JPH0752269B2 - 光パルス圧縮装置 - Google Patents
光パルス圧縮装置Info
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- JPH0752269B2 JPH0752269B2 JP62076362A JP7636287A JPH0752269B2 JP H0752269 B2 JPH0752269 B2 JP H0752269B2 JP 62076362 A JP62076362 A JP 62076362A JP 7636287 A JP7636287 A JP 7636287A JP H0752269 B2 JPH0752269 B2 JP H0752269B2
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- pulse
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、光ファイバと異常分散媒体とを組み合わせた
光パルス圧縮装置に関し、特に高効率でかつ大幅なパル
ス圧縮を実現するために、屈折率が2〜3程度に大きい
TeO2およびTiO2の単結晶ブリュスタープリズムを用いた
光パルス圧縮装置に関するものである。
光パルス圧縮装置に関し、特に高効率でかつ大幅なパル
ス圧縮を実現するために、屈折率が2〜3程度に大きい
TeO2およびTiO2の単結晶ブリュスタープリズムを用いた
光パルス圧縮装置に関するものである。
[従来の技術] パルス圧縮の技術は、分散遅延線を用いた超音波パルス
の波形処理(圧縮,伸長)等にもこれまで用いられてき
た。光パルスの圧縮も原理的には同一であり、線形の周
波数変化(時間とともに周波数が線形に増加する)を有
する光パルスを異常分散を有する媒質に入射させて圧縮
するものである。
の波形処理(圧縮,伸長)等にもこれまで用いられてき
た。光パルスの圧縮も原理的には同一であり、線形の周
波数変化(時間とともに周波数が線形に増加する)を有
する光パルスを異常分散を有する媒質に入射させて圧縮
するものである。
その光パルス圧縮方法を実施する装置は、第10図に示す
ように、3つの要素によって構成されている。第1の要
素は安定で幅の狭い高出力光パルス光源1であり、通
常、モード同期励起色素レーザもしくはCPM(Colliding
Pulse Mode Locking)リング色素レーザが用いられて
いる。これらレーザからの高出力パルスは第2の要素で
ある単一モード光ファイバ2に入射する。単一モード光
ファイバ2中での光強度は、偏波保持単一モード光ファ
イバなどを含めて、容易に1MW/cm2以上になりうるの
で、三次の非線形効果である光カー効果が光パルスの包
絡線に沿って生ずる。その結果、時間的に周波数が変化
するチャーピングパルスがファイバ出力として得られ
る。これを自己位相変調効果と呼ぶ。このチャーピング
パルスを第3の要素である異常分散媒体3に通して圧縮
する。即ち、異常分散媒体3においては、パルスの前方
部分に位置する周波数の低い部分の伝搬速度は遅くな
り、パルスの後方部分に位置する周波数の高い部分の伝
搬速度は速くなる。この結果、光パルスは圧縮されるこ
とになる。
ように、3つの要素によって構成されている。第1の要
素は安定で幅の狭い高出力光パルス光源1であり、通
常、モード同期励起色素レーザもしくはCPM(Colliding
Pulse Mode Locking)リング色素レーザが用いられて
いる。これらレーザからの高出力パルスは第2の要素で
ある単一モード光ファイバ2に入射する。単一モード光
ファイバ2中での光強度は、偏波保持単一モード光ファ
イバなどを含めて、容易に1MW/cm2以上になりうるの
で、三次の非線形効果である光カー効果が光パルスの包
絡線に沿って生ずる。その結果、時間的に周波数が変化
するチャーピングパルスがファイバ出力として得られ
る。これを自己位相変調効果と呼ぶ。このチャーピング
パルスを第3の要素である異常分散媒体3に通して圧縮
する。即ち、異常分散媒体3においては、パルスの前方
部分に位置する周波数の低い部分の伝搬速度は遅くな
り、パルスの後方部分に位置する周波数の高い部分の伝
