JPH0752565Y2 - 測定装置 - Google Patents

測定装置

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JPH0752565Y2
JPH0752565Y2 JP1992089064U JP8906492U JPH0752565Y2 JP H0752565 Y2 JPH0752565 Y2 JP H0752565Y2 JP 1992089064 U JP1992089064 U JP 1992089064U JP 8906492 U JP8906492 U JP 8906492U JP H0752565 Y2 JPH0752565 Y2 JP H0752565Y2
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taper
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正行 松原
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Big Daishowa Seiki Co Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、工作機械のテーパ穴付
き主軸を精密加工するに際して、主軸のテーパ穴内面と
主軸端面との位置関係を測定するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】主軸には各種工具を保持する工具ホルダ
ーが取付けられる。即ち、図4等に示すように、主軸1
に設けたテーパ穴2に工具ホルダー3のテーパシャンク
部4を嵌合させることにより取付けられる。このテーパ
穴2にテーパシャンク部4を嵌合させるにあたって、J
IS規格またはISO規格によれば、テーパ穴2及びテ
ーパシャンク部4の最大径D、長さL等が規格化されて
いると共に、ある程度の製作誤差(Δi)を見込んで、
主軸1の基準端面1aと工具ホルダー3の鍔部端面5a
との間に所定の対向間隙Yを設けることが規格化されて
いる。
【0003】この規格に従って製作されたテーパ穴2及
びテーパシャンク部4によれば、図4の仮想線で示すよ
うに、主軸1の基準端面1aが製作誤差(Δi)により
僅かに鍔部端面5a側に突出したり、鍔部端面5aが製
作誤差(Δi)により僅かに基準端面1a側に突出した
としても、前記対向間隙Yにより、その製作誤差(Δ
i)が吸収されて、基準端面1aと鍔部端面3aとが互
いに当接することがないため、テーパ穴2にテーパシャ
ンク部4を確実に密着嵌合させることができる。しかし
反面、前記基準端面1aと鍔部端面5aとが互いに離れ
ているため、切削負荷がテーパシャンク部4に集中的に
かかり、テーパ穴2とテーパシャンク部4との密着面が
フレッティングコロージョン現象等により磨耗されやす
くなるという欠点を本質的に有している。
【0004】そこで、主軸1及び工具ホルダー3に精密
加工を施して、主軸1の基準端面1aを前記対向間隙Y
分だけ鍔部端面5a側に延出して延長端面1a′とした
り(図5)、工具ホルダー3の鍔部端面5aを対向間隙
Y分だけ基準端面1a側に延出して延長端面5a′とし
(図6)、テーパ穴2とテーパシャンク部4とを互いに
密着嵌合させると同時に、上記基準端面1aと鍔部端面
5aとを互いに密着させることが考えられる。これによ
ると、切削負荷が基準端面1aにもかかるようになるた
め、テーパ穴2とテーパシャンク部4との密着面がフレ
ッティングコロージョン現象等により磨耗されることが
なくなる。
【0005】ところが、この精密加工された主軸1や工
具ホルダー3を前述した通常規格の工具ホルダー3や主
軸1に共用して使用すると、その通常規格には製作誤差
(Δi)が許容されていることから問題が生じる。即
ち、図5に示すように、精密加工を施して延長端面1
a′を有する主軸1に、仮想線で示すようにテーパシャ
ンク部4の長さが製作誤差(Δi)により僅かに短くな
