JPH0796265A - アルミニウムドロス残灰の処理方法およびセメント用原料の製造方法 - Google Patents

アルミニウムドロス残灰の処理方法およびセメント用原料の製造方法

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JPH0796265A
JPH0796265A JP5260355A JP26035593A JPH0796265A JP H0796265 A JPH0796265 A JP H0796265A JP 5260355 A JP5260355 A JP 5260355A JP 26035593 A JP26035593 A JP 26035593A JP H0796265 A JPH0796265 A JP H0796265A
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aluminum
residual ash
aluminum dross
dross residual
ash
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JP5260355A
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Yasuhiro Hori
安宏 堀
Hiroji Takahashi
洋児 高橋
Reiji Shimazaki
禮次 島崎
Mitsuo Togo
光男 藤後
Akisuke Ootani
陽祐 大谷
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MA Aluminum Corp
Original Assignee
Mitsubishi Aluminum Co Ltd
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P40/00Technologies relating to the processing of minerals
    • Y02P40/10Production of cement, e.g. improving or optimising the production methods; Cement grinding

Abstract

(57)【要約】 【目的】 アルミニウムドロス残灰から悪臭の原因とな
る窒素成分やセメントの特性に悪い影響を与える塩素成
分を効率よく除去して、該アルミニウムドロス残灰の再
利用を可能とするアルミニウムドロス残灰の処理方法、
および該処理方法を用いて、アルミニウムドロス残灰か
ら安定して良質のセメントの原料を得るセメント用原料
の製造方法を得る。 【構成】 アルミニウムドロス残灰に、該アルミニウム
ドロス残灰に含まれる窒化アルミニウムの量以上の量の
二酸化けい素を添加して、800℃以上、好ましくは8
00℃〜1000℃の温度範囲で加熱し、さらに130
0℃〜1600℃の温度範囲で加熱して処理し、またこ
の処理方法によって、当該アルミニウムドロス残灰から
残留金属アルミニウムを酸化させるとともに窒素成分お
よび塩素成分を除去することによりα−アルミナを得て
セメント用の原料とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミニウムドロス残
灰の処理方法および当該処理方法によりアルミニウムド
ロス残灰からセメント用の原料を得るための製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように、土木、建築構造物の建設
用として非常に広い用途に用いられているセメントは、
酸化カルシウム(CaO)、二酸化けい素(Si
2)、酸化アルミニウム(Al23)、酸化第二鉄
(Fe23)等をその主成分とするものであり、最も含
有量の多い酸化カルシウムを含む石灰石、および二酸化
けい素、酸化アルミニウム、酸化第二鉄等を含む粘土や
ボーキサイトを主たる原料とし、これに二酸化けい素お
よび酸化第二鉄の補足用にけい石および酸化鉄原料を添
加することにより製造されている。
