JPH0753754Y2 - 合併処理し尿浄化槽 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は生活系排水を再使用することができるように浄
化して、水資源の節約、あるいは排水公害の解消に役立
てることができる合併処理し尿浄化槽における沈澱分離
槽の改良に関する。

「従来の技術」 従来、産業排水、畜産排水、生活系排水等の排水による
排水公害を防止する為に使用される合併処理し尿浄化槽
として、被処理水の流入口からその排水口方向へ第１の
沈澱分離室、第２の沈澱分離室、予備濾過室、接触材を
充填した第１接触曝気室、第２接触曝気室、安定室、及
び消毒室を順次形成してなる合併処理し尿浄化槽におい
て、上記予備濾過室及第１接触曝気室内の逆洗用パイプ
の上側と、前記予備濾過室及び第１接触曝気室に充填さ
れた接触材の上面より余裕をもつた上位置にに接触材固
定用の網を展設したことを特徴とするものを実開昭64-3
9900号公報に開示した。

「考案が解決しようとする課題」 上述した従来の合併処理し尿浄化槽によれば、各曝気室
の内底部において、これら曝気室内に供給すべき被処理
水の吐出口を位置せしめていることから、これら曝気室
内を移行する被処理水の上昇時において、接触材及びエ
アーとの接触効率が高められて、曝気効力が向上し、例
えば、カスムの発生が極度に少なく、嫌気性分解が効率
的に行なわれ、浄化性に優れ、且つその予備濾過室及び
第１の曝気室から、洗浄中の接触材が飛散しない取り扱
い便利な合併処理し尿浄化槽を提供することが出来た
が、近年、住宅等の過密化に伴い、小型でよりいっそう
浄化能力の高い洗化槽が望まれるようになってきた。そ
こで本考案は、浄化槽全体の大きさを従来と同様にし
て、浄化能力を更に向上させた合併処理し尿浄化槽を提
供することを目的にしてなされたものである。

「課題を解決する為の手段」 上記目的を達成するために、本考案の合併処理し尿浄化
槽は、被処理水の流入口からその排水口方向へ第１沈澱
分離槽、第２沈澱分離槽、予備ろ過槽、接触材を充填し
た第１接触ばっ気槽、第２接触ばっ気槽、沈澱槽、及び
消毒槽を順次形成してなる合併処理し尿浄化槽におい
て、第２沈澱分離槽に接触材を充填した接触材固定用網
を設け、この接触材固定用網を通過した被処理水を予備
ろ過槽へ送る構成にしたものである。

「作用」 被処理水の流入口からその排水口方向へ向かって第１沈
澱分離槽を通って、第２沈澱分離槽に入った被処理水
は、この第２沈澱分離槽に設けた接触材を充填した接触
材固定用網の部分を通過するとき、接触材に付着した微
生物によつて汚泥の沈澱分離効果を高めることによつ
て、それ以後の処理効果を高めた。一方、このときに用
いる接触材は網の中にあるから、被処理水の流れや洗浄
する時の水で飛散することもなく、また、そのため周囲
に汚物をふりまくこともなく極めて衛生的に洗浄作業を
行なうことが出来る。

