JPH0754898A - 油圧緩衝器の減衰バルブ構造 - Google Patents

油圧緩衝器の減衰バルブ構造

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JPH0754898A
JPH0754898A JP22814593A JP22814593A JPH0754898A JP H0754898 A JPH0754898 A JP H0754898A JP 22814593 A JP22814593 A JP 22814593A JP 22814593 A JP22814593 A JP 22814593A JP H0754898 A JPH0754898 A JP H0754898A
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JP
Japan
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valve
oil
pressure side
damping force
piston
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JP22814593A
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English (en)
Inventor
Ikuo Ota
育夫 太田
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KYB Corp
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Kayaba Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 ピストン部の底突を未然に阻止するための極
めて高い圧側減衰力の発生状態が通常の減衰力発生状態
から移行されるについて、これが滑らかに実現されるよ
うにすること。 【構成】 シリンダ1内でピストン部3の圧側作動時に
高圧側油室からの作動油が低圧側油室に流入する作動油
の流量が設定量を超えるまではスプリング力で開放状態
を保ち設定量を超えると徐々に閉鎖状態になり作動油の
通過を制限する制御バルブ10を有してなる油圧緩衝器
の減衰バルブ構造において、制御バルブ10が移動時に
隔壁部材11との間で作動油の通過を制限する板状バル
ブ13と、板状バルブ13を介装させながらスプリング
力で開放状態におかれるバルブ体14と、を有してな
り、バルブ体14が板状バルブ13の上流側と下流側と
の連通を可能にする油通路14aを有すると共に、油通
路14aが板状バルブ13における自由端の撓み時に閉
塞されるように形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自動二輪車等の車両
に搭載される油圧緩衝器の減衰バルブ構造の改良に関す
る。
【0002】
【従来技術とその課題】周知のように、自動二輪車等の
車両に搭載される油圧緩衝器は、車輪に対して車体を支
える懸架装置として機能する場合に、車両の乗り心地を
改善する上で、発生減衰力の高低が重要となる。
【0003】即ち、ピストン速度が低速域にある場合に
は、低目の減衰力発生状態が望ましく、ピストン速度が
中高速域になる場合には、高目の減衰力発生状態になる
のが望ましい。
【0004】一方、走行中の車両がバウンド等すること
で油圧緩衝器が最圧縮されてシリンダ内でピストン部が
所謂底突するような場合には、極めて高い圧側減衰力が
発生されて、ピストン部の底突を未然に阻止する必要が
ある。
【0005】そこで、近年の油圧緩衝器においては、ピ
ストン部の底突を未然に阻止するために、車両が通常の
走行状態にあるときの圧側減衰力の発生状態をピストン
部の底突前に極めて高い圧側減衰力の発生状態に移行し
得るようにした減衰バルブ構造が採用されるに至ってい
る。
【0006】該減衰バルブ構造は、具体的には、例え
ば、アクチュエータの利用で減衰バルブにおけるバルブ
開度を変更して積極的に圧側減衰力を高くしたり、シリ
ンダ内でのピストン部の位置や速度に依存させて減衰バ
ルブにおける作動油の流量を制御して圧側減衰力を高く
したり等、するように構成されている。
【0007】しかし、アクチュエータの利用で圧側減衰
力を変更する場合には、アクチュエータの作動のために
コントローラの配設や電源の確保等の付帯する装置類の
