配列したもので、原稿等の平面的な画像に対応す
るエリアセンサとして用いられる。
【0019】センサ素子3は、図1に示すように、ポリ
イミド樹脂、ガラス等の絶縁基板4上に間隔をあけて互
いに平行に形成された第1電極5と、第1電極5上に形
成された漏れ電流防止用第1半導体層を構成するブロッ
キングダイオード2と、ブロッキングダイオード2上に
形成されこれとは逆極性の光電変換用第2半導体層を構
成するフォトダイオード1と、フォトダイオード1上に
第1電極5とは直交する方向に間隔をあけて互いに平行
に形成された透光性の第2電極6とを備え、これらが重
なり合うことによって形成される。
【0020】そして、このイメージセンサは、複数のセ
ンサ素子3以外にバイアス印加回路10、出力回路1
1、画像処理回路(図示せず)等を有している。なお、
図面では第1電極5および第2電極6が4本ずつ設けら
れ、センサ素子3が16個設けられた場合を示している
が、それぞれの個数はこれに限るものではない。
【0021】バイアス印加回路10は、正負のバイアス
電圧を発生させるバイアス電圧発生器12、各第1電極
5に対応するNo.1〜4のラインに接続されたスイッ
チ13およびスイッチ13の切換えを所定のタイミング
で行う制御回路(図示せず)を備えている。スイッチ1
3を切換えることにより、信号電流を取り出したいセン
サ素子3を含むラインにはオン電圧、例えば−0.5V
が印加され、他のラインにはセンサ素子3が光電変換素
子として作用しないようにオフ電圧、例えば1.0Vが
印加される。
【0022】出力回路11は、各第2電極6に対応する
A〜Dのラインに接続されたスイッチ14、増幅器15
およびスイッチ14の切換えを所定のタイミングで行う
制御回路(図示せず)を備えている。スイッチ14を切
換えることにより、信号電流を取り出したいセンサ素子
3を含むラインが増幅器15と接続され、オン電圧が印
加されたセンサ素子3からの信号電流が増幅器15に入
力され、他のラインは接地される。すなわち、バイアス
印加回路10と出力回路11の作動により、1個のセン
サ素子3が選択されることになる。
【0023】また、下部の第1電極5はTa等の金属電
極からなり、上部の第2電極6はITO等の透明導電膜
からなり、光は上方から入射する。フォトダイオード1
およびブロッキングダイオード2は、例えばa−Si:
Hを用いたPIN型フォトダイオードからなる。
【0024】ここで、光の入射によりフォトダイオード
1で発生する信号電流をブロッキングダイオード2で発
生する漏れ電流より大きくして、(信号電流/漏れ電
流)の比を所望の値より大きくするために、センサ素子
3では、フォトダイオード1中の空乏層がブロッキング
ダイオード2中の空乏層より厚くされた構造となってい
る。このことをセンサ素子3がTa/a−Si:H
(p)/a−Si:H(i)/a−Si:H(n)/a
−Si:H(i)/a−SiC:H(p)/ITOの順
に積層して形成される場合について説明する。
【0025】フォトダイオード1の空乏層はi層中に広
がって形成されており、i層がa−Si:Hである場
合、入射光を充分に吸収するためには膜厚が100nm
以上必要である。また、膜厚を3000nm以上にする
と、センサ素子3を作製することが困難となる。したが
って、フォトダイオード1のi層の膜厚は、100〜3
000nmが適している。
【0026】また、この構造のようにフォトダイオード
1と同一材料のa−Si:Hでブロッキングダイオード
2を作製する場合においては、製造装置が同一のもので
よく、平易となる。しかし、a−Si:Hでは空乏層内
に欠陥(ギャップ内準位)が多いため、ブロッキングダ
イオード2の空乏層をフォトダイオード1の空乏層より
も薄膜化していくと、空乏層内にトンネル電流を生じ易
いという欠点が生じる。もちろん、他の材料としてa−
SiC:H等の光吸収量の小さい材料を用いることも可
能であるが、その場合には空乏層内の欠陥がa−Si:
Hに比べて多くなるので、空乏層の薄膜化がより困難に
なることを考慮して、この膜厚を決めればよい。また、
逆にブロッキングダイオード2でのダイオード特性を確
保するためにi層を厚膜化する場合においても、フォト
ダイオード1と一連のプロセスで形成するという性格
上、光電流を発生させないという制限が生じ、ブロッキ
ングダイオード2の空乏層での光吸収量が入射光量の1
%以下とすると効果的である。この場合、a−SiC:
H等の光吸収量の小さい材料は光電流の発生抑制には効
果的である。この双方を考慮して、ブロッキングダイオ
ード2の材料と膜厚は選択されるべきである。
【0027】図3にブロッキングダイオード2のi層の
膜厚に対する白色灯のスペクトルでのフォトダイオード
1の光の吸収量(αphoto)とブロッキングダイオード
2の光の吸収量(αblock)との比を求めたものを示
