JPH075664B2 - α−オレフィンを重合させる際のシーチングの減少方法 - Google Patents

α−オレフィンを重合させる際のシーチングの減少方法

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JPH075664B2
JPH075664B2 JP27464888A JP27464888A JPH075664B2 JP H075664 B2 JPH075664 B2 JP H075664B2 JP 27464888 A JP27464888 A JP 27464888A JP 27464888 A JP27464888 A JP 27464888A JP H075664 B2 JPH075664 B2 JP H075664B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、α−オレフィンを重合させる際のシーチング
の減少方法に関し、より詳細にはエチレンを重合させる
際のシーチングの減少方法に関するものである。
[従来の技術] 当業者には周知されているように、低圧高密度若しくは
低密度ポリエチレンは、全範囲の低密度及び高密度製品
を製造するための数種の触媒を用いて流動床法により現
在便利に供給することができる。利用すべき触媒の適切
な選択は1部には所望する最終製品の種類(すなわち高
密度、高密度、押出級、薄膜級の樹脂)及びその他の基
準に依存し、一般にたとえば1985年7月30日付け発行の
米国特許第4,532,311号公報に記載されている。
一般に、上記触媒は重合しうる原料と一緒に直線側部セ
クションの上方に拡大セクションを備えた反応器に導入
される。循環ガスは反応器の底部に流入しかつガス分配
板を通過して上方へ容器の直線側部にセクションに位置
する流動床中へ移動する。ガス分配板は適切なガス分配
を確保すると共に、ガス流が停止した際に樹脂床を支持
するように作用する。
流動床から流出するガスは樹脂粒子を連行する。これら
粒子の大部分は、ガスが拡大セクションを通過してその
速度を低下する際に離脱する。
残念ながら、前記米国特許にIV型触媒として示された或
る種の触媒並びにバラジウム系触媒の利用は、流動床法
にてα−オレフィンを重合させることによりポリオレフ
ィンを製造する際にシーチング(シート)を生ぜしめる
傾向を有する。
たとえば薄膜、射出成形及び回転成形の用途などエチレ
ン樹脂に対する或る種の最終用途を満足させるため、こ
れらの種類の触媒(すなわちIV型触媒)が使用されてい
る。しかしながら、或る種の流動床反応器において多孔
質シリカ支持体上に支持されたIV型触媒若しくはバナジ
ウム系触媒を用いて或る種のエチレン樹脂を製造する試
みは、実用上の観点から完全には満足しえない。これ
は、主として短時間の操作の後に反応器内に「シート」
が形成するためである。この「シート」は、融合高分子
物質を構成するものとして特性化することができる。
これらシートは寸法が広範囲に変化するが、殆んどの点
において類似している。これらは、一般に厚さ約1/4〜1
/2インチであり、長さ約1〜5フィートであって、幾つ
かの試料はそれよりずっと長い。これらは約3インチ〜
18インチ以上の幅を有する。これらシートは、シートの
長手方向に配向した融合ポリマで構成されるコアを有
し、その表面はこのコアに融合した粒状樹脂で覆われ
る。シートの縁部は、融合ポリマのストランドのため毛
髪状外観を有しうる。
重合の間の比較的短時間の後、シートが反応器内に出現
し始め、かつこれらのシートは生成物排出系を閉塞して
反応器の停止に至らしめる。
したがって、流動床反応器でチタン系触媒を用いてポリ
オレフィン生成物を製造するのに必要とされる重合技術