搬速度は速くなる。この結果、光パルスは圧縮されるこ
とになる。
今まで報告されている光パルス圧縮方法では、高出力パ
ルス光源1と単一モード光ファイバ2の要素は同じであ
るが、異常分散媒体3の要素について、例えば第11図な
いし第13図に示すような各種方法が提案されている。
ルス光源1と単一モード光ファイバ2の要素は同じであ
るが、異常分散媒体3の要素について、例えば第11図な
いし第13図に示すような各種方法が提案されている。
第11図では、Na蒸気セル3Aと全反射鏡3A′とにより異常
分散媒体3を構成する。ここでは、Na蒸気の共鳴に伴な
う異常分散を利用する。この方法はH.NakatsukaとD.Gri
schkowskyによって1981年にOptics Letters Vol.6,Pag
e.13−15“Recompression of optical pulses broadene
d by passage through optical fiber"に報告されてい
る。この方法はNaの共鳴を用いるので、パルス圧縮され
る波長が0.58μm付近に限定される欠点があった。
分散媒体3を構成する。ここでは、Na蒸気の共鳴に伴な
う異常分散を利用する。この方法はH.NakatsukaとD.Gri
schkowskyによって1981年にOptics Letters Vol.6,Pag
e.13−15“Recompression of optical pulses broadene
d by passage through optical fiber"に報告されてい
る。この方法はNaの共鳴を用いるので、パルス圧縮され
る波長が0.58μm付近に限定される欠点があった。
第12図の方法では、2枚の平行に配置した回折格子3Bと
3B′を用いて異常分散媒体3を構成する。この方法は最
も一般的な方法で、E.Treacyによって提案されており
(“Optical pulse compression with diffraction gra
tings,"IEEE,J.QE,vol.QE−5,page454−458,1969)、10
フェムト秒(fs)(10×10-15秒)程度のパルス圧縮が
可能になっている。しかし、回折効率をあまり高くでき
ないため、出力強度が低いこと、パルスのすその部分が
乱れること、等の欠点がある。
3B′を用いて異常分散媒体3を構成する。この方法は最
も一般的な方法で、E.Treacyによって提案されており
(“Optical pulse compression with diffraction gra
tings,"IEEE,J.QE,vol.QE−5,page454−458,1969)、10
フェムト秒(fs)(10×10-15秒)程度のパルス圧縮が
可能になっている。しかし、回折効率をあまり高くでき
ないため、出力強度が低いこと、パルスのすその部分が
乱れること、等の欠点がある。
第13図では、2つのプリズム3Cと3C′の組み合わせを用
いて異常分散媒体3を構成する。この方法は、R.L.Fork
等により提案されており(“Negative dispersion usin
g pairs of prisms,Optics Letters,vol.9,page150−15
2,1984)、構成が簡単なプリズムを用いて異常分散を得
ることができること、およびプリズムをブリュスター角
に配置することにより、挿入損失が小さいことなどの利
点がある。しかし、提案された溶融石英(SiO2)プリズ
ムの屈折率の波長依存性が小さいため、プリズム3Cと3
C′との間隔を10m以上に長くする必要があり、そこで、
この方法は比較的分散の少ないレーザ共振器の内部へプ
リズムを挿入して用いられている(前記参考文献参
照)。さらにまた、赤外光(1μm帯)では異常分散が
小さく応用範囲が限定される欠点があった。即ち、従来
のプリズムによる光パルス圧縮装置では、プリズム材料
として屈折率が1.45〜1.80の溶融石英ガラスフリントガ
ラスを用いていた。しかし、ガラスの材料分散dn/dλが
小さいためプリズム間隔を長くしなければならない欠点
があった。
いて異常分散媒体3を構成する。この方法は、R.L.Fork
等により提案されており(“Negative dispersion usin
