JPH0751085A - ジアデノシン四リン酸の製造方法 - Google Patents
ジアデノシン四リン酸の製造方法Info
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- JPH0751085A JPH0751085A JP21910593A JP21910593A JPH0751085A JP H0751085 A JPH0751085 A JP H0751085A JP 21910593 A JP21910593 A JP 21910593A JP 21910593 A JP21910593 A JP 21910593A JP H0751085 A JPH0751085 A JP H0751085A
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- diadenosine tetraphosphate
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 ジアデノシン四リン酸を含有する溶液を陰イ
オン交換樹脂に接触させてジアデノシン四リン酸を吸着
させ,吸着させたジアデノシン四リン酸をpH及び塩濃
度の異なる溶液を用いて段階的に溶出することにより,
ジアデノシン四リン酸を溶出させる。 【効果】 ジアデノシン四リン酸を容易に,かつ高純度
で,しかも高収率で製造することができる。
オン交換樹脂に接触させてジアデノシン四リン酸を吸着
させ,吸着させたジアデノシン四リン酸をpH及び塩濃
度の異なる溶液を用いて段階的に溶出することにより,
ジアデノシン四リン酸を溶出させる。 【効果】 ジアデノシン四リン酸を容易に,かつ高純度
で,しかも高収率で製造することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,ジアデノシン四リン酸
(以下,Ap4Aと略称する。)を高収率で,かつ高純
度に製造することのできるAp4Aの製造方法に関する
ものである。
(以下,Ap4Aと略称する。)を高収率で,かつ高純
度に製造することのできるAp4Aの製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】Ap4Aは,DNA合成に対する作用,
血液凝固に関する作用,血管に対する作用〔クリニヒ・
ボッフェンシュリフト(Klinische Wochenschrift) 誌6
7,317-327(1989)〕等,様々な生理作用を有し,医薬品
および医薬品原料としての利用が期待されている物質で
ある。
血液凝固に関する作用,血管に対する作用〔クリニヒ・
ボッフェンシュリフト(Klinische Wochenschrift) 誌6
7,317-327(1989)〕等,様々な生理作用を有し,医薬品
および医薬品原料としての利用が期待されている物質で
ある。
【0003】このAp4Aは,主に2分子のアデノシン
ポリリン酸を酵素により縮合させる反応により製造され
るが,Ap4Aの反応液には未反応のアデノシンポリリ
ン酸〔アデノシン一リン酸(AMP) ,アデノシン二リン酸
(ADP) ,アデノシン三リン酸(ATP) 等〕及び酵素に由来
する蛋白質等の不純物を含有し,医薬品として適格性を
有するAp4Aを製造するには,この反応液に何らかの
精製手段を構じ,高純度のAp4A溶液を得ることが必
須不可欠である。
ポリリン酸を酵素により縮合させる反応により製造され
るが,Ap4Aの反応液には未反応のアデノシンポリリ
ン酸〔アデノシン一リン酸(AMP) ,アデノシン二リン酸
(ADP) ,アデノシン三リン酸(ATP) 等〕及び酵素に由来
する蛋白質等の不純物を含有し,医薬品として適格性を
有するAp4Aを製造するには,この反応液に何らかの
精製手段を構じ,高純度のAp4A溶液を得ることが必