を改善することが現在要望されているこが判るであろ
う。
[発明が解決しようとする課題] したがって、本発明の目的は、チタン系化合物を触媒と
して用いるα−オレフィンの低圧流動床重合の際に生ず
るシーチングの程度を実質的に減少させ又は除去する方
法を提供することにある。
これら及びその他の目的は、添付図面を参照する後記の
説明から一層明らかとなるであろう。
[課題を解決するための手段] 広義において本発明は、未反応ガス及び固体粒子からな
る循環流を循環させるための循環経路、並びに前記循環
流を冷却し圧縮させるために前記循環経路に配置された
冷却手段及びコンプレッサ手段を備えた気相流動系反応
器において、シート形成的量の水又は酸素が不純物とて
存在するときにシーチングを引き起こす傾向を有するチ
タン系触媒又は他の触媒を用いてα−オレフィンを重合
させる際に、モノマとコモノマと不活性ガスと水素とか
らなるガス供給流であって、該ガス供給流の不純物とし
てのシート形成的量の酸素又は水を含むガス供給流を、
前記循環流を前記冷却手段において冷却する前の箇所に
導入し、次いで前記循環流と前記ガス供給流とを冷却さ
せて前記反応器に向けさせることからなるα−オレフィ
ンを重合させる際のシーチングの減少法を提供する。
流動床重合反応器に対する酸素又は水の如き不純物添加
によって発生する静電圧の量は、サイクルに対する不純
物の添加箇所に著しく依存することが判明した。最大の
静電応答を引起こす不純物添加箇所は、流動床中の流体
の停滞領域に直接存在する。不純物がこのサイクル中へ
流動床からずっと離れた箇所(たとえば循環ガス冷却器
の上流)に注入されると、発生する静帯電作用が著しく
減衰する。したがって、本発明によれば、工程に対する
モノマとコモノマと窒素と水素との供給流(これらの供
給流は場合によって水又は酸素の如き静電発生不純物を
含有する)を循環ガス冷却器の上流に位置せしめること
により、静帯電が低下する。流動床における静帯電の低
下は、しばしば静電気の直接的結果であるシート及びチ
ャンク形成の危険性を減少させることにより、一層良好
な反応器性能をもたらす。本発明によればシーチングが
最小となり、したがってこれらシートを除去するために
生ずる停止時間も除去される。
特に添付図面を参照して、α−オレフィンを重合させる
ための慣用の流動床反応システムは、反応帯域12と速度
減少帯域14とよりなる反応器10を備える。
反応帯域12は増大するポリマ粒子と生成されたポリマ粒
子と少量の触媒粒子との床を備え、この床は反応帯域を
流過する補給ガス及び循環ガスとしての重合可能かつ改
変用ガス成分の連続流によって流動化される。可使流動
床を維持するため、床に対する質量ガス流は一般に流動
化に必要とされる最小流量よりも高く維持され、好まし
くはGmfの約1.5倍〜約10倍、より好ましくはGmfの約3
〜約6倍の範囲である。Gmfは、流動化を達成するため
に要する最小ガス流量に関する記号として認められたよ
うに使用される[C.Y.ウェン及びY.H.ユー、「流動化の
メカニックス」、ケミカル・エンジニアリング・プロセ
ス・シンポジウム・シリーズ、第62巻、第100〜111頁
(1966)]。
局部的「ホットスポット」の形成を防止すると共に粒状
触媒を反応帯域全体に連行しかつ分配するには、床は常
に粒子を含有することが極めて望ましい。始動に際し、
反応器には一般にガス流を開始する前に粒状ポリマ粒子
のベースを充填する。これらの粒子は性質において生成
させるべきポリマと同一とすることができ、或いは異な
ってもよい。異なる場合、これらは第1生成物としての
所望の生成ポリマ粒子と共に抜取られる。最終的に、所
望ポリマ粒子の流動床が始動床を置換する。
