JPH0751652A - アルミニウムドロス残灰の処理方法およびセメント用原料の製造方法 - Google Patents

アルミニウムドロス残灰の処理方法およびセメント用原料の製造方法

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JPH0751652A
JPH0751652A JP5222299A JP22229993A JPH0751652A JP H0751652 A JPH0751652 A JP H0751652A JP 5222299 A JP5222299 A JP 5222299A JP 22229993 A JP22229993 A JP 22229993A JP H0751652 A JPH0751652 A JP H0751652A
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aluminum dross
dross residual
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享男 江坂
Yasuhiro Hori
安宏 堀
Hiroji Takahashi
洋児 高橋
Reiji Shimazaki
禮次 島崎
Mitsuo Togo
光男 藤後
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来よりも低い加熱処理温度でアルミニウム
ドロス残灰から塩素成分および窒素成分を効率よく除去
して、当該アルミニウムドロス残灰の再利用を可能とす
るアルミニウムドロス残灰の処理方法、および当該処理
方法を用いて、アルミニウムドロス残灰から安定して、
良質のセメントの原料を得るセメント用原料の製造方法
を得る。 【構成】 アルミニウムドロス残灰を、水蒸気または水
蒸気および二酸化炭素を含む雰囲気下において、少なく
とも700℃、好ましくは700℃〜1000℃の温度
で加熱することにより、該アルミニウムドロス残灰から
窒素成分および塩素成分を除去して処理し、また上記ア
ルミニウムドロス残灰の処理方法によって、当該アルミ
ニウムドロス残灰中の窒素成分および塩素成分を除去す
ることによりα−アルミナを得てセメント用の原料とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミニウムドロス残
灰の処理方法および当該処理方法によりアルミニウムド
ロス残灰からセメント用の原料を得るための製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように、土木、建築構造物の建設
用として非常に広い用途に用いられているセメントは、
酸化カルシウム(CaO)、二酸化けい素(Si
2)、酸化アルミニウム(Al23)、酸化第二鉄
(Fe23)等をその主成分とするものであり、最も含
有量の多い酸化カルシウムを含む石灰石、および二酸化
けい素、酸化アルミニウム、酸化第二鉄等を含む粘土を
主たる原料とし、これに二酸化けい素および酸化第二鉄
の補足用にけい石および酸化鉄原料を添加することによ
り製造されている。
【0003】一方、アルミニウム溶解工程等では、アル
ミニウムの溶解時に酸化物としてアルミニウムドロスが
生成される。このアルミニウムドロスは、再度溶解処理
されて回転羽根式のしぼり機等によりアルミニウム成分
の回収がなされて、残留金属アルミニウムを50重量%
以下、一般には40重量%程度含むアルミニウムドロス
残灰とされたのち、産業廃棄物として廃棄処理されるこ
とが殆どであるが、このアルミニウムドロス残灰中に残
存する窒化アルミニウム(AlN)や塩化物等が水と反
応し、アンモニアや塩化水素を発生し、悪臭等の公害を
生じることから、その無公害化処理ならびに再利用が種
々検討されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このようなアルミニウ
ムドロス残灰の再利用の一つの方法として、上記セメン
トのボーキサイトや粘土の代替として用いることが考え
られるが、このような場合には次のような問題点があっ
た。すなわち、前述したようにアルミニウム成分を回収
したのちのアルミニウムドロス残灰においては、多くの
窒化アルミニウム(AlN)が残存し、この窒化アルミ
ニウムが、 AlN+3H2O → Al(OH)3 +NH3 で表わされるように、室温のもとで湿気、雨水等の水分
により加水分解してアンモニアを発生し、悪臭の原因と