装備が必要になり、部品点数の増大化で高コスト化にな
るばかりでなく、車両への搭載性も低下する不具合があ
る。
【0008】一方、シリンダ内でのピストン部の位置や
速度に依存して圧側減衰力を変更する場合には、上記し
た高コスト化や車両搭載性の低下等が危惧されない利点
があるが、特に、位置依存の場合には、摺動するピスト
ン部に対応する他部材の配在が必須とされる不具合があ
る。
【0009】それに対して、速度依存の場合には、摺動
するピストン部に対応する他部材の配在は必須でなく、
ピストン部に高い圧側減衰力の発生を可能にする減衰バ
ルブ構造が設けられていれば足りることになる。
【0010】そこで、この発明は、ピストン部の底突を
未然に阻止するために、車両が通常の走行状態にあると
きの圧側減衰力の発生状態をピストン部の底突前に極め
て高い圧側減衰力の発生状態に移行するについて、ピス
トン速度に依存して高い圧側減衰力の発生を可能にする
のは勿論のこと、その場合に急激に高い圧側減衰力の発
生状態に変更されることで却って乗り心地が阻害される
ことを鑑み、可能な限り滑らかな態様で高い圧側減衰力
の発生を可能にする油圧緩衝器の減衰バルブ構造を提供
することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、この発明の構成を、シリンダ内でのピストン部
の圧側作動時に高圧側油室からの作動油が低圧側油室に
流入することを許容すると共に、高圧側油室側に配設さ
れ作動油の流量が設定量を超えるまではスプリング力で
開放状態を保ち作動油の流量が設定量を超えると上記ス
プリング力に抗して徐々に閉鎖状態になり作動油の通過
を制限する制御バルブを有してなる油圧緩衝器の減衰バ
ルブ構造において、制御バルブがその移動時に高圧側油
室側に配設される隔壁部材との間で作動油の通過を制限
する板状バルブと、該板状バルブを介装させながら上記
スプリング力で開放状態におかれるバルブ体と、を有し
てなり、該バルブ体が板状バルブの上流側と下流側との
連通を可能にする油通路を有してなると共に、該油通路
が板状バルブにおける自由端の撓み時に閉塞されるよう
に形成されてなるとする。
【0012】そして、隔壁部材は、その外周と該外周が
対向する他部材の内周との間に作動油の通過を許容する
隙間を形成してなるとする。
【0013】
【作用】それ故、ピストン速度が低速域にある場合の該
油圧緩衝器の圧側作動時には、スプリング力でバルブ体
が開放状態のままにおかれて板状バルブが移動せず、従
って、制御バルブが作動せずして、高圧側油室からの作
動油が設定通りに低圧側油室に流入することになる。
【0014】尚、高圧側油室からの作動油が低圧側油室
に流入する場合に、減衰バルブが配在されていれば、該
減衰バルブで所定の圧側減衰力が発生され、チェックバ
ルブが配設されていれば、該チェックバルブで所定の作
動油の流入が実現される。
【0015】一方、ピストン速度が中高速域にある場合
の該油圧緩衝器の圧側作動時には、スプリング力に抗し
てのバルブ体の移動に伴って板状バルブが移動し始め、
隔壁部材との間で作動油の通過を制限し始める。
【0016】この作動油の通過制限で、減衰力が発生さ
れることになり、該油圧緩衝器で発生される圧側減衰力
が全体的に高くなり、通過制限が徐々に行われること
で、圧側減衰力が徐々に高くなる。
【0017】そして、ピストン速度が超高速域となる圧
側作動時、即ち、ピストン部の底突前には、スプリング
力に抗してのバルブ体大きな移動に伴って板状バルブが
大きく移動し、隔壁部材との間で作動油の通過を阻止す
る状況になる。
【0018】このとき、バルブ体に形成の油通路が開放
状態にあることから、該油通路を介して、作動油が板状
バルブの上流側から下流側に流れることになり、この油
通路と、隔壁部材の外周とこれが対向する他部材の内周
との間に形成される隙間と、を介しての作動油の流れに
よって、全体的により一層高い圧側の減衰力が発生され
ることになる。
【0019】そしてまた、バルブ体のさらなる移動に伴
って板状バルブの外周端が撓むことになると、該板状バ
ルブにおける自由端がバルブ体の外周側に着座して上記
油通路をも閉塞することになり、作動油は、隔壁部材が
その外周と対向部材の内周との間に形成する隙間を介し
てのみ通過することになり、完全なオイルロック状態を
招来することなく、極めて高い圧側減衰力の発生を可能
にする。
【0020】その結果、該油圧緩衝器で発生される圧側
減衰力が、ピストン速度の低速域には低目の圧側減衰力