ったり、あるいは鍔部端面5aが製作誤差により主軸側
に若干突出した通常規格の工具ホルダー3を取付ける
と、テーパ孔2にテーパシャンク部4が密着嵌合する前
に、主軸1の延長端面1a′に工具ホルダー3の鍔部端
面5aが当接するため、テーパ孔2とテーパシャンク部
4との間に隙間βが生じ、主軸1に工具ホルダー3を確
実に取付けることができなくなる。同様に、図6に示す
ように、精密加工を施して延長した鍔部端面5a′を有
する工具ホルダー3を、仮想線で示すようにテーパ孔2
の長さが製作誤差(Δi)により僅かに長くなったり、
あるいは基準端面1aが製作誤差により鍔部側に若干突
出した通常規格の主軸1に取付けると、テーパ孔2にテ
ーパシャンク部4が密着嵌合する前に、主軸1の基準端
面1aに工具ホルダー3の延長端面5a′が当接するた
め、テーパ孔2とテーパシャンク部4との間に隙間βが
生じ、主軸1に工具ホルダー3を確実に取付けることが
できなくなる。
【0006】上記のように、主軸の既存の基準端面また
は工具ホルダーの既存の鍔部端面をその両者間の対向間
隙だけ延出したものでは、通常規格の工具ホルダーや主
軸として使用することができないという不都合があるた
め、本考案の出願人は、先に、上記の不都合を解消し得
る工具ホルダー取付装置を提案した(特願平4−945
26)。この工具ホルダー取付装置を図7〜図10を参
照して説明すると、この装置は、主軸1のテーパ穴2に
工具ホルダー3のテーパシャンク部4を嵌合し、主軸1
の既存の基準端面1aと工具ホルダー3の既存の鍔部端
面5aとの間に許容の対向間隙Yを有するようにして、
主軸1に工具ホルダー3を取付けるようにした工具ホル
ダー取付装置において、主軸1の上記既存の基準端面1
aと、これに対向する工具ホルダー3の前記既存の鍔部
端面5aとを、互いの対向方向に所要の突出量α1及び
α2延出して延出端面1b,5bに形成し、しかして、
両延出端面1b,5bが互いに吻合するようにして、主
軸1に工具ホルダー3を取付けるようにしたものであ
る。
【0007】上記の構成によれば、主軸1の基準端面1
aと工具ホルダー3の鍔部端面5aとを所要の突出量α
1及びα2延出して延出端面1b,5bを形成し、該両
延出端面1b,5bが互いに吻合するようになっている
から、主軸1のテーパ穴2に工具ホルダー3のテーパシ
ャンク部4を密着嵌合させると同時に、主軸1の延出端
面1bに工具ホルダー3の延出端面5bを密着させるこ
とができる。従って、切削負荷を両延出端面1b,5b
でも受けるようになり、テーパ穴2とテーパシャンク部
4との間に切削負荷が集中してかかることがなく、その
テーパ穴2とテーパシャンク部4との間の密着面がフレ
ッティングコロージョン現象等により磨耗されることが
ない。
【0008】また、図9に示すように、精密加工を施し
て延出端面1bを形成した主軸1に通常規格の基準端面
1aを有する工具ホルダー3を取付けたり、あるいは図
10に示すように、精密加工を施して延出端面5bを形
成した工具ホルダー3を通常規格の鍔部端面5aを有す
る主軸1に取付ける場合でも、その主軸1の延出端面1
bまたは基準端面1aと工具ホルダー3の鍔部端面5a
または延出端面5bとの間に隙間が生じ、その隙間によ
り通常規格で許容されている製作誤差(Δi)が吸収さ
れるため、前記主軸1のテーパ穴2に工具ホルダー3の
テーパシャンク部4を確実に密着嵌合させることができ
ることになる。
【0009】
【考案が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
に、主軸1の既存の基準端面1aとこれに対向する工具
ホルダー3の既存の鍔部端面5aとをそれぞれ対向方向
に所要の突出量α1及びα2延出して形成した両延出端
面1b,5bが互いに吻合する状態で、主軸1のテーパ
穴2に工具ホルダー3のテーパシャンク部4を密着嵌合
させるためには、主軸1及び工具ホルダー3の製作にあ
たって、テーパ穴2及びテーパシャンク部4のそれぞれ
のテーパ角度及び直径、テーパ穴2の中心軸線に対する
