JPH0753920B2 - アルミニウムダイカスト製品の塗装下地処理方法 - Google Patents

アルミニウムダイカスト製品の塗装下地処理方法

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JPH0753920B2
JPH0753920B2 JP3197796A JP19779691A JPH0753920B2 JP H0753920 B2 JPH0753920 B2 JP H0753920B2 JP 3197796 A JP3197796 A JP 3197796A JP 19779691 A JP19779691 A JP 19779691A JP H0753920 B2 JPH0753920 B2 JP H0753920B2
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coating
treatment
aluminum die
die cast
test
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幸路 高田
越前祐太郎
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有限会社高田研究所
有限会社城北理研工業
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミニウムダイカス
ト製品に塗装を行う場合の下地処理方法に関するもの
で、極めて優れた塗装の密着性および耐食性を付与する
方法に関する。
【0002】
【従来技術】アルミニウムダイカスト素材はシリコン含
有率が10% 以上と極めて高く、且つ銅、亜鉛等の重金
属類を含有するため、それ自体極めて腐食し易く、また
塗膜の密着性が悪く、特に腐食性環境に暴露された場合
は塗膜の下で腐食が進行して、塗膜の剥離が起り易い。
この素材を完全に防食する方法は従来にはなかった。
【0003】アルミニウムダイカスト製品に美観と耐食
性を与えるために塗装が行われている。この塗装の為の
下地処理方法としては、クロメート処理、およびアルマ
イト処理が公知である。しかし何れの方法も完全な防食
および塗膜の充分な密着を達成することができず、これ
らの方法で処理された製品は腐食環境下においては比較
的短時間に塗膜の剥離および素地金属の腐食を起こす。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、それ
自体耐食性に劣り且つ塗膜の密着性に劣るアルミニウム
ダイカスト製品に完全な耐食性および塗膜密着性を付与
する塗装下地処理方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の課
題を解決するために鋭意研究を行ない、アルミニウムダ
イカスト製品に公知の方法で比較的短時間の硫酸アルマ
イト処理を行った後、クロム酸アンモニウム水溶液中に
80℃以上で該水溶液の沸点までの温度で封孔処理を
行うことにより、特異的に高度の耐食性と塗膜密着性を
付与することができることを発見した。
【0006】先ず、本発明における硫酸アルマイト処理
について説明する。硫酸アルマイト処理浴および作業条
件は公知の方法、例えばJIS H 9500の作業標
準が適用できる。従来の硫酸アルマイト処理においては
硫酸浴中での電解には普通30〜50分間を必要とす
る。しかし3〜15分間の比較的短い電解時間でも、本
発明に従って処理した後に充分な耐食性と塗膜密着性が
得られることが判った。勿論、更に長く電解を行なって
もよいが、処理効果に何らのプラスがない。
【0007】次に本発明における封孔処理について説明
する。従来には、塗装下地処理としてアルマイト処理を
行う場合には、封孔処理を行わないか、純水中または酢
酸ニッケル水溶液中で封孔処理を行なっていた。しかし
いずれの場合にも、完全な耐食性および塗膜密着性をア
ルミニウムダイカスト製品に付与することができなかっ
た。これに対して、本発明に従って封孔処理を行なう
と、充分な耐食性と塗膜密着性が得られる。この封孔処
理は、クロム酸アンモニウムを10〜100g/リット
ル含有する水溶液中に80℃以上で該水溶液の沸点
(常圧では約100℃)までの温度で3〜10分間浸漬
することによって行なうのが特に有利である。80℃よ
り低い温度では封孔が十分にできない。また封孔処理液
が沸騰すると、封孔処理のためにアルミニウムダイカス
ト製品の浸漬が実施不可能となる。
【0008】本発明の方法は、従来の如何なる処理方法
よりも優れた特異的な耐食性と塗膜密着性をアルミニウ
ムダイカスト製品に付与する塗装下地処理を可能とし
た。実際、後記の実施例から判る通り、本発明の方法で
処理されたアルミニウムダイカスト製品は、電着塗装、
粉体塗装または静電気塗装等によって塗装された後、2
000時間の複合サイクル腐食試験および塩水噴霧試験
でも腐食を発生せず、優秀な耐食性を発揮することが判
明した。
【0009】
【実施例】以下に本発明を実施例によって更に詳細に説
明する。
【0010】実施例1 カチオン電着塗装の下地処理として本発明の方法の効果
を実証する為に、次の実験を行なった。
【0011】アルミニウムダイカスト合金JIS−AD
C12のダイカスト製品を試験片として実験に供した。