流動床に使用される適する触媒は好ましくはガスのシー
ル下で貯槽16内に使用するまで貯蔵され、シールガスは
たとえば窒素若しくはアルゴンのような貯蔵物質に対し
不活性なガスである。
流動化は、典型的には補給ガスの供給速度の約50倍程度
である床に対する高流量のガス循環によって達成され
る。流動床は、この床に対するガスの浸透によって形成
されうる自由渦流における可使粒子の緻密な物質という
一般的外観を有する。床に対する圧力低下は、断面積で
割算した床の質量に等しいか又はそれより僅か大であ
る。したがって、これは反応器の形状に依存する。
補給ガスは、粒状ポリマ生成物を抜取る速度に等しい速
度で床に供給される。補給ガスの組成は、床の上方に位
置するガス分析器18によって決定される。ガス分析器は
循環されているガスの組成を測定し、かつ補給ガスの組
成はそれに応じて反応帯域内にほぼ定常状態のガス組成
を維持するよう調整される。
完全な流動化を確保するには、循環ガス及び所望に応じ
補給ガスの1部若しくは全部を床の下方におけるベース
20にて反応器へ返送する。返送箇所の上方に位置するガ
ス分配板22は適切なガス分配を確保すると共に、ガス流
が停止した際に樹脂床を支持する。
床内で反応しないガス流の部分は循環ガスを構成し、こ
れは好ましくは床の上方の速度減少帯域14中へ移送する
ことにより集合帯域から除去され、この速度減少帯域に
て連行粒子には床中へ落下復帰する機会が与えられる。
次いで、循環コンプレッサ24で圧縮された後に熱交換器
26を通過し、ここで反応熱が奪われた後、床に返送され
る。反応熱は絶えず除去することにより、床の上部には
認めうる温度勾配が存在しないと思われる。温度勾配は
床の底部に約6〜12インチの層として存在し、流入ガス
の温度と床の残部の温度との間の温度となる。かくし
て、床はこの床帯域の底部層より上方で循環ガスの温度
をほぼ即座に調整して床の残部における温度に一致さ
せ、これにより定常状態の下でほぼ一定温度に維持する
よう作用することが観察された。次いで、循環流を反応
器へそのベース20に返送し、かつ分配板22を介して流動
床へ返送する。コンプレッサ24は熱交換器26の下流に設
置することもできる。
本発明で考えられる種類の慣用の重合反応には、水素を
連鎖延長剤として使用することができる。モノマとして
エチレンを使用する場合、用いる水素/エチレンの比
は、ガス流中のモノマ1モル当り約0〜約2.0モルの水
素の範囲で変化する。
本発明によれば、循環ガス流がたとえば経路42を介して
熱交換器26に流入する箇所の前にて、水素と窒素モノマ
とコモノマとの供給流(ガス流)をガス循環流中へ導入
する。
触媒及び反応体に対し不活性な任意のガスをガス流中に
存在させることもできる。助触媒は、ディスペンサ28か
ら経路30を介するような反応器との接続部の上流にてガ
ス循環流に添加される。周知のように、流動床反応器は
ポリマ粒子の焼結温度より低い温度で操作することが肝
要である。すなわち焼結が生じないよう確保するには、
焼結温度より低い操作温度が望ましい。エチレンポリマ
を製造するには、好ましくは約90〜100℃の操作温度を
用いて約0.94〜0.97の密度を有する生成物を製造するの
に対し、約0.91〜0.94の密度を有する生成物については
約75〜95℃の温度が好適である。
一般に流動床反応器は約1000psiまでの圧力で操作さ
れ、好ましくは約150〜350psiの圧力で操作され、この
範囲における高い圧力での操作が熱移動に好適である。
何故なら、圧力の増大はガスの単位容積熱容量を増大さ
せるからである。
触媒は、分配板22より上方の箇所32におけるその消費に
等しい速度で床中へ注入される。たとえば窒素若しくは
