JPH0751329A - 使用済み注射針の先端を熔解する装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】この発明は、治療用などに使用した注射針を安
全かつ簡便に処理し、廃棄処理以降も含めて２次感染な
どの事故を絶無にするものである。 【構成】回動自在な取付部に２っの電極を別個に取付
け、位置及び角度を常時最適状態に維持する絶縁ストッ
パーなどによって、各電極と注射針を無理なく確実に接
触させ、針の先端を熔解し、使用不能あるいは識別を容
易にする。注射針の挿入口を広くし、挿入を容易にする
と共に電極面の広い範囲をほぼ均一に利用する。遮蔽板
によってスパークの閃光の漏れを防ぐと共に、各々の回
動半径や垂直方向に対する傾きの角度を変えて、電極の
長寿命化をはかり、装置の信頼性と耐久性を高める。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、治療用などに使用し
た注射針を安全かつ簡便に処理するものである。

【０００２】

【従来の技術】使用済み注射針の先端を熔解して使用不
能にする際、注射針の胴部を先に電極に接触させ、続い
て先端部を他の電極に接触させることが困難であった。

【０００３】注射針の先端が鋭利なため、電極の接触面
を機械的に損傷させて、耐久性を損なうおそれがあっ
た。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】使用直後に注射針の先
端を安全かつ簡便に熔解して、２回以上の誤用を完全に
防止するために、熔解する装置の信頼性と耐久性を高
め、使用者が不安を抱くことなく積極的に活用するよう
にして、使用済み注射針による事故を絶無にしようとす
るものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明を図によって説
明すると、カーボンなどの電極Ａ（１）と電極Ｂ（２）
とを各々別個に、例えば非対称の蝶番などのような回動
自在な取付部Ａ（３）と、同様な蝶番などを例えば逆に
した回動半径が異なる取付部Ｂ（４）によって、絶縁ブ
ロックＡ（５）に取り付けると共に、電極Ａ（１）と電
極Ｂ（２）との位置及び角度を常時最適状態に維持する
絶縁ストッパーＡ（６）を設ける。

【０００６】例えば蓋案内板（１２）と蓋押え板（１
３）によって構成する枠内にあって、位置を上下にスラ
イドできる上蓋（８）と下蓋（９）の空隙を注射針（１
０）の挿入口にすると共に、例えば蝶番などのような回
動自在な取付部Ｃ（１４）を介して、遮蔽板（１１）を
絶縁ブロックＢ（１５）に設ける。

【０００７】電極Ａ（１）と電極Ｂ（２）との関係、及
び遮蔽板（１１）を設けた場合は電極Ｂ（２）と遮蔽板
（１１）との関係において、各々対向する相手の電極や
絶縁ストッパーなどと接触する位置における各々の回動
半径、又は垂直方向に対する傾きの角度を各々変えて、
もしくは角度と回動半径の各々の組合せにより、対向す
る相手との接触位置における水平方向への移動距離を、
電極Ａ（１）＞電極Ｂ（２）＞遮蔽板（１１）とする。

【０００８】

【実施例】使用電源は、低電圧の少電流で充分であり、
商用電源を変圧してもよく、蓄電池でもよい。断続的な
使用のため、コンデンサの充放電を応用すれば、さらに
小さな電源で間に合い、卓上型その他携帯も容易な小型
の装置でよい。

【０００９】電極Ａ（１）及び連動する電極Ｂ（２）の
位置を復元させるために、バネ（７）を備えてもよい。

【００１０】遮蔽板（１１）と電極Ｂ（２）との位置及
び角度を常時最適状態に維持するために、絶縁ストッパ
ーＢ（１６）を設けてもよい。

【００１１】いわゆるＣＲなどの簡単な火花消去回路
を、電極Ａ（１）及び電極Ｂ（２）と並列に、例えば絶
縁ブロックＡ（５）に取付けてもよい。

【００１２】上蓋（８）と下蓋（９）の位置は、注射針
（１０）を挿入し易いよう使用する場所や人に応じて、
任意にそれぞれスライドするとよい。

【００１３】引き出し受け皿（１８）を下部に設け、熔
解して落下した注射針（１０）の１部をまとめて処理す
るとよい。

【００１４】

【作用】注射針（１０）を挿入口に入れると、電極Ｂ
（２）の下端に弾力的に接触し、電極Ｂ（２）を斜め上
に回動させながら進み、絶縁ストッパーＡ（６）に押さ
れて後退しつつある電極Ａ（１）に、弾力的に突き当る
瞬間に通電して、注射針（１０）の先端を瞬時に加熱・
熔解し、変形及び変色させる。

