JPH0753717A - 新規な共重合体とその製造方法 - Google Patents

新規な共重合体とその製造方法

Info

Publication number
JPH0753717A
JPH0753717A JP22649193A JP22649193A JPH0753717A JP H0753717 A JPH0753717 A JP H0753717A JP 22649193 A JP22649193 A JP 22649193A JP 22649193 A JP22649193 A JP 22649193A JP H0753717 A JPH0753717 A JP H0753717A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
copolymer
film
represented
polyimide
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP22649193A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3463111B2 (ja
Inventor
Hiroyuki Furuya
浩行 古谷
Kazuhisa Danno
和久 檀野
Jiyunya Ida
純哉 井田
Keiji Okamoto
圭史 岡本
Kosaku Nagano
広作 永野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP22649193A priority Critical patent/JP3463111B2/ja
Publication of JPH0753717A publication Critical patent/JPH0753717A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3463111B2 publication Critical patent/JP3463111B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 充分な機械的強度、つまり高分子量を有しつ
つ、さらに耐熱性に優れ、耐薬品性・低温特性・接着性
等に優れ、かつ耐放射線性にも優れた新規な共重合体と
その製造方法を提供することにある。 【構成】 一般式(1)化1 【化1】 (式中、R1 は2価の有機基であり、R2 は4価の有機
基であり、Xは化2 【化2】 から選択される3価の結合基である。また、m,nは正
の整数である。)で表される新規な共重合体を得た。ま
た、係る共重合体を有機溶媒中の脂肪族基を有する酸二
無水物(エチレングリコールビストリメリット酸二無水
物)に、ジアミン化合物を投入し、更に第3成分として
の酸二無水物を、これら酸二無水物とジアミン化合物の
モル比が実質的に等モルになるように加えることにより
ポリアミド酸共重合体を製造し、さらに熱的・化学的に
脱水閉環してポリイミド・ポリイソイミド共重合体を製
造した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な共重合体とその製
造方法に関し、より詳しくは、低温での融着が可能であ
り、超伝導用線材等の絶縁被覆用積層フィルムやフレキ
シブルプリント回路基板のベースフィルム・カバーレイ
フィルム・ボンディングシート・カバーコートインク等
に好適に供することができ、また、充分な機械特性を発
揮するために高い粘度を有し、かつ、耐放射線性・柔軟
性・接着性などに優れた特徴を合わせ有する新規な共重
合体とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】一般
に、ポリイミドフィルムはその優れた耐熱性・低温特性
・耐薬品性・電気特性などから特に電気・電子機器用途
の材料として広く用いられている。ところが、フィルム
用途に用いられているポリイミドは、一般に不溶不融で
あるため、金属線などの被覆に用いる際には、熱可塑性
又は熱硬化性の樹脂をポリイミドフィルムに塗布して接
着性を付与している。
【0003】接着性を付与する用途で熱可塑性樹脂とし
て従来広く用いられているものの1つに、例えばFEP
等のフッ素樹脂がある。フッ素樹脂は耐熱性が比較的高
く、耐薬品性、低温特性に優れるという特徴を持つ反