アルゴンのような触媒に対して不活性ガスを用いて、触
媒を床中へ搬入する。分配板22に上方の箇所における触
媒の注入が重要な特徴である。一般に使用される触媒は
極めて活性が高いため、分配板より低い領域への注入は
そこでの重合を開始させ、最終的に分配板の閉塞をもた
らす。その代りに、可使床中への注入は床全体にわたる
触媒の分配に役立ち、かつ「ホットスポット」の形成を
もたらしうるような高触媒濃度の局部的箇所が形成され
るのを排除する傾向を有する。
所定組合せの操作条件下において、流動床は床の1部を
生成物として粒状ポリマ生成物の形成速度に等しい速度
で抜取ることにより実質的に一定の高さに維持される。
熱発生割合は生成物形成に直接関係するので、反応器に
対するガスの温度上昇(入口ガス温度と出口ガス温度と
の間の差)の測定は、一定のガス速度における粒状ポリ
マ形成速度に対し決定要因となる。
粒状ポリマ生成物は、好ましくは分配板22の箇所34また
はそれに接近した箇所から抜取る。便利かつ好適には粒
状ポリマ生成物は、凝離帯域40を形成する一対の調時弁
36及び38の順次の操作を介して抜取られる。弁38が閉鎖
されている間に弁36を開放してガス及び生成物の栓流を
帯域40へこの帯域と弁36との間に放出させ、次いで弁36
を閉鎖する。次いで弁38を開放して生成物を外部の回収
帯域へ供給し、かつ供給後に弁38を閉鎖して次の生成物
回収操作を待機する。
最後に、流動床反応器には充分な排気系を装着して、始
動及び停止の間に床を排気する。反応器は攪拌手段及び
(又は)壁部掻取り手段の使用を必要としない。
反応容器は一般に炭素鋼で作成され、かつ上記操作条件
につき設計される。
主として本発明が関連しかつチタン若しくはバナジウム
触媒の存在下に上記シーチング問題を生ずるようなポリ
マは、エチレンの線状ホモポリマ又は大モル%(90
%)のエチレンと小モル%(10%)の1種若しくはそ
れ以上のC3〜C8α−オレフィンとの線状コポリマであ
る。C3〜C8α−オレフィンは、第四炭素原子よりも近い
炭素原子のいずれにも分枝鎖をもってはならない。好適
C3〜C8α−オレフィンはプロピレン、ブテン−1、ヘキ
セン−1及びオクテン−1である。この説明は、エチレ
ンがモノマでないようなα−オレフィンホモポリマ及び
コポリマ樹脂につき本発明の使用を排除することを意図
するものでない。
ホモポリマ及びコポリマは約0.97〜0.91の範囲の密度を
有する。コポリマの密度は、所定のメルトインデックス
レベルにて、エチレンと共重合するC3〜C8コモノマの量
により主として調節される。すなわち、コポリマに対し
コモノマの添加量を漸次増加すると、コポリマの密度が
漸次低下する。同じ結果を得るのに要する各種のC3〜C8
コモノマの量は、同じ反応条件下でモノマ毎に変化す
る。コモノマの不存在下に、エチレンは単独重合する。
ホモポリマ若しくはコポリマのメルトインデックスはそ
の分子量を反映する。比較的高分子量を有するポリマ
は、比較的高い粘度と低いメルトインデックスとを有す
る。
[実施例] 以上、本発明の一般的性質につき説明したが、本発明の
特定実施例を以下の例によりさらに説明する。しかしな
がら、本発明はこれら実施例のみに限定されず、種々の
改変をなしうることが了解されよう。
後記例1及び2は慣用操作の例であり、ガス供給が常法
である以外は添付図面に示した流動床反応器で行ない、
すなわちガス供給物を熱交換器後に反応器の底部に供給
する経路を介して系中へ導入した。
例1(比較例) 0.918g/ccの密度と1.0dg/mmのメルトインデックスと140
℃の粘着温度とを有する薄膜級の低密度エチレンコポリ
マ生成物を製造するよう設計された操作条件にて、流動