g pairs of prisms,Optics Letters,vol.9,page150−15
2,1984)、構成が簡単なプリズムを用いて異常分散を得
ることができること、およびプリズムをブリュスター角
に配置することにより、挿入損失が小さいことなどの利
点がある。しかし、提案された溶融石英(SiO2)プリズ
ムの屈折率の波長依存性が小さいため、プリズム3Cと3
C′との間隔を10m以上に長くする必要があり、そこで、
この方法は比較的分散の少ないレーザ共振器の内部へプ
リズムを挿入して用いられている(前記参考文献参
照)。さらにまた、赤外光(1μm帯)では異常分散が
小さく応用範囲が限定される欠点があった。即ち、従来
のプリズムによる光パルス圧縮装置では、プリズム材料
として屈折率が1.45〜1.80の溶融石英ガラスフリントガ
ラスを用いていた。しかし、ガラスの材料分散dn/dλが
小さいためプリズム間隔を長くしなければならない欠点
があった。
[発明が解決しようとする問題点] そこで、本発明の目的は、これらの欠点を除去するた
め、TeO2およびTiO2単結晶プリズムの大きな材料分散に
着目して、透過率が高くかつプリズム間隔を短くするこ
とのできる光パルス圧縮装置を提供することにある。
め、TeO2およびTiO2単結晶プリズムの大きな材料分散に
着目して、透過率が高くかつプリズム間隔を短くするこ
とのできる光パルス圧縮装置を提供することにある。
[問題点を解決するための手段] かかる目的を達成するために、本発明は、高出力光パル
スを発生する光パルス光源と、前記高出力光パルスを受
光し、その光パルスを該光パルスの伝搬過程で正にチャ
ープさせるための単一モード光ファイバと、該単一モー
ド光ファイバから出射された正のチャープパルスを通過
させる異常分散媒体であって、単結晶TeO2または単結晶
TiO2による2つのブリュスタープリズムを互いに平行に
配置して構成した異常分散媒体とを具備したことを特徴
とする。
スを発生する光パルス光源と、前記高出力光パルスを受
光し、その光パルスを該光パルスの伝搬過程で正にチャ
ープさせるための単一モード光ファイバと、該単一モー
ド光ファイバから出射された正のチャープパルスを通過
させる異常分散媒体であって、単結晶TeO2または単結晶
TiO2による2つのブリュスタープリズムを互いに平行に
配置して構成した異常分散媒体とを具備したことを特徴
とする。
[作用] 本発明では、単結晶二酸化テルル(TeO2)または単結晶
ルチル型二酸化チタン(TiO2)によりプリズムを構成
し、かかる結晶の大きな材料分散(dn/dλが大きい)に
より、プリズム間隔を短くして光パルス圧縮を行なうこ
とができるようにする。それと共に、入射パルスの偏光
方向を結晶のC軸(001)方向に直交させることによ
り、常光を用いたブリュスタープリズムを利用し、また
は入射パルスの偏光方向を結晶のC軸方向と平行にさせ
ることにより、異常光を用いたブリュスタープリズムを
利用して、高効率の光パルス圧縮を行う。
ルチル型二酸化チタン(TiO2)によりプリズムを構成
し、かかる結晶の大きな材料分散(dn/dλが大きい)に
より、プリズム間隔を短くして光パルス圧縮を行なうこ
とができるようにする。それと共に、入射パルスの偏光
方向を結晶のC軸(001)方向に直交させることによ
り、常光を用いたブリュスタープリズムを利用し、また
は入射パルスの偏光方向を結晶のC軸方向と平行にさせ
ることにより、異常光を用いたブリュスタープリズムを
利用して、高効率の光パルス圧縮を行う。
そのために、本発明では、波長0.4〜2μmにおいて透
過率が99%以上、屈折率が2.3〜2.5の異方性結晶をブリ
ュスターカットして構成したプリズムを用いる。
過率が99%以上、屈折率が2.3〜2.5の異方性結晶をブリ
ュスターカットして構成したプリズムを用いる。
[実施例] 以下に、図面を参照して本発明を詳細に説明する。
ここで、まず、本発明の原理を第1図により説明する。
本発明においても、第13図に示したように、2個のプリ
ズム3Cおよび3C′を互いに平行に配置する。これら2個
のプリズムにおける群速度分散は第1図において以下の
ように考えられる。第2のプリズム3C′の入射端での長