須不可欠である。
【0004】従来より,Ap4Aの反応液から高純度A
p4Aの溶液を製造する方法としては,陰イオン交換樹
脂を用い,陰イオン交換樹脂にAp4Aを吸着させた
後,溶出液の塩濃度勾配によりAp4Aを溶出させる方
法などが知られている〔ジャーナル・オブ・オーガニッ
ク・ケミストリー(J.Org.Chem.)30,3381-3387(1965)
〕。
p4Aの溶液を製造する方法としては,陰イオン交換樹
脂を用い,陰イオン交換樹脂にAp4Aを吸着させた
後,溶出液の塩濃度勾配によりAp4Aを溶出させる方
法などが知られている〔ジャーナル・オブ・オーガニッ
ク・ケミストリー(J.Org.Chem.)30,3381-3387(1965)
〕。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来法で
は,Ap4Aと反応原料のAMP,ADP,ATPなど
の分離度が低いため,高純度のAp4Aを高収率で得る
ことは大変困難であった。
は,Ap4Aと反応原料のAMP,ADP,ATPなど
の分離度が低いため,高純度のAp4Aを高収率で得る
ことは大変困難であった。
【0006】本発明は,このような従来技術の欠点を解
消し,Ap4Aを高収率,かつ高純度に製造することの
できるAp4Aの製造方法を提供することを目的とする
ものである。
消し,Ap4Aを高収率,かつ高純度に製造することの
できるAp4Aの製造方法を提供することを目的とする
ものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは,このよう
な課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果,pH及
び塩濃度の異なる溶液を用いて段階的に溶出させれば,
Ap4Aを高収率,かつ高純度で得ることが可能である
ということを見い出し,本発明に到達した。
な課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果,pH及
び塩濃度の異なる溶液を用いて段階的に溶出させれば,
Ap4Aを高収率,かつ高純度で得ることが可能である
ということを見い出し,本発明に到達した。
【0008】すなわち,本発明は,Ap4Aを含有する
溶液を陰イオン交換樹脂に接触させてAp4Aを吸着さ
せ,吸着させたAp4AをpH及び塩濃度の異なる溶液
を用いて溶出させることを特徴とするAp4Aの製造方
法を要旨とするものである。
溶液を陰イオン交換樹脂に接触させてAp4Aを吸着さ
せ,吸着させたAp4AをpH及び塩濃度の異なる溶液
を用いて溶出させることを特徴とするAp4Aの製造方
法を要旨とするものである。
【0009】以下,本発明を詳細に説明する。本発明で
使用したAp4Aを含有する溶液を得る方法としては,
例えば,アミノアシル−tRNA合成酵素の触媒作用に
より,ATPまたはその誘導体とアミノ酸を反応させて
製造する方法〔モレキュラー・アンド・セルラー・バイ
オケミストリー(Mol.Cell.Biochem.) ,52,3-11(1983)
〕等が挙げられる。ここで用いるアミノアシル−tR
NA合成酵素としては,Ap4Aを合成する能力を有し
ているものであればいかなるものでもよいが,例えば,
大腸菌由来のリジル−tRNA合成酵素,ヒスチジル−
tRNA合成酵素,フエニルアラニル−tRNA合成酵
素,酵母由来のリジル−tRNA合成酵素,ヒスチジル
−tRNA合成酵素,フザリウム由来のフエニルアラニ
ル−tRNA合成酵素,バチルス ステアロサーモフイ
ルス等の耐熱性細菌由来のロイシル−tRNA合成酵
素,羊肝細胞由来のフエニルアラニル−tRNA合成酵
素等が挙げられる。また,アミノ酸としては,例えば,
チロシン,アラニン,ロイシン,イソロイシン,フエニ