延出端面1bの直角度、更にテーパシャンク部4の中心
軸線に対する延出端面5bの直角度に関して、それぞれ
所定の精度が得られるように、テーパ穴2、テーパシャ
ンク部4、及び両延出端面1b,5bをそれぞれ精密に
加工する必要があるが、従来そのような精密加工にあた
って、前記テーパ穴の内面及び直角度の測定を、簡便な
装置で容易に行えるものがなかった。
【0010】そこで、本考案は、特に主軸を精密加工す
るにあたって、テーパ穴の穴面と主軸端面との位置関係
を、構造簡単な装置で容易且つ正確に測定することがで
きる測定装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本考案の請求項1に係る
測定装置12は、筒状本体16の一端部にこの中心軸線
と直交するフランジ17を突設し、このフランジ17の
外面に、少なくとも3つの端面点接触体18を周方向に
設け、該端面点接触体18が接触する主軸マスターゲー
ジ11の基準端面14は、該ゲージ11に突設した円環
状凸状部15の上面に形成され、前記筒状本体16内に
は直線作動玉軸受24を介して軸方向に直線作動する直
線作動体25を嵌合し、前記ゲージ11のテーパ穴13
の内面に同一円周上で接触する少なくとも3つのテーパ
内面接触体20を、前記直線作動体25の中心軸線と直
交する方向またはこの中心軸線と平行な方向に一定範囲
内変移可能に設け、前記テーパ内面接触体20を前記ゲ
ージ11のテーパ穴13の内面に押圧する付勢手段を前
記筒状本体16と直線作動体25との間に介装し、更に
前記テーパ内面接触体20の変移量を検出するインジケ
ータ30を前記直線作動体25に連係して前記筒状本体
16の他端側に設けてなるものである。
【0012】請求項2に係る測定装置は、前記筒状本体
16のフランジ17外面に、主軸マスターゲージ11の
テーパ穴13に非接触状態で遊嵌する支持筒部19を同
軸に一体連設し、この支持筒部19に、テーパ内面接触
体20を、前記筒状本体16の中心軸線と直交する方向
にのみ一定範囲内変移可能に支持させると共に、この支
持筒部19内に位置して前記テーパ内面接触体20に摺
接する倒円錐台形状の摺接子26を前記直線作動体25
の一端部に同軸に一体連設し、前記直線作動体25と前
記筒状本体16との間に介装したコイルばね29の付勢
力、または直線作動体25の自重により、前記摺接子2
6を介してテーパ内面接触体20を前記ゲージ11のテ
ーパ穴13内面に押圧させるようにした請求項1記載の
構成からなるものである。
【0013】請求項3に係る測定装置は、前記直線作動
体25の一端部に、主軸マスターゲージ11のテーパ穴
13に非接触状態で遊嵌する支持筒部33を同軸に一体
連設して、これにテーパ内面接触体20を固定し、前記
筒状本体16と前記直線作動体25との間に介装したコ
イルばね29の付勢力、または直線作動体25の自重に
より、前記支持筒部33を介して前記テーパ内面接触体
20を前記ゲージ11のテーパ穴13内面に押圧させる
ようにした請求項1記載の構成からなるものである。
【0014】
【実施例】実施例について図面を参照して説明すると、
図1において、11は主軸マスターゲージ、12は本考
案に係る測定装置である。主軸マスターゲージ11は、
テーパ角度及び内径が正確に加工されたテーパ穴13
と、このテーパ穴13の中心軸線に対して正確な角度で
形成された基準端面14とを有し、この基準端面14
は、図1に示すように、前記ゲージ11の端面に突設さ
れた円環状凸条部15の上面に形成されている。
【0015】前記測定装置12の構成について詳細に説
明すると、この測定装置12は、筒状本体16を有し、
この筒状本体16の下端部にこの中心軸線と直交するフ
ランジ17が一体突設され、このフランジ17の外面、
即ち下面には、それぞれ球体からなり且つ前記主軸マス
ターゲージ11の基準端面14に接触する3つの端面点
接触体18が、周方向に120度の間隔で配設され(図
2参照)、各端面点接触体18は、フランジ17外面の
設けられた凹所17aに、当該フランジ17下面から一