【００１５】遮蔽板（１１）を設けた例では、注射針
（１０）を挿入口に入れると、遮蔽板（１１）の下端に
弾力的に接触してから、絶縁ストッパーＢ（１６）を押
して電極Ｂ（２）を少し回動させることにより、注射針
（１０）の先端が電極Ｂ（２）の壁面に突き刺さること
を防ぎ、両者の接触をより滑らかにする。

【００１６】対向する相手との接触位置における水平方
向への移動距離を、電極Ａ（１）＞電極Ｂ（２）＞遮蔽
板（１１）とすることにより、注射針（１０）と電極な
どとも接触がソフトになり、双方ともに無理がかからな
い。

【００１７】通電する瞬間の閃光は、遮蔽板（１１）を
設けることにより、ほとんど外部には漏れない。又、簡
単な火花消去回路によって、閃光は小さくなる。

【００１８】絶縁ストッパーＡ（６）あるいは絶縁スト
ッパーＢ（１６）を設けることにより、各々対向する相
手との位置及び角度を常時最適状態に維持すると共に、
電極Ａ（１）と電極Ｂ（２）とが直接に接触することも
完全に防げる。

【００１９】上蓋（８）と下蓋（９）の空隙つまり注射
針（１０）の挿入口の幅が広く、挿入を容易にすると共
に、電極の広い面をほぼ均一に利用できる。

【００２０】

【効果】この発明によって、注射針（１０）の先端が最
後に電極Ａ（１）に接触しスパークするので、確実に先
端部を熔解することができる。

【００２１】鋭利な注射針の先端が、電極Ａ（１）の表
面に衝撃的に接触しないため、電極面の機械的な損傷を
防止すると共に、電極Ａ（１）及び電極Ｂ（２）の双方
において、電極の広い範囲をほぼ均一に利用することに
より、繰返し使用による特定部分の磨耗を避けることが
でき、電極の寿命が著しく長くなる。その結果、良好な
電極面を長期間使用できると共に、メンテナンスも容易
となり、装置の信頼性と耐久性を高めることができる。

【００２２】使用済み注射針を使用直後に安全かつ簡便
に変形及び変色させることにより、使用不能あるいは識
別が容易となり、２回以上の誤用を完全に防止でき、廃
棄処理やリサイクルにおいても、使用済み注射針に起因
する２次感染などの事故を絶無にできる。

【００２３】

【図面の簡単な説明】

【図１】は、この発明の装置の内部の１例を示す側面
（１部断面）図、

【図２】は、図１に注射針を挿入した状態を示す側面
（１部断面）図、

【図３】は、装置の内部の１例を示す平面図、

【図４】は、装置の１例を示す正面図、

【図５】は、電極Ａの背面図、

【図６】は、電極Ｂの背面図、

【図７】は、遮蔽板の背面図である。

【符号の説明】

１ 電極Ａ ２ 電極Ｂ ３ 取付部Ａ ４ 取付部Ｂ ５ 絶縁ブロックＡ ６ 絶縁ストッパーＡ ７ バネ ８ 上蓋 ９ 下蓋 １０ 注射針 １１ 遮蔽板 １２ 蓋案内板 １３ 蓋押え板 １４ 取付部Ｃ １５ 絶縁ブロックＢ １６ 絶縁ストッパーＢ １７ 支持金具 １８ 引き出し受け皿 １９ 引き出し受け皿の把っ手 ２０ 筺体 ２１ ゴムマウント ２２ トランス ２３ 電源ランプ ２４ ブレーカースイッチ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】電極Ａ（１）と電極Ｂ（２）とを各々別個
   の取付部Ａ（３）と取付部Ｂ（４）によって、回動自在
   に絶縁ブロックＡ（５）に取付けると共に、電極Ａ
   （１）と電極Ｂ（２）との位置及び角度を常時最適状態
   に維持する絶縁ストッパーＡ（６）を備えた使用済み注
   射針の先端を熔解する装置。
2. 【請求項２】位置をスライドできる上蓋（８）と下蓋
   （９）の空隙を注射針（１０）の挿入口にすると共に、
   遮蔽板（１１）を設けた請求項１記載の使用済み注射針
   の先端を熔解する装置。
3. 【請求項３】電極Ａ（１）と電極Ｂ（２）及び遮蔽板
   （１１）を設けた場合は電極Ｂ（２）と遮蔽板（１１）
   についても、各々対向する相手の電極や絶縁ストッパー
   などと接触する位置において、注射針（１０）を挿入し
   た場合の水平方向への移動距離を電極Ａ（１）＞電極Ｂ
   （２）とし、遮蔽板（１１）を設けた場合は電極Ｂ
   （２）＞遮蔽板（１１）とした請求項１記載又は請求項
   ２記載の使用済み注射針の先端を熔解する装置。