なってしまうという問題である。また第二点として、上
記アルミニウム成分の回収処理によっても、なお塩化物
が多く残存し、この塩化物が、セメントの製造プラント
等の諸設備や実際に打設したのちにおける金属等の構造
物に腐食を発生させる原因となる等、セメントの特性に
悪い影響を与えるという問題点である。
【0005】そこで、本発明者等は、先に特願平5−4
6828号において提案した如く、上記アルミニウムド
ロス残灰を1300℃〜1600℃の温度範囲で加熱処
理することにより、上記塩化物を効率的に気化して除去
し得るとの知見を得た。
【0006】ところが、アルミニウムドロス残灰は比較
的細かい粒子であって、金属アルミニウムを含んだ酸化
物粒子と回収できなかった金属アルミニウム粒子とによ
って構成されており、上記金属アルミニウムの含有量
は、上述したように高い場合には40%以上残存してい
る。このため、上記アルミニウムドロス残灰を上述した
ような高い温度範囲で加熱処理を行なうと、金属アルミ
ニウムを含んだ粒子が互いに溶着し、結果的に大きな粒
状の焼結体を生じようとする。そして、この固まりの表
面部については、溶融金属アルミニウムが酸化され、急
激に温度が上昇して半溶融した固い緻密なアルミナ主体
の焼結層で覆われてしまう。この結果、上記固まりの内
部においては、この緻密な表面層によって、金属アルミ
ニウムおよび窒化アルミニウムが充分酸化されず残存し
てしまうとともに、塩化物も気化されずに残存してしま
うという結果をみた。
【0007】そこで、つぎに、上記アルミニウムドロス
残灰を回転炉内において、水蒸気の雰囲気下において上
記温度範囲よりも低い600℃〜800℃で加熱処理し
たところ、少なくとも700℃に加熱することにより水
蒸気中の水素と塩化物の塩素成分が反応して塩化水素が
発生し、これを中和処理することにより、上記塩素成分
を無害化除去し得ることが判った。
【0008】加えて、上記加熱処理により、アルミニウ
ムドロス残灰中の窒化アルミニウムも、 AlN+3H2O → Al(OH)3 +NH3 で表わされるように、加水分解して水酸化アルミニウム
とアンモニアに化学変化されるという知見を得るに至っ
た。
【0009】そして、さらに処理物質をX線回析により
調べたところ、不純成分が少なく、主体はα−アルミナ
とセメント原料として問題のない水酸化アルミニウムで
あることが判明した。
【0010】本発明は、このようなアルミニウムドロス
残灰の処理方法に関する開発過程において得られた知見
に基づいてなされたもので、アルミニウムドロス残灰か
ら塩素成分と窒素成分とを効率よく除去し得るアルミニ
ウムドロス残灰の処理方法、および当該処理方法を用い
て、アルミニウムドロス残灰からセメントの原料を得る
セメント用原料の製造方法を提供することを目的とする
ものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係るアルミニウムドロス残灰の処理方法
は、アルミニウムドロス残灰を、水蒸気または水蒸気お
よび二酸化炭素を含む雰囲気下において、少なくとも7
00℃、好ましくは700℃〜1000℃の温度で加熱
することにより、上記アルミニウムドロス残灰から窒素
成分および塩素成分を除去するものである。
【0012】また、本発明に係るセメント用原料の製造
方法は、上記アルミニウムドロス残灰の処理方法によっ
て、当該アルミニウムドロス残灰中の窒素成分および塩
素成分を除去することによりα−アルミナおよび水酸化
アルミニウムを得てセメント用の原料とすることを特徴
とするものである。
【0013】ここで、上記加熱温度を少なくとも700
℃とした理由は、700℃未満においては、後述する実
験の結果から窒素成分および塩素成分の除去効果がいま
だ不十分だからである。なお、上記加熱温度を1000
℃以下にすると、テルミット反応が発生する温度(10
50℃以上)以下であるため、アルミニウムドロス残灰
の焼成粒表面が固化することを確実に防止することがで
きて好適である。
【0014】
【作用】本発明に係るアルミニウムドロス残灰の処理方
法によれば、アルミニウムドロス残灰を、水蒸気を含む
雰囲気下で、少なくとも700℃、好ましくは700℃
〜1000℃で加熱処理することにより、例えば、 NaCl + [H+] → HCl + Na+ で表わされるように、アルミニウムドロス残灰中の塩化
物と水蒸気中の水素とが反応して塩化水素が生じる。そ
こで、この塩化水素を中和させることにより、上記アル
ミニウムドロス残灰中の塩素成分が無害化除去される。
