JPH075685B2 - ニトリル系共重合体の製造方法 - Google Patents

ニトリル系共重合体の製造方法

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JPH075685B2
JPH075685B2 JP5573990A JP5573990A JPH075685B2 JP H075685 B2 JPH075685 B2 JP H075685B2 JP 5573990 A JP5573990 A JP 5573990A JP 5573990 A JP5573990 A JP 5573990A JP H075685 B2 JPH075685 B2 JP H075685B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、熱安定性、透明性および色調がすぐれ、かつ
耐薬品性の良好なニトリル系共重合体を、水性懸濁重合
法により効率的に製造する方法に関するものである。
<従来の技術> ABS樹脂、AES樹脂およびAAS樹脂などのゴム強化スチレ
ン系樹脂は、すぐれた耐衝撃性および成形加工性を有し
ており、汎用樹脂とエンジニアリング樹脂との中間の性
能を示す“準エンプラ”として、自動車内装部品や家庭
用電気機器部品などの用途に広く使用されている。
しかしながら、ゴム強化スチレン系樹脂は一般に耐薬品
性が不十分であり、苛酷な条件下での使用が制限されて
いるのが実状である。
ゴム強化スチレン系樹脂の耐薬品性を改良するために
は、樹脂のマトリックス成分である芳香族ビニル系単量
体(通常はスチレン)とシアン化ビニル系単量体(通常
はアクリロニトリル)からなるニトリル系共重合体中の
シアン化ビニル系単量体含有量を増加させることが有力
な手段である。
一方、芳香族ビニル系単量体とシアン化ビニル系単量体
からなるニトリル系共重合体の製造方法としては、製造
コストが比較的廉価であることおよび重合完結後共重合
体が小粒子状で得られるため、他の樹脂(例えばABS樹
脂)との配合工程における取扱いが便利であることなど
の利点を有することから、水性懸濁重合法が一般的に採
用されている。
しかし、従来の水性懸濁重合法では、上記の利点を有す
るにもかかわらず、水性媒体中にシアン化ビニル系単量
体が溶出する傾向があるため、懸濁安定性が阻害された
り、溶出したシアン化ビニル系単量体が乳化状で重合し
てシアン化ビニル系単量体の含有量が著しく高い粉末状
共重合物が生じ、全体の共重合組成が極めて不均一にな
るという欠点を有している。そして、このシアン化ビニ
ル系単量体の含有量が高い粉末状共重合物は、最終製品
の熱安定性を劣化させたり、加熱着色の原因となるた
め、従来の芳香族ビニル系単量体とシアン化ビニル系単
量体からなるニトリル系共重合体の水性懸濁重合におい
ては、乳化重合物の副生を極力抑制するようシアン化ビ
ニル系単量体の含有量を低くしたり、また重合が完結す
る以前に重合を停止して、シアン化ビニル系単量体含有
量の高い単量体混合物を除去しているのが通常であっ
た。
このような理由から、通常の水性懸濁重合法によって
は、シアン化ビニル系単量体の共重合量が26重量%以上
である均質なニトリル系共重合体を得ることは困難であ
り、シアン化ビニル系単量体の共重合量をそれ以上にす
るためには、いかにしても共重合組成の不均一化を招
き、得られるニトリル系共重合体の耐熱性を犠牲にせざ
るを得ないのが実状であった。
そこで、上記の問題点を改良し、シアン化ビニル系単量
体共重合量が高く、かつ共重合組成の均質なニトリル系
共重合体を製造する方法について従来から多くの検討が
なされており、例えば特定の2種の重合開始剤を併用
し、計算量のスチレンを比較的高温(80〜100℃)で連
続添加しながら、重合系を段階的に昇温する方法(特公
昭46−27808号公報、特公昭50−33917号公報)、塊状
−懸濁重合法を採用し、かつ塊状重合開始時の単量体組
成よりもスチレン含有量が高い単量体または単量体混合
物を添加し、懸濁重合に移行する方法(特公昭49−3783
6号公報)、重合により発生する反応熱から決定され
る速度でスチレンを添加し、一定の温度で重合する方法
(特公昭51−36315号公報)および重合開始剤の分解
半減期−温度直線によって求められる温度に沿って昇温