ルアラニン,メチオニン,リジン,セリン,バリン,ア
スパラギン,アスパラギン酸,グリシン,グルタミン,
グルタミン酸,システイン,トレオニン,トリプトファ
ン,ヒスチジン,プロリン,アルギニン等のα−アミノ
酸が挙げられ,L体,D体のいずれでもよい。この時,
アミノアシル−tRNA合成酵素は,アミノ酸に特異性
のあるものが用いられ,例えば,ロイシンに特異性のあ
るものとしては,ロイシル−tRNA合成酵素が用いら
れる。
使用したAp4Aを含有する溶液を得る方法としては,
例えば,アミノアシル−tRNA合成酵素の触媒作用に
より,ATPまたはその誘導体とアミノ酸を反応させて
製造する方法〔モレキュラー・アンド・セルラー・バイ
オケミストリー(Mol.Cell.Biochem.) ,52,3-11(1983)
〕等が挙げられる。ここで用いるアミノアシル−tR
NA合成酵素としては,Ap4Aを合成する能力を有し
ているものであればいかなるものでもよいが,例えば,
大腸菌由来のリジル−tRNA合成酵素,ヒスチジル−
tRNA合成酵素,フエニルアラニル−tRNA合成酵
素,酵母由来のリジル−tRNA合成酵素,ヒスチジル
−tRNA合成酵素,フザリウム由来のフエニルアラニ
ル−tRNA合成酵素,バチルス ステアロサーモフイ
ルス等の耐熱性細菌由来のロイシル−tRNA合成酵
素,羊肝細胞由来のフエニルアラニル−tRNA合成酵
素等が挙げられる。また,アミノ酸としては,例えば,
チロシン,アラニン,ロイシン,イソロイシン,フエニ
ルアラニン,メチオニン,リジン,セリン,バリン,ア
スパラギン,アスパラギン酸,グリシン,グルタミン,
グルタミン酸,システイン,トレオニン,トリプトファ
ン,ヒスチジン,プロリン,アルギニン等のα−アミノ
酸が挙げられ,L体,D体のいずれでもよい。この時,
アミノアシル−tRNA合成酵素は,アミノ酸に特異性
のあるものが用いられ,例えば,ロイシンに特異性のあ
るものとしては,ロイシル−tRNA合成酵素が用いら
れる。
【0010】上記のような方法で得られたAp4Aを含
有する溶液中には反応生成物であるAp4Aと未反応の
AMP,ADP,ATP等が含まれている。また,酵素
及びそれに由来する蛋白質がそのまま含まれている場合
もある。本発明においては,前記のAp4Aを含有する
溶液をそのまま用いてもよく,また,膜や酸等により除
蛋白を行った溶液を用いてもよい。溶液のpHとして
は,Ap4Aの陰イオン交換樹脂への吸着にほとんど影
響を与えないので,特に限定されるものではないが,中
性付近が好ましい。
有する溶液中には反応生成物であるAp4Aと未反応の
AMP,ADP,ATP等が含まれている。また,酵素
及びそれに由来する蛋白質がそのまま含まれている場合
もある。本発明においては,前記のAp4Aを含有する
溶液をそのまま用いてもよく,また,膜や酸等により除
蛋白を行った溶液を用いてもよい。溶液のpHとして
は,Ap4Aの陰イオン交換樹脂への吸着にほとんど影
響を与えないので,特に限定されるものではないが,中
性付近が好ましい。
【0011】本発明で使用される陰イオン交換樹脂とし
ては,弱塩基性陰イオン交換樹脂を用いることが好まし
い。そのような弱塩基性陰イオン交換樹脂としては,例
えば,ダイアイオンWAシリーズ(三菱化成株式会社
製),ダウエックスWGRシリーズ(室町化学工業株式
会社製),セファデックスシリーズ(ファルマシア社
製)等が挙げられるが,中でも,吸着容量が大きく,粒
径が大きいもの(粒径200μm以上)を用いると,短
時間で溶出することができ効果的である。
ては,弱塩基性陰イオン交換樹脂を用いることが好まし
い。そのような弱塩基性陰イオン交換樹脂としては,例
えば,ダイアイオンWAシリーズ(三菱化成株式会社
製),ダウエックスWGRシリーズ(室町化学工業株式
会社製),セファデックスシリーズ(ファルマシア社