床反応器を始動させた。製造すべき生成物に類似した粒
状樹脂の床が予備充填された反応器へ触媒を供給するこ
とにより反応を開始させた。触媒は5.5部の四塩化チタ
ンと8.5部の塩化マグネシウムと14部のテトラヒドロフ
ランとの混合物とし、これを沈着前に予め800℃にて脱
水されかつ4部のトリエチルアミルニウムで処理された
100部のダビソン級952シリカの上に沈着させ、かつ沈着
後に35部のトリ−n−ヘキシルアルミニウムで活性化さ
せた。触媒供給を開始する前に反応器と樹脂床とを85℃
の操作温度となし、樹脂床に窒素を循環させて不純物を
パージした。エチレンとブテンと水素との濃度をそれぞ
れ53%、24%及び11%に設定した。助触媒を触媒1部当
り0.3部のトリエチレルアルミニウムの割合で供給し
た。
反応器の始動は正常であった。29時間にわたり生成物を
生成させかつ流動床の重量の6.5倍に等しくなった後、
床温度より1〜2℃高い温度変化がガス分配板より1/2
反応器直径だけ高い高さにて反応器壁部の内側に設けた
熱電対を用いて観察された。従来の経験が示すところで
は、このような温度変化は樹脂のシートが流動床内で形
成されつつあることを積極的に示唆する。同時に、床電
圧(ガス分配板より1/2反応器直径だけ高い高さにて反
応器壁部から1インチに設けた直径1/2インチの球形電
極に接続された静電気電圧計を用いて測定)は約+1500
〜+2000ボルトの測定値から+5000ボルト以上の測定値
まで増大し、次いで3分間にわたり+2000ボルトまで低
下した。温度及び電圧の変化は約12時間にわたって続
き、頻度と大きさとが増大した。この期間にわたり、融
合ポリエチレン樹脂のシートが樹脂生成物中に出現し始
めた。シーチングの発生は一層ひどくなり、すなわち温
度変化は床温度より20℃程度高くまで上昇しかつ長時間
にわたり高い温度に留まり、さらに電圧変化も一層頻繁
となった。シーチングの発生のため反応器を停止した。
例2(比較例) 例1で用いた流動床反応器を始動させかつ操作して、押
出成形若しくは回転成形に適しかつ0.934の密度と5メ
ルトインデックスと118℃の粘着温度とを有する線状低
密度エチレンコポリマを製造した。28部のトリ−n−ヘ
キシルアルミニウムで活性化させた以外は例1における
触媒と同様な触媒を、作成すべき生成物に類似した粒状
樹脂の床が予備充填された反応器へ供給することによ
り、反応を開始させた。触媒供給を開始する前に反応器
と樹脂床とを85℃の操作温度となし、かつ窒素で不純物
をパージした。エチレン(52%)とブテン(14%)と水
素(21%)とを反応器中へ導入した。助触媒トリエチル
アルミニウムを触媒1部当り0.3部にて供給した。反応
器を48時間にわたり連続操作し、この期間で床内に含有
された樹脂の量の9倍に等しい樹脂を製造した。この48
時間の円滑な操作の後、融合樹脂のシートが正常な粒状
生成物と共に反応器から出現し始めた。この時点で、分
配板より1/2反応器直径だけ高い高さにて測定した電圧
は平均+2000ボルトとなりかつ0〜+10,000ボルトの範
囲であった一方、同じ高さにおけるスキン熱電対は床温
度より15℃高い変化を示した。最初のシートが反応器
からの生成物に認められてから2時間後、樹脂生成速度
を低下させるべく反応器への触媒と助触媒との供給を停
止する必要があった。何故なら、シートが樹脂排出系を
閉塞したからである。1時間後、触媒及び助触媒の供給
を再開した。シートの生成が続きかつ2時間後に触媒と
助触媒との供給を再び停止し、さらに一酸化炭素を注入
して反応を停止させた。この時点における電圧は12,0
00ボルトであり、かつ熱電対による温度変化は毒物が注
入にされるまで続いた。全部で反応器を53時間操作し、