す。この比は、フォトダイオード1で発生する光電流と
ブロッキングダイオード2で発生する光電流との比に相
当する。この図より、信号電流と漏れ電流の比がS/N
=103以上となるためには、ブロッキングダイオード
2のi層が50nm以下であることが必要であることが
わかる。
【0028】また、図4はブロッキングダイオード2の
空乏層(i層)の厚さ依存性を評価した図である。この
図より、ダイオード特性は空乏層が5nmから発現す
る。したがって、ブロッキングダイオード2のi層の膜
厚は、5〜50nmが適している。
【0029】ここで、フォトダイオード1のn層はブロ
ッキングダイオード2の窓層にもなっており、このフォ
トダイオード1のn層と第2電極6の反射光を遮るブロ
ッキングダイオード2のp層の吸収量が問題となるが、
ここでは導電率が高いn層、すなわちブロッキングダイ
オード2とフォトダイオード1の間にあるドープ層を吸
収層として150nmまで厚膜化した。理想的には、入
射光をブロッキングダイオード2のi層に入射しない程
度に吸収できるようにこのn層を厚膜化すればよいが、
150nm以上積層すると、ブロッキングダイオード2
が非常に薄いため、ブロッキングダイオード2の空乏層
内にp,nドーパントの拡散が起こり、ダイオードがリ
ークしてしまう。また、ドープ層であるn層が20nm
以下では、本来のn層としての機能を果さなかった。こ
のことから、両ダイオード1,2の中間に位置するn層
は20〜150nmに設定しなければならない。なお、
ブロッキングダイオード2のp層の膜厚は、第2電極6
まで到達する光が10-4倍程度となるため、特に考慮し
なくてもよい。
【0030】次に、上記構造のイメージセンサの製造方
法を説明する。ここで説明するセンサ素子3の構造はa
−Si:H/a−Si:Hの積層されたPIN型フォト
ダイオードの構造であるが、この構造であればセンサの
材料は限定されない。
【0031】まず、ポリイミド等の絶縁基板4上にTa
をDCスパッタリングで成膜する。作製条件は、Ar圧
力0.2torr、投入電力300Wで300nm成膜
し、その後Ta電極の表面酸化膜の形成を抑えるため、
ArにN2を10%混合し0.2torrの圧力下で3
0nm成膜する。このTa電極上に、ライン状にフォト
レジストのパターニングを行い、(CF4+O2)ガス
0.15torr下でドライエッチングを施し、第1電
極5をライン状に形成する。
【0032】この基板4上に表1の条件でCVD法によ
り半導体層の成膜を施す。すなわち、ブロッキングダイ
オード2のp層、i層を順に100nm、5nmに形成
し、ドープ層であるn層を150nmに形成する。さら
に、フォトダイオード1のi層、b層、p層を順に50
0nm、20nm、10nmに形成する。この後、第1
電極5と同様にレジストパターニングを施し、ドライエ
ッチングでドット状にパターニングを行う。
【0033】
【表1】
【0034】その後、図5の点線に示すような漏れ電流
(素子内リーク)を防止するため、フォトダイオード1
上に層間絶縁膜16としてSiNを200nm成膜し、
センサ素子3上部の第2電極6とのコンタクト部17だ
け開口するようなパターニングを行う。この後、ITO
をスパッタリングで400nm成膜し、ウエットエッチ
ングで第1電極5と直交するようにライン状にパターニ
ングを施すことにより第2電極6を形成する。そして、
図5,6に示すような構造のマトリックス状に配列され
たセンサ素子3が形成される。
【0035】次に、バイアス印加回路10、出力回路1
1、画像処理回路等を備えた駆動ICを絶縁基板4に取
り付け、各電極5,6の端子と接続することにより、イ
メージセンサが完成する。
【0036】この駆動ICの動作を説明すると、センサ
素子3ごとの出力を取り出すためには図7(a)の動作
タイミングチャートに示すように、スイッチ13の切換
えにより、信号電流を読み取りたいセンサ素子3を含む
No.1〜4のいずれかのラインにオン電圧(−0.5
V)を印加し、他のラインにはオフ電圧(1.0V)を
印加する。この動作を各センサ素子3に対して、印加バ
イアス電圧波形に示すような所定のタイミングで繰り返
していけばよい。また、A〜Dのラインでは、スイッチ
14の切換えにより、選択されたセンサ素子3を含むラ
インを1本だけ増幅器15に接続して、他はすべて接地
する。したがって、出力電流波形は、同図(b)のよう
に時間の経過とともに各センサ素子3から順に取り出さ
れる。
【0037】このとき、フォトダイオード1中の空乏層
がブロッキングダイオード2中の空乏層より厚くされ、
またブロッキングダイオード2に入射光が到達しにくい
構造となっているので、選択されたセンサ素子3と同一
ラインにあるこれ以外のセンサ素子3においては、光の
入射によりフォトダイオード1で発生する信号電流に比
