JPH075735B2 - カチオン系架橋重合体の製造方法 - Google Patents

カチオン系架橋重合体の製造方法

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JPH075735B2
JPH075735B2 JP18417686A JP18417686A JPH075735B2 JP H075735 B2 JPH075735 B2 JP H075735B2 JP 18417686 A JP18417686 A JP 18417686A JP 18417686 A JP18417686 A JP 18417686A JP H075735 B2 JPH075735 B2 JP H075735B2
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禎則 佐野
雄次 杉浦
泰雅 田中
繁廣 西村
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、カチオン系架橋重合体の製造方法に関するも
のである。さらに詳しくはアジリジン化合物を架橋剤の
存在下に、炭化水素系溶媒中で分散させ重合することを
特徴とする粒状のカチオン系架橋重合体の製造方法に関
するものである。
〔従来の技術〕
カチオン系重合体は有機物や金属イオン等種々の物質に
対して高い反応性あるいは親和性を有する為、凝集剤、
吸着剤、金属用キレート剤、イオン交換樹脂、固定化酵
素担体等広範囲な用途に使用されている。
従来酵素反応は一般に酵素の水溶液に基質を反応させる
ことによって行われているが、この方法では反応終了後
に生成物と酵素の分離が困難で、かつまだ活性を有する
酵素が変性して損失する場合も多く経済的でないなどの
欠点があった。その為、酵素を担体に固定して水不溶化
し、反応生成物と酵素との分離を容易にすると共に酵素
反応を連続的に行う、いわゆる酵素の固定化の方法が種
種提案されているいが、いずれも担体の製造が複雑な工
程を要することや酵素と担体との結合力や固定化した酵
素の活性が不十分などの問題があった。この様な現状か
ら取扱いが容易で酵素の結合力にすぐれた担体の開発が
強く望まれているものである。
また、環境浄化への要求の高まりから、廃液中の重金属
イオン、界面活性剤等の除去や、排出ガス中のアルデヒ
ド類、シアン化水素、硫黄化合物等の除去に有効な吸着
剤の開発が望まれているものである。従来、これらを除
去する手段として例えば、イオン交換樹脂や活性炭など
を用いる吸着処理法が知られている。しかしながら、こ
れらのイオン交換樹脂や活性炭などは廃水の高度処理剤
として限られた用途には用いられるもののいずれも吸着
する物質の種類や吸着量に限りがあり、高濃度で多種の
汚染物質を含有している廃水の処理には問題があった。
したがって廃水処理においても各種の金属イオン、有機
物等を同時に大量に捕捉しうる高性能吸着剤の開発が要
望されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明の目的は、このような要望にこたえ、取扱いが容
易で酵素等の蛋白質を効率良く固定化できると共に、各
種有機物、金属イオン等に対して優れた捕捉効果を示す
粒状のカチオン系架橋重合体を製造する方法を提供する
ものである。
〔発明を解決するための手段〕
本発明者らは鋭意検討を行なった結果、アジリジン化合
物と架橋剤を炭化水素系溶媒中に分散せしめ、重合する
ことにより粒状のカチオン系架橋重合体を安定に製造で
きることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は炭化水素系溶媒中、該溶媒に可溶な
分散安定剤の存在下、アジリジン化合物の1種又は2種
以上と架橋剤を分散させて重合することを特徴とするカ
チオン系架橋重合体の製造方法に関するものである。
本発明で用いられるアジリジン化合物は、1分子中にア
ジリジン基を少なくとも1個有するものであれば、特に
制限されることなく用いられる。例えば、アジリジン環
に置換基を有するものや、1分子中にアジリジン基を複
数個有するものも用いられ、あるいはこれらアジリジン
化合物の2種以上が用いられてもよい。
このようなアジリジン化合物の具体例としては、エチレ
ンイミン,プロピレンイミン,ブチレンイミン,N-ヒド
ロキシエチルエチレンイミン,N-シアノエチルエチレン