さl2は、第1のプリズム3Cからの拡り角Δβが小さい場
合、プリズム間隔をLとすると、 となる。ここでdβ/dλはプリズムの角度分散を示し、
次式のように与えられる。
本発明においても、第13図に示したように、2個のプリ
ズム3Cおよび3C′を互いに平行に配置する。これら2個
のプリズムにおける群速度分散は第1図において以下の
ように考えられる。第2のプリズム3C′の入射端での長
さl2は、第1のプリズム3Cからの拡り角Δβが小さい場
合、プリズム間隔をLとすると、 となる。ここでdβ/dλはプリズムの角度分散を示し、
次式のように与えられる。
この詳細については、光学書M.Born and E.Wolf“Princ
iple of optics",Pergamon Press ch.4.7,p.180 1980年
を参照されたい。ここで、nはプリズムの屈折率、t1は
プリズム中の光路長である。
iple of optics",Pergamon Press ch.4.7,p.180 1980年
を参照されたい。ここで、nはプリズムの屈折率、t1は
プリズム中の光路長である。
この角度分散に起因して、プリズム3C′に光パルスが入
射するときに、パルスの周波数成分のうち赤い低周波成
分はより深く入り、プリズム3C′の出口では遅れ、青い
高周波成分はより浅くプリズム3C′中に入り、結果的に
プリズム3C′の出口では速くなる。従って、入射パルス
が時間とともに正にチャープ(低周波から高周波へ変
化)しているならば、そのパルスは第1図に示すよう
に、プリズム3C′において圧縮される。
射するときに、パルスの周波数成分のうち赤い低周波成
分はより深く入り、プリズム3C′の出口では遅れ、青い
高周波成分はより浅くプリズム3C′中に入り、結果的に
プリズム3C′の出口では速くなる。従って、入射パルス
が時間とともに正にチャープ(低周波から高周波へ変
化)しているならば、そのパルスは第1図に示すよう
に、プリズム3C′において圧縮される。
ここで、群速度Vgが で与えられること(ただし、nはプリズム3C′の屈折
率)に注意すると、プリズム3C′内での時間の遅延Δτ
は となる。ここで、プリズム3Cとプリズム3C′とが平行に
配置されているので、 t1/l1=t2/l2 の条件が成立つから、負の群速度分散(negative group
velocity dispersion)は、 となる。ここで、Rはブリュスタープリズムで規格化し
た負の群速度分散の大きさを表わし、 で与えられる。また、プリズム3Cと3C′の組を通過する
場合の透過率T(α,θin)は4端面でのフレネル反射
の積で与えられるので、 但し、x1=Arcsin{1/n sin } (7−1) x2=d−x1 (7−2) β=Arcsin{sinα(n2−sin2θin)1/2 −cos α sinθin} (7−3) で与えられる。重要なことは、式(4)より、同一のΔ
τ/Δλを得るためには、dn/dλが大きい材料を用いれ
ば、短いLで光パルスを圧縮できることである。しか
も、Δτ/Δλはdn/dλの2乗できいてくるのでその効
果が大きい。
率)に注意すると、プリズム3C′内での時間の遅延Δτ
は となる。ここで、プリズム3Cとプリズム3C′とが平行に
配置されているので、 t1/l1=t2/l2 の条件が成立つから、負の群速度分散(negative group
velocity dispersion)は、 となる。ここで、Rはブリュスタープリズムで規格化し
た負の群速度分散の大きさを表わし、 で与えられる。また、プリズム3Cと3C′の組を通過する
場合の透過率T(α,θin)は4端面でのフレネル反射
の積で与えられるので、 但し、x1=Arcsin{1/n sin } (7−1) x2=d−x1 (7−2) β=Arcsin{sinα(n2−sin2θin)1/2 −cos α sinθin} (7−3) で与えられる。重要なことは、式(4)より、同一のΔ
τ/Δλを得るためには、dn/dλが大きい材料を用いれ
ば、短いLで光パルスを圧縮できることである。しか
も、Δτ/Δλはdn/dλの2乗できいてくるのでその効
果が大きい。
第2図に示すように、従来のSiO2プリズムのdn/dλは3.