【0003】一方、アルミニウム溶解工程等では、アル
ミニウムの溶解時に酸化物としてアルミニウムドロスが
生成される。このアルミニウムドロスは、再度溶解処理
されて回転羽根式のしぼり機等によりさらに40%程度
のアルミニウム成分の回収がなされて、残留金属アルミ
ニウムを50重量%以下、一般には40重量%程度含む
アルミニウムドロス残灰とされたのち、産業廃棄物とし
て廃棄処理されることが殆どであるが、このアルミニウ
ムドロス残灰中に残存する窒化アルミニウムや塩化ナト
リウム等が水と反応し、アンモニアや塩化水素を発生
し、悪臭等の公害を生じることから、その無公害化処理
ならびに再利用が種々検討されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このようなアルミニウ
ムドロス残灰の再利用の一つの方法として、上記セメン
トのボーキサイトの代替として用いることが考えられる
が、このような場合には次のような問題点があった。す
なわち、前述したようにアルミニウム成分を回収したの
ちのアルミニウムドロス残灰においては、多くの窒化ア
ルミニウム(AlN)が残存し、この窒化アルミニウム
が、 AlN+3H2O → Al(OH)3 +NH3 で表わされるように、室温のもとで湿気、雨水等の水分
により加水分解してアンモニアを発生し、悪臭の原因と
なってしまうという問題である。また第二点として、上
記アルミニウム成分の回収処理によっても、なお塩素成
分が多く残存し、この塩素成分が、セメントの製造プラ
ント等の諸設備や実際に打設したのちにおける金属等の
構造物に腐食を発生させる原因となる等、セメントの特
性に悪い影響を与えるという問題点である。
【0005】そこで、本発明者等は、先に特願平5−4
6828号において提案した如く、上記アルミニウムド
ロス残灰を1300℃〜1600℃の温度範囲で加熱処
理することにより、上記塩素成分を効率的に気化して除
去し得るとの知見を得た。
【0006】ところが、アルミニウムドロス残灰は比較
的細かい粒子であって、金属アルミニウムを含んだ酸化
物粒子と回収できなかった金属アルミニウム粒子とによ
って構成されており、上記金属アルミニウムの含有量
は、上述したように高い場合には40%以上残存してい
る。このため、上記アルミニウムドロス残灰を上述した
ような高い温度範囲で加熱処理を行なうと、金属アルミ
ニウムを含んだ粒子が互いに溶着し、結果的に大きな粒
状の焼結体を生じようとする。そして、この固まりの表
面部については、溶融金属アルミニウムが酸化され、急
激に温度が上昇して半溶融した固い緻密なアルミナ主体
の焼結層で覆われてしまう。この結果、上記固まりの内
部においては、この緻密な表面層によって、金属アルミ
ニウムおよび窒化アルミニウムが充分酸化されず残存し
てしまうとともに、塩化物も気化されずに残存してしま
うという結果をみた。
【0007】そこで、つぎに、先ず上記アルミニウムド
ロス残灰に、セメントの副原料である二酸化けい素(S
iO2)を、該アルミニウムドロス残灰に含まれる窒化
アルミニウムの量を越える量添加し、これを上記温度範
囲よりも低い800℃で加熱処理したところ、上記アル
ミニウムドロス残灰に含有される殆どの窒素成分が除去
されるとともに、アルミニウムドロス残灰中の残留金属
アルミニウムも、完全に酸化されるという知見を得るに
至った。
【0008】また、上記加熱を行なった後に、さらに上
記アルミニウムドロス残灰を、1300℃〜1600℃
に加熱すると、前記加熱により金属アルミニウムが酸化
されているために、テルミット反応を生じることもな
く、この結果塩素成分も効率的に除去することができ
た。そして、さらに得られた処理物質中の約8割を占め
る上記酸化アルミニウムをX線回析により調べたとこ
ろ、これらは上記セメントの原料として好適な、不純成
分が少なく、かつアルミナのなかでも最も安定している
良質なα−アルミナであることが判明した。
【0009】本発明は、このようなアルミニウムドロス
残灰の処理方法に関する開発過程において得られた知見
に基づいてなされたもので、アルミニウムドロス残灰か
ら塩素成分と窒素成分とを効率よく除去し得るアルミニ