イミン,N-メチルエチレンイミン,N-エチルエチレンイミ
ン,N-フェニルエチレンイミン,N-アセチルエチレンイミ
ン,N-メタクリロイルアジリジン,β‐アジリジニルメ
チルプロピオネート,β‐アジリジニルエチルメタクリ
レート,ヘキサメチレン‐ビス‐1,6-N,N′‐ジエチレ
ンウレア,ジフェニルメタン‐ビス‐4,4′‐N,N′‐ジ
エチレンウレア,2,2-ビスヒドロキシメチルブタノール
‐トリス〔3-(1-アジリジニル)プロピオネート〕等が
挙げられる。
本発明では上記アジリジン化合物を炭化水素系溶媒中に
分散させて重合させるのであるが、必要に応じてアジリ
ジン化合物を水溶液あるいは水分散液の状態で使用して
もよい。
本発明に用いる架橋剤としては、上記アジリジン化合物
およびアジリジン化合物から誘導される重合体の官能基
単位即ち、イミノ基、1級アミノ基、2級アミノ基との
反応により共有結合を形成する官能基を、1分子中に2
個以上有するものであれば制限なく使用することが出来
る。そのような架橋剤としては、ノボラックフェノール
型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂等のポ
リエポキシ化合物、エピクロリヒドリン、エピプロムヒ
ドリン等のエピハロヒドリン化合物、グリセリンジクロ
ルヒドリン等のポリハロヒドリン化合物、p-ジクロルキ
シリレン、ジブロモジメチレン等のポリハロゲン化合
物、グルタルジアルデヒド、キシリルジアルデヒド等の
ポリアルデヒド化合物、トリレンジイソシアネート、ヘ
キサメチレンジイソシアネート等のポリイソシアネート
化合物を挙げることができ、こえらの群から選ばれる1
種又は2種以上を使用できる。これらは所望の架橋密度
に応じて使用することが出来るが、その使用量はアジリ
ジン化合物の使用量に対して0.5〜40重量%の範囲とす
るのが望ましい。0.5重量%以下では得られる架橋重合
体のゲル強度が低くなり、また40重量%以上では架橋密
度が高く、カチオン性基が減少するので好ましくない。
本発明に用いられる炭化水素系溶媒としては、アジリジ
ン化合物およびそれらから誘導される重合体に対する溶
解度の低い溶媒が望ましい。そのような炭化水素系溶媒
としてはn-ペンタン、n-ヘキサン、n-ヘプタン等の脂肪
族炭化水素類;シクロヘキサン、シクロデカン等の脂環
式炭化水素;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素
類;塩化メチル、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロル
エタン等のハロゲン化炭化水素類等が挙げられ、特に脂
肪族炭化水素類及び脂環式炭化水素類が好適に使用でき
る。
本発明に用いられる分散安定剤としてはエチルセルロー
ス、セルロースアセテートブチレート、ヒドロキシエチ
ルセルロース等の油溶性セルロース類、アラビアゴム、
ソルビタンモノオレエート、グリセロールモノステアレ
ート等の油溶性分散安定剤;HLB3〜10のノニオン性界面
活性剤等を挙げることができ、これらの1種又は2種以
上が使用できる。これらの使用量はアジリジン化合物に
対して0.1〜20重量%の範囲で使用することが出来る。
0.1重量%以下では懸濁液の安定性が不十分であり、20
重量%を超える量では可溶化現象が認められることがあ
り好ましくない。
本発明において重合および架橋反応を促進させるために
従来公知の触媒を使用してもよい。このような触媒とし
ては塩酸、硫酸等の鉱酸、BF3,AlCl3等のルイス酸、前
記のエピハロヒドリン化合物、ポリハロヒドリン化合
物、ポリエポキシ化合物およびポリハロゲン化合物等を
挙げることができる。
本発明の製造方法において、カチオン系架橋重合体はア
ジリジン化合物と架橋剤との混合物を分散安定剤の存在
下に炭化水素系溶媒に分散させて後、重合反応と架橋反
応を行なわせてできる。この際、カチオン系架橋重合体
を安定に製造するためにアジリジン化合物および架橋剤
の混合物と炭化水素系溶媒とが互いに相溶しない組み合
わせを選択するのが好ましい。アジリジン化合物および
架橋剤の混合物を炭化水素系溶媒に分散させるには、例
えばこれらを高速撹拌して達成できる。
本発明の製造方法において、例えばエチレンイミンの如
き低沸点のアジリジン化合物を用いる場合は、水溶液も
しくは水分散液の状態で炭化水素系溶媒に分散させて後
反応を行うのが、好ましい態様である。ただし、本発明