かつシーチングのため反応を停止するまでに床の10.5倍
容量の樹脂を製造した。
例3(実施例) エチレンの連続重合を流動床反応器中で維持した。触媒
と助触媒とを反応器へ供給することにより、0.918g/cm3
の密度と2.0dg/minのメルトインデックスとを有する薄
膜級の低密度コポリマを製造した。触媒は5部のTiCl・
1/3AlCl3と7部のMgCl2と17部のテトラヒドロフランと
の混合物で構成し、これを沈着前まに600℃にて予め脱
水されかつ5.5部のトリエチルアルミニウムで処理され
た100部のダビソン級955シリカの上に沈着させ、かつ沈
着後に33部のトリ−n−ヘキシルアルミニウム及び11部
のジエチルアルミニウムクロライドで活性した。助触媒
であるトリエチルアルミニウムは、40:1のAl:Tiのモル
比を維持するのに充分な割合で供給した。流動床は85℃
の温度に維持した。反応器内のエチレンとブテンと水素
との濃度はそれぞれ34モル%、11モル%及び8モル%と
した。コポリマ樹脂を定期的に反応器から抜取って、反
応器内に一定の流動床高さを維持した。触媒は流動床中
に直接供給し、他の全ての供給物は熱交換器とコンプレ
ッサとの両者の上流におけるガス循環経路に導入した。
次いで、窒素中の種々の量の水蒸気若しくは酸素ガス循
環経路に数時間にわたって同時に連続供給した。供給位
置はコンプレッサの下流かつ熱交換器の上流とした。水
又は酸素の導入割合は、反応器からのコポリマの除去割
合に関しppmw基準で示す。これらを導入する間、流動床
の下方で測定した循環ガスの入口温度及び床内の静電圧
の両者を監視した。入口温度における1℃の上昇は約20
%の生産割合の低下を示した。流動床内に内壁部から1
インチかつ分配板より3倍の床直径の位置に設けた半球
状のスチールプローブにて電圧を監視することにより、
静電圧を測定した。触媒活性及び静電圧の測定値を下記
に示す: 反応器操作は、これら試験全体にわたり円滑に維持され
た。7.8ppmwまでの不純物レベルの導入は不純物が熱交
換器の上流における循環経路に導入された際に殆んど又
は全く静電圧を生ぜしめなかったことをこの例は示して
いる。
例4(実施例) ここでも、流動床反応器内にエチレンの連続重合を維持
した。触媒と助触媒と促進剤とを反応器へ供給すること
により、0.946g/cm3の樹脂密度と9dg/minのフローイン
デックス(190℃、21.6kg)とを有する高密度コポリマ
を製造した。触媒は55部のVCl3と1.5部の塩化ジエチル
アルミニウムと13部のテトラヒドロフランとの混合物で
構成し、これを600℃にて予め脱水された100部のダビソ
ン級953シリカに沈着させた。トリエチルアルミニウム
は、40:1のAl:Vのモル比を維持するような割合で供給し
た。トリクロルフルオロメタンをコンプレッサと熱交換
器との中間に0.75:1のトリエチルアルミニウムに対する
モル比にて供給した。流動床の温度は100℃に維持し
た。反応器内のエチレンとヘキセンと水素との温度はそ
れぞれ73モル%、1モル%及び1.6モル%とした。その
他の流動床の操作は、先の例におけると同様にした。
次いで、1種の濃度の水蒸気と2種の濃度の酸素と反応
器中へそれぞれ数時間にわたって導入した。これらの不
純物を窒素と混合し、かつコンプレッサの直ぐ下流かつ
熱交換器の上流の箇所にて循環ガス中へ導入した。これ
ら不純物のそれぞれが循環経路に供給されつつある際、
触媒活性と静電圧とを先の例に説明したように監視し
た。その結果は次の通りであった: これらの不純物が供給されている間、反応器の操作は良
好に保たれた。結果は、先の例におけるとは異なる触媒
系及び異なる樹脂特性により9ppmwまでのレベルにて熱