しつつ、100℃以上の高温でスチレンを連続添加し、共
重合反応を進行させる方法(特開昭62−1710号公報)な
どが提案されている。
<発明が解決しようとする課題> しかしながら、上述した従来の方法では、熱安定性や透
明性にすぐれたニトリル系共重合体を得ることはできた
としても、耐薬品性、色調およびコストなどを含めたト
ータルバランスにすぐれたシアン化ビニル系単量体含有
量の高いニトリル系共重合体の製造方法としては満足す
べきものではない。
すなわち、上記法では、アクリロニトリル共重合量が
低く耐薬品性に劣るばかりか、重合温度が比較的高いた
めに色調が劣るニトリル系共重合体しか得られない。
上記法では、塊状重合から懸濁重合へ移行する際のタ
イミングが難しく、一定の共重合組成および重合度を有
するニトリル系共重合体の取得が困難である。
また、上記法では、反応熱の測定誤差が大きいばかり
か、スチレンの添加速度が時間と共に変化するため、共
重合反応のコントロールが極めて煩雑である。
さらに、上記法では、重合反応温度が著しく高いた
め、得られるニトリル系共重合体の色調に問題があるば
かりか、最終到達重合率が低く、生産性に劣るという問
題があった。
そこで本発明は、熱安定性、透明性および色調がすぐ
れ、かつ耐薬品性の良好なニトリル系共重合体を、水性
懸濁重合法により効率的に製造する方法の確立を課題と
するものである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結
果、特定の重合開始剤を用いると共に、芳香族ビニル系
単量体の添加時間を規制することにより、上記課題が効
果的に達成できることを見出し、本発明に到達した。
<課題を解決するための手段> すなわち本発明は、シアン化ビニル系単量体40〜80重量
%、芳香族ビニル系単量体60〜20重量%およびこれらと
共重合可能な他のビニル系単量体0〜20重量%からなる
単量体混合物から、水系懸濁重合法によりニトリル系共
重合体を製造するに際し、 A.シアン化ビニル系単量体および共重合可能な他のビニ
ル系単量体の全量と、芳香族ビニル系単量体の一部量を
初期仕込みし、10時間半減期温度が60℃以下の重合開始
剤を使用して、重合反応を開始させる第1工程、 B.重合反応開始後30分を経過する以前に、残部量の芳香
族ビニル系単量体の添加を開始し、反応系を段階的ある
いは連続的に昇温しながら、前記芳香族ビニル系単量体
の添加を下記(I)式を満たす添加時間継続する第2工
程および C.残部量の芳香族ビニル系単量体の添加を終了した後、
重合率が95%以上になるまで重合反応を継続し、次いで
重合を完了する第3工程を順次行うことを特徴とするニ
トリル系共重合体の製造方法を提供するものである。
2.5×A≦T≦3.8×A (ここで、Tは添加時間(分)、Aは共重合体中におけ
るシアン化ビニル系単量体の共重合量(重量%)を示
す) 以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において用いられるシアン化ビニル系単量体とし
ては、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリルなど
が挙げられるが、アクリロニトリルが好ましい。芳香族
ビニル系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレ
ン、オルトメチルスチレン、パラメチルスチレン、パラ
−t−ブチルスチレンおよびハロゲン化スチレンなどが
挙げられるが、スチレン、α−メチルスチレンまたはこ
れらの混合物が好ましい。
また、得られる共重合体の改質のため、必要に応じて加
える共重合可能な他のビニル系単量体としては、アクリ
ル酸、メタクリル酸などの不飽和カルボン酸、アクリル
酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチルなど
の(メタ)アクリル酸エステル類、アクリルアミド、メ
タクリルアミド、N−メチルアクリルアミドなどの(メ
タ)アクリルアミド類およびマレイミド、N−メチルマ
レイミド、N−フェニルマレイミドなどのマレイミド類
を挙げることができる。
本発明におけるシアン化ビニル系単量体の共重合量は40
〜80重量%であり、芳香族ビニル系単量体の共重合量は
60〜20重量%である。また、共重合可能な他のビニル系