面、耐放射線性が極端に悪くそのため特定の用途、例え
ば宇宙用途、超伝導用線材用途、原子力発電用途等には
不適であった。
【0004】また、熱硬化性樹脂としてはエポキシ樹脂
等が用いられているが、これら従来の熱硬化性樹脂は硬
化に際し高温・長時間を必要とし、そのため線材の劣化
等を引き起こす等の点で、金属線、特に超伝導用線材の
被覆の用途には不向きであった。
【0005】上記の現状に対して、耐薬品性・低温特性
・接着性等に優れ、かつ耐放射線性にも優れた熱融着性
を有するフィルムの開発が待たれていた。
【0006】また、フレキシブルプリント基板などに接
着剤を用いる場合、フィルム状に加工したポリイミド上
あるいは銅箔上に接着剤を塗布し、ポリイミドフィルム
と銅箔とを張り合わせる方法がとられている。このた
め、プリント基板の耐熱性等の特性が接着剤の特性によ
り決まることになる。しかし、用いられる接着剤層の耐
熱性がポリイミドに比べて劣るため、ポリイミドの高性
能が発揮されないという問題を有していた。
【0007】これらの問題を解決する方法として脂肪族
基を有するポリイミドを使用することが挙げられる。脂
肪族基を有するポリイミドは芳香族ポリイミドと比べて
比較的安価で軟化温度も実用的な値であり、かつ、フィ
ルムとして電子材料として要求される耐熱性、耐薬品性
等にも優れているといわれている。
【0008】しかしながら、脂肪族基を有するポリイミ
ドは重合速度が遅く、現実にはフィルムを形成するのに
充分な高分子量を得ることは実質的に不可能であった。
すなわち、ポリイミドフィルムを作製するには通常、金
属ベルト又は樹脂フィルム上に前駆体であるポリアミド
酸溶液を流延塗布して溶媒を揮発させ、ポリアミド酸フ
ィルムとして支持体から剥離し、その後加熱してイミド
化させ、ポリイミドフィルムとする方法が採られてお
り、生成するポリイミドフィルムの強度を維持するため
には、高分子量のポリイミドが要求される。ところが、
脂肪族基を有するポリイミドの場合、上記のごとく分子
量が極めて低いために、いわゆるフィルムの自己支持性
がなく、脆いフィルムしか得られず、支持体から剥離す
ることも困難であった。一方、支持体上で充分に加熱
し、イミド化させると支持体と密着してしまい、やはり
剥離不能となり、上記の目的で使用するには不充分であ
った。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに鋭意検討した結果、充分な機械的強度を有しつつ、
つまり、充分な高分子量を有しつつ、さらに、耐熱性に
優れ、耐薬品性・低温特性・接着性等に優れ、かつ耐放
射線性にも優れた本発明に係る新規な共重合体とその製
造方法を見いだした。
【0010】本発明に係る新規な共重合体の要旨とする
ところは、一般式(1)化10
【化10】 (式中、R1 は2価の有機基であり、R2 は4価の有機
基であり、Xは化11
【化11】 から選択される3価の結合基である。また、m,nは正
の整数である。)で表されることにある。
【0011】また、かかる共重合体において、前記一般
式(1)中、 R1 が化12
【化12】 で表される2価の有機基の群から選択されるいずれかで
あることにある。
【0012】また、かかる共重合体において、前記一般
式(1)中、R2 が化13
【化13】 で表される4価の有機基の群から選択されるいずれかで
あることにある。
【0013】次に、本発明に係る新規な共重合体の製造
方法の要旨とするところは、有機極性溶媒中に、化14
【化14】 で表されるエチレングリコールビストリメリット酸二無
水物を溶解し、次に、化15
【化15】 で表されるジアミン化合物の群から選択されるいずれか
を投入し、さらに第3成分として一般式(2)化16
【化16】 (式中、Ar3 は化17
【化17】 で表される4価の有機基の群から選択されるうちのいず
れかである)で表される酸二無水物を、これら酸二無水
物とジアミン化合物のモル量が実質的に等モルになるよ
うに加えることで得られる共重合体の製造方法を内容と
するものである。
【0014】また、本発明に係る他の新規な共重合体の
製造方法の要旨とするところは、有機極性溶媒中に、エ
チレングリコールビストリメリット酸二無水物を溶解
し、次に、化18
【化18】 で表されるジアミン化合物の群から選択されるいずれか
を投入し、さらに第3成分として前記一般式(2)で表
