JPH0754211Y2

JPH0754211Y2 - リール用プロテクター

Info

Publication number: JPH0754211Y2
Application number: JP5639492U
Authority: JP
Inventors: 英明入澤
Original assignee: 三力工業株式会社
Priority date: 1992-07-17
Filing date: 1992-07-17
Publication date: 1995-12-13
Anticipated expiration: 2005-12-13
Also published as: JPH0623972U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、種々のテープ、薄板
材、線材等を巻取り、巻戻す際に使用するリールにおい
て、２つのフランジの変形等を防止するため装着される
プロテクターに関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、リールは中心のハブの両端に円
板状の２つのフランジが平行に取付けられ、この２つの
フランジの間にテープ等を巻取るように構成されてい
る。このため２つのフランジの平行状態を製造後にも保
つことが重要であり、この平行状態が崩れると、テープ
等の巻取り、巻戻しを円滑に行うことができなくなる。
ところで長期間リールを保管したり、運搬するような場
合には、温度変化、荷重のかかり具合等によりフランジ
が変形することがある。そこで、この変形を防止するプ
ロテクターとして種々の対策が施されている。

【０００３】従来、上記リールのプロテクターとして、
空のリールの場合には２つのフランジの間に発泡スチー
ル等のスペーサを挟み、フランジとスペーサを接着テー
プにより固定する。また、テープ等を巻取ったリールの
場合には、２本の溝の付いたテープを、フランジの外周
縁に溝を挿入しながら巻付けることが行われている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】ところで、上記従来技
術において、スペーサと接着テープを使用するものにあ
っては、スペーサを挿入して接着固定する作業が非常に
煩雑になり、接着テープが剥れ易い。また、フランジの
内面に接着剤が残って、巻取ったテープ等に付着するこ
とがある。溝付テープを使用するものにあっては、その
テープの柔軟性により変形を防止する強度に欠ける。ま
た、フランジの径や間隔が異なる場合には、それに合っ
た多種類の溝付テープが必要になる等の問題がある。

【０００５】この考案は、かかる現況に鑑みてなされた
もので、簡単な作業で確実にフランジの変形を防止し、
フランジの寸法の変化にも対応することが可能なリール
用プロテクターを提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この考案は、細長い板状のプロテクター本体を有
し、このプロテクター本体の長手方向に間隔保持と可撓
性の挟持片とからなる複数組のフランジ挿入手段を、リ
ールの種々のフランジ間隔に対応した間隔で一直線上に
配置し、２番目以降のフランジ挿入手段の箇所のプロテ
クター本体の幅方向にカット溝を切断可能に設けること
を特徴とする。

【０００７】

【作用】上記構成に基づき、プロテクター本体はカット
溝で容易に切断してフランジ間隔に応じた長さになる。
そして、プロテクター本体の該当する２組のフランジ挿
入手段の間隔保持片と挟持片との間に、それぞれリール
の２つのフランジを差込むと、間隔保持片はいずれも２
つのフランジの内面に接し、挟持片は弾性的に変形して
いずれも２つのフランジの外面に押圧接触して、２つの
フランジは平行状態に保持されることになり、こうして
リールを保管、運搬する際の２つのフランジの変形等が
確実に防止される。

【０００８】

【実施例】以下、この考案の実施例を図面に基づいて説
明する。図１において、リールとプロテクターの概略に
ついて説明する。リール１は例えば合成樹脂製であり、
中心のハブ２の両端に円板状の２つのフランジ３，４を
平行の状態で一体結合して構成される。ここでフランジ
３，４の径、フランジ間隔の寸法は、リール１の用途、
巻取る部材の種類や形状等により任意に設定されてい
る。そして、このリール１の２つのフランジ３，４の間
に、例えば、テープ５を巻取りまたは巻戻して使用され
る。また、リール１は空の状態またはテープ５を巻取っ
た状態で、運搬したり保管される。そこでこのリール１
の円周上の例えば４箇所に、プロテクター１０が装着さ
れている。

【０００９】図２のプロテクター表側斜視図、図３のプ
ロテクター裏側斜視図により、プロテクター１０の構成
について説明する。プロテクター１０は、合成樹脂の細
長い板状のプロテクター本体１１を有し、このプロテク
ター本体１１の裏面１１ｂにフランジ挿入手段１２が設
けられている。１番目のフランジ挿入手段１２ａは、剛
性の大きい棒状の間隔保持片１３ａと、可撓性を有する
ように傾斜し、且つ、厚さを変化して形成される挟持片
１４ａとを有する。これらの間隔保持片１３ａと挟持片
１４ａは、フランジ３，４の厚さに応じた間隔ｄで対向
配置し、プロテクター本体１１の裏面１１ｂから所定の
長さで一体的に突設して形成される。そして、このよう
に形成される例えば４組のフランジ挿入手段１２ａ，１
２ｂ，１２ｃ，１２ｄが、プロテクター本体１１の裏面
１１ｂの中心の長手方向に一直線上に配置されている。