べてブロッキングダイオード2で発生する漏れ電流は非
常に小さくなる。そのため、選択されたセンサ素子3以
外の他のセンサ素子3に漏れ電流が生じて、その漏れ電
流が信号電流に上乗せされても、その影響は微々たるも
のであり、(信号電流/漏れ電流)の比を所望の値より
大きくすることができ、個々のセンサ素子3の出力を容
易に抽出することができる。
【0038】このようにして取り出されたセンサ素子3
の出力特性を図8に示す。これによると、従来のものに
比べて、出力電流および開放電圧が高くなり、形状因子
F.F.も大きくなって、I−V特性が良好となる。こ
の構造において、オフ電圧を1.0V、オン電圧を−
0.5Vとすると、S/Nを103以上に確保できる。
【0039】(第2実施形態)本実施形態では、さらに
ブロッキングダイオード2に対する遮光性を確実にする
ために、図9に示すように、フォトダイオード1とブロ
ッキングダイオード2との間に遮光膜20が介装されて
いる。
【0040】このイメージセンサでは、センサ素子3の
基本的な構造は上記実施形態のものと同じである。した
がって、製造方法も同じであるが、本実施形態のセンサ
素子3は、ブロッキングダイオード2とフォトダイオー
ド1とが遮光膜20によって分断されているので、第1
電極5が形成された絶縁基板4上に、まずブロッキング
ダイオード2が表2の条件でCVD法により成膜され
る。
【0041】
【表2】
【0042】これにより、ブロッキングダイオード2の
p層、i層、n層が、順に100nm、50nm、15
0nmに形成される。次に、このブロッキングダイオー
ド2の上に、遮光膜20としてDCスパッタリングでC
を200nmに成膜する。その後、遮光膜20上に、フ
ォトダイオード1を表3の条件でCVD法により成膜す
る。フォトダイオード1のn層、i層、b層、p層は、
順に20nm、500nm、20nm、10nmに形成
される。以後は、上記実施形態と同じであり、図10に
示すような構造のマトリックス状に配列されたセンサ素
子3が形成される。
【0043】
【表3】
【0044】このような構造のセンサ素子3の出力特性
を図11に示す。ここでは、出力特性自体は上記実施形
態のものと変わらないが、遮光膜をCとしたために、ブ
ロッキングダイオード2の空乏層を50nmとしても、
S/N>2×103を確保できる。なお、遮光膜20
は、遮光性があれば材質は問わない。また、オフ電圧を
1.0V、オン電圧を−0.5Vとすると、S/Nは1
3以上を確保できる。
【0045】したがって、各ダイオード1,2間に遮光
膜20を挿入することにより、ブロッキングダイオード
2に到達する光がほとんどなくなり、ブロッキングダイ
オード2で発生する光電流をほぼゼロにすることが可能
となり、同一ライン上の他のセンサ素子3で発生する漏
れ電流を信号電流に比べて十分小さく抑えることがで
き、漏れ電流の影響を排除できる。また、ブロッキング
ダイオード2の空乏層を厚くしても、S/N比の大幅な
向上を図ることができ、しかも空乏層を厚くできること
より、ダイオード特性が良好となって、ブロッキングダ
イオード2の本来の機能の向上も図れる。
【0046】ここで、Cの遮光膜20に代わり、Agを
RFスパッタリングで200nmの膜厚に遮光膜20と
して成膜する。このように、遮光膜20をAg、Au、
Al等の光反射効果に優れた金属膜にすることにより、
遮光膜20は反射膜としての機能を有し、フォトダイオ
ード1に吸収されずに遮光膜20に到達した光は反射さ
れ、再びフォトダイオード1内に入る。そのため、フォ
トダイオード1に吸収される光量が増加することにな
り、信号電流の増加につながって、さらにS/N比を改
善することができる。
【0047】このような構造のセンサ素子3の出力特性
を図12に示す。実線がAgを挿入した構造のセンサ素
子3の特性、点線が第1実施形態の構造のセンサ素子3
の特性である。遮光膜20をAgとしたために反射光も
フォトダイオード1内に取り込めるため、約20%の信
号電流が増加し、S/N>2.5×103を確保でき、
さらに向上する。この構造でも、オフ電圧を1.0V、
オン電圧を−0.5Vとすると、S/Nは103以上を
確保できる。
【0048】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではなく、本発明の範囲内で上記実施形態に多く
の修正および変更を加え得ることは勿論である。
【0049】
【発明の効果】以上の説明から明らかな通り、本発明に
よると、フォトダイオードとブロッキングダイオードと
いう逆方向のダイオードを積層形成する構造のセンサ素
子に対して、フォトダイオードの空乏層がブロッキング
ダイオードの空乏層より厚くしているので、フォトダイ
オードで発生する信号電流に比べてブロッキングダイオ
ードで発生する光電流を抑えることができ、信号電流/