その合金成分は次の通りであった:Si 10.8% 、
Cu 2.0% 、Fe 0.9% 、Zn 0.5%、M
n0.16% 、Mg 0.2% 、Ni 0.05% 、残
部 Al試験片1: (本発明に従って処理する) JIS−H−9500のアルマイト作業標準に従って、
15% 硫酸浴中で浴温度20℃において浴電圧16V、
陽極電流密度2A/dm2 にて15分間電解してアルマ
イト処理を行なった後、クロム酸アンモニウム60g/
リットルを含む水溶液中で温度90℃にて5分間浸漬し
て封孔処理を行なった。この塗装下地処理を行なった
後、カチオン電着塗装を行なった。塗料は日本ペイント
株式会社のカチオン電着塗料パワートップU600(エ
ポキシ系樹脂塗料)を用い、公知の方法で行ない、塗膜
20μm の塗装を行なった。
【0012】試験片2:(比較試験用) 試験片1に対してと同様の作業条件のアルマイト電解を
40分間行なった後、90℃の純水に20分間浸漬して
封孔処理を行なった。この塗装下地処理を行なった後、
試験片1に対してと同様のカチオン電着塗装を行なっ
た。
【0013】試験片3:(比較試験用) アロジン#1200を用いて公知のクロメート処理を行
なった後、試験片1に対してと同様のカチオン電着塗装
を行なった。
【0014】各試験片の塗膜に、素地に達するクロスカ
ットを入れ、複合サイクル腐食試験に供した。
【0015】試験条件は次の通りである: 1.塩水浸漬 50℃にて2時間 2.乾燥 50℃にて1時間 3.塩水噴霧 50℃にて1時間 4.湿潤暴露 50℃にて1時間 以上6時間を1サイクルとする。
【0016】各腐食試験の結果は以下の通りである: 試験片1: 333サイクル(2000時間)後、塗膜
の膨れや素地金属の腐食は認められず、全く異常は認ら
れなかった。
【0017】試験片2: 167サイクル(1000時
間)後、クロスカット部に幅6mmの膨れを生じ、素地
金属からの白錆発生が認められた。
【0018】試験片3: 10サイクル(60時間)
後、クロスカット部に幅8mmの塗膜剥離を生じ、素地
金属の激しい腐食が認められた。
【0019】実施例2 粉体塗装に対する下地処理として本発明の方法の効果を
実証する為に、次の実験を行なった。
【0020】実験に供したアルミニウムダイカスト合金
は実施例1と同様のものである。
【0021】試験片1:(本発明に従って処理する) 実施例1の試験片1に対してと同様の方法で塗装下地処
理を行なった後、公知の方法により粉体塗装を行なっ
た。塗料は日本ペイント株式会社のパウダックスP−6
0(ポリエステル系樹脂塗料)を使用し、30μm の膜
厚の粉体塗膜を得た。
【0022】試験片2:(比較試験用) 実施例1の試験片2に対してと同様の方法で塗装下地処
理(アルマイト処理)を行なった後、実施例2の試験片
1に対してと同様な粉体塗装を行なった。
【0023】試験片3:(比較試験用) 実施例1の試験片3に対してと同様の方法で塗装下地処
理(クロメート処理)を行なった上に、実施例2の試験
片1に対してと同様な粉体塗装を行なった。
【0024】各試験片の塗膜に、素地に達するクロスカ
ットを入れ。JIS−Z−2371の方法により塩水噴
霧試験に供した。
【0025】試験結果は以下の通りである。
【0026】試験片1: 塩水噴霧2000時間後に異
常は全く認められなかった。
【0027】試験片2: 塩水噴霧600時間後にクロ
スカット部に幅3mmの塗膜の剥離および白錆の発生が
認められた。
【0028】試験片3: 塩水噴霧120時間後にクロ
スカット部に幅8mmの塗膜の剥離が認められ、素地金
属の激しい腐食が認められた。
【0029】
【発明の効果】本発明の方法は、実施例に示した電着塗
装および粉体塗装に対してだけでなく、静電気塗装等の
塗装法に対しての塗装下地処理としても同様の優れた効
果を発揮することが実験の結果、確認されている。本発
明の塗装下地処理方法は、それ自体本質的に耐食性およ
び塗膜密着性の劣っているアルミニウムダイカスト製品
に完全な耐食性と塗膜密着性を付与することを可能とす
るものであり、産業の発達に貢献する優れた発明であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−104463(JP,A) 特開 昭59−113199(JP,A) 特公 昭41−2606(JP,B2)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硫酸アルマイト処理を行った後、クロム
    酸アンモニウム水溶液中にて80℃以上で該水溶液の沸
    点までの温度で封孔処理を行うことを特徴とする、アル
    ミニウムダイカスト製品の塗装下地処理方法。
JP3197796A 1991-08-07 1991-08-07 アルミニウムダイカスト製品の塗装下地処理方法 Expired - Lifetime JPH0753920B2 (ja)

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JPS59113199A (ja) * 1982-12-17 1984-06-29 Okuno Seiyaku Kogyo Kk アルミニウム合金鋳物又はアルミニウム合金ダイカストの表面処理方法

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