ウムドロス残灰の処理方法、および当該処理方法を用い
て、アルミニウムドロス残灰からセメントの原料を得る
セメント用原料の製造方法を提供することを目的とする
ものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係るアルミニウムドロス残灰の処理方法
は、主として窒素成分を除去するとともに残留金属アル
ミニウムを酸化させるために、アルミニウムドロス残灰
に、該アルミニウムドロス残灰に含まれる窒化アルミニ
ウムの量以上の二酸化けい素を添加して、800℃以
上、好ましくは800℃〜1000℃の温度範囲で加熱
するものであり、さらに主として塩素成分を除去するた
めに、上記加熱を行なった後のアルミニウムドロス残灰
を、さらに1300℃〜1600℃の温度範囲で加熱す
ることを特徴とするものである。
【0011】また、本発明に係るセメント用原料の製造
方法は、上記アルミニウムドロス残灰の処理方法によっ
て、当該アルミニウムドロス残灰中の残留金属アルミニ
ウムを酸化するとともに、窒素成分および塩素成分を除
去することによりα−アルミナを得てセメント用の原料
とすることを特徴とするものである。
【0012】
【作用】本発明に係るアルミニウムドロス残灰の処理方
法によれば、先ずアルミニウムドロス残灰に、このアル
ミニウムドロス残灰に含まれる窒化アルミニウムの量以
上の二酸化けい素を添加して、800℃以上、好ましく
は800℃〜1000℃で加熱処理することにより、 2AlN+3/2・O2 → Al23 +N2 …(1) で表わされるように、窒化アルミニウムが酸化アルミニ
ウムと窒素ガスに化学変化するとともに、さらに、 2AlN+3/2・SiO2 → Al23 +3/2・Si+N2 …(2) で示すように、二酸化けい素により窒化アルミニウムが
分解されてアルミナに変換されることにより、アルミニ
ウムドロス残灰に含有される殆どの窒化アルミニウムが
酸化アルミニウムと窒素ガスとに化学変化して除去され
る。
【0013】ここで、アルミニウムドロス残灰に、含有
する窒化アルミニウムの量以上の二酸化けい素を添加す
る理由は、上記反応式(2) におけるAlNとSiO2
のモル重量比が、 2×(27+14):3/2(28+16×2)=82:90 であることから、処理後の窒化アルミニウムの含有量を
1重量%以下とするためには、上記窒化アルミニウムの
含有量以上の二酸化けい素を添加する必要が有るからで
ある。
【0014】一方、上記塩素成分の除去と並行して、上
記アルミニウムドロス残灰中の残留金属アルミニウム
も、 2Al+ 3/2O2 → Al23 …(3) 2Al+ 3/2SiO2 → Al23 + 3/2Si …(4) で表わされるように完全に酸化される。
【0015】上記加熱温度を800℃以上に限定した理
由について説明すると、800℃未満においては、一応
の窒素成分の酸化除去効果は見られるものの、処理物質
中の残留窒化アルミニウムを1重量%以下にするために
は多量の二酸化けい素を添加する必要があるために経済
的でなく、かつ残留金属アルミニウムを酸化除去するた
めには多大の時間を要して処理効率の面から好ましくな
いからである。なお、上記加熱温度を1000℃以下に
すると、テルミット反応が発生する温度(1050℃以
上)以下であるため、アルミニウムドロス残灰の焼成粒
表面が固化することを確実に防止することができて好適
である。
【0016】上記加熱処理に続いて、上記アルミニウム
ドロス残灰を、さらに1300℃〜1600℃の温度範
囲で加熱すると、残留金属アルミニウムが、すでに前段
の加熱処理により酸化されているためにテルミット反応
が生じることがなく、よって粉粒体の表面が固化するこ
となく残存する塩素成分が除去されて悪臭のない処理物
質が得られる。
【0017】なお、再加熱処理の温度を前記範囲に限定
した理由について説明すると、1300℃未満において
は、塩素成分の除去効果は見られるものの満足な値まで
除去するには多くの時間を必要とし、処理効率の面から
好ましくなく、また、1600℃を越えると塩素成分の
除去効果が飽和状態となることから、前記範囲に限定し