【００１０】４組のフランジ挿入手段１２ａ，１２ｂ，
１２ｃ，１２ｄにおいて、１番目のものは間隔保持片１
３ａが内側で挟持片１４ａが外側に配置され、２番目以
降のものも全て同様間隔保持片１３ｂ，１３ｃ，１３ｄ
が内側で挟持片１４ｂ，１４ｃ，１４ｄが外側に配置さ
れる。そして、１番目の間隔保持片１３ａと２番目の間
隔保持片１３ｂとの最小の間隔Ｓ１、１番目の間隔保持
片１３ａと３番目の間隔保持片１３ｃとの中間の間隔Ｓ
２、１番目の間隔保持片１３ａと４番目の間隔保持片１
３ｄとの最大の間隔Ｓ３が、それぞれ使用するリール１
のフランジ間隔の寸法変化に対応するように設定され、
これにより１番目のものと２番目以降のものを選択して
使用することが可能になっている。

【００１１】ここで最も間隔の狭い１番目と２番目の間
隔保持片１３ａ，１３ｂ同士は、プロテクター本体１１
の裏面１１ｂに突設する補強リブ１５により連結され
る。また、２番目以降を選択使用するため、２番目と３
番目の各フランジ挿入手段１２ｂ，１２ｃの直上箇所に
おいては、プロテクター本体１１の両側面１１ｃにはＶ
字形の切欠き１６が、表面１１ａには幅方向にカット溝
１７が形成され、折曲げることにより容易に切断するこ
とが可能に構成される。

【００１２】次に、この実施例のプロテクター１０の使
用状態を、図４を用いて説明する。先ず使用するリール
１のフランジ間隔に対して、プロテクター本体１１の２
番目以降のフランジ挿入手段１２ｂ，１２ｃ，１２ｄの
いずれかを選択する。そこで、例えば中間のフランジ間
隔Ｓ２のリール１の場合には、３番目のフランジ挿入手
段１２ｃの直上箇所の切欠き１６とカット溝１７におい
てプロテクター本体１１を切断し、不要な４番目のフラ
ンジ挿入手段１２ｄを除去する。その後、プロテクター
本体１１を例えば空のリール１に対して、その平行な２
つのフランジ３，４の円周上の所定の位置の軸方向にセ
ットする。そして、１番目と３番目のフランジ挿入手段
１２ａ，１２ｃの間隔保持片１３ａ，１３ｃと挟持片１
４ａ，１４ｃとの間に、それぞれ２つのフランジ３，４
の外周縁を合致して押込むことにより容易に差込まれ
る。

【００１３】すると、剛性の大きい間隔保持片１３ａ，
１３ｃはいずれも２つのフランジ３，４の内面３ａ，４
ａに接し、これらの間隔保持片１３ａ，１３ｃと補強リ
ブ１５を有するプロテクター本体１１によりスペーサ機
能を生じて、２つのフランジ３，４の内側への変形が防
止される。また、可撓性を有する挟持片１４ａ，１４ｃ
は、フランジ３，４の厚さのバラツキ等に対して弾性的
に変形していずれも２つのフランジ３，４の外面３ｂ，
４ｂに押圧接触する。これにより２つのフランジ３，４
の外側への変形が防止され、且つ、プロテクター本体１
１が容易に外れないように挟持される。

【００１４】こうして、リール１の２つのフランジ３，
４の円周上の数箇所にプロテクター１０が、常に一定の
平行状態を保つように装着される。そして、このプロテ
クター装着状態で運搬、保管されるのであり、これによ
りリール１の取扱が容易になり、且つ、この場合の２つ
のフランジ３，４の変形等が確実に防止される。尚、リ
ール１を使用する場合は、プロテクター本体１１を指で
挟んで引抜くことにより、フランジ３，４から容易に外
れる。

【００１５】以上、この考案の実施例について説明した
が、フランジ挿入手段の各要素の形状、組数等はこれの
みに限定されない。

【００１６】

【考案の効果】以上説明したように、この考案によれ
ば、リールにプロテクターが装着されて２つのフランジ
を常に一定の平行状態に保持するので、運搬や保管時の
フランジの変形等を確実に防止することができる。プロ
テクターはフランジの外周縁に差込んで装着する構成で
あるから、取付けや取り外し作業が非常に容易であり、
フランジの径の変化、空やテープ等が巻取られているリ
ールにも対応することができる。

【００１７】プロテクターは、プロテクター本体に予め
複数組のフランジ挿入手段が配置されているので、フラ
ンジ間隔が異なるリールにも適応することができ、用途
が大幅に拡大する。また、プロテクター本体にはカット
溝が設けられるので、容易に適正な長さに切断すること
ができて邪魔にならない。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案に係るリール用プロテクターの実施例
を切欠いて示す斜視図である。

【図２】プロテクターの表面と裏面の斜視図である。

【図３】プロテクターの裏面の斜視図である。

【図４】プロテクター使用状態を示す側面図である。

【符号の説明】

１リール３，４フランジ１０プロテクター１１プロテクター本体１２ａ〜１２ｄフランジ挿入手段１３ａ〜１３ｄ間隔保持片１４ａ〜１４ｄ挟持片１７カット溝

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】細長い板状のプロテクター本体を有し、
このプロテクター本体の長手方向に間隔保持片と可撓性
の挟持片とからなる複数組のフランジ挿入手段を、リー
ルの種々のフランジ間隔に対応した間隔で一直線上に配
置し、２番目以降のフランジ挿入手段の箇所のプロテク
ター本体の幅方向にカット溝を切断可能に設けることを
特徴とするリール用プロテクター。
【請求項２】フランジ挿入手段の間隔保持片はリール
のフランジの内面に接し、挟持片はそのフランジの外面
に接するように設け、最も間隔の狭い間隔保持片同士
を、プロテクター本体側の補強リブにより連結すること
を特徴とする請求項１記載のリール用プロテクター。