製)等が挙げられるが,中でも,吸着容量が大きく,粒
径が大きいもの(粒径200μm以上)を用いると,短
時間で溶出することができ効果的である。
【0012】本発明において,Ap4Aを含有した溶液
と前記陰イオン交換樹脂とを接触させる方法としては,
溶液と陰イオン交換樹脂とを直接攪拌するバッチ法や陰
イオン交換樹脂をカラムに充填し溶液を通液するカラム
法等が挙げられる。
と前記陰イオン交換樹脂とを接触させる方法としては,
溶液と陰イオン交換樹脂とを直接攪拌するバッチ法や陰
イオン交換樹脂をカラムに充填し溶液を通液するカラム
法等が挙げられる。
【0013】カラム法により行う場合は,陰イオン交換
樹脂をカラムに充填した後,Ap4Aを含有する溶液を
通液すればよい。この際用いる溶液の容量としては,樹
脂の体積に対して何倍量でもよく,通常,1〜100倍
量,好ましくは1〜10倍量が用いられる。また.この
場合の通液速度としては,特に限定されないが,一時間
当り三カラム体積付近が効率的であり好ましい。しか
し,吸着量は通液速度の影響をあまり受けないので,こ
れより大きな通液速度を用いてもよい。また,バッチ法
により行う場合は,適当な容器の中で陰イオン交換樹脂
とAp4Aを含有する溶液を十分混合,攪拌すればよ
い。この際,用いるAp4Aを含有する溶液の容量とし
ては,樹脂の体積に対して何倍量でもよく,通常,1〜
100倍量,好ましくは1〜10倍量が用いられる。吸
着後,濾過などにより樹脂と溶液とを分離する。
樹脂をカラムに充填した後,Ap4Aを含有する溶液を
通液すればよい。この際用いる溶液の容量としては,樹
脂の体積に対して何倍量でもよく,通常,1〜100倍
量,好ましくは1〜10倍量が用いられる。また.この
場合の通液速度としては,特に限定されないが,一時間
当り三カラム体積付近が効率的であり好ましい。しか
し,吸着量は通液速度の影響をあまり受けないので,こ
れより大きな通液速度を用いてもよい。また,バッチ法
により行う場合は,適当な容器の中で陰イオン交換樹脂
とAp4Aを含有する溶液を十分混合,攪拌すればよ
い。この際,用いるAp4Aを含有する溶液の容量とし
ては,樹脂の体積に対して何倍量でもよく,通常,1〜
100倍量,好ましくは1〜10倍量が用いられる。吸
着後,濾過などにより樹脂と溶液とを分離する。
【0014】溶出液としては,純水,pH緩衝液,塩酸
希釈液等の有機溶媒特にアルコール類を含まない溶液を
用いることができる。例えば,水,食塩水やリン酸,イ
ミダゾール,ヘペス,トリス,酢酸,グリシン等の緩衝
液が挙げられる。
希釈液等の有機溶媒特にアルコール類を含まない溶液を
用いることができる。例えば,水,食塩水やリン酸,イ
ミダゾール,ヘペス,トリス,酢酸,グリシン等の緩衝
液が挙げられる。
【0015】カラム法により行う場合,初めの溶出に用
いる溶出液の容量としては,不純物が十分に洗い流され
る量であればよく,通常,用いた樹脂の体積の10倍以
上,好ましくは50倍以上である。また,バッチ法によ
り行う場合に用いる溶出液の容量としては,不純物が十
分に溶出される量であればいくらでもよく,通常,樹脂
の体積に対して3倍量以上を用いて60回以上,好まし
くは100回以上溶出を繰り返す。この時の溶出液のp
Hとしては,酸性付近が好ましく,特に3以下が好まし
い。この溶出によって,不純物であるAMP,ADP,
ATP,蛋白質等が溶出される。
いる溶出液の容量としては,不純物が十分に洗い流され
る量であればよく,通常,用いた樹脂の体積の10倍以
上,好ましくは50倍以上である。また,バッチ法によ
り行う場合に用いる溶出液の容量としては,不純物が十
分に溶出される量であればいくらでもよく,通常,樹脂
の体積に対して3倍量以上を用いて60回以上,好まし
くは100回以上溶出を繰り返す。この時の溶出液のp