3×10-2(μm-1)であるのに対して、TeO2のdn/dλは42
×10-2(μm-1)と、12.7倍大きいため、全体として160
倍の大きな値となる。従って、Lは1/160で済む。従来
は例えばL=10m必要であったプリズム間隔が、本発明
ではL=6.25cmとなる。従って、プリズム間隔の点から
従来は不可能であったプリズムによる光パルスの圧縮が
本発明では充分可能となる。
3×10-2(μm-1)であるのに対して、TeO2のdn/dλは42
×10-2(μm-1)と、12.7倍大きいため、全体として160
倍の大きな値となる。従って、Lは1/160で済む。従来
は例えばL=10m必要であったプリズム間隔が、本発明
ではL=6.25cmとなる。従って、プリズム間隔の点から
従来は不可能であったプリズムによる光パルスの圧縮が
本発明では充分可能となる。
次に透過特性について考える。TeO2もしくはTiO2結晶は
屈折率が高いので、光が空気中からこの結晶に垂直に入
射すると、{(n−1)/(n+1)}2で与えられる
16%程度の反射が存在する。これを取り除くために、ガ
スレーザの窓において用いられているように、直線偏光
を得る方法としてブリュスター入射角でプリズムをカッ
トするのが好適である。この場合、入射面に平行なP偏
光の入射に対して、TeO2プリズム対はその透過率が1と
なり、原理的に無損失となる。ブリュスタープリズムと
なる条件は、 tan=n (8) で与えられるので、第3図の波長λ=600nmでの屈折率
nを求めると、常光線に対して屈折率no=2.27となるの
で=66.2゜となる。例えば、これらプリズムを二等辺
三角形プリズムとして構成する場合には、頂角αは47.6
゜と算出される。
屈折率が高いので、光が空気中からこの結晶に垂直に入
射すると、{(n−1)/(n+1)}2で与えられる
16%程度の反射が存在する。これを取り除くために、ガ
スレーザの窓において用いられているように、直線偏光
を得る方法としてブリュスター入射角でプリズムをカッ
トするのが好適である。この場合、入射面に平行なP偏
光の入射に対して、TeO2プリズム対はその透過率が1と
なり、原理的に無損失となる。ブリュスタープリズムと
なる条件は、 tan=n (8) で与えられるので、第3図の波長λ=600nmでの屈折率
nを求めると、常光線に対して屈折率no=2.27となるの
で=66.2゜となる。例えば、これらプリズムを二等辺
三角形プリズムとして構成する場合には、頂角αは47.6
゜と算出される。
このようにして設計したTeO2のブリュスタープリズムを
第4図(a)に示す。この場合、入射光の偏光方向は結
晶のC軸方向と直交させて用いることに注意したい。第
4図(b)にプリズム3Cと3C′とから成るプリズム対の
構成、入射角および入射偏光方向を示す。一例とし
て、チャープ幅10nmでパルス幅3psの光パルスを完全に
圧縮するには、式(4)からL=28.9cmと算出できる。
この程度のプリズム間隔は、装置としては充分対応でき
る長さであり、かつ操作性がよい。
第4図(a)に示す。この場合、入射光の偏光方向は結
晶のC軸方向と直交させて用いることに注意したい。第
4図(b)にプリズム3Cと3C′とから成るプリズム対の
構成、入射角および入射偏光方向を示す。一例とし
て、チャープ幅10nmでパルス幅3psの光パルスを完全に
圧縮するには、式(4)からL=28.9cmと算出できる。
この程度のプリズム間隔は、装置としては充分対応でき
る長さであり、かつ操作性がよい。
第5図(a)および(b)にパルス幅0.8psの光パルス
を長さ50cmの偏波保持ファイバ2に入射させ、TeO2ブリ
ュスタープリズム3Cと3C′とによる対を用いた場合の実
験結果を示す。第5図(a)は入力光パルスの波形、第
5図(b)は出力光パルスの波形であり、パルス幅0.8p
sの光パルスがパルス幅0.1ps(100fs)の光パルスに圧
縮されていることがよく判る。また、この場合の全体で
の透過率は90%以上であり、ブリュスタープリズムの効
果が確認された。入力光として、パルス幅0.1ps程度の
高出力パルスを用いれば、パルス幅10fs程度の極超短パ
ルスが容易に得られる。
を長さ50cmの偏波保持ファイバ2に入射させ、TeO2ブリ
ュスタープリズム3Cと3C′とによる対を用いた場合の実
験結果を示す。第5図(a)は入力光パルスの波形、第
5図(b)は出力光パルスの波形であり、パルス幅0.8p
sの光パルスがパルス幅0.1ps(100fs)の光パルスに圧
縮されていることがよく判る。また、この場合の全体で
の透過率は90%以上であり、ブリュスタープリズムの効
果が確認された。入力光として、パルス幅0.1ps程度の
高出力パルスを用いれば、パルス幅10fs程度の極超短パ
ルスが容易に得られる。
ブリュスタープリズムの場合には、透過損失が非常に小
さくなるが、上述したようにプリズム間隔もL=28.9cm