はこれら例示によつて何ら制限されるものではない。反
応条件としては使用するアジリジン化合物、架橋剤、触
媒、炭化水素系溶媒の種類によつて最適な条件を選択す
れば良いが一般的には反応温度は0℃〜還流温度、反応
時間は1〜20時間が望ましい。
〔発明の効果〕
本発明の製造方法によって得られるカチオン系架橋重合
体は、実質的に架橋された粒状又は球状重合体で、溶媒
からの分離が可能であり、取り扱い性に優れたものであ
る。さらに本発明によって得られるカチオン系重合体は
各種金属イオンや有機物に対して高い反応性と、親和性
を有する為金属用キレート剤、吸着剤、固定化酵素担体
等として広範囲の用途に適用されるものである。
以下、実施例をあげて本発明を具体的に説明するがこれ
により本発明は何ら限定を受けるものではない。なお例
中特にことわりのない限り%は重量%を示すものとす
る。
実施例1 滴下ロート、撹拌機、温度計および還流冷却器を備えた
フラスコに、油溶性界面活性剤であるグリセロールモノ
ステアレート(レオドール MS-60,花王石鹸(株)製)
1.5gを含むn-ヘキサン溶液150gを仕込み、撹拌下、50℃
に加熱し50%のエチレンイミン水溶液30gを添加して均
一な分散液を得た。この分散液を50℃にて撹拌下、エピ
クロルヒドリン0.5gを滴下した後60℃に昇温し3時間反
応を行なった。
生成した球状ゲルを取しn-ヘキサンで洗滌後、室温に
て減圧下乾燥した。得られた球状のカチオン系架橋重合
体の重量は25gであり、40%の水分を含有していた。な
お粒径は顕微鏡観察結果より40〜150μmφであった。
第1図に得られたカチオン系架橋重合体の顕微鏡撮影像
(96倍)を示す。
実施例2 実施例1で用いたと同様の反応容器に、グリセロールモ
ノステアレート1.5gを含むn-ヘキサン溶液150g及び水30
gを仕込み、室温で撹拌下、3官能性アジリジニル化合
物である2,2-ビスヒドロキシメチルブタノール‐トリス
〔3-(1-アジリジニル)プロピオネート〕(ケミタイト
PZ-33,日本触媒化学工業(株)製)15g及びポリエチ
レングリコールジグリシジルエーテル(デコナール EX
-810,エポキシ当量112,ナガセ化成工業(株)製)0.5g
を混合し、均一に分散させた。室温にて1時間撹拌後、
生成した重合ゲルを実施例1と同様な処理を行った。得
られた球状のカチオン系架橋重合体の重量は25gであ
り、40%の水分を含有していた。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1の方法によって得られたカチオン系架
橋重合体の粒子構造を表わす96倍拡大図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭化水素系溶媒中、該溶媒に可溶な分散安
    定剤の存在下、アジリジン化合物の1種又は2種以上と
    架橋剤とを分散させて重合することを特徴とするカチオ
    ン系架橋重合体の製造方法。
JP18417686A 1986-08-07 1986-08-07 カチオン系架橋重合体の製造方法 Expired - Lifetime JPH075735B2 (ja)

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DE19627909A1 (de) * 1996-07-11 1998-01-15 Basf Ag Verfahren zur Herstellung von feinteiligen, wasserunlöslichen Polymerisaten von Aziridinen sowie von modifizierten, wasserunlöslichen Polymerisaten von Aziridinen sowie von modifizierten, wasserunlöslichen Polymerisaten von Aziridinen und ihre Verwendung
US9720138B2 (en) * 2014-08-26 2017-08-01 Novartis Ag Poly(oxazoline-co-ethyleneimine)-epichlorohydrin copolymers and uses thereof

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