Hとしては,酸性付近が好ましく,特に3以下が好まし
い。この溶出によって,不純物であるAMP,ADP,
ATP,蛋白質等が溶出される。
【0016】次に,先程とはpH及び塩濃度の異なる溶
出液を用いて,陰イオン交換樹脂よりAp4Aを溶出さ
せる。カラム法により行う場合に用いられる溶出液の容
量としては,通常,用いた樹脂の体積と同量以上,好ま
しくは10〜30倍量を用いる。また,バッチ法により
行う場合に用いられる溶出液の容量としては,特に制限
されるものではないが,実用的には,樹脂の体積に対し
て10〜20倍量を用いるのが好ましい。溶出液のpH
としては,特に調整は必要としないが,中性付近が好ま
しい。
出液を用いて,陰イオン交換樹脂よりAp4Aを溶出さ
せる。カラム法により行う場合に用いられる溶出液の容
量としては,通常,用いた樹脂の体積と同量以上,好ま
しくは10〜30倍量を用いる。また,バッチ法により
行う場合に用いられる溶出液の容量としては,特に制限
されるものではないが,実用的には,樹脂の体積に対し
て10〜20倍量を用いるのが好ましい。溶出液のpH
としては,特に調整は必要としないが,中性付近が好ま
しい。
【0017】
【実施例】次に,本発明を実施例により具体的に説明す
る。
る。
【0018】参考例1 カラム法にてジアデノシン四リン酸(Ap4A)を高純
度に含む溶液を得るために,プロシーディング・オブ・
ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシス(Pr
oc.Natl.Acad.Sci.USA)誌86巻8275〜8279頁
(1989)に記載されているように,15mMのAT
P,30mMの塩化マグシウム,3mMの塩化亜鉛及び
3mMのイソロイシンを含む100mMのトリス塩酸緩
衝液(pH7.8)にイソロイシル−tRNAを加えて
反応を行い,Ap4Aを含有する溶液を得た。ここで用
いたイソロイシル−tRNAはフェブス・レターズ(FE
BSletters)誌185巻162〜164頁(1985)
に記載されているように,イソロイシル−tRNA合成
酵素遺伝子をセルフクローニングした大腸菌JE5506-pkD
15(微工研菌寄第11950 号)の培養液に,除核酸などの
前処理を行い,DEAE−セファロース,ヒドロキシア
パタイトカラムクロマトグラフィーで精製することによ
り,電気泳動的にほぼ単一なイソロイシル−tRNA合
成酵素を得た。
度に含む溶液を得るために,プロシーディング・オブ・
ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシス(Pr
oc.Natl.Acad.Sci.USA)誌86巻8275〜8279頁
(1989)に記載されているように,15mMのAT
P,30mMの塩化マグシウム,3mMの塩化亜鉛及び
3mMのイソロイシンを含む100mMのトリス塩酸緩
衝液(pH7.8)にイソロイシル−tRNAを加えて
反応を行い,Ap4Aを含有する溶液を得た。ここで用
いたイソロイシル−tRNAはフェブス・レターズ(FE
BSletters)誌185巻162〜164頁(1985)
に記載されているように,イソロイシル−tRNA合成
酵素遺伝子をセルフクローニングした大腸菌JE5506-pkD
15(微工研菌寄第11950 号)の培養液に,除核酸などの
前処理を行い,DEAE−セファロース,ヒドロキシア
パタイトカラムクロマトグラフィーで精製することによ
り,電気泳動的にほぼ単一なイソロイシル−tRNA合
成酵素を得た。
【0019】実施例1 参考例1で得られたAp4Aを含有する溶液1.84リ
ットル(不溶物濾過済み)を,ダイアイオンWA10樹
脂(三菱化成株式会社製)を充填したカラム(サイズ3
2mmΦ×45mm)に通液し,0.13MのNaCl
(pH2.0),0.13MのNaCl(pH4.