た。この際、特に、加熱処理の温度を1300℃〜14
50℃の範囲とすることにより、塩素成分の除去効果を
維持しつつ燃料コストの低減が可能となって好ましい。
【0018】このようにして、残留アルミニウムが酸化
され、かつ塩素成分と窒素成分が除去された処理物質
は、不純成分が少なく、かつアルミナのなかでも最も安
定している良質なα−アルミナであることから、上記処
理によりアルミニウムドロス残灰からボーキサイトの代
替となる良質のセメント用原料が製造される。
【0019】
【実施例】以下、本発明のアルミニウムドロス残灰の処
理方法およびセメント用原料の製造方法の一実施例につ
いて説明する。まず、本実施例の方法を実施するために
好適な、アルミニウムドロス残灰の処理装置兼セメント
用原料の製造装置(以下、処理装置と略称する。)につ
いて説明する。
【0020】図1において、図中符号1は処理装置を示
すもので、この処理装置1は、アルミニウムドロス残灰
Dが投入されるとともに、このアルミニウムドロス残灰
Dを攪拌しつつ加熱するロータリーキルン2と、未処理
のアルミニウムドロス残灰Dが貯留されるとともに、こ
のアルミニウムドロス残灰Dを、上記ロータリーキルン
2にその一端側から投入するドロスホッパー3と、ロー
タリーキルン2の他端側に配設され、その内部を加熱す
るバーナー4と、このバーナー4に石灰粉や重油等の化
石燃料を供給する燃料タンク5と、前記バーナー4およ
びロータリーキルン2の他端部開口部を覆って配置され
た回収ボックス6とによって概略構成されている。
【0021】上記ロータリーキルン2は、一端側が上方
となるように所定角度で傾斜して設けられており、この
傾斜と軸線回りの回転に伴って、一端側から投入された
アルミニウムドロス残灰Dを攪拌するとともに、他端側
へ向けて搬送するようになっている。また、ロータリー
キルン2の他端側には、排気ダクト7が連設されてい
る。さらに、前記ドロスホッパー3とロータリーキルン
2との間には必要に応じて予熱機が配置され、ロータリ
ーキルン2へ投入されるアルミニウムドロス残灰Dの予
備加熱が行なわれる。
【0022】ついで、このように構成された処理装置1
の作用とともに本発明の一実施例について説明する。ま
ず、バーナー4に着火して、ロータリーキルン2内を所
定の温度に加熱するとともに、このロータリーキルン2
を軸回りに所定の回転速度で回転させておく。この状態
から、ドロスホッパー3より、含有する窒化アルミニウ
ムの量を越える量の二酸化けい素を添加したアルミニウ
ムドロス残灰Dを連続的に投入するとともに、バーナー
4を制御してロータリーキルン2内の温度を、800℃
以上、好ましくは800℃〜1000℃の温度範囲に保
持する。すると、このロータリーキルン2内にその一端
部から投入された上記アルミニウムドロス残灰Dは、上
記所定温度に加熱されつつ、ロータリーキルン2の回転
によって上方へ掻き上げられたのちに落下させられる操
作を繰り返し受け、ロータリーキルン2の傾斜によって
順次他端側へ順次送り込まれてゆく。
【0023】ついで、上記加熱が完了した後に、バーナ
ー4を制御してロータリーキルン2内の温度を1300
℃〜1600℃の範囲内に保持した状態で、さらに上記
アルミニウムドロス残灰を加熱する。そして、以上の加
熱処理によりロータリーキルン2の他端部まで搬送され
たアルミニウムドロス残灰Dは、その約80%以上がα
ーアルミナになっており、このロータリーキルン2から
回収ボックス6へ落とし込まれて回収され、セメントの
酸化アルミニウム原料として再利用される。
【0024】ちなみに、通常セメントの酸化アルミニウ
ム原料とされる粘土においては、上記酸化アルミニウム
の他に当該セメントに必要な二酸化けい素および酸化第
二鉄を含んでいる。このため、アルミニウムドロス残灰
から得られた酸化アルミニウムを上記セメント用の原料
として使用する場合には、これら二酸化けい素および酸
化第二鉄成分を補足するために、従来より多い量のけい
石および酸化鉄原料を添加することになる。
【0025】上記実施例によれば、先ず含有窒化アルミ
ニウムの量を越える量の二酸化けい素を添加したアルミ
ニウムドロス残灰Dをロータリーキルン2内において、