される酸二無水物を、これら酸二無水物とジアミン化合
物のモル量が実質的に等モルになるように加えた後、脱
水閉環して得られる共重合体の製造方法を内容とするも
のである。
【0015】
【作用】本発明に係る新規な共重合体を得るための特徴
は、第一に、ポリイミド共重合体において、上記特性を
有するための必須の成分として脂肪族基を有する酸二無
水物であるエチレングリコールビストリメリット酸二無
水物を用いることにある。このポリイミド共重合体は1
00℃から250℃の間で明確なガラス転移点を持ち、
ガラス転移点以上の近い温度で熱可塑性を示すものであ
る。第二に、この製造方法において、上記脂肪族基を有
する酸二無水物と反応性の高い第3成分の酸二無水物、
つまり、電子親和力の大きな第3成分の酸二無水物を共
重合する新規な製造方法を用いることにある。この新規
な製造方法により、脂肪族基を有する酸二無水物を使用
した場合に高分子量が得られないという問題点を解決す
ることができた。
【0016】
【実施例】以下に、本発明の新規芳香族ポリアミド酸共
重合体及び新規芳香族ポリイミドあるいはポリイソイミ
ド重合体の製造方法について述べる。
【0017】まず、アルゴン、窒素等の不活性ガス雰囲
気中において、aモルのエチレングリコールビストリメ
リット酸二無水物を有機溶媒中に溶解する。溶解させる
べき溶媒の温度は、10℃以上、望ましくは、40℃以
上が望ましい。この溶液に、bモルの、すなわち、エチ
レングリコールビストリメリット酸二無水物に対して過
剰量の化19
【化19】 で表されるジアミン化合物のいずれかを固体もしくは有
機溶媒による溶液の形で添加し、共重合ポリイミドの前
駆体であるアミン基を両末端に有するテレケリックなポ
リアミド酸溶液を調整する。
【0018】次に、ジアミン化合物と酸二無水物のモル
比が実質的に等モルとなるように、すなわち、ほぼb=
a+cとなるように、cモルの一般式(2)化20
【化20】 (式中、Ar3 は、化21
【化21】 で表される4価の有機基から選択されるうちのいずれか
である。)で表される第3成分の酸二無水物を加えるこ
とで、高粘度のすなわち高分子量を有するポリアミド酸
共重合体を得る。第3成分の酸二無水物は、有機溶媒に
よる溶液もしくはスラリーもしくは固体のままでポリア
ミド酸溶液中に添加することが出来るが、好適には、粉
体で添加することが望ましい。
【0019】この時の反応温度は10℃以上、好ましく
は、20℃以上である。反応時間は30分〜10時間以
上で任意に設定できる。
【0020】ここで該ポリアミド酸共重合体溶液の生成
反応に使用される有機溶媒としては、例えば、ジメチル
スルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシ
ド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジ
エチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N
−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミ
ドなどのアセトアミド系溶媒等を挙げることができる。
これらを単独又は2種或いは3種以上の混合溶媒として
用いることもできる。更に、これらの極性溶媒ととも
に、アセトン、メタノール、エタノール、イソプロパノ
ール、ベンゼンメチルセロソルブ等のポリアミド酸の非
溶媒との混合溶媒として用いることもできる。
【0021】次に、この前駆体であるポリアミド酸共重
合体溶液から、ポリイミド共重合体を得るためには、熱
的及び/又は化学的に脱水閉環する方法を用いればよ
い。
【0022】例を挙げて説明すると、熱的に脱水閉環
(イミド化)する方法では、上記ポリアミド酸共重合体
の溶液を支持板、PET等の有機フィルム、ドラムある
いはエンドレスベルト等の支持体上に流延又は塗布して
膜状となし、乾燥させた後、自己支持性を有する膜を得
る。乾燥は、150℃以下の温度で約5〜90分間行う
のが好ましい。次いで、これを加熱して乾燥イミド化
し、本発明に係るポリイミド共重合体よりなるポリイミ
ド膜を得る。加熱の際の温度は100〜200℃の範囲
の温度が好ましく、特には、100〜180℃が好まし
い。加熱の際の昇温速度には制限はないが、徐々に加熱