単量体の共重合量は0〜20重量%であり、好ましくは0
〜10重量%である。
シアン化ビニル系単量体の共重合量が40重量%未満であ
ると、得られるポリマーの耐薬品性が不十分であり、ま
た80重量%を越えると、得られる共重合体中の成形加工
性および熱安定性が共に著しく低下するため、本発明の
目的を達成することはできない。
また、必要に応じて加える共重合可能な他のビニル系単
量体の共重合量が20重量%を越えると、単量体の種類に
よって成形時の熱安定性が低下したり、透明性を悪化さ
せたりする不具合が招かれるため好ましくない。
本発明の製造方法においては、まず第1工程で重合槽に
懸濁安定剤、連鎖移動剤、シアン化ビニル系単量体およ
び共重合可能な他のビニル系単量体の全量、芳香族ビニ
ル系単量体の一部量および水を初期仕込し、所定の重合
開始温度まで昇温した後、重合開始剤を添加して共重合
反応を開始させる。ここで用いられる懸濁安定剤および
連鎖移動剤についは特に制限はなく、通常の懸濁重合に
用いられる薬剤を使用できる。すなわち、懸濁安定剤と
してリン酸バリウム、硫酸バリウムなどの無機塩、ポリ
ビニルアルコール、ポリアクリルアミドおよびアクリル
酸系共重合体などの水溶性ポリマーなどが挙げられ、連
鎖移動剤の例として、t−ドデシルチオール、n−ドデ
シルチオールなどのアルキルチオール類などが挙げられ
る。また懸濁重合系における単量体混合物/水の比率に
関しても特に制限はないが、1/1〜1/3(重量比)の範囲
が好ましい。
重合開始温度は50〜70℃であることが望ましく、50℃未
満で反応を行うためには、後述する重合開始剤としてか
なり分解のし易い化合物を選定する必要があって、この
場合には重合開始剤の貯蔵方法に問題があり実用的でな
い。一方、重合開始温度が70℃を越える場合には、ビー
ス状粒子が生成されるまでの時間が短く、目的とする共
重合組成のポリマーが得られない場合があり、また着色
の原因ともなるため好ましくない。
また、本発明で使用される重合開始剤は、10時間半減期
温度が60℃以下の化合物であることが必須である。この
条件が満足されない重合開始剤〔例えば、2,2′−アゾ
ビス(2−メチルプロピオニトリル)〕を使用し場合に
は、50〜70℃の温度では重合の進行が遅く、かつ重合終
了時の未分解開始剤が系内に残存し、重合体の着色を促
進するため好ましくない。本発明において好ましく使用
できる重合開始剤としては、2,2′−アゾビス(2,4−ジ
メチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(2,4、4−
トリメチルバレロニトリル)などのアゾニトリル化合物
およびt−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパ
ーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシネオヘ
キサノエートなどの有機過酸化物が挙げられるが、得ら
れるニトリル系共重合体の色調の面からは、アゾニトリ
ル化合物が特に好ましい。
さらに、本発明の第1工程において初期仕込する芳香族
ビニル系単量体の全芳香族ビニル系単量体に対する比率
は5〜20重量%にすることが好ましい。この範囲をはず
れる場合には、シアン化ビニル系単量体の含有率が著し
く高い共重合体が得られる場合があるため不適切であ
る。
次に、本発明の第2工程では、重合開始後30分が経過す
るよりも前に、残存芳香族ビニル系単量体の添加を開始
する。ここで、添加開始までの時間が30分より長いと、
得られる共重合体に共重合組成分布ができ易いため好ま
しくない。
さらに、この残存芳香族ビニル系単量体の添加は、次式
(I)を満たす期間において継続する必要がある。
2.5×A≦T≦3.8×A ……(I) (ここでTは添加時間(分)、Aは共重合体中における
シアン化ビニル系単量体の共重合量(重量%)を示
す。) 上記添加時間Tが指定された時間より短い場合には、シ
アン化ビニル系単量体の残存量が多く、組成分布ができ
易くなり、一方、指定された時間より長い場合には懸濁
安定性が悪化し形状不均一な粒子が生成し易く、さらに
は重合時間が必要以上に長くなるため好ましくない。
残存芳香族ビニル系単量体の添加方法については連続添
加法、断続添加法、バッチ式添加法が知られているが、