800℃以上、好ましくは800℃〜1000℃の温度
範囲で加熱処理することにより、上記反応式(1) 〜(4)
で示したように、アルミニウムドロス残灰に含有される
窒化アルミニウムを除去することができるとともに、残
留金属アルミニウムも完全に酸化させることができる。
【0026】加えて、上記加熱処理の完了したアルミニ
ウムドロス残灰Dを、同様にロータリーキルン2内にお
いて1300℃〜1600℃に加熱することにより、残
留金属アルミニウムが、すでに前段の加熱処理により酸
化されてテルミット反応が生じることがないため、粉粒
体の表面が固化することなく、この結果残存する塩素成
分を効率的に除去して悪臭のない処理物質を得ることが
できる。
【0027】しかも、このようにして得られた処理物質
は、残留アルミニウムが酸化され、かつ塩素成分と窒素
成分が除去されるとともに、さらにその80%以上は、
不純成分が少なく、かつアルミナのなかでも最も安定し
ている良質なα−アルミナであるために、これをボーキ
サイトの代替となる良質のセメント用原料として使用す
ることが可能となる。
【0028】
【実験例】次に、上記実施例に基づき、二酸化けい素を
添加したアルミニウムドロス残灰を800℃以上の温度
範囲で加熱することにより、上記アルミニウムドロス残
灰中の残留金属アルミニウムが酸化され、かつ塩素成分
が除去されることを示す実験例について説明する。な
お、以下に示す含有量(%)は、全て重量%である。
【0029】先ず、処理すべきアルミニウムドロス残灰
として、9.7%の窒化アルミニウム(AlN)と41
%の残留金属アルミニウム(Al)を含有するアルミニ
ウムドロス残灰を用意した。ついで比較例1として、二
酸化けい素を全く添加しない上記アルミニウムドロス残
灰を、空気雰囲気中において5時間、それぞれ600
℃、800℃、および1000℃の温度で加熱処理し
た。また、比較例2として、10%〜50%の二酸化け
い素を添加した上記アルミニウムドロス残灰を空気雰囲
気中において5時間、600℃で加熱処理した。
【0030】つぎに、本発明の実験例として、10%〜
50%の二酸化けい素を添加した上記アルミニウムドロ
ス残灰を、空気雰囲気中において5時間、それぞれ80
0℃および1000℃の温度で加熱処理した。図2およ
び図3は、上記加熱処理後の各アルミニウムドロス残灰
における窒化アルミニウムおよび金属アルミニウムの残
存量を示すものである。図2から、二酸化けい素を添加
せずに加熱処理を行なった比較例1では、窒化アルミニ
ウムの残存量を1%以下にするためには、約1000℃
以上に加熱しなければならないのに対して、図3に示す
本発明の実験例の結果では、800℃において殆どの窒
化アルミニウムが除去されて、残存量が1%以下になっ
ていることが判る。ちなみに、本発明の実験例から明ら
かなように、処理前のアルミニウムドロス残灰が9.7
%の窒化アルミニウムを含んでいることから、これより
多い10%以上の二酸化けい素を添加することにより、
800℃以上の加熱温度で窒化アルミニウムの残存量を
1%以下にすることができる。また、比較例2によれ
ば、600℃の加熱温度では、窒化アルミニウムの残存
量を1%以下にするために、本発明の実験例と比較し
て、約3倍の二酸化けい素を添加する必要があることが
判る。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るアル
ミニウムドロス残灰の処理方法は、先ず窒素成分を除去
するとともに残留アルミニウムを酸化させるために、好
ましくは残留金属アルミニウムを50重量%以下まで絞
った後のアルミニウムドロス残灰に、該アルミニウムド
ロス残灰に含まれる窒化アルミニウムの量以上の量の二
酸化けい素を添加して、800℃以上、好ましくは80
0℃〜1000℃の温度範囲で加熱し、さらに塩素成分
を除去するために、上記加熱を行なった後の上記アルミ
ニウムドロス残灰を、さらに1300℃〜1600℃の
温度範囲で加熱しているので、アルミニウムドロス残灰
に含有される殆どの窒化アルミニウムを除去することが
できるとともに、残留金属アルミニウムを完全に酸化さ