し、最高温度が上記温度になるようにするのが好まし
い。加熱時間は、フィルム厚みや最高温度によって異な
るが、一般には、最高温度に達してから10秒〜1時間
の範囲が好ましい。自己支持性を有する膜を加熱する際
は、支持体から引きはがし、その状態で端部を固定して
加熱すると線膨張係数が小さい共重合体が得られるので
好ましい。
【0023】化学的に脱水閉環(イミド化)する方法で
は、上記ポリアミド酸共重合体の溶液に化学量論以上の
脱水剤と触媒量の第3級アミンを加え、熱的に脱水する
場合と同様の方法で処理すると所望のポリイミド膜が得
られる。
【0024】熱的にイミド化する方法、化学的にイミド
化する方法を比較すると化学的方法による方が機械的強
度が大きく、且つ線膨張係数が小さいポリイミドが得ら
れる。
【0025】ポリイソイミド共重合体を得るためには、
一般的に知られているジシクロヘキシルカルボジイミド
(DCC)を添加して反応を完結させればよい。
【0026】前記一般式(1)で表される共重合体にお
けるブロック単位の繰り返し数mは1以上の正の整数で
あればよいが、特には、15以下が望ましい。何故なら
ば、繰り返し数mが15以上であると重合比が偏り共重
合することの効果、すなわち、高分子量化するために添
加する第3成分の効果が小さくなるからである。また係
る共重合体におけるブロックの繰り返し数nは1以上の
正の整数であればよく、この共重合体の分子量は特に規
制されるものではないが、生成するポリイミド樹脂の強
度を維持するためには、数平均分子量が5万以上、更に
は8万以上、特には10万以上、更には12万以上の高
分子量であることが望ましい。
【0027】ところで、ポリイミド重合体の分子量は直
接測定が困難な場合が多い。このようなときには間接的
な方法によって推測による測定がなされる。例えばポリ
イミド重合体がポリアミド酸から合成される場合には、
ポリアミド酸の分子量に相当する値をポリイミドの分子
量とする。
【0028】このようにして、一般式(1)化22
【化22】 (式中、R1 は2価の有機基であり、R2 は4価の有機
基であり、Xは化23
【化23】 から選択される3価の結合基である。また、m,nは正
の整数である。)で表されるポリアミド酸、ポリイミ
ド、又はポリイソイミドの共重合体が得られるのであ
る。
【0029】上記方法により得られた本発明に係る新規
な共重合体であるポリイミド重合体は、優れた熱可塑
性、接着性、低吸水率を併せ持っている。すなわち、本
発明に係るポリイミド重合体は、その組成により100
℃から250℃の間で明確なガラス転移点を持ち、ガラ
ス転移点以上の近い温度でラミネートすることにより、
被着体、例えば、アルミ・チタン・鉄板.銅板などとポ
リイミドの優れた耐熱性を損なう接着剤層を介すること
なく接着することができる。これらの結果から、例え
ば、銅板を用いた場合には、比較的容易に銅張積層板が
作製できることが理解できる。また、20℃の純水に2
4時間浸した時の吸水率が1%程度という低吸水率を示
す。
【0030】以上、本発明に係る新規な共重合体の実施
例を説明したが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲
内で当業者の知識に基づき、種々なる改良、修正、変形
を加えた態様で実施しうるものである。
【0031】次に実施例により本発明をより具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例の範囲に限定される
ものではない。
【0032】実施例 1 攪拌機を備えた500ミリリットル三口フラスコに、2
8.7g(70mmol)のエチレングリコールビスト
リメリット酸二無水物(TMEG)およびジメチルホル
ムアミド(DMF)150gを採り、スターラーを用い
て攪拌し、40℃の雰囲気温度で充分溶かした。さら
に、50ミリリットルのマイエルにはかりとった20.
0g(100mmol)の4,4’−ジアミノジフェニ
ルエーテル(ODA)を反応系に導入し、充分反応させ
た。約30分攪拌しながら放置した後、別の50ミリリ
ットルのマイエルから6.54g(30mmol)のピ
ロメリット酸二無水物(PMDA)を溶液の粘度に注目
しながら三口フラスコ中に徐々に投入した。最大粘度に
達した後、PMDA粉体の投入を終了し、一時間攪拌し
ながら放置し、ポリアミド酸溶液を得た。粘度をB型粘