定量突出するようにして嵌合固定されている。
【0016】前記筒状本体16のフランジ17下面には
その内周側寄りの位置に、前記主軸マスターゲージ11
のテーパ穴13に非接触状態で遊嵌する支持筒部19が
同軸に一体連設され、この支持筒部19には、前記主軸
マスターゲージ11のテーパ穴13の内面に同一円周上
で接触する3つのテーパ内面接触体20が、前記筒状本
体16の軸方向に関して前記端面点接触体18から一定
距離隔たった位置で、前記筒状本体16の中心軸線と直
交する方向にのみ一定範囲内変移可能に支持されてい
る。また、これら3つのテーパ内面接触体20は、図2
に示すように周方向に120度の間隔をおいて配置され
ていると共に、各テーパ内面接触体20は、支持筒部1
9にその半径方向に貫設された貫通孔21にその軸方向
摺動自在に嵌合されていて、支持筒部19に外嵌された
カバー体22の開口部22aから外へ適当に突出する状
態に保持されている。23は、前記カバー体22を保持
するために前記支持筒部19の下端部に螺嵌された保持
部材である。
【0017】前記筒状本体16内には、リニアベアリン
グやボールベアリングなどの直線作動玉軸受24を介し
て軸方向に直線作動する直線作動体25が嵌合され、こ
の直線作動体25の下端部には、前記支持筒部19内に
位置して前記テーパ内面接触体20に摺接する倒円錐台
形状の摺接子26が同軸に一体連設されている。また、
筒状本体16の上端部に螺嵌された保持部材27と、前
記直線作動体25の上端部に同軸一体に連設された径小
軸部28との間には、この直線作動体25及び前記摺接
子26を介して前記テーパ内面接触体20を前記主軸マ
スターゲージ11のテーパ穴13内面に押圧するコイル
ばね29が介装されている。そして、この筒状本体16
の上端側には、前記テーパ内面接触体20の変移量を検
出するための、例えばダイヤルゲージからなるインジケ
ータ30が設けてある。このインジケータ30は、その
ステム部30aを前記保持部材27に貫通させて固定す
ると共に、測定端子30bを前記直線作動体25の径小
軸部28上端に接触させた状態で取付けられている。
【0018】上述したような構成を有する測定装置12
の使用においては、当該装置12の下端部を主軸マスタ
ーゲージ11のテーパ穴13に挿入して、テーパ内面接
触体20をテーパ穴13の内面に接触させると共に、フ
ランジ17下面の端面点接触体18を前記ゲージ11の
基準端面14に接触させる。この場合、該基準端面14
は、前記ゲージ11に突設した円環状の凸状部15の上
面に形成されるようになっているため、該円環状凸状部
15の上面のみを基準端面としての水平度が正確に出る
ように精密加工すればよいから加工が容易であり、しか
して測定装置12をその中心軸線周りに上記円環状の基
準端面14上を適宜回転させて、各端面点接触体18及
び各テーパ内面接触体20を基準端面14及びテーパ穴
13内面に確実に接触させるようにする。そして、その
ときのインジケータ30の指針30cを目盛りの零に合
わせる。
【0019】その後、測定装置12を、精密加工すべき
被加工主軸(図示せず)に対し、上記した主軸マスター
ゲージ11の場合と同様にセットし、テーパ内面接触体
20を前記被加工主軸のテーパ穴内面に接触させると共
に、端面点接触体18をその主軸の端面に接触させ、イ
ンジケータ30の測定値を読み取る。
【0020】しかして、例えば、被加工主軸のテーパ穴
の内径が所定の寸法値、即ち主軸マスターゲージ11の
テーパ穴の内径よりも小さいときは、テーパ内面接触体
20が、筒状本体16の中心軸線と直交する方向に関し
内向きに(中心軸線に向かう方向に)変移して、前記テ
ーパ内面接触体20に摺接している摺接子26と一体の
直線作動体25がコイルばね29の付勢力に抗し軸方向
上向きに作動し、インジケータ30の指針30cは、零
から前記テーパ内面接触体20の変移量に対応する分だ
け例えばマイナス側へ変動した位置を表示する。従っ
て、前記インジケータ30の測定値が零になるように前