交換器の上流に導入された不純物がここでも静電圧に対
し殆んど又は全く作用を及ぼさないことを示している。
例5(実施例) 流動床反応器内にエチレンの連続重合を維持した。反応
器へ触媒と助触媒とを供給することにより、0.918g/cm3
の密度と2.0dg/minのメルトインデックスとを有する薄
膜級の低密度コポリマを製造した。触媒は5部のTiCl3
・1/3AlCl3と7部のMgCl2と17部のテトラヒドロフラン
との混合物で構成し、これを沈着前に予め600℃にて脱
水されかつ5.5部のトリエチルアルミニウムで処理され
た100部のダビソン級955シリカの上に沈着させ、かつ沈
着後に33部のトリ−n−ヘキシルアルミニウムと11部の
塩化ジエチルアルミニウムとで活性した。助触媒である
トリエチルアルミニウムは、30:1のAl:Tiのモル比を維
持するのに充分な割合で供給した。流動床を88℃に維持
した。反応器内のエチレンとブテンと水素との濃度はそ
れぞれ37モル%、12モル%及び9モル%であった。コポ
リマ樹脂を反応器から定期的に抜取って、反応器内に一
定の流動床高さを維持した。触媒を流動床中へ直接に供
給し、その他全ての供給物は熱交換器及びコンプレッサ
の両者の上流におけるガス循環経路に導入した。
次いで、水蒸気で飽和された窒素の流れをコンプレッサ
の下流かつ熱交換器の上流にて反応器に供給した。水添
加割合は、循環流に対するエチレン添加量1部当り20pp
mの水の量とした。この水供給を2.5時間連続的に行な
い、かつこの時間にわたり流動床内には静電圧の変化が
生じなかった。静電圧は水添加の期間にわたり0ボルト
に保たれた。流動床内に内壁部から1インチかつ分配板
より床直径の3倍上方の箇所に設けた半球状スチールプ
ローブで電圧を監視することにより、静電圧を測定し
た。次いで、飽和された水流の供給位置を熱交換器の直
ぐ下流に移動させた。この位置に対する水の添加は、ガ
ス循環に対するエチレン添加量1部当り8ppmの水の量に
した。熱交換器の下流におけるこの新たな位置に対し水
を導入した際、−250ボルトという負の静電圧が直ちに
生じた。熱交換器の下流に水を添加してから10分間以内
に、流動床帯域における重合反応器の側壁部に設けた熱
電対で示される温度は92℃まで、すなわち床温度より4
℃高い温度まで上昇した。この測定値は、流動床内の壁
部におけるこの位置にてシート形成を示唆した。
例6(実施例) 流動床反応器内にエチレンとブテンとの共重合を維持し
た。生成コポリマは0.918g/cm3の密度と1dg/minのメト
ルインデックスとを有する薄膜級樹脂であった。触媒は
5部のTiCl3・1/3AlCl3と7部のMgCl2と17部のテトラヒ
ドロフランとで構成し、これを100部のダビソン級955シ
リカ上に沈着させた。シリカは、沈着前に予め600℃で
脱水しかつ5.7部のトリエチルアルミニウムで処理し、
さらに沈着後に32部のトリ−n−ヘキシルアルミニウム
と11部の塩化ジエチルアルミニウムとで活性化させた。
触媒トリエルアルミニウムは、30:1のAl:Tiのモル比を
維持するのに充分な割合で供給した。流動床は88℃の温
度に維持した。反応器内のエチレンとブテンと水素との
濃度はそれぞれ46モル%、16モル%及び14モル%にし
た。樹脂を反応器から定期的に抜取って、反応器内に一
定の流動床高さを維持した。触媒を流動床中へ直接に供
給し、かつその他全ての供給物はコンプレッサと熱交換
器との両者の下流にて循環ガス流中へ導入した。
中壁部から1インチ離間しかつ分配板より床直径の1倍
上方に設けた半球状スチールプローブにて電圧を監視す
ることにより、流動床内で静電圧を測定した。
次いで、水をエチレン供給物へエチレン供給物に対し0.