「実施例」 本考案の合併処理し尿浄化槽の実施例について図面を参
照して説明する。

第１図、第２図及び第３図に示すし尿浄化槽１は、現場
において構築されるコンクリート製のものから、搬送可
能な小型のものまで適用できる。この尿浄化槽１の被処
理水の流入口２から第１沈澱分離槽３に流入した、例え
ば、産業排水、畜産排水、生活系排水は、ここで固形物
の沈澱分離を行なうと共に、汚水滞留による嫌気性分解
を行なわせて、汚泥、スカム、中間水に分離する。次い
で、バツフル５を通って第２沈殿分離槽４に入り、ここ
で第１沈澱分離槽３と同様の処理を行なうのであるが、
この第２沈澱分離槽４には、例えば直径３センチ前後、
長さが５センチ前後のプラスチツク製の接触材６を充填
した接触材固定用網７を設け、この接触材固定用網７で
接触材６の飛散を防止すると共に、中の接触材６に付着
している微生物で被処理水の分解効果を高めることが出
来る。この接触材固定用網７を通った被処理水は、バツ
フル８を通してその上上澄水を予備ろ過槽９に流入す
る、この予備ろ過槽９には適宜のフイルタがあつて、そ
のフイルタによる濾過がなされた後に、その被処理水
は、接触材を充填した第１接触ばっ気槽10に流量調整装
置11を通って流入するようになつている。その流量調整
装置11は、下方に数ミリの小径の流入口を有する第１流
入管12と、それより若干大径の流入口を上方に有する第
２流入管13と、この第２流入管13と平行に、そして第２
流入管13の流入口より若干高い位置に開口を有する空気
管14とを十字継手15の三方に接続し他の一方に流出管16
を接続した構成になつている。これによつて、予備ろ過
槽９の被処理水は通常第１流入管12から流入管16を通っ
て第１接続ばっ気槽10に入るのであるが、予備ろ過槽９
の水位が急に上がったときには、第２流入管13からも流
入して予備ろ過槽９に多くの被処理水を流すようになつ
ている、そのさいに、流出管16内を被処理水がスムース
に流れるように、流れに沿って空気を空気管14から空気
を送り込むようになつている。このようにして被処理水
が流入する第１接触ばつ気槽は、図示していないが内底
部には、接触材固定用のパイプ棚が設けてあり、このパ
イプ棚の上面には逆洗用パイプを配管し、さらに上記パ
イプ棚の上には接触材を充填する、そいて、この第１接
触ばっ気槽10の中央部に曝気筒を起立状態に設け、その
上から下に向けて送気するエア供給管を設けている。こ
のように構成した第１接触ばっ気槽10に供給した被処理
水は、接触材に付着している微生物によるばつ気効果を
たかめながらばつ気処理して第２接触ばっ気槽17に送り
第１接触ばっ気槽10内における処理と同様のばつ気処理
をして後、沈澱槽18、及び消毒槽19を順次通って排水口
20から自然排水又はポンプ作用で放流、又は、トイレの
洗浄水、樹木の散水、洗車、工業用水、その他の雑用水
等として利用することが出来るものである。

「考案の効果」 本考案は上述のように構成されているから、被処理水の
流入口からその排水口方向へ向かって第１の沈澱分離槽
を通り、第２の沈澱分離槽に入った被処理水は、この第
２の沈澱分離槽に入った被処理水は、この第２の沈澱分
離槽に設けた接触材を充填した接触材固定網の部分を通
過するとき接触材に付着した微生物によつて汚泥の一部
は消化され沈澱分離効果を高めることから、以後行なわ
れる処理効果を従来より高めることが出来た。しかもこ
の時に用いる接触材は、網の中にあるから被処理水の流
れや洗浄する時の水で飛散することもなく、また、その
ため周囲に汚物をふりまくこともなく極めて衛生的に洗
浄作業を行なうことが出来る効果を有する。

また、本考案は通常は予備ろ過槽の被処理水を第１流入
管から流出管を通って第１ばっ気僧に空気管からの空気
と共に送り、予備ろ過槽の水位が急に上昇した時には第
２流入管からも流入して予備ろ過槽に多く被処理水を送
るようにし、また、流出管の出口を第１ばっ気槽の中心
より遠い位置に延出して設けたことにより該槽内で逆洗
エアーによって起こる被処理水の対流に影響されず被処
理水をろ過槽から第１ばっ気槽に移送することが出来る
ので浄化槽の浄化効率を一層高め得る効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の合併処理し尿浄化槽の平面概念図、第
２図は第１図のＡ−Ａ断面図、第３図は第１図のＢ−Ｂ
断面図である。 ２…流入口、３…第１沈澱分離槽、４…第２沈澱分離
槽、６…接触材、７…接触材固定用網、９…予備ろ過
槽、10…第１接触ばっ気槽、17…第２接触ばっ気槽、18
…沈澱槽、19…消毒槽、20…排水口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】被処理水の流入口からその排水口方向へ第
   １沈澱分離槽、第２沈澱分離槽、予備ろ過槽、接触材を
   充填した第１接触ばつ気槽、第２接触ばつ気槽、沈澱槽
   及び消毒槽を順次形成してなる合併処理し尿浄化槽にお
   いて、前記第２沈澱分離槽の出口側に被処理水の流れに
   対し直角に槽の幅一杯に接触材を充填した接触材固定用
   網を被処理水の流れを遮断するように設け、この接触材
   固定用網を通過した被処理水を予備ろ過槽へ送る構成に
   すると共に、前記予備ろ過槽と第１接触ばつ気槽間に、
   下方に数ミリの小径の流入口を有する第１流入管と、こ
   の第１流入管より若干大径の流入口を上方に有する第２
   流入管と、この第２流入管と平行に、そして第２流入管
   の流入口より若干高い位置に開口を有する空気管とを十
   字継手の三方に接続し他の一方に出口が第１ばっ気槽の
   中心より遠い位置に延出した流出管を設けた流量調整装
   置を備えたことを特徴とする合併処理し尿浄化槽。