記テーパ穴の内面を研削すれば、前記測定値が零になっ
たとき、前記テーパ穴の直径が所定の精度になり、同時
に主軸端面のテーパ穴中心軸線に対する直角度も所定の
精度になる。
【0021】尚、この場合、摺接子26のテーパ角度を
2θとし、前記テーパ内面接触体20の変移量をΔxと
すれば、この変移量Δxによるインジケータ30の測定
値は、指針30cが零からΔx・cotθに対応する分
だけ変動した測定値を表示することになる。
【0022】また、被加工主軸のテーパ穴の直径が所定
寸法値よりも大きいときは、テーパ内面接触体20が、
筒状本体16の中心軸線と直交する方向に関し外向きに
変移して、直線作動体25がコイルばね29の付勢力に
より軸方向下向きに作動し、インジケータ30の測定値
は零からプラス側へ変動する。従ってこの場合は、前記
インジケータ30の測定値が零になるように主軸端面を
研削すれば、測定値が零になったとき前記テーパ穴の直
径、及び主軸端面のテーパ穴中心軸線に対する直角度は
ともに所定の精度になる。
【0023】また、前記テーパ穴のテーパ角度が所定値
に対して偏奇しているような場合も、インジケータ30
の測定値が零になるようにテーパ穴の内面及び主軸端面
のうちの一方または両方を研削することにより、このテ
ーパ角度についても所定の精度が得られることになる。
【0024】上述した測定装置12においては、直線作
動体25が、筒状本体16内に、リニヤベアリングなど
の直線作動玉軸受24を介して軸方向に直線作動するよ
うに嵌合されているため、直線作動体25はテーパ内面
接触体20の変移に伴う作動中に筒状本体16に対して
ガタつきを生じたり偏心するようなことがなく、テーパ
内面接触体20の変移量をインジケータ30側により正
確に伝え、それにより測定精度を高めることができる。
即ち、筒状本体16に直接に直線作動体25を嵌合して
該直線作動体25を軸方向に移動させると、該直線作動
体25が筒状本体16内を軸方向に遊動するための遊動
間隙が必要であり、これがために該遊動間隙による誤差
が発生して精密な測定に支障をきたすことになる。これ
に対し、本考案のように、筒状本体16と直線作動体2
5との間に転がり軸受である直線作動玉軸受24を介在
させることによって、筒状本体16と直線作動体25と
の間の遊動間隙は理論的には零であり、従って直線作動
体25の軸方向の作動を極めて正確に達成することがで
きる。
【0025】図3は本考案に係る他の実施例による測定
装置32を示す。尚、この実施例において、主軸マスタ
ーゲージについては図1に示す先の実施例のものと同じ
であるためその説明を省略し、測定装置32について
も、その構成の大部分が先の実施例の測定装置12と共
通しているため、同一部材については同一符号を使用し
て、詳細な説明は省略する。
【0026】この測定装置32は、図3に示すように、
筒状本体16の下端部にこの中心軸線と直交するフラン
ジ17が一体突設され、このフランジ17の下面には、
それぞれ球体からなり且つ主軸マスターゲージ11の基
準端面14に接触する3つの端面点接触体18が、周方
向に一定間隔で配設され、各端面点接触体18はフラン
ジ17の下面から一定量突出する状態で嵌合固定されて
いる。また、直線作動体25の下端部には前記ゲージ1
1のテーパ穴13に非接触状態で遊嵌する支持筒部33
が同軸に一体連設され、この支持筒部33にはそれぞれ
球体からなる3つのテーパ内面接触体20が固定され、
前記筒状本体16と前記直線作動体25との間に、これ
ら直線作動体25及び支持筒部19を介して前記テーパ
内面接触体20を前記ゲージ11のテーパ穴13の内面
に押圧するコイルばね29が介装され、そして筒状本体
16の上端側には、前記テーパ内面接触体20の変移量
を検出するためのダイヤルゲージからなるインジケータ
30が設けてある。
【0027】前記各テーパ内面接触体20は、支持筒部
33の外周面に設けられた凹所33aに、当該支持筒部
33の外周面から一定量突出する状態に嵌合固定されて
いる。支持筒部33は、これの上壁部に設けられたガイ