0),0.15MのNaCl(pH3.0)及び1Mの
NaCl(pH中性付近)で溶出を行った。通液速度
は、いずれも毎時84mlとした。Ap4Aを含有する
溶液(表中では反応液と示す)及び溶出液のそれぞれに
ついて,アナリティカル・バイオケミストリー(Anal.B
iochem. )誌134巻382〜392頁(1983)に
記載されているようにノバパック(NOVA-Pac) C-18 カ
ラム(ウォーターズ社製)を用い,30mMのリン酸緩
衝液(pH7.0)を移動相とした高速液体クロマトグ
ラフ法により成分の分析を行った。得られた結果を表1
に示す。
ットル(不溶物濾過済み)を,ダイアイオンWA10樹
脂(三菱化成株式会社製)を充填したカラム(サイズ3
2mmΦ×45mm)に通液し,0.13MのNaCl
(pH2.0),0.13MのNaCl(pH4.
0),0.15MのNaCl(pH3.0)及び1Mの
NaCl(pH中性付近)で溶出を行った。通液速度
は、いずれも毎時84mlとした。Ap4Aを含有する
溶液(表中では反応液と示す)及び溶出液のそれぞれに
ついて,アナリティカル・バイオケミストリー(Anal.B
iochem. )誌134巻382〜392頁(1983)に
記載されているようにノバパック(NOVA-Pac) C-18 カ
ラム(ウォーターズ社製)を用い,30mMのリン酸緩
衝液(pH7.0)を移動相とした高速液体クロマトグ
ラフ法により成分の分析を行った。得られた結果を表1
に示す。
【0020】
【表1】
【0021】実施例2 参考例1で得られたAp4Aを含有する溶液1.87リ
ットル(不溶物濾過済み)を,ダイアイオンWA10樹
脂(実施例1と同じもの)を充填したカラム(サイズ3
2mmΦ×45mm)に通液し,0.15MのNaCl
(pH2.5)及び1MのNaCl(pH中性付近)で
溶出を行った。通液速度は,いずれも毎時84mlとし
た。Ap4Aを含有する溶液(表中では反応液と示す)
及びそれぞれの溶出液について,実施例1と同様の方法
で成分の分析を行った。得られた結果を表2に示す。
ットル(不溶物濾過済み)を,ダイアイオンWA10樹
脂(実施例1と同じもの)を充填したカラム(サイズ3
2mmΦ×45mm)に通液し,0.15MのNaCl
(pH2.5)及び1MのNaCl(pH中性付近)で
溶出を行った。通液速度は,いずれも毎時84mlとし
た。Ap4Aを含有する溶液(表中では反応液と示す)
及びそれぞれの溶出液について,実施例1と同様の方法
で成分の分析を行った。得られた結果を表2に示す。
【0022】
【表2】
【0023】比較例1 参考例1で得られたAp4Aを含有する溶液2.1リッ
トル(不溶物濾過済み)を,ダイアイオンWA10樹脂
(実施例1と同じもの)を充填したカラム(サイズ32
mmΦ×45mm)に通液し,pHを調整していない
0.15MのNaCl(pH中性付近)及び1MのNa
Cl(pH中性付近)で溶出を行った。通液速度は,い
ずれも毎時105mlとした。Ap4Aを含有する溶液
(表中では反応液と示す)及びそれぞれの溶出液につい
て,実施例1と同様の方法で成分の分析を行った。得ら
れた結果を表3に示す。
トル(不溶物濾過済み)を,ダイアイオンWA10樹脂
(実施例1と同じもの)を充填したカラム(サイズ32
mmΦ×45mm)に通液し,pHを調整していない
0.15MのNaCl(pH中性付近)及び1MのNa
Cl(pH中性付近)で溶出を行った。通液速度は,い
ずれも毎時105mlとした。Ap4Aを含有する溶液
(表中では反応液と示す)及びそれぞれの溶出液につい
て,実施例1と同様の方法で成分の分析を行った。得ら
れた結果を表3に示す。
【0024】
【表3】
【0025】表1及び2に示すように,pH及び塩濃度
の異なる溶液を用いて段階的に溶出を行うと,高純度の
Ap4Aを,しかも高収率で得ることができる。一方,
表3に示すように,塩濃度のみの異なる溶液を用いて段
階的に溶出を行うと,得られたAp4Aの純度は低く,
さらに収率も低いことが明らかである。
の異なる溶液を用いて段階的に溶出を行うと,高純度の
Ap4Aを,しかも高収率で得ることができる。一方,
表3に示すように,塩濃度のみの異なる溶液を用いて段
階的に溶出を行うと,得られたAp4Aの純度は低く,