の発生状態になり、ピストン速度の中高速域には高目の
圧側減衰力の発生状態になり、ピストン部の底突前に
は、極めて高い圧側減衰力の発生状態になる。
【0021】しかも、このとき、通常の圧側減衰力の発
生状態から極めて高い圧側減衰力の発生状態への移行が
滑らかに実現されることになる。
【0022】
【実施例】以下、図示した実施例に基づいてこの発明を
詳細に説明するが、図1に示すように、この発明の一実
施例に係る油圧緩衝器は、基本的には、凡そこの種の油
圧緩衝器におけると同様に、シリンダ1内にピストンロ
ッド2の先端側が出没可能に挿通されてなり、シリンダ
1内に摺動可能に収装され該シリンダ1内に伸側室とし
てのロッド側油室Aと圧側室としてのピストン側油室B
とを区画するピストン部3が上記ピストンロッド2の先
端に連設されてなるとしている。
【0023】そして、ピストン部3には、伸側ポート3
aと圧側ポート3bが開穿されており、伸側ポート3a
の図中で下端となる出口端が伸側バルブ4で閉塞され、
圧側ポート3bの図中で上端となる出口端がチェックバ
ルブ5で閉塞されている。
【0024】従って、ピストン部3がシリンダ1内を図
中で上昇することになる該油圧緩衝器の伸側作動時に
は、ロッド側油室Aからの作動油が伸側ポート3aに流
入すると共に伸側バルブ4を介してピストン側油室Bに
流出され、上記伸側バルブ4を介しての作動油の通過時
に所定の伸側減衰力が発生される。
【0025】そして、ピストン部3がシリンダ1内を図
中で下降することになる該油圧緩衝器の圧側作動時に
は、ピストン側油室Bからの作動油が圧側ポート3bに
流入すると共にチェックバルブ5を介してロッド側油室
Aに流入される。
【0026】尚、この圧側作動時の圧側減衰力は、図示
しないが、例えば、シリンダ1の内底部に配在されるベ
ースバルブ部における圧側減衰バルブで発生されるとし
ても良く、その他に任意の方策の採用が可能である。
【0027】一方、この実施例に係る油圧緩衝器は、そ
の圧側作動時に高圧側油室となるピストン側油室Bに配
設され、該ピストン側油室Bから低圧側油室とされるロ
ッド側油室Aに向けての作動油の流量が設定量を超える
まではスプリング力で開放状態を保ち作動油の流量が設
定量を超えると上記スプリング力に抗して徐々に閉鎖状
態になり作動油の通過を制限する制御バルブ10を有し
てなる。
【0028】即ち、該制御バルブ10は、図示例にあっ
て、前記ピストン部3に直列するように前記ピストンロ
ッド2の先端インロー部2aに介装されてなるもので、
隔壁部材11と、スプリング12と、板状バルブ13
と、バルブ体14と、を有してなる。
【0029】隔壁部材11は、有頭円筒状に形成される
本体部の下端外周に水平に張り出し形成された鍔状拡径
部11aを有してなるもので、本体部の軸芯部に上記ピ
ストンロッド2の先端インロー部2aを挿通させてい
る。
【0030】そして、該隔壁部材11における本体部に
は、そこを肉厚方向に貫通する連通孔11bが開穿され
ており、該隔壁部材11の外周側、即ち、ピストン部3
を介してのロッド側油室A側と内周側、即ち、ピストン
側油室Bとの連通を可能にしている。
【0031】また、該隔壁部材11における鍔状拡径部
11aは、この発明にあって、その外周と該外周が対向
する他部材、即ち、シリンダ1の内周との間に作動油の
通過を許容する隙間Sを形成するとしている。
【0032】尚、該隔壁部材11の上端部は、間座40
を介して前記伸側バルブ4の下端に隣接されている。
【0033】因に、上記隔壁部材11の上端部は、上記
間座40と、上記先端インロー部2aの隔壁部材11内
の外周に介装されたスペーサ20の上端と、の間に挟持
されるとしており、スペーサ20は、ピストンロッド2
の先端螺条部2bへのナット21のバルブストッパ22
を介在させながらの螺合で、所定の挟持力が付与される
としている。
【0034】スプリング12は、上記隔壁部材11内に
配在されてなるもので、その伸縮方向が上記ピストンロ
ッド2の軸線方向とされ、その図中で上端となる一端が
隔壁部材11の上端部内側に係止されている。
【0035】そして、該スプリング12の図中で下端と
なる他端は、板状バルブ13に隣接されるとしており、
該板状バルブ13は、この実施例にあって、環状リーフ
バルブからなり、その内周端に上記スプリング12の他
端を隣接させている。
【0036】そして、該板状バルブ13は、その外周側
が上記隔壁部材11の下端に対向するに充分なように適
宜の径を有してなる。