ド孔33bを貫通して筒状本体16側に固定されたガイ
ドピン34と、前記フランジ17下面に当該支持筒部3
3が内嵌し得るように同軸一体に突設された短円筒部3
5とによって軸方向摺動自在に案内される。
【0028】この測定装置32の使用においては、図1
に示される測定装置12と同様に、当該装置32の下端
部を主軸マスターゲージ11のテーパ穴13に挿入し、
テーパ内面接触体20をテーパ穴13の内面に接触させ
ると共に、フランジ17下面の端面点接触体18を前記
ゲージ11の基準端面14に接触させ、インジケータ3
0の指針30cを目盛りの零に合わせる。その後、この
測定装置32を、被加工主軸に対し、主軸マスターゲー
ジ11の場合と同様にセットし、テーパ内面接触体20
を前記被加工主軸のテーパ穴内面に接触させると共に、
端面点接触体18をその主軸の端面に接触させ、インジ
ケータ30の測定値を読み取る。
【0029】例えば、被加工主軸のテーパ穴の内径が所
定寸法値、即ち主軸マスターゲージ11のテーパ穴の直
径よりも小さいときは、テーパ内面接触体20が、コイ
ルばね29の付勢力に抗して、この接触体20を保持固
定している支持筒部33及びこの支持筒部33と一体の
直線作動体25と共に、筒状本体16の中心軸線方向と
平行な上向き軸方向に変移する。しかして、直線作動体
25の上向き軸方向への直線作動により、インジケータ
30の指針30cが示す測定値は零から例えばマイナス
側へ変動する。従って、このインジケータ30の測定値
が零になるように前記テーパ穴の内面を研削していく
と、前記測定値が零になったとき、前記テーパ穴の直径
が所定の精度になると同時に、主軸端面のテーパ穴中心
軸線に対する直角度も所定の精度になる。
【0030】この場合、前記テーパ内面接触体20の変
移量をΔyとすれば、インジケータ30は、指針30c
が零からこのテーパ内面接触体20の変移量Δyに対応
する分だけ変動した測定値を表示することになる。
【0031】また、被加工主軸のテーパ穴の直径が所定
寸法値よりも大きいときは、テーパ内面接触体20が、
コイルばね29の付勢力により、支持筒部33及び直線
作動体25と共に筒状本体16の中心軸線方向と平行な
下向き軸方向に変移する。しかして、直線作動体25の
下向き軸方向への直線作動により、インジケータ30の
指針30cが示す測定値は零からプラス側へ変動する。
従って、この場合は、前記インジケータ30の測定値が
零になるように主軸端面を研削すればよい。特にこの測
定装置32では、テーパ内面接触体20が筒状本体16
の中心軸線と平行な方向に変移してその変移量が直接的
にインジケータ30の変動値として表示されるため、被
加工主軸のテーパ穴の直径が所定寸法値より大きい場合
の主軸端面の研削作業が容易となる。尚、前記テーパ穴
のテーパ角度が所定値に対して偏奇している場合も、イ
ンジケータ30の測定値が零になるようにテーパ穴の内
面及び主軸端面のうちの一方または両方を研削すること
により、このテーパ角度についても所定の精度が得られ
ることになる。
【0032】以上説明した実施例において、図1に示す
測定装置の端面点接触体及びテーパ内面接触体、また図
3に示す測定装置の端面点接触体として、それぞれ球体
を使用しているが、これらには必ずしも球体を使用する
必要はなく、主軸端面あるいはテーパ穴内面と接触する
部分が当該面に対して所謂点接触するものであればよ
い。また、図1に示す測定装置のテーパ内面接触体につ
いても、球体に限るものではなく、例えば、テーパ穴内
面及び摺接子に対してそれぞれ点接触するように両端部
が球面状に形成された円柱体でもよい。更に、各実施例
では、インジケータとしてダイヤルゲージを用いたが、
電気マイクロメータやその他適当なものを使用すること
ができる。更に、端面点接触体及びテーパ内面接触体
は、それぞれ少なくとも3つ設けることによって、主軸
端面及びテーパ穴内面に確実且つ安定に接触することが
できる。
【0033】またテーパ内面接触体をテーパ穴内面に押
圧する付勢する手段として、筒状本体と直線作動体との