さらに収率も低いことが明らかである。
【0026】参考例2 粉体のATP3kg,塩化マグネシウム1kg,イソロ
イシン0.8g,イソロイシルt−RNA合成酵素溶液
(28MU/リットル)4.0リットル,イミダゾール
0.5kg,メタノール42kgを水に溶解し,反応さ
せてAp4Aを含有する溶液を得た。
イシン0.8g,イソロイシルt−RNA合成酵素溶液
(28MU/リットル)4.0リットル,イミダゾール
0.5kg,メタノール42kgを水に溶解し,反応さ
せてAp4Aを含有する溶液を得た。
【0027】実施例3 参考例2で得られたAp4Aを含有する溶液600リッ
トルを不溶物を濾過で除去した後,約2倍に希釈し,ダ
イアイオンWA10樹脂(実施例1と同じもの)を充填
したカラム(サイズ38cmΦ×50cm)に通液し,
0.13MのNaCl(pH2.5)8400リットル
を用いて十分に溶出を行った後,1MのNaCl(pH
中性付近)で溶出を行った。Ap4Aを含有する溶液
(表中では反応液と示す)及びそれぞれの溶出液につい
て,実施例1と同様の方法で成分の分析を行った。得ら
れた結果を表4に示す。
トルを不溶物を濾過で除去した後,約2倍に希釈し,ダ
イアイオンWA10樹脂(実施例1と同じもの)を充填
したカラム(サイズ38cmΦ×50cm)に通液し,
0.13MのNaCl(pH2.5)8400リットル
を用いて十分に溶出を行った後,1MのNaCl(pH
中性付近)で溶出を行った。Ap4Aを含有する溶液
(表中では反応液と示す)及びそれぞれの溶出液につい
て,実施例1と同様の方法で成分の分析を行った。得ら
れた結果を表4に示す。
【0028】
【表4】
【0029】表4に示すように,大スケールのカラム法
においても,pH及び塩濃度の異なる溶液を用いて段階
的に溶出を行うと,高純度のAp4Aを高収率で得るこ
とができる。
においても,pH及び塩濃度の異なる溶液を用いて段階
的に溶出を行うと,高純度のAp4Aを高収率で得るこ
とができる。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば,高純度のAp4Aを容
易に,しかも高収率で得ることができる。
易に,しかも高収率で得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中島 宏 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内
Claims (1)
- 【請求項1】 ジアデノシン四リン酸を含有する溶液を
陰イオン交換樹脂に接触させてジアデノシン四リン酸を
吸着させ,吸着させたジアデノシン四リン酸をpH及び
塩濃度の異なる溶液を用いて溶出させることを特徴とす
るジアデノシン四リン酸の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21910593A JPH0751085A (ja) | 1993-08-10 | 1993-08-10 | ジアデノシン四リン酸の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21910593A JPH0751085A (ja) | 1993-08-10 | 1993-08-10 | ジアデノシン四リン酸の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0751085A true JPH0751085A (ja) | 1995-02-28 |
Family
ID=16730339
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21910593A Pending JPH0751085A (ja) | 1993-08-10 | 1993-08-10 | ジアデノシン四リン酸の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0751085A (ja) |
-
1993
- 1993-08-10 JP JP21910593A patent/JPH0751085A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040203 |