度計で測定したところ、3500ポイズを示した。
【0033】このポリアミド酸溶液の100gを測り採
り、11.37gの無水酢酸と11.18gのイソキノ
リンと11.95gのDMFからなるケミカルキュア剤
を加えて、PETフィルム上に流延塗布し、80℃で2
5分間加熱し、PETフィルムをはがした後、150
℃、200℃で各25分間加熱しイミド化させ、25μ
mのポリイミドフィルムを得た。IR測定により、17
80cm-1にイミドカルボニル基による特性吸収を有す
るポリイミドフィルムであることを確認した。
【0034】得られたフィルムについて、ガラス転移点
(℃)、ピール強度(kg/cm)、吸水率(%)、引
張伸び(%)、引張強度(kg/cm2 )、引張弾性率
(kg/cm2 )を調べた。ガラス転移点はTMA法に
より測定し、ピール強度は得られたポリイミドフィルム
の両側に銅箔(35μm厚)を300℃、2.2cm/
minの速度でラミネートさせた後、JIS K−64
81に従い測定した。また、吸水率は、ASTM D−
570に従い、20℃の蒸留水中で24時間浸漬した後
の重量変化率を測定した。また、引張強度、引張伸び、
引張弾性率は、いずれもJIS C−2318に従い測
定した。それらの結果を、表1及び表2に示した。
【0035】
【表1】
【表2】
【0036】実施例 2 実施例1において、第3成分の酸二無水物として、PM
DAの代わりに9.6g(30mmol)のベンゾフェ
ノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)を用いる他
は、実質的に実施例1と同様の操作で、2580ポイズ
のポリアミド酸溶液を得た後、ポリイミドフィルムを作
成した。得られたポリイミドフィルムについて、実施例
1と同様に物性を調べ、その結果を表1及び表2に示し
た。
【0037】実施例 3 実施例1において、第3成分の酸二無水物として、PM
DAの代わりに9.2g(30mmol)のオキシジフ
タリック酸二無水物(ODPA)を用いる他は、実質的
に実施例1と同様の操作で、3280ポイズのポリアミ
ド酸溶液を得た後、ポリイミドフィルムを作成した。得
られたポリイミドフィルムについて、実施例1と同様に
物性を調べ、その結果を表1及び表2に示した。
【0038】実施例 4 実施例1において、第3成分の酸二無水物として、PM
DAの代わりに8.9g(30mmol)のビフェニル
テトラカルボン酸二無水物(BPDA)を用いる他は、
実質的に実施例1と同様の操作で、4050ポイズのポ
リアミド酸溶液を得た後、ポリイミドフィルムを作成し
た。得られたポリイミドフィルムについて、実施例1と
同様に物性を調べ、その結果を表1及び表2に示した。
【0039】比較例 1 実施例1において、TMEGとODAの添加順序を逆に
した他は、実質的に実施例1と同様の操作で、ポリアミ
ド酸を合成したが、粘度は3ポイズであった。また、フ
ィルム形成能がなく、強靱なフィルムを得ることはでき
なかった。
【0040】比較例 2 実施例2において、TMEGとODAの添加順序を逆に
した他は、実質的に実施例2と同様の操作で、ポリアミ
ド酸を合成したが、粘度は1ポイズ未満であった。ま
た、フィルム形成能がなく、強靱なフィルムを得ること
はできなかった。
【0041】比較例 3 実施例3において、TMEGとODAの添加順序を逆に
した他は、実質的に実施例3と同様の操作で、ポリアミ
ド酸を合成したが、粘度は1ポイズ未満であった。ま
た、フィルム形成能がなく、強靱なフィルムを得ること
はできなかった。
【0042】比較例 4 実施例4において、TMEGとODAの添加順序を逆に
した他は、実質的に実施例4と同様の操作で、ポリアミ
ド酸を合成したが、粘度は5ポイズであった。また、フ
ィルム形成能がなく、強靱なフィルムを得ることはでき
なかった。
【0043】実施例 5 実施例1において、ジアミン成分として、ODAの代わ
りに10.8g(100mmol)のパラフェニレンジ
アミン(PPDA)を反応系に導入した他は、実質的に
実施例1と同様の操作で、2900ポイズのポリアミド
酸溶液を得た後、ポリイミドフィルムを作成した。得ら
れたポリイミドフィルムについて、実施例1と同様に物
性を調べ、その結果を表3及び表4に示した。
【0044】
【表3】
【表4】
【0045】実施例 6 実施例5において、第3成分の酸二無水物として、PM