間に介装したコイルばねを例示したが、本装置を、実施
例のように筒状本体が竪形になるようにして使用する場
合には、このようなコイルばねを用いる代わりに、直線
作動体をその自重によって軸方向下向きに付勢させ、そ
の付勢力でテーパ内面接触体をテーパ穴内面に押圧する
ようにしてもよい。
【0034】
【考案の作用及び効果】本考案の請求項1に係る測定装
置においては、当該装置の一端部を主軸マスターゲージ
のテーパ穴に挿入して、テーパ内面接触体をテーパ穴の
内面に接触させると共に、端面点接触体を前記ゲージの
基準端面に接触させ、その状態でインジケータの測定値
を零に設定する。しかして、主軸の精密加工にあたって
は、この測定装置を、被加工主軸に対し、主軸マスター
ゲージの場合と同様にセットして、インジケータの測定
値を読み、その値が零になるように被加工主軸のテーパ
穴内面及びまたは主軸端面を研削加工すれば、測定値が
零になったとき、前記テーパ穴の内面、即ちテーパ角度
及び内径が所定の精度になり、同時に主軸端面のテーパ
穴中心軸線に対する直角度も所定の精度になる。
【0035】このように、本考案の測定装置を使用する
ことにより、主軸のテーパ穴内面と主軸端面との位置関
係を簡単容易にしかも正確に測定できて、このテーパ穴
内面及び主軸端面を高精度に精密加工することができる
から、主軸の既存の基準端面とこれに対向する工具ホル
ダーの既存の鍔部端面とをそれぞれ対向方向に所要の突
出量延出して形成した両延出端面が互いに吻合する状態
での取付けにおいて、主軸のテーパ穴に工具ホルダーの
テーパシャンク部を確実に密着嵌合させることが可能と
なる。
【0036】また、この測定装置においては、直線作動
体が、筒状本体内に、ころがり軸受である直線作動玉軸
受を介して軸方向に直線作動するように嵌合されている
ため、この直線作動体はテーパ内面接触体の変移に伴う
作動中に筒状本体に対してガタつきを生じたり偏心する
ようなことがなく、テーパ内面接触体の変移量をインジ
ケータ側により正確に伝え、それにより測定精度を高め
ることができる。更に、この測定装置は、構造が簡単で
コンパクトに構成できるため、測定作業、持ち運び、保
管など取扱いに極めて便利である上、安価に提供できる
ものである。
【0037】また本考案の測定装置によれば、主軸マス
ターゲージに形成される基準端面は、前記ゲージに突設
した円環状の凸状部の上面に形成されるようになってい
るため、該円環状凸状部の上面のみを基準端面としての
水平度が正確に出るように精密加工すればよいから加工
が容易であり、これによって該基準端面に受け止められ
る測定装置の心出しを確実に正確に行うことができる。
【0038】請求項2の測定装置においては、被加工主
軸のテーパ穴の内径が所定値と異なるとき、テーパ内面
接触体が、筒状本体の中心軸線と直交する方向に変移
し、それによりテーパ内面接触体に摺接している摺接子
と一体の直線作動体が直線作動して、インジケータの表
示値が零から前記テーパ内面接触体の変移量に対応する
分だけ変動する。従って、このインジケータの測定値が
零になるようにテーパ穴の内面及びまたは主軸端面を研
削すればよい。特に、この測定装置では、テーパ穴の内
径の変移量がインジケータに直接的に表示されることに
なるため、テーパ穴の内面研削加工時に便利である。
【0039】また、請求項3の測定装置においては、テ
ーパ穴の内径が所定値と異なるとき、このテーパ穴内面
に押し付けられているテーパ内面接触体が支持筒部及び
直線作動体と共に、筒状本体の中心軸線方向と平行な方
向に変移し、この変移量に対応する分だけインジケータ
測定値が零から変動する。従って、このインジケータの
測定値が零になるようにテーパ穴の内面または主軸端面
を研削すればよい。特に、この測定装置では、テーパ内
面接触体が筒状本体の中心軸線方向と平行な方向に変移
して、主軸の軸方向変移量がインジケータに直接的に表
示されることになるため、主軸端面研削加工時に便利で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例による測定装置を主軸マスタ