と小さくできた。さらにLを短くすることも、多小の損
失を許容すれば、可能である。その様子を第6図と第7
図とに示す。第6図には負の群速度分散(Negative GV
D)の大きさを、ブリュスタープリズムの場合を1とし
て規格化してR(α,θin)として示す。第7図にはこ
のようにして頂角を変化させた場合、透過率T(α,θ
in)がどのように変化するかを示す。
さくなるが、上述したようにプリズム間隔もL=28.9cm
と小さくできた。さらにLを短くすることも、多小の損
失を許容すれば、可能である。その様子を第6図と第7
図とに示す。第6図には負の群速度分散(Negative GV
D)の大きさを、ブリュスタープリズムの場合を1とし
て規格化してR(α,θin)として示す。第7図にはこ
のようにして頂角を変化させた場合、透過率T(α,θ
in)がどのように変化するかを示す。
例えば頂角αが47.6゜のブリュスタープリズムの場合、
入射角θinを66.2゜から58゜に変化すると、約4倍のR
の大きさとなるため、式(4)から判るように、L=2
5.8/4=6.45cmとなり、さらにコンパクトになる。但
し、この場合には約80%の透過率となる。α=50゜とす
ると、θin=68゜のとき透過率は50%となるものの、R
は10倍の大きさとなり、1800本/mmの回折格子の組み合
わせと同じ性能を有するようになる。
入射角θinを66.2゜から58゜に変化すると、約4倍のR
の大きさとなるため、式(4)から判るように、L=2
5.8/4=6.45cmとなり、さらにコンパクトになる。但
し、この場合には約80%の透過率となる。α=50゜とす
ると、θin=68゜のとき透過率は50%となるものの、R
は10倍の大きさとなり、1800本/mmの回折格子の組み合
わせと同じ性能を有するようになる。
TiO2結晶も第8図に示すように大きな屈折率を有するの
で、dn/dλが大きくなり、TeO2結晶よりさらに有効なプ
リズムとなり得る可能性を有している。
で、dn/dλが大きくなり、TeO2結晶よりさらに有効なプ
リズムとなり得る可能性を有している。
以上では、TiO2およびTeO2のいずれの結晶においても、
常光線の屈折率noを用いてきたが、さらに屈折率の高い
異常光線の屈折率neを用いたブリュスタープリズムを用
いることも可能である。この場合には、入射偏光がneを
感ずるためには、結晶のC軸を入射偏光方向と平行にす
る必要がある。この様子を第9図に示す。λ=600nmで
は、TiO2結晶のneは2.9であるから、この場合には=7
1゜かつα=38゜、TeO2結晶のneは2.45であるから、こ
の場合には=68゜かつα=44゜となる。
常光線の屈折率noを用いてきたが、さらに屈折率の高い
異常光線の屈折率neを用いたブリュスタープリズムを用
いることも可能である。この場合には、入射偏光がneを
感ずるためには、結晶のC軸を入射偏光方向と平行にす
る必要がある。この様子を第9図に示す。λ=600nmで
は、TiO2結晶のneは2.9であるから、この場合には=7
1゜かつα=38゜、TeO2結晶のneは2.45であるから、こ
の場合には=68゜かつα=44゜となる。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明では、TeO2もしくはTiO2の
高い屈折率に起因する大きな材料分散に着目し、これら
材料によりブリュスタープリズムを構成してプリズム対
を構成するようにしたので、低損失で高効率な光パルス
の圧縮を行うことができる利点がある。また、本発明で
は、使用波長も0.4〜1μm付近まで利用できるので、
赤外光のパルス圧縮にも有効である。
高い屈折率に起因する大きな材料分散に着目し、これら
材料によりブリュスタープリズムを構成してプリズム対
を構成するようにしたので、低損失で高効率な光パルス
の圧縮を行うことができる利点がある。また、本発明で
は、使用波長も0.4〜1μm付近まで利用できるので、
赤外光のパルス圧縮にも有効である。
第1図は本発明の原理説明図、 第2図はTeO2のdne/dλ,dno/dλの波長依存性を示す特
性図、 第3図はTeO2のne,noの波長依存性を示す特性図、 第4図(a)および(b)はTeO2結晶によるブリュスタ
ープリズムの説明図、 第5図(a)および(b)は本発明の実験結果を示す波
形図、 第6図はブリュスタープリズムの場合を1として規格化
した負の群速度分散の大きさR(α,θin)を示す特性
図、 第7図はTeO2プリズム対における透過率の入射角度依存
性を示す特性図、 第8図はルチル型二酸化チタンの屈折率の波長依存性を
示す特性図、 第9図は本発明の第2の実施例においてTeO2またはTiO2
のneを用いたブリュスタープリズムの設計例の説明図、 第10図は単一モードファイバと異常分散媒体による光パ
ルス圧縮装置の従来例の説明図、 第11図〜第13図は従来の異常分散媒体の3例の構成の説