【0015】また、これと並行して、上記アルミニウム
ドロス残灰に含有される殆どの窒化アルミニウムも、 AlN+3H2O → Al(OH)3 +NH3 で表わされるように、水酸化アルミニウムとアンモニア
に化学変化して窒素成分が効率よく無害化除去される。
そして、水酸化アルミニウムは、1000℃近くでその
大部分が脱水されてα−アルミナになる。
【0016】なお、上記加熱処理を、水蒸気および二酸
化炭素を含む雰囲気下で行なうと、アルミニウムドロス
残灰中の窒化アルミニウムと水蒸気により、 AlN + 3H2O → Al(OH)3 + NH3 で表わされるように、アンモニアが発生する。そして、
このアンモニアとアルミニウムドロス中の塩化ナトリウ
ムおよび二酸化炭素等とにより、 NaCl+NH3 +CO2 +H2O → NaHCO3
NH4Cl で示されるように、塩素成分が硫安となってさらに効率
的に無害化除去されるとともに、生成した水酸化アルミ
ニウムは、1000℃近くでその大部分が脱水されてα
−アルミナになる。
【0017】以上の加熱処理により、アルミニウムドロ
ス残灰から塩素成分および窒素成分が除去されて無害化
された処理物質が得られる。
【0018】このようにして塩素成分と窒素成分が除去
された処理物質は、不純成分が少なく、その大部分がα
−アルミナであることから、上記処理によりアルミニウ
ムドロス残灰からボーキサイトや粘土の代替となる良質
のセメント用原料が製造される。
【0019】
【実施例】以下、本発明のアルミニウムドロス残灰の処
理方法およびセメント用原料の製造方法の一実施例につ
いて説明する。まず、本実施例の方法を実施するために
好適な、アルミニウムドロス残灰の処理装置兼セメント
用原料の製造装置(以下、処理装置と略称する。)につ
いて説明する。
【0020】図1において、図中符号1は処理装置を示
すもので、この処理装置1は、アルミニウムドロス残灰
Dが投入されるとともに、このアルミニウムドロス残灰
Dを攪拌しつつ加熱するロータリーキルン2と、未処理
のアルミニウムドロス残灰Dが貯留されるとともに、こ
のアルミニウムドロス残灰Dを、上記ロータリーキルン
2にその一端側から投入するドロス残灰ホッパー3と、
ロータリーキルン2の他端側に配設され、その内部を加
熱するバーナー4と、このバーナー4に重油等の化石燃
料を供給する燃料タンク5と、前記バーナー4およびロ
ータリーキルン2の他端部開口部を覆って配置された回
収ボックス6とによって概略構成されている。
【0021】上記ロータリーキルン2は、一端側が上方
となるように所定角度で傾斜して設けられており、この
傾斜と軸線回りの回転に伴って、一端側から投入された
アルミニウムドロス残灰Dを攪拌するとともに、他端側
へ向けて搬送するようになっている。また、ロータリー
キルン2の他端側には、排気ダクト7が連設されてお
り、ロータリーキルン2内の気体を、後段に設けられた
水洗設備8を経て中和設備9へ導くようになっている。
【0022】この水洗設備8は、ロータリーキルン2に
おいて発生した塩化水素を水洗処理するようになってお
り、また、前記中和設備9は、水洗設備8から送り込ま
れる塩化水素を水酸化ナトリウムあるいは石灰と反応さ
せることにより、中和処理するようになっている。
【0023】また、このロータリーキルン2には、水蒸
気供給管10が接続されており、この水蒸気供給管10
の他端は、底部に空気導入管11が接続され、内部に溜
められた水を加熱するヒータが設けられた水浴槽12の
上部に接続されている。さらに、前記ドロス残灰ホッパ
ー3とロータリーキルン2との間には必要に応じて予熱
機が配置され、ロータリーキルン2へ投入されるアルミ
ニウムドロス残灰Dの予備加熱が行なわれる。
【0024】ついで、このように構成された処理装置1
の作用とともに本発明の一実施例について説明する。ま
ず、バーナー4に着火して、ロータリーキルン2内を所
定の温度に加熱するとともに、このロータリーキルン2
を軸回りに所定の回転速度で回転させておく。これと並
行して、水浴槽12内の水をヒータにより約80℃に加
熱し、その中に空気導入管11を介して空気を供給する
ことにより飽和水蒸気を発生させて、これを上記ロータ
リーキルン2内に供給する。
【0025】この状態から、ドロス残灰ホッパー3より
アルミニウムドロス残灰Dを連続的に投入するととも
に、バーナー4を制御してロータリーキルン2内の温度
を、少なくとも700℃、好ましくは700℃〜100
0℃の温度範囲に保持する。すると、このロータリーキ