ーゲージと共に示す縦断面図である。
【図2】図1に示す測定装置の底面図である。
【図3】本考案の他の実施例による測定装置を主軸マス
ターゲージと共に示す縦断面図である。
【図4】工具ホルダー取付装置の従来例を示す縦断面図
である。
【図5】図5の取付装置の変形例を示す縦断面図であ
る。
【図6】更に他の変形例を示す縦断面図である。
【図7】本考案と同一出願人によって提案された工具ホ
ルダー取付装置の縦断面図である。
【図8】図7に示す装置の要部拡大断面図である。
【図9】図7に示す装置に係る主軸に通常規格の工具ホ
ルダーを取付けた状態の縦断面図である。
【図10】図7に示す装置に係る工具ホルダーを通常規
格の主軸に取付けた状態の縦断面図である。
【符号の説明】
11 主軸マスターゲージ 12 測定装置 13 主軸マスターゲージのテーパ穴 14 主軸マスターゲージの基準端面 16 筒状本体 17 フランジ 18 端面点接触体 19 支持筒部 0 テーパ内面接触体 24 直線作動玉軸受 25 直線作動体 26 摺接子 29 コイルばね(付勢手段) 30 インジケータ 32 測定装置 33 支持筒部

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】筒状本体16の一端部にこの中心軸線と直
    交するフランジ17を突設し、このフランジ17の外面
    少なくとも3つの端面点接触体18を周方向に設け、
    該端面点接触体18が接触する主軸マスターゲージ11
    の基準端面14は、該ゲージ11に突設した円環状凸状
    部15の上面に形成され、前記筒状本体16内には直線
    作動玉軸受24を介して軸方向に直線作動する直線作動
    体25を嵌合し、前記ゲージ11のテーパ穴13の内面
    に同一円周上で接触する少なくとも3つのテーパ内面接
    触体20を、前記直線作動体25の中心軸線と直交する
    方向またはこの中心軸線と平行な方向に一定範囲内変移
    可能に設け、前記テーパ内面接触体20を前記ゲージ1
    1のテーパ穴13の内面に押圧する付勢手段を前記筒状
    本体16と直線作動体25との間に介装し、更に前記テ
    ーパ内面接触体20の変移量を検出するインジケータ3
    0を前記直線作動体25に連係して前記筒状本体16の
    他端側に設けてなる測定装置。
  2. 【請求項2】前記筒状本体16のフランジ17外面に、
    主軸マスターゲージ11のテーパ穴13に非接触状態で
    遊嵌する支持筒部19を同軸に一体連設し、この支持筒
    部19に、テーパ内面接触体20を、前記筒状本体16
    の中心軸線と直交する方向にのみ一定範囲内変移可能に
    支持させると共に、この支持筒部19内に位置して前記
    テーパ内面接触体20に摺接する倒円錐台形状の摺接子
    26を前記直線作動体25の一端部に同軸に一体連設
    し、前記直線作動体25と前記筒状本体16との間に介
    装したコイルばね29、または前記直線作動体25の自
    重により、前記摺接子26を介して前記テーパ内面接触
    体20を前記ゲージ11のテーパ穴13内面に押圧させ
    るように構成してなる請求項1に記載の測定装置。
  3. 【請求項3】前記直線作動体25の一端部に、主軸マス
    ターゲージ11のテーパ穴13に非接触状態で遊嵌する
    支持筒部19を同軸に一体連設して、これにテーパ内面
    接触体20を固定し、前記筒状本体16と前記直線作動
    体25との間に介装したコイルばね29、または前記直
    線作動体25の自重により、前記支持筒部19を介して
    前記テーパ内面接触体20を前記ゲージ11のテーパ穴
    13内面に押圧させるように構成してなる請求項1に記
    載の測定装置。
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