本発明においては連続添加法あるいは断続添加法が好ま
しく、断続添加法がより好ましい。連続添加法を採用す
る場合には、添加速度は等則であることが好ましい。ま
た、断続添加法を採用する場合には、残存芳香族ビニル
系単量体を2分割し、その前半の連続添加が終了し20分
以上経過した後、後半を連続添加する方法が推奨され
る。この際、2分割の後半の量は添加する残存芳香族ビ
ニル系単量体量の15重量%未満であることが好ましい。
この2分割断続添加法を採用することにより重合率を高
めることができ、生産性が向上する。
また、本発明の第2工程においては、反応系を段階的あ
るいは連続的に昇温しながら共重合反応を進行させる。
この昇温の過程は上記残存芳香族ビニル系単量体の添加
時間Tと密接な関係があり、添加を継続している間は重
合温度を70℃以下に保つことが好ましい。この条件を満
足するならば、昇温過程に制限はなく、例えば、重合反
応を55℃で開始し、120分間で70℃まで連続的に昇温す
る方法および60℃で開始し、120分間その温度を保持
し、その後70℃に昇温する方法などが挙げられる。
さらに、残存芳香族ビニル系単量体の添加が終了後、少
くとも60分間、すなわち重合率が75%以上に達するまで
は、反応系を80℃以下の温度に保つことが好ましい。こ
の条件を満足することにより色調のすぐれたニトリル系
共重合体を得ることができる。
次いで、本発明の第3工程においては、反応系をさらに
昇温し、95〜100℃の温度に設定して重合率が95%以上
になるまで重合反応を継続し、次いで重合を完結する。
本第3工程の所要時間は通常1〜2時間である。
<実施例> 本発明をさらに具体的に説明するために以下、実施例お
よび比較例を挙げて説明するが、これら実施例は本発明
を限定するものではない。なお、得られたニトリル系共
重合体の色調は目視で判定し、以下の4段階で評価し
た。
A無色、Bごく薄い黄色、C淡黄色、D黄色 実施例1 容量が20で、バッフルおよびブレードパドル型撹拌翼
を備えたステンレス製オートクレーブに、5gのメタクリ
ル酸メチル/アクリルアミド共重合体を8,500gのイオン
交換水に溶解した溶液、2,500gのアクリロニトリル、25
0gのスチレン、50gのt−ドデシルチオールを加え、220
rpmで撹拌し、系内を窒素ガスで置換した後、60℃まで
昇温した。反応系を撹拌しながら少量のスチレンに溶解
した20gの2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニト
リル)を添加し、共重合反応を開始した。
重合開始から15分が経過した後オートクレーブ上部に備
付けた供給ポンプから2,250gのスチレンを150分間かけ
て等速で連続添加した。この添加が終了すると同時に、
反応温度を70℃に上げた。さらに30分後に80℃に昇温
し、60分間維持した。次いで95℃で60分間反応を行い、
重合を完了した。
通常の方法に従い反応槽を冷却し、生成した共重合体を
分離、洗浄後乾燥し、平均粒径0.6mmのビーズ状ニトリ
ル系共重合体を得た。重合収量は4,750gであり、ニトリ
ル系共重合体中のアクリロニトリル含有量は48重量%で
あった。また、この共重合体から試験片を作成し、ASTM
D1003にしたがってヘイズを測定したところ、1.5%で
あった。さらに、試験片の色調はBであった。
実施例2 実施例1で用いたものと同一の反応槽に、5gのメタクリ
ル酸メチル/アクリルアミド共重合体を8,500gイオン交
換水に溶解した溶液、3,000gのアクリロニトリル、400g
のスチレン、50gのt−ドデシルチオールを加え、220rp
mで撹拌し、系内を窒素ガスで置換した後、60℃まで昇
温した。反応系を撹拌しながら少量のスチレンに溶解し
た20gの2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)を添加し、共重合反応を開始した。
重合開始から25分が経過した後、オートクレーブ上部に
備付けた供給ポンプから1,400gのスチレンを150分間か
けて等速で連続添加した。この添加が終了すると同時に
反応温度を70℃に上げた。30分経過後、200gのスチレン
を10分間かけて等速で連続添加した。この添加が終了後
80℃に昇温し、60分間維持した。さらに95℃で90分間反
応を行い、重合を完了した。