ルン2内にその一端部から投入されたアルミニウムドロ
ス残灰Dは、上記所定温度に加熱されつつ、ロータリー
キルン2の回転によって上方へ掻き上げられたのちに落
下させられる操作を繰り返し受け、ロータリーキルン2
の傾斜によって順次他端側へと送り込まれてゆく。
【0026】このような加熱処理の間において、アルミ
ニウムドロス残灰D中の塩化物は、水蒸気によって塩化
水素に変化して排気ダクト7を経て水洗設備8へ送り込
まれて水洗処理が行なわれ、さらに、後段の中和設備9
において中和処理されることにより除去される。
【0027】そして、以上の加熱処理によりロータリー
キルン2の他端部まで搬送されたアルミニウムドロス残
灰Dは、その大部分がαーアルミナになっており、この
ロータリーキルン2から回収ボックス6へ落とし込まれ
て回収され、セメントの酸化アルミニウム原料として利
用される。
【0028】ちなみに、通常セメントの酸化アルミニウ
ム原料とされる粘土においては、上記酸化アルミニウム
の他に当該セメントに必要な二酸化けい素および酸化第
二鉄を含んでいる。このため、アルミニウムドロス残灰
から得られた酸化アルミニウムを上記セメント用の原料
として使用する場合には、これら二酸化けい素および酸
化第二鉄成分を補足するために、従来より多い量のけい
石および酸化鉄原料を添加することになる。
【0029】上記実施例によれば、アルミニウムドロス
残灰を、飽和水蒸気を含む雰囲気下で、少なくとも70
0℃、好ましくは700℃〜1000℃で加熱処理する
ことにより、例えば、 NaCl + [H+] → HCl + Na+ で表わされるように、アルミニウムドロス残灰中の塩化
物と水蒸気中の水素とが反応して塩化水素が生じるた
め、この塩化水素を中和させることにより、上記アルミ
ニウムドロス残灰中の塩素成分を無害化除去することが
できる。
【0030】また、これと並行して、上記アルミニウム
ドロス残灰に含有される窒化アルミニウムも、 AlN+3H2O → Al(OH)3 +NH3 で表わされるように、水酸化アルミニウムとアンモニア
に化学変化して窒素成分を無害化除去することができ
る。この結果、従来よりも低い加熱処理温度で、アルミ
ニウムドロス残灰から塩素成分および窒素成分を効率的
に除去して無害化された処理物質を得ることができる。
【0031】しかも、このようにして得られた処理物質
は、残留アルミニウムが酸化され、かつ塩素成分と窒素
成分が除去されるとともに、さらにその大部分は、不純
成分が少なく、かつアルミナのなかでも最も安定してい
る良質なα−アルミナであるために、これをボーキサイ
トや粘土の代替となる良質のセメント原材料として使用
することが可能となる。
【0032】なお、上記実施例においては、アルミニウ
ムドロス残灰を水蒸気を含む雰囲気下において加熱処理
した場合について説明したが、上記水蒸気に二酸化炭素
を加えた雰囲気下において加熱処理すれば、前述したよ
うに、より一層効率的に塩素成分を除去することができ
るため、特に塩素成分を多く含むアルミニウムドロス残
灰の処理に好適である。
【0033】
【実験例】次に、上記実施例に基づき、アルミニウムド
ロス残灰を処理した実験例について説明する。なお、以
下に示す含有量(%)は、全て重量%である。先ず、処
理すべきアルミニウムドロス残灰として、9.7%の窒
化アルミニウム(AlN)、41%の残留金属アルミニ
ウムおよび1.48%の塩素成分を含有するアルミニウ
ムドロス残灰を用意した。ついで比較例1として、上記
アルミニウムドロス残灰の試料約3gを空気雰囲気中に
おいて5時間、それぞれ600℃、800℃、1000
℃および1200℃の温度で加熱処理した。また、比較
例2として、同量の上記アルミニウムドロス残灰を、空
気と水蒸気との雰囲気下において600℃の温度で1〜
5時間加熱処理した。さらに、比較例3として、同量の
上記アルミニウムドロス残灰を、空気と水蒸気と二酸化
炭素との雰囲気下において600℃の温度で5時間加熱
処理した。
【0034】一方、本発明の実験例1として、上記アル
ミニウムドロス残灰の試料約3gを、空気と水蒸気との
雰囲気下において、それぞれ700℃および800℃の
温度で1〜5時間加熱処理した。さらに、本発明の実験
例2として、同量の上記アルミニウムドロス残灰を、空
気と水蒸気と二酸化炭素との雰囲気下において、同様の
温度で1時間および5時間加熱処理した。
【0035】図2は、これらの実験例後の処理物質中に
残留していた窒化アルミニウム、塩素成分および金属ア