【0037】ところで、板状バルブ13は、この発明に
あって、バルブ体14に介装されていて、該バルブ体1
4と共に移動、即ち、ピストンロッド2の軸線方向に移
動されるとしている。
【0038】即ち、バルブ体14は、立ち上り部14a
と水平鍔部14bとを有するように断面略L字状で環状
に形成されてなり、上記スペーサ20の外周に介装され
た状態で図中で上下方向となるピストンロッド2の軸線
方向に摺動可能となるように構成されている。
【0039】そして、該バルブ体14は、その立ち上り
部14aの外周に上記板状バルブ13を介装させてなる
もので、立ち上り部14aの外周から水平鍔部14bに
至る切り溝からなる油通路14cを有してなり、該油通
路14cを介しての板状バルブ13の上流側と下流側と
の連通を可能にしている。
【0040】尚、板状バルブ13は、その内周端がバル
ブ体14における水平鍔部14bの内周側端に着座され
ており、また、バルブ体14は、図示する状態たるその
最下降時に、その内周下端が前記バルブストッパ22の
内周端に着座している。
【0041】それ故、以上のように形成されたこの実施
例に係る油圧緩衝器にあっては、その減衰バルブ構造が
主たる減衰バルブの他に圧側減衰力を調整する制御バル
ブ10を有することになり、従って、主たる減衰バルブ
による所定の圧側減衰力の発生に加えて、制御バルブ1
0による高い圧側減衰力の発生が可能になり、圧側作動
時におけるシリンダ1内でのピストン部3の底突が未然
に防止されることになる。
【0042】即ち、この油圧緩衝器にあっては、ピスト
ン部3がシリンダ1内を摺動するその伸縮作動時に、ロ
ッド側油室Aとピストン側油室Bとが伸側バルブ4ある
いはチェックバルブ5を介して互いに連通されることに
なり、作動油の伸側バルブ4の通過時に所定の伸側減衰
力が発生され、図示しないが、ベースバルブ部における
圧側減衰バルブ等を作動油が通過する際に所定の圧側減
衰力が発生されることになる。
【0043】そして、シリンダ1内をピストン部3が摺
動する際のピストン速度が低速域にある場合であって、
該油圧緩衝器の圧側作動時には、制御バルブ10におい
て、スプリング12の復帰力でバルブ体14が開放状態
のままにおかれて板状バルブ13が移動せず、従って、
制御バルブ10が作動しない状況になる。
【0044】従って、このとき、高圧側油室となるピス
トン側油室Bからの作動油は、上記と同様に、設定通り
に圧側ポート3bに流入しチェックバルブ5を介して低
圧側油室たるロッド側油室A内に流入することになる。
【0045】一方、該油圧緩衝器の圧側作動時にピスト
ン速度が中高速域になる場合には、ピストン側油室Bか
ら制御バルブ10、即ち、隔壁部材11と板状バルブ1
3との間に形成されている流路及び該隔壁部材11に開
穿の連通孔11bを介してピストン部3側に流通する作
動油の流量が徐々に増えることになる。
【0046】そして、この制御バルブ10を介しての作
動油の流量が増えるに伴い、バルブ体14がスプリング
12の復帰力に抗してピストンロッド2の軸線方向、即
ち、図中で上昇する方向に移動し始めることになる。
【0047】該バルブ体14の移動に伴って板状バルブ
13が同方向に移動し始め、隔壁部材11との間の流路
における作動油の通過を制限し始める。
【0048】この流路における作動油の通過制限で減衰
力、即ち、圧側減衰力が発生されることになり、この通
過制限が徐々に行われることで、該油圧緩衝器で発生さ
れる圧側減衰力が徐々に高くなる。
【0049】そして、ピストン速度が超高速域となる圧
側作動時、例えば、ピストン部3の底突前には、スプリ
ング12の復帰力に抗してのバルブ体14大きな移動に
伴って、図2に示すように、板状バルブ13が大きく移
動して隔壁部材11に着座することになり、該隔壁部材
11との間に形成の流路における作動油の通過が阻止さ
れる状況になる。
【0050】このとき、バルブ体14に形成の油通路1
4cが開放状態にあるから、該油通路14c及び隙間S
を介して、作動油が隔壁部材11の図中で下方側となる
上流側から図中で上方側となる下流側に流れることにな
り、この作動油の流路の制限によって、全体的により一
層高い圧側の減衰力が発生されることになる。
【0051】そしてまた、バルブ体14のさらなる移動
に伴って、図3に示すように、板状バルブ13の外周端
が撓むことになると、該板状バルブ13における外周端
たる自由端がバルブ体14の外周側に着座して上記油通
路14cをも閉塞することになる。