DAの代わりに9.6g(30mmol)のBTDAを
用いる他は、実質的に実施例5と同様の操作で、260
0ポイズのポリアミド酸溶液を得た後、ポリイミドフィ
ルムを作成した。得られたポリイミドフィルムについ
て、実施例1と同様に物性を調べ、その結果を表3及び
表4に示した。
【0046】実施例 7 実施例5において、第3成分の酸二無水物として、PM
DAの代わりに9.2g(30mmol)のODPAを
用いる他は、実質的に実施例5と同様の操作で、305
0ポイズのポリアミド酸溶液を得た後、ポリイミドフィ
ルムを作成した。得られたポリイミドフィルムについ
て、実施例1と同様に物性を調べ、その結果を表3及び
表4に示した。
【0047】実施例 8 実施例5において、第3成分の酸二無水物として、PM
DAの代わりに8.9g(30mmol)のBPDAを
用いる他は、実質的に実施例5と同様の操作で、250
0ポイズのポリアミド酸溶液を得た後、ポリイミドフィ
ルムを作成した。得られたポリイミドフィルムについ
て、実施例1と同様に物性を調べ、その結果を表3及び
表4に示した。
【0048】比較例 5 実施例5において、TMEGとPPDAの添加順序を逆
にした他は、実質的に実施例5と同様の操作で、ポリア
ミド酸を合成したが、粘度は3ポイズであった。また、
フィルム形成能がなく、強靱なフィルムを得ることはで
きなかった。
【0049】比較例 6 実施例6において、TMEGとPPDAの添加順序を逆
にした他は、実質的に実施例6と同様の操作で、ポリア
ミド酸を合成したが、粘度は1ポイズ未満であった。ま
た、フィルム形成能がなく、強靱なフィルムを得ること
はできなかった。
【0050】比較例 7 実施例7において、TMEGとPPDAの添加順序を逆
にした他は、実質的に実施例7と同様の操作で、ポリア
ミド酸を合成したが、粘度は1ポイズ未満であった。ま
た、フィルム形成能がなく、強靱なフィルムを得ること
はできなかった。
【0051】比較例 8 実施例8において、TMEGとPPDAの添加順序を逆
にした他は、実質的に実施例8と同様の操作で、ポリア
ミド酸を合成したが、粘度は5ポイズであった。また、
フィルム形成能がなく、強靱なフィルムを得ることはで
きなかった。
【0052】実施例 9 実施例1において、ジアミン成分として、ODAの代わ
りに41.1g(100mmol)のビスアミノフェノ
キシフェニルプロパン(BAPP)を反応系に導入した
他は、実質的に実施例1と同様の操作で、2000ポイ
ズのポリアミド酸溶液を得た後、ポリイミドフィルムを
作成した。得られたポリイミドフィルムについて、実施
例1と同様に物性を調べ、その結果を表5及び表6に示
した。
【0053】
【表5】
【表6】
【0054】実施例 10 実施例9において、第3成分の酸二無水物として、PM
DAの代わりに9.6g(30mmol)のBTDAを
用いる他は、実質的に実施例9と同様の操作で、300
0ポイズのポリアミド酸溶液を得た後、ポリイミドフィ
ルムを作成した。得られたポリイミドフィルムについ
て、実施例1と同様に物性を調べ、その結果を表5及び
表6に示した。
【0055】実施例 11 実施例9において、第3成分の酸二無水物として、PM
DAの代わりに9.2g(30mmol)のODPAを
用いる他は、実質的に実施例9と同様の操作で、310
0ポイズのポリアミド酸溶液を得た後、ポリイミドフィ
ルムを作成した。得られたポリイミドフィルムについ
て、実施例1と同様に物性を調べ、その結果を表5及び
表6に示した。
【0056】実施例 12 実施例9において、第3成分の酸二無水物として、PM
DAの代わりに8.9g(30mmol)のBPDAを
用いる他は、実質的に実施例9と同様の操作で、250
0ポイズのポリアミド酸溶液を得た後、ポリイミドフィ
ルムを作成した。得られたポリイミドフィルムについ
て、実施例1と同様に物性を調べ、その結果を表5及び
表6に示した。
【0057】比較例 9 実施例9において、TMEGとBAPPの添加順序を逆
にした他は、実質的に実施例9と同様の操作で、ポリア
ミド酸を合成したが、粘度は3ポイズであった。また、
フィルム形成能がなく、強靱なフィルムを得ることはで
きなかった。
【0058】比較例 10 実施例10において、TMEGとBAPPの添加順序を
逆にした他は、実質的に実施例10と同様の操作で、ポ