6ppmの量で添加した。この水添加は、流動床内にて0ボ
ルトから−1600ボルトへの即座の静電圧応答を生ぜしめ
た。
次いで水添加箇所を熱交換器の下流から上流へ移動さ
せ、負の静電圧は殆んど即座に0ボルトまで消失した。
次いで、水添加箇所を熱交換器の入口と排出口との間で
さらに3回留めた。熱交換器出口へ水を供給したそれぞ
れの場合には負電圧が生じ、この電圧は水を熱交換器入
口に供給した際に直ちに消失した。エチレン供給物1部
当り0.8ppmの水の量にて熱交換器入口へ循環流に対し3
時間にわたり連続供給した水は、反応器内に静電圧を生
ぜしめなかった。
例7(実施例) 例6におけると同じ条件下で樹脂を製造する同じ反応器
を用い、別の場合における静電圧に対する水供給箇所の
作用を試験した。
この例において、エチレン供給物1部当り0.3ppmの量で
熱交換器出口へ循環流に対し供給した水は流動床内に−
500ボルトの静電圧を生ぜしめた。供給箇所を熱交換器
入口に切換えた際、エチレン供給物1部当り1.4ppmまで
の水供給割合は流動床内に静電圧を生ぜしめなかった。
エチレン供給物1部当り1.2ppmの4時間にわたる連続的
水供給割合は流動床内に静電圧を生ぜしめなかった。
例8(参考例) 例6及び7におけると同じ条件下でコポリマ樹脂を製造
する同じ反応器を用い、流動床内における静電圧及びシ
ーチングに対するメタノール供給箇所の作用を検査し
た。
この場合、20℃のメタノールで飽和された窒素を先ず最
初にエチレン供給物1部当り1.3ppmのメタノールの割合
で熱交換器出口へ反応器循環流に供給すると、反応器内
の静電圧は直ちに+4000ボルトまで上昇した。同時に、
分配板より板直径の1倍上方の高さにおける反応器の内
壁部の熱電対測定温度は86℃から94℃まで上昇し、これ
はこの時点でシートが形成されたことを示唆している。
この時点で反応器温度は88℃であったため、88℃を越え
る全ての壁部の熱電対測定値はシート形成を示唆してい
る。
メタノール供給を熱交換器の上流に切換えた際、静電圧
はほぼ即座に0ボルトまで消失した。さらに、メタノー
ルを熱交換器の上流に供給した際、流動床内の温度を越
える壁部の熱電対変化は生じなかった。
メタノール供給を熱交換器の出口と入口との間に全部で
3回留めた。それぞれの場合、メタノールを熱交換器の
下流に供給した際+700ボルト〜+4000ボルトの範囲の
正の静電圧が即座に生じ、この静電圧はメタノールを熱
交換器の上流に供給した際に0ボルトまで消失した。
【図面の簡単な説明】
図面はシーチングを減少させ若しくは除去するための本
発明による方法を例示すべく高密度及び低密度ポリオレ
フィンを製造するための若干改変した典型的な気相流動
床重合法を示す略流れ図である。 10……反応器、12……反応帯域 14……速度減少帯域、16……貯蔵 18……ガス分析器

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】未反応ガス及び固体粒子からなる循環流を
    循環させるための循環経路、並びに前記循環流を冷却し
    圧縮させるために前記循環経路に配置された冷却手段及
    びコンプレッサ手段を備えた気相流動系反応器におい
    て、シート形成的量の水又は酸素が不純物として存在す
    るときにシーチングを引き起こす傾向を有するチタン系
    触媒又は他の触媒を用いてα−オレフィンを重合させる
    際に、モノマとコモノマと不活性ガスと水素とからなる
    ガス供給流であって、該ガス供給流の不純物としてのシ
    ート形成的量の酸素又は水を含むガス供給流を、前記循
    環流を前記冷却手段において冷却する前の箇所にて導入
    し、次いで前記循環流と前記ガス供給流とを冷却させて
    前記反応器に向けさせることからなるα−オレフィンを
    重合させる際のシーチングの減少方法。
  2. 【請求項2】ガス供給流を前記循環流中へコンプレッサ
    と前記循環流の冷却との間の箇所にて導入する請求項1
    記載の方法。
  3. 【請求項3】α−オレフィンの1種がエチレンである請
    求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】不活性ガスが窒素である請求項1記載の方
    法。
  5. 【請求項5】シーチングを生ぜしめる傾向を有する他の
    触媒がバナジウム系触媒である請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】α−オレフィンを大モル%(90%)のエ
    チレンと小モル%(10%)の1種若しくはそれ以上の
    C3〜C8α−オレフィンとの線状コポリマからなるポリマ
    まで重合させる請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】ポリマがプロピレン、ブテン−1、ペンテ
    ン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、ヘプ
    テン−1若しくはオクテン−1のホモポリマ若しくはコ
    ポリマである請求項6記載の方法。
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