漏れ電流の比を向上させることができる。
【0050】したがって、マトリックス状に配列された
センサ素子において、読み取りたいセンサ素子と同一の
ラインにある他のセンサ素子からの漏れ電流が信号電流
の上に乗っても、その影響を受けず、個々のセンサ素子
の出力を容易に取り出すことができる。
【0051】また、フォトダイオードとブロッキングダ
イオードとの間にあるドープ層が、光をブロッキングダ
イオードに入射させないような所定の膜厚にすることに
より、ブロッキングダイオードに到達する前にドープ層
において光を吸収することができ、ブロッキングダイオ
ードで発生する漏れ電流を小さく抑えることができる。
これによっても読み取りたいセンサ素子と同一のライン
にある他のセンサ素子からの漏れ電流の影響をなくし、
個々のセンサ素子の出力を容易に取り出すことができ
る。
【0052】また、フォトダイオードとブロッキングダ
イオードとの間に遮光膜を設けることにより、ブロッキ
ングダイオードに入射する光を遮断することができる。
したがって、ブロッキングダイオードで発生する漏れ電
流を小さく抑えることができ、漏れ電流の影響をなくし
て、個々のセンサ素子の出力を容易に取り出すことがで
きる。しかも、この遮光膜を反射膜にすれば、フォトダ
イオードに吸収される光量が増加して、信号電流を増加
させることができる。これによって、より一層信号電流
と漏れ電流の比を向上させることができる。
【0053】以上のような構造のセンサ素子にするだけ
で、複雑な制御を行うことなく簡単な回路構成で選択さ
れたセンサ素子からの出力を精度よく取り出すことがで
きる、低コストなイメージセンサを提供することが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態のセンサ素子の概略構成
【図2】イメージセンサの等価回路図
【図3】ブロッキングダイオードの空乏層の膜厚に対す
るフォトダイオードとブロッキングダイオードの光吸収
量の比を示す図
【図4】センサ素子のI−V特性におけるブロッキング
ダイオードの空乏層の厚さ依存性を評価した図
【図5】センサ素子の断面図
【図6】センサ素子の斜視図
【図7】イメージセンサの動作タイミングチャート
【図8】第1実施形態のセンサ素子のI−V特性を示す
【図9】第2実施形態のセンサ素子の概略構成図
【図10】センサ素子の断面図
【図11】センサ素子のI−V特性を示す図
【図12】遮光膜を反射膜にしたときのセンサ素子のI
−V特性を示す図
【図13】従来のセンサ素子のI−V特性を示す図
【符号の説明】
1 フォトダイオード 2 ブロッキングダイオード 3 センサ素子 4 絶縁基板 5 第1電極 6 第2電極 10 バイアス印加回路 11 出力回路 16 層間絶縁膜 17 コンタクト部 20 遮光膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−168058(JP,A) 特開 平1−253282(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 27/146 H01L 31/10

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブロッキングダイオードと、これとは逆
    極性のフォトダイオードとが積層されてセンサ素子が形
    成され、該センサ素子がマトリックス状に配列されたイ
    メージセンサであって、前記ブロッキングダイオードと
    フォトダイオードとの間に、遮光膜が設けられ、該遮光
    膜は、光反射効果に優れたAg、Au、Alのいずれか
    の金属膜であることを特徴とするイメージセンサ。
  2. 【請求項2】 ブロッキングダイオードと、これとは逆
    極性のフォトダイオードとが積層されてセンサ素子が形
    成され、該センサ素子がマトリックス状に配列されたイ
    メージセンサであって、前記ブロッキングダイオード
    は、水化アモルファスシリコンを用い、p層、i層、
    n層が順に形成されてなり、前記フォトダイオードは、
    化アモルファスシリコンを用い、n層、i層、b
    層、p層が順に形成されてなり、前記b層は、Si
    、CH、Hの各ガスを用いてCVD法により形
    成され、前記ブロッキングダイオードとフォトダイオー
    ドとの間に、遮光膜が設けられ、該遮光膜は、光反射効
    果に優れたAg、Au、Alのいずれかの金属膜である
    ことを特徴とするイメージセンサ。
  3. 【請求項3】 フォトダイオード中のi層がブロッキン
    グダイオード中のi層より厚くされたことを特徴とする
    請求項または記載のイメージセンサ。
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