明図である。 1……光パルス光源、 2……偏波保持単一モード光ファイバ、 3……異常分散媒体、 3C,3C′……プリズム。
性図、 第3図はTeO2のne,noの波長依存性を示す特性図、 第4図(a)および(b)はTeO2結晶によるブリュスタ
ープリズムの説明図、 第5図(a)および(b)は本発明の実験結果を示す波
形図、 第6図はブリュスタープリズムの場合を1として規格化
した負の群速度分散の大きさR(α,θin)を示す特性
図、 第7図はTeO2プリズム対における透過率の入射角度依存
性を示す特性図、 第8図はルチル型二酸化チタンの屈折率の波長依存性を
示す特性図、 第9図は本発明の第2の実施例においてTeO2またはTiO2
のneを用いたブリュスタープリズムの設計例の説明図、 第10図は単一モードファイバと異常分散媒体による光パ
ルス圧縮装置の従来例の説明図、 第11図〜第13図は従来の異常分散媒体の3例の構成の説
明図である。 1……光パルス光源、 2……偏波保持単一モード光ファイバ、 3……異常分散媒体、 3C,3C′……プリズム。
フロントページの続き (72)発明者 久保田 寛和 茨城県那珂郡東海村大字白方字白根162番 地 日本電信電話株式会社茨城電気通信研 究所内 (72)発明者 青海 恵之 茨城県那珂郡東海村大字白方字白根162番 地 日本電信電話株式会社茨城電気通信研 究所内
Claims (3)
- 【請求項1】高出力光パルスを発生する光パルス光源
と、 前記高出力光パルスを受光し、その光パルスを該光パル
スの伝搬過程で正にチャープさせるための単一モード光
ファイバと、 該単一モード光ファイバから出射された正のチャープパ
ルスを通過させる異常分散媒体であって、単結晶TeO2ま
たは単結晶TiO2による2つのブリュスタープリズムを互
いに平行に配置して構成した異常分散媒体とを具備した
ことを特徴とする光パルス圧縮装置。 - 【請求項2】前記異常分散媒体が常光を用いたブリュス
タープリズムにより構成されていることを特徴とする特
許請求の範囲第1項記載の光パルス圧縮装置。 - 【請求項3】前記異常分散媒体が異常光を用いたブリュ
スタープリズムにより構成されていることを特徴とする
特許請求の範囲第1項記載の光パルス圧縮装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62076362A JPH0752269B2 (ja) | 1987-03-31 | 1987-03-31 | 光パルス圧縮装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62076362A JPH0752269B2 (ja) | 1987-03-31 | 1987-03-31 | 光パルス圧縮装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63243926A JPS63243926A (ja) | 1988-10-11 |
JPH0752269B2 true JPH0752269B2 (ja) | 1995-06-05 |
Family
ID=13603244
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62076362A Expired - Fee Related JPH0752269B2 (ja) | 1987-03-31 | 1987-03-31 | 光パルス圧縮装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0752269B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2666548B2 (ja) * | 1990-09-25 | 1997-10-22 | 松下電器産業株式会社 | 半導体レーザ励起固体レーザ装置 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5621105A (en) * | 1979-07-27 | 1981-02-27 | Fujitsu Ltd | Polarizing prism |
-
1987
- 1987-03-31 JP JP62076362A patent/JPH0752269B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5621105A (en) * | 1979-07-27 | 1981-02-27 | Fujitsu Ltd | Polarizing prism |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63243926A (ja) | 1988-10-11 |
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