せることができ、さらに塩素成分も除去することができ
る。これにより、塩素成分や窒素成分を原因とする弊害
のない処理物質を効率的に得ることができるため、アル
ミニウムドロス残灰の経済的な再利用が可能となる。
【0032】また、本発明に係るセメント用原料の製造
方法は、上記アルミニウムドロス残灰の処理方法によっ
て、当該アルミニウムドロス残灰から残留金属アルミニ
ウムが酸化され、かつ窒素成分および塩素成分が除去さ
れて、その大部分がセメント用原料として好適な酸化ア
ルミニウム(αーアルミナ)となったアルミニウムドロ
ス残灰の処理物質を得ることができるため、上記アルミ
ニウムドロス残灰から、セメントにおける安定した良質
の酸化アルミニウム原料を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施するための処理装置の一例
を示す概略構成図である。
【図2】比較例の実験結果を示す表である。
【図3】本発明の実験例の結果を示す表である。
【符号の説明】
1 処理装置 2 ロータリーキルン 4 バーナー D アルミニウムドロス残灰
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C04B 7/32 B09B 3/00 304 G (72)発明者 藤後 光男 静岡県裾野市平松85 三菱アルミニウム株 式会社内 (72)発明者 大谷 陽祐 静岡県裾野市平松85 三菱アルミニウム株 式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウムドロス残灰に、該アルミニ
    ウムドロス残灰に含まれる窒化アルミニウムの量以上の
    量の二酸化けい素を添加して、800℃以上の温度で加
    熱することにより、上記アルミニウムドロス残灰から窒
    素成分を除去することを特徴とするアルミニウムドロス
    残灰の処理方法。
  2. 【請求項2】 上記加熱を、800℃〜1000℃の温
    度範囲で行なうことを特徴とする請求項1に記載のアル
    ミニウムドロス残灰の処理方法。
  3. 【請求項3】 上記加熱を行なった後の上記アルミニウ
    ムドロス残灰を、さらに1300℃〜1600℃の温度
    範囲で加熱して、上記アルミニウムドロス残灰から塩素
    成分を除去することを特徴とする請求項1または2に記
    載のアルミニウムドロス残灰の処理方法。
  4. 【請求項4】 上記アルミニウムドロス残灰は、50重
    量%以下の金属アルミニウムを含むことを特徴とする請
    求項1〜3のいずれかに記載のアルミニウムドロス残灰
    の処理方法。
  5. 【請求項5】 アルミニウムドロス残灰に、該アルミニ
    ウムドロス残灰に含まれる窒化アルミニウムの量以上の
    量の二酸化けい素を添加して800℃以上の温度で加熱
    し、ついで上記アルミニウムドロス残灰を、1300℃
    〜1600℃の温度範囲で加熱して、上記アルミニウム
    ドロス残灰から残留金属アルミニウムを酸化するととも
    に、窒素成分および塩素成分を除去することによりα−
    アルミナを得てセメント用の原料とすることを特徴とす
    るセメント用原料の製造方法。
  6. 【請求項6】 上記二酸化けい素を添加したアルミニウ
    ムドロス残灰に対する前段の加熱を、800℃〜100
    0℃の温度範囲で行なうことを特徴とする請求項5に記
    載のセメント用原料の製造方法。
  7. 【請求項7】 上記アルミニウムドロス残灰は、50重
    量%以下の金属アルミニウムを含むことを特徴とする請
    求項5または6に記載のセメント用原料の製造方法。
JP5260355A 1993-09-27 1993-09-27 アルミニウムドロス残灰の処理方法およびセメント用原料の製造方法 Pending JPH0796265A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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