ルミニウムの量を示したものである。図2において、本
発明の実験例1および2と比較例2および3とを対比す
ることにより、少なくとも700℃において加熱処理す
ることにより、アルミニウムドロス残灰中からほぼ完全
に塩素成分を除去し得ることが判る。これは、比較例1
に示す空気中で1000℃以上での加熱処理に匹敵する
ものであった。また、窒化アルミニウムについても、上
記温度においてセメント用原料として使用し得る程度ま
で分解除去されていることが判る。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るアル
ミニウムドロス残灰の処理方法は、アルミニウムドロス
残灰を、水蒸気または水蒸気および二酸化炭素を含む雰
囲気下において、少なくとも700℃、好ましくは70
0℃〜1000℃の温度で加熱して処理しているので、
従来よりも低い加熱処理温度で、アルミニウムドロス残
灰に含有される窒化アルミニウムを水酸化アルミニウム
とアンモニアに変化させるとともに、塩素成分もほぼ完
全に除去することができる。よって、塩素成分や窒素成
分を原因とする弊害のない、無害化された処理物質を効
率的に得ることができるため、アルミニウムドロス残灰
の経済的な再利用が可能となる。
【0037】また、本発明に係るセメント用原料の製造
方法は、上記アルミニウムドロス残灰の処理方法によっ
て、当該アルミニウムドロス残灰から窒素成分および塩
素成分が除去されて、その大部分が酸化アルミニウム
(αーアルミナ)となったアルミニウムドロス残灰の処
理物質を得ることができるため、上記アルミニウムドロ
ス残灰から、セメントの製造における安定した良質の酸
化アルミニウム原料を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施するための処理装置の一例
を示す概略構成図である。
【図2】本発明の方法の効果を確認するための実験例の
結果を示す表である。
【符号の説明】
1 処理装置 2 ロータリーキルン 4 バーナー 10 水蒸気供給管 D アルミニウムドロス残灰
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 島崎 禮次 静岡県裾野市平松85 三菱アルミニウム株 式会社内 (72)発明者 藤後 光男 静岡県裾野市平松85 三菱アルミニウム株 式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウムドロス残灰を、水蒸気を含
    む雰囲気下において少なくとも700℃で加熱すること
    により、上記アルミニウムドロス残灰から窒素成分およ
    び塩素成分を除去することを特徴とするアルミニウムド
    ロス残灰の処理方法。
  2. 【請求項2】 上記加熱を、700℃〜1000℃の温
    度範囲で行なうことを特徴とする請求項1に記載のアル
    ミニウムドロス残灰の処理方法。
  3. 【請求項3】 上記加熱を、水蒸気および二酸化炭素を
    含む雰囲気下で行なうことを特徴とする請求項1または
    請求項2に記載のアルミニウムドロス残灰の処理方法。
  4. 【請求項4】 上記アルミニウムドロス残灰は、50重
    量%以下の金属アルミニウムを含むことを特徴とする請
    求項1ないし3のいずれかに記載のアルミニウムドロス
    残灰の処理方法。
  5. 【請求項5】 アルミニウムドロス残灰を、水蒸気を含
    む雰囲気下において少なくとも700℃で加熱すること
    により、上記アルミニウムドロス残灰から窒素成分およ
    び塩素成分を除去することによりα−アルミナを得てセ
    メント用の原料とすることを特徴とするセメント用原料
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 上記加熱を、700℃〜1000℃の温
    度範囲で行なうことを特徴とする請求項5に記載のセメ
    ント用原料の製造方法。
  7. 【請求項7】 上記加熱を、水蒸気および二酸化炭素を
    含む雰囲気下で行なうことを特徴とする請求項5または
    請求項6に記載のセメント用原料の製造方法。
  8. 【請求項8】上記アルミニウムドロス残灰は、50重量
    %以下の金属アルミニウムを含むことを特徴とする請求
    項5ないし7のいずれかに記載のセメント用原料の製造
    方法。
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