JPH0752342Y2 - 複数の内燃機関を有する動力発生装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、複数の内燃機関を有する発電プラント等の動
力発生装置において、各機関からの排気管を集合させ、
排気を導く装置に関する。

〔従来の技術〕

従来は、第１図，第２図において、吸気ダンパー１を装
備していない。

従って、運転中の機関の排気が停止中の機関へ逆流する
ことを防止する機能は、排気経路に装備された排気ダン
パーに全く依存していた。

〔考案が解決しようとする課題〕

前述の従来技術には次のような問題点がある。

１）複数の機関を設置する発電プラント等の動力発生装
置の各機関の排気を集合して、屋外又は排気ガス中の熱
エネルギー回収装置へ導く排気管に於いて、排ガス経路
を制御するため各機関とも排気出口に二つの仕切弁排気
ダンパーを有する。

２）高温にて開閉するため弁の可動部分は適切な遊隙が
あるため、又シール部は金属接触によるため、完全に気
密にすることは困難である。

３）全機運転時には問題無いが、運転機関と停止機関が
ある時、停止機関の出口仕切弁排気ダンパーを閉とする
が、微量の排気ガスが機関側に逆流する。

４）機関が多気筒機関の時は、必ずいづれかの気筒に於
いて、吸気弁、排気弁共開いていることが有る。この場
合、排気ダンパーを漏れた排気ガスは、機関内部を経て
空気吸入側に逆流する。

５）逆流すると、通り抜けた排気ガスにより機関室の空
気を汚ごす他、排気中の黒煙がエンジン内部を汚し、機
関性能を低下させる。

更に、排気ガスが機関各部により冷却凝縮されて液化
し、またガス内の亜硫酸ガスなどが液化し各部を腐食せ
しめ、機関性能の悪化をもたらす。

６）排気ガスの逆流吹き抜けは、前述の如く、機関室内
の空気の汚染、機関性能の悪化等を生ずるため、これを
避けなければならないが、排気仕切弁の気密性向上は、
高温部に使用するものであるため、非常に複雑で且つ高
価なものになる。

本考案は、前述のような排気ガスの逆流吹き抜けを防止
した複数の内燃機関を有する動力発生装置を提供するこ
とを目的とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

１）吸・排気系統即ち空気の入口から出口の間のいづれ
か１ケ所を完全に密閉出来るバルブを付ける。

２）高熱にならない吸気系に気密バルブを設置する。

200℃以下の場所であれば、ゴム材などシールを向上出
来る材料が使用可能である。

３）従来の排気管に装着のバタフライダンパー弁と、吸
気管に装着するバルブを併用することにより、排気逆流
吹抜け対策の効果が一層強化される。

〔作用〕

停止機関の吸・排気系統を完全に遮断することにより、
他の運転機関の排気は停止機関内部に流入せず、また停
止機関を通り抜けて機関室内に漏洩することはない。

〔実施例〕

第１図，第２図において、１は吸気ダンパー、21〜25は
吸気径路で、24は空気冷却器、3,3a,3b,3cは機関、31は
吸気弁、32は排気弁、33はシリンダ、41,42,45,47は排
気径路で、43,44,46は排気ダンパー、５は過給機、51は
コンプレッサ、52はタービン、６は排ガス熱回収装置、
７は消音器、８は煙突である。

第１図において、機関3a,3bは運転機関、機関3cは停止
機関を示している。

吸気径路21〜25に排気ダンパー１を装備する吸気ダンパ
ー１は低温下にて使用するため、バタフライ弁部はゴム
など気密性の優れた材質を使用出来るので、完全に気密
にすることが可能となる。

吸気ダンパー、排気ダンパーは電動にて系統的に開閉制
御することが出来る、又は、手動操作も可能である。

機関3a,3bから排出された排気ガスは、排ガス廃熱回収
装置６、排気導管45,47、消音器７、煙突８などの下流
機器の抵抗により、排気ダンパー43,44の下流側付近に
て正の圧力を有している。

停止機関3cに於いて、排気径路と給気径路は機関のシリ
ンダ33を介して遮断されているが、多気筒の場合は必ず
いづれかの気筒にて第２図に示す如く吸気弁31、排気弁
32が開いているため、その気筒を通じ、排気系と吸気系
が連通する。

吸気フィルター21の空気入口付近は大気圧であり、排気
ダンパー１の下流に圧力があるため、排気ダンパー43,4
4の気密が無いと、停止機関に於いては排気径路から吸
気径路に排気が逆流する。しかし気密性のすぐれた吸気
ダンパー１を吸気径路に装備すると排ガスが逆流するこ
とは無い。

なお、第１図に示した吸気ダンパー１を吸気径路22のＡ
部に移動、又は吸気径路25のＢ部に移動することも可能
である。

〔考案の効果〕

本考案は、複数の内燃機関を有し、各内燃機関の排気を
排気ダンパーを経た後で統合して排出する動力発生装置
において、各内燃機関の給気径路に気密性のすぐれた吸
気ダンパーを設けたことにより、停止機関内えの排気の
逆流が防がれ、次の効果を有する。

１）吸気系の排気ガス中に含まれる黒煙による汚れを防
止することが出来、吸気系の清浄を保つことが出来る。
また逆流による機関室の空気の汚染を防ぐことが出来
る。

２）吸気弁、排気弁のシート面における異物の噛み込み
や、過給機のタービンやコンプレッサの汚れによる低能
低下が防止出来る。

３）吸気系にある空気冷却器の熱交換部の汚れがなく、
性能低下がない。

４）排気中の亜硫酸ガスなどによる機関各部の腐食防止
が図れる。

５）高温ガスが逆流して機関各部で冷却し、凝縮し水滴
を発生することが無い。又亜硫酸ガスから硫酸になり各
部を浸蝕することを防止出来る。

６）機関のオーバーホールなど保守の機会が減り、ラン
ニングコストを低減することが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による実施例の系統線図で、機関3a,3b
が運転中、3c機関が停止中の状態を示す。 第２図は第１図の吸気径路および排気径路の詳細なる説
明図である。 １……吸気ダンパー、21〜25……吸気径路 3a,3b,3c……機関、41,42,45,47……排気径路 43,44……排気ダンパー、８……煙突

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】複数の内燃機関を有し、各内燃機関の排気
   を排気ダンパーを経た後で統合して排出する動力発生装
   置において、各内燃機関の給気経路に気密性のすぐれた
   吸気ダンパーを設けたことを特徴とする複数の内燃機関
   を有する動力発生装置。