JPH0755530Y2 - 眼鏡の斜軸式リムロック - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、眼鏡フレームのリムロ
ックの改良、詳しくは、環状の眼鏡リムの側方上部のリ
ム肩付近に設けられるリムロックの改良に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】レンズを抱持する眼鏡リムは、後でレン
ズの嵌め外しができるよう、ループ状に曲げ加工した金
属線材の両端部にリムロック片を設け、これらリムロッ
ク片同士を嵌め合わせて螺子止めするように構成される
のが通例である。このとき、リムロックの外観を美しく
保つため、このリムロック片は、リム線材の両端部から
水平方向に持ち出すようにして付設されることが望まし
く、また同様の理由からリムロック螺子は、リムロック
の下方から螺入されることが望ましい。

【０００３】けれども、デザイン上の要請からこのリム
ロックを、環形状を成す眼鏡リムの側方上部の肩部分に
設けるような場合には（図１参照）、リムロックＬの下
方において、湾曲した下リムＲ₁ が外側へ張り出すこと
になるため、この下リムＲ₁が邪魔となって、リムロッ
ク片LPへのリムロック螺子Ｓの螺入が困難になるという
問題があった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】本考案は、リム肩部に
配置される従来のリムロックに上記の如き問題があった
ことに鑑みて為されたものであり、リムロック片をリム
両端から水平方向に持ち出してその美観を確保しながら
も、リムロックの螺子止め作業を簡単に行なうことので
きる眼鏡リムロックを提供することを課題とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案は、線材をレンズ
形状に合わせてループ状に曲げ加工して形成された環形
状リムＲの側方上部に配置されるリムロックであって、
このリムロックを構成する上下一対のリムロック片１・
２が、前記環状リムＲの両端から各々水平方向に持ち出
されるようにして付設されていると共に、これら水平配
置されたリムロック片１・２には、リムロック螺子３を
螺入すべき螺子孔Ｈが、前記リムＲのリムロック位置に
おける接線方向と略平行する如く、水平配置したリムロ
ック片１・２に対して斜めに形成されており、 当該リム
ロック片１・２の螺子孔Ｈへ、リムロック螺子３を下方
から螺入することによって、上下一対のリムロック片１
・２を螺子止めするという手段を採用することによって
上記課題を解決したのである。

【０００６】

【実施例】以下、本考案を図２及び図３に示す実施例に
基づいて詳しく説明する。なお、図２及び図３は本実施
例リムロックの構成を説明する概略正面図である。

【０００７】図２中、符号Ｒで指示するものは、眼鏡レ
ンズを抱持する環形状の眼鏡リムである。このリムＲ
は、内側面にＶ字溝を持つ金属線材をレンズの形状に合
わせてループ状に曲げ加工して成るものであり、金属線
材の両端部がこの環形状の側方上部の肩部分に位置する
如く形成されている。

【０００８】図２中、符号１・２で指示するものは、本
実施例リムロックを構成する上下一対のリムロック片で
ある。このリムロック片１・２は、前記リムＲの両端部
から各々水平方向に持ち出されるように付設されてお
り、これらリムロック片１・２には各々、リムロック螺
子３を下方から螺入すべき螺子孔Ｈが形成されている。
そして、この螺子孔Ｈは、リムロック片付設位置におけ
るリムＲの接線と略平行する如く、水平配置されたリム
ロック片１・２に対して斜めに形成されており、上部リ
ムロック片１の螺子孔Ｈには孔全面に亙ってリムロック
螺子３に対応する雌ねじ部11が刻設されている。

【０００９】このリムロック片１・２を互いに嵌め合わ
せて、その螺子孔Ｈへ下方からリムロック螺子３を螺入
することにより、上下一対のリムロック片１・２が螺子
止めされ、リムＲにて眼鏡レンズが抱持されるわけであ
る。なお、本実施例リムロックは眼鏡リムＲの外側に位
置するものであり、後でよろいによって正面から見えな
いように隠される。