次いで実施例1と同様の処理を行い、平均粒径0.6mmの
ビーズ状ニトリル系共重合体を得た。重合収量は4,800g
であり、ニトリル系共重合体中のアクリロニトリル含有
量は59重量%であった。実施例1と同様にヘイズを測定
したところ2.0%であり色調はBであった。
実施例3 初期仕込モノマー組成を2,000gのアクリロニトリル、60
0gのスチレンとし、連続添加するステレンを2,400gとし
た以外は実施例1と同様に行い、平均粒子径0.5mmのビ
ーズ状ニトリル系共重合体を得た。重合収量は4,800gで
あり、ニトリル系共重合体中のアクリロニトリル含有量
は39重量%であった。さらに、実施例1と同様にヘイズ
を測定したところ1.1%であり、色調はAであった。
実施例4 初期仕込モノマー組成を、2,450gのアクリロニトリル、
50gのメタクリル酸、250gのスチレンとした以外は実施
例1と同様に行い、平均粒径0.7mmのビーズ状共重合体
を得た。重合収量は4,800gであり共重合体中のアクリロ
ニトリル含有量は47重量%であった。さらに試験片のヘ
イズは2.0%であり、色調はBであった。
比較例1 重合開始剤として10時間半減期温度が66℃である、2,
2′−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)を使用
し、重合開始温度を70℃とした以外は実施例1と同様に
行った。アクリロニトリル含有量が48重量%のニトリル
系共重合体4,750gが得られたが、試験片の色調はDであ
った。
比較例2 連続添加の時間を100分間とした以外は実施例1と同様
に行った。アクリロニトリル含有量が47重量%であるニ
トリル系共重合体4,700gが得られたが、試験片のヘイズ
は10%であり色調もDであった。
比較例3 連続添加の開始時刻を重合反応開始後45分に設定した以
外は、実施例1と同様に行った。アクリロニトリル含有
量が47重量%であるニトリル系共重合体4,700gが得られ
たが、試験片のヘイズは8%であった。
<発明の効果> 本発明の製造方法により得られるニトリル系共重合体
は、組成が均一で、シアン化ビニル系単量体単位を高度
な割合で含有するため、通常の機械的諸特性にすぐれる
ばかりでなく、熱安定性、透明性、色調も良好で、かつ
耐薬品性にもすぐれている。この効果は特定の重合開始
剤を使用し、段階的あるいは連続的に昇温しながら、所
定の様式で芳香族ビニル系単量体を添加することにより
初めて達成されるものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シアン化ビニル系単量体40〜80重量%、芳
    香族ビニル系単量体60〜20重量%およびこれらと共重合
    可能な他のビニル系単量体0〜20重量%からなる単量体
    混合物から、水系懸濁重合法によりニトリル系共重合体
    を製造するに際し、 A.シアン化ビニル系単量体および共重合可能な他のビニ
    ル系単量体の全量と、芳香族ビニル系単量体の一部量を
    初期仕込みし、10時間半減期温度が60℃以下の重合開始
    剤を使用して、重合反応を開始させる第1工程、 B.重合反応開始後30分を経過する以前に、残部量の芳香
    族ビニル系単量体の添加を開始し、反応系を段階的ある
    いは連続的に昇温しながら、前記芳香族ビニル系単量体
    の添加を下記(I)式を満たす添加時間継続する第2工
    程および C.残部量の芳香族ビニル系単量体の添加を終了した後、
    重合率が95%以上になるまで重合反応を継続し、次いで
    重合を完了する第3工程を順次行うことを特徴とするニ
    トリル系共重合体の製造方法。 2.5×A≦T≦3.8×A (ここで、Tは添加時間(分)、Aは共重合体中におけ
    るシアン化ビニル系単量体の共重合量(重量%)を示
    す)
  2. 【請求項2】重合開始剤がアゾニトリル化合物であるこ
    とを特徴とする請求項(1)に記載のニトリル系共重合
    体の製造方法。
  3. 【請求項3】重合開始温度が50〜70℃であることを特徴
    とする請求項(1)に記載のニトリル系共重合体の製造
    方法。
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