【0052】このとき、隔壁部材11は、その鍔状拡径
部11aの外周と対向する部材たるシリンダ1の内周と
の間に隙間Sが形成されているから、該隙間Sを作動油
が通過することになり、従って、高圧側油室たるピスト
ン側油室Bに完全なオイルロック状態を招来することな
く、極めて高い圧側減衰力の発生を可能にすることにな
る。
【0053】その結果、該油圧緩衝器で発生される圧側
減衰力が、ピストン速度の低速域には低目の圧側減衰力
の発生状態になり、ピストン速度の中高速域には高目の
圧側減衰力の発生状態になり、ピストン部3の底突前に
は、極めて高い圧側減衰力の発生状態になる。
【0054】しかも、このとき、通常の圧側減衰力の発
生状態から極めて高い圧側減衰力の発生状態への移行に
際して、ピストン部3の速度に依存して徐々に作動油の
流量を制限するから、該移行が滑らかに実現されること
になる。
【0055】前記した実施例にあっては、制御バルブ1
0がピストン部3部分に配設されていて、圧側減衰力の
調整をするものとして説明したが、該制御バルブ10
は、これがベースバルブ部等の所謂他部に配設されてい
て、同じく圧側減衰力の調整をするものとされても良い
こと勿論である。
【0056】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、車両
が通常の走行状態にあるときの圧側減衰力の発生状態の
実現及び車両がバウンド等することで招来されるピスト
ン部の底突を阻止するための極めて高い圧側減衰力の発
生状態のの実現がそれぞれ可能になるのは勿論のこと、
ピストン部の底突阻止のための高い圧側減衰力の発生状
態が通常の走行状態にあるときの圧側減衰力の発生状態
から滑らかに実現されるので、車両における乗り心地を
阻害することなく、ピストン部の底突を効果的に阻止し
得ることになる利点がある。
【0057】そして、この発明によれば、制御バルブを
構成するスプリングの復帰力、板状バルブの撓み特性、
バルブ体に形成の油通路の面積、さらには隔壁部材が他
部材との間に形成する隙間の寸法等を選択調整すること
で、油圧緩衝器をその用途に応じた減衰特性のものに設
定できる利点がある。
【0058】また、この発明によれば、制御バルブがピ
ストンロッドの先端インロー部に介装されるから、ピス
トンロッドの軸芯部に減衰力調整バルブを装備する場合
にもその利用が可能になり、該減衰バルブ構造の汎用性
の向上を期待できる利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係る油圧緩衝器を示す部
分縦断面図である。
【図2】図1に示す油圧緩衝器における制御バルブの作
動状態を示す半截部分縦断面図である。
【図3】同じく制御バルブの作動状態を示す半截部分縦
断面図である。
【符号の説明】
1 シリンダ 3 ピストン部 10 制御バルブ 11 隔壁部材 12 スプリング力を発揮するスプリング 13 板状バルブ 14 バルブ体 14a 油通路 A 低圧側油室とされることあるロッド側油室 B 高圧側油室とされることあるピストン側油室 S 隔壁部材と他部材との間に形成される隙間

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ内でのピストン部の圧側作動時
    に高圧側油室からの作動油が低圧側油室に流入すること
    を許容すると共に、高圧側油室側に配設され作動油の流
    量が設定量を超えるまではスプリング力で開放状態を保
    ち作動油の流量が設定量を超えると上記スプリング力に
    抗して徐々に閉鎖状態になり作動油の通過を制限する制
    御バルブを有してなる油圧緩衝器の減衰バルブ構造にお
    いて、制御バルブがその移動時に高圧側油室側に配設さ
    れる隔壁部材との間で作動油の通過を制限する板状バル
    ブと、該板状バルブを介装させながら上記スプリング力
    で開放状態におかれるバルブ体と、を有してなり、該バ
    ルブ体が板状バルブの上流側と下流側との連通を可能に
    する油通路を有してなると共に、該油通路が板状バルブ
    における自由端の撓み時に閉塞されるように形成されて
    なることを特徴とする油圧緩衝器の減衰バルブ構造
JP22814593A 1993-08-20 1993-08-20 油圧緩衝器の減衰バルブ構造 Pending JPH0754898A (ja)

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