【００１０】このように、本実施例リムロックにあって
は、リムロック片１・２へのリムロック螺子３の螺入
を、従来の如く水平配置したリムロック片に対して垂直
方向にではなく（図１参照）、リムロック位置における
リムＲの接線方向と平行に行なうようにしているので、
該リムロックの下方において外側へ張り出すリムＲが邪
魔になることもなく螺子止め作業が頗る容易になる。

【００１１】しかも、その螺子孔Ｈが、水平配置された
リムロック片１・２に対して斜めに形成されることにな
るので、従来品（図１参照）に比して螺子孔Ｈの雌ねじ
部11の長さを大きくすることができる。したがって、雌
ねじ長が大きくなった分だけリムロック螺子３が緩み難
くなり、或いは、従来よりもリムロック片自体の厚みを
小さくすることができ、最近好評であるところの細縁フ
レームのリムロックとしての適用も可能となる。

【００１２】本考案の具体例である実施例は概ね上記の
ように構成されているが、本考案はこの実施例に限定さ
れるものではなく「実用新案登録請求の範囲」の記載内
で、種々の変更が可能である。

【００１３】例えば、上記実施例のリムロックは、眼鏡
リムＲの外側に位置するものであるが、図３に示す如
く、本考案に係るリムロックを、リムＲの内側つまり図
示しないブリッジをロウ付けする側に付設することも勿
論可能である。

【００１４】また、上記実施例では、横リムロックタイ
プを例として説明しているが、本考案はこれに限定され
るものではなく、親子リムロック、縦リムロック、パイ
プリムロックなども採用可能である。また、リムロック
片１・２を、眼鏡フレームの裏側へ持ち出して水平配置
するようにしても良い。

【００１５】

【考案の効果】以上、実施例をもって説明したとおり、
本考案に係る斜軸式リムロックにあっては、環形リムの
側方上部の線材両端部に上下一対のリムロック片を水平
に付設し、且つ、このリムロック片に螺子孔を、該リム
ロック設置位置におけるリムの接線方向と略平行に形成
しているので、当該螺子孔へリムロック螺子を螺入する
際に、外側へ張り出した下側のリムが障害になることも
なく、眼鏡レンズの嵌め込みなどが簡単に行なえるよう
になる。

【００１６】しかも、本実施例リムロックにあっては、
この螺子孔がリムロック片に対して斜めに形成されるこ
とになるので、従来品に比して螺子孔の雌ねじ部の長さ
が大きくなり、螺合したリムロック螺子のねじ緩みも生
じ難くなる。したがって、リムロック片の厚みをより小
さくすることも可能となり、細縁眼鏡フレームに好適な
リムロックも提供し得るのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】 環状リムの肩部分に配置される、従来のリム
ロックの構成 を説明する概略正面図である。

【図２】 本考案に係る実施例リムロックの構成を説明
する概略正面 図である。

【図３】 本考案に係る実施例リムロックの構成を説明
する概略正面 図である。

【符号の説明】

１ リムロック片。 ２ リムロック片。 ３ リムロック螺子。 Ｈ 螺子孔。Ｒ リム 。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 線材をレンズ形状に合わせてループ状に
   曲げ加工して形成された環形状リムＲの側方上部に配置
   されるリムロックであって、 このリムロックを構成する上下一対のリムロック片１・
   ２が、前記環状リムＲの両端から各々水平方向に持ち出
   されるようにして付設されていると共に、これら水平配
   置されたリムロック片１・２には、リムロック螺子３を
   螺入すべき螺子孔Ｈが、前記リムＲのリムロック位置に
   おける接線方向と略平行する如く、水平配置したリムロ
   ック片１・２に対して斜めに形成されており、 当該リムロック片１・２の螺子孔Ｈへ、リムロック螺子
   ３を下方から螺入することによって、上下一対のリムロ
   ック片１・２を螺子止めするようにした ことを特徴とす
   る眼鏡の斜軸式リムロック。