リアミド酸を合成したが、粘度は1ポイズ未満であっ
た。また、フィルム形成能がなく、強靱なフィルムを得
ることはできなかった。
【0059】比較例 11 実施例11において、TMEGとBAPPの添加順序を
逆にした他は、実質的に実施例11と同様の操作で、ポ
リアミド酸を合成したが、粘度は1ポイズ未満であっ
た。また、フィルム形成能がなく、強靱なフィルムを得
ることはできなかった。
【0060】比較例 12 実施例12において、TMEGとBAPPの添加順序を
逆にした他は、実質的に実施例12と同様の操作で、ポ
リアミド酸を合成したが、粘度は5ポイズであった。ま
た、フィルム形成能がなく、強靱なフィルムを得ること
はできなかった。
【0061】
【発明の効果】以上のように、本発明は、脂肪族基を有
する酸二無水物としてエチレングリコールビストリメリ
ット酸二無水物を用い、第3成分の酸二無水物を加える
ことにより生成するポリイミド重合体の高分子量化を可
能とした。その結果、優れた機械的強度を有しつつ良好
な熱可塑性のポリイミド共重合体を得ることができた。
このポリイミド共重合体は、低温における接着性を有
し、さらに、従来のポリイミド系材料に比べて低い吸水
率を示している。これらの特徴を有するポリイミド共重
合体は、今回新たに見いだした共重合法によってのみ実
現できるものである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)化1 【化1】 (式中、R1 は2価の有機基であり、R2 は4価の有機
    基であり、Xは化2 【化2】 から選択される3価の結合基である。また、m,nは正
    の整数である。)で表されることを特徴とする新規な共
    重合体。
  2. 【請求項2】 前記一般式(1)中、R1 が化3 【化3】 で表される2価の有機基の群から選択されるいずれかで
    あることを特徴とする請求項1に記載の新規な共重合
    体。
  3. 【請求項3】 前記一般式(1)中、R2 が化4 【化4】 で表される4価の有機基の群から選択されるいずれかで
    あることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の新
    規な共重合体。
  4. 【請求項4】 有機極性溶媒中に、化5 【化5】 で表されるエチレングリコールビストリメリット酸二無
    水物を溶解し、次に、化6 【化6】 で表されるジアミン化合物の群から選択されるいずれか
    を投入し、さらに第3成分として一般式(2)化7 【化7】 (式中、Ar3 は化8 【化8】 で表される4価の有機基の群から選択されるいずれかで
    ある。)で表される酸二無水物を、これら酸二無水物と
    ジアミン化合物のモル量が実質的に等モルになるように
    加えることで得られる新規な共重合体の製造方法。
  5. 【請求項5】 有機極性溶媒中に、エチレングリコール
    ビストリメリット酸二無水物を溶解し、次に、化9 【化9】 で表されるジアミン化合物の群から選択されるいずれか
    を投入し、さらに第3成分として前記一般式(2)で表
    される酸二無水物を、これら酸二無水物とジアミン化合
    物のモル量が実質的に等モルになるように加えた後、更
    に脱水閉環して得られる新規な共重合体の製造方法。
JP22649193A 1993-08-18 1993-08-18 新規な共重合体とその製造方法 Expired - Lifetime JP3463111B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22649193A JP3463111B2 (ja) 1993-08-18 1993-08-18 新規な共重合体とその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22649193A JP3463111B2 (ja) 1993-08-18 1993-08-18 新規な共重合体とその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0753717A true JPH0753717A (ja) 1995-02-28
JP3463111B2 JP3463111B2 (ja) 2003-11-05

Family

ID=16845940

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22649193A Expired - Lifetime JP3463111B2 (ja) 1993-08-18 1993-08-18 新規な共重合体とその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3463111B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1996021693A1 (en) * 1995-01-11 1996-07-18 Kanegafuchi Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha Novel heat-fusible copolymer, and powder, film, laminated heat insulator, electronic module, and capacitor produced from said copolymer, and process for producing the same
WO1998046689A1 (en) * 1997-04-15 1998-10-22 Ppg Industries Ohio, Inc. Low-emission curable printing-ink or coatings binders
WO2007083526A1 (ja) * 2006-01-20 2007-07-26 Kaneka Corporation ポリイミドフィルムおよびその利用

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1996021693A1 (en) * 1995-01-11 1996-07-18 Kanegafuchi Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha Novel heat-fusible copolymer, and powder, film, laminated heat insulator, electronic module, and capacitor produced from said copolymer, and process for producing the same
WO1998046689A1 (en) * 1997-04-15 1998-10-22 Ppg Industries Ohio, Inc. Low-emission curable printing-ink or coatings binders
WO2007083526A1 (ja) * 2006-01-20 2007-07-26 Kaneka Corporation ポリイミドフィルムおよびその利用
JPWO2007083526A1 (ja) * 2006-01-20 2009-06-11 株式会社カネカ ポリイミドフィルムおよびその利用

Also Published As

Publication number Publication date
JP3463111B2 (ja) 2003-11-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4883718A (en) Flexible copper-clad circuit substrate
JPH091723A (ja) 耐熱性ボンディングシート
JP3493363B2 (ja) 新規な共重合体とその製造方法
JP2008303372A (ja) 非対称構造を有するポリイミド前駆体、ポリイミドおよびそれらの製造方法
JP3463111B2 (ja) 新規な共重合体とその製造方法
JP4974068B2 (ja) ポリイミドフィルム、その製造方法およびフレキシブル回路基板
JP4796687B2 (ja) 接着剤組成物
JPH09302091A (ja) 新規な高弾性ポリイミド樹脂組成物
JP2023547673A (ja) 高い寸法安定性を有するポリイミドフィルム及びその製造方法
JP3596556B2 (ja) フレキシブルプリント基板用材料
JP3531082B2 (ja) フレキシブル銅張積層板
JP4935406B2 (ja) 高耐熱性ポリイミド樹脂組成物
JPH0770524A (ja) ポリイミド両面接着シート
JP3805546B2 (ja) 耐熱性ボンディングシートの製造方法
JP2006176581A (ja) ポリアミック酸、それからなるポリイミドフィルム、その製造方法およびフレキシブル回路基板
JPH08199124A (ja) ボンディングシート
JPH0748555A (ja) カバーレイ用接着剤及びカバーレイフィルム
JPH08294993A (ja) フレキシブル銅張積層板
JP4077621B2 (ja) 低誘電接着剤、フィルム状接合材、および接着性積層材
JPH08197695A (ja) 接着性絶縁フィルム及びその製造方法
JP4017034B2 (ja) 新規なポリイミドフィルム
EP0270672A1 (en) Flexible copper-clad circuit board
JP2004285103A (ja) 熱可塑性ポリイミド及びそれを含有する接着剤
JPH09286858A (ja) ポリイミド樹脂組成物とその製造方法
JP4862247B2 (ja) 耐熱性接着剤組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20030701

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070822

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080822

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080822

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090822

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100822

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100822

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110822

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120822

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120822

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130822

Year of fee payment: 10

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130822

Year of fee payment: 10

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term