JPH0750939A - 灌漑用膜材及び灌漑方法 - Google Patents

灌漑用膜材及び灌漑方法

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JPH0750939A
JPH0750939A JP31351693A JP31351693A JPH0750939A JP H0750939 A JPH0750939 A JP H0750939A JP 31351693 A JP31351693 A JP 31351693A JP 31351693 A JP31351693 A JP 31351693A JP H0750939 A JPH0750939 A JP H0750939A
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sheet
space
irrigation
water
sheets
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JP31351693A
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Masami Shiraishi
雅美 白石
Yoshihiko Hiraga
義彦 平賀
Masayuki Kobayashi
正幸 小林
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Shimizu Construction Co Ltd
Japan Gore Tex Inc
Kubota Corp
Shimizu Corp
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Shimizu Construction Co Ltd
Japan Gore Tex Inc
Kubota Corp
Shimizu Corp
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    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01GHORTICULTURE; CULTIVATION OF VEGETABLES, FLOWERS, RICE, FRUIT, VINES, HOPS OR SEAWEED; FORESTRY; WATERING
    • A01G25/00Watering gardens, fields, sports grounds or the like
    • A01G25/02Watering arrangements located above the soil which make use of perforated pipe-lines or pipe-lines with dispensing fittings, e.g. for drip irrigation

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  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Soil Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Water Supply & Treatment (AREA)
  • Environmental Sciences (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Heat Treatment Of Water, Waste Water Or Sewage (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡易に効率よく灌漑を行う。温水などの熱に
よって周囲が昇温して膜蒸留が困難になることを防止
し、また熱効率を向上させる。 【構成】 水性液体不透過性材料のシート1、疎水性多
孔質材料のシート2、水蒸気不透過性材料のシート3,
4からなる、少なくとも4枚の長尺状シートを重ね、そ
の長辺部分を接合して3つの内部空間を形成し、シート
1,2間の第1の空間には海水などの水性液体を供給
し、シート2,3間の第2の空間では第1の空間からシ
ート2を透過した水蒸気を捕集し、凝縮させ、シート
3,4間の第3の空間には第1の空間に供給される水性
液体より低い温度の液体を供給し、かつ第2の空間には
凝縮された水を排出するための開口部が形成された、灌
漑用膜材。この灌漑用膜材を畝間に配置して使用する。
特にシート1が太陽光に当たるような状態で配置するこ
とが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は灌漑用膜材及び灌漑方法
に係わる。より詳しくは、塩分などを含んだ水性液体を
太陽熱などを利用して蒸留し、得られた脱塩水を植物に
供給するための灌漑用膜材及びこれを用いた灌漑方法に
関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】疎水性
多孔質膜を利用し、膜蒸留の原理により塩水などから脱
塩水を得る方法が従来から提案されている。その1つで
ある特公平3−17526号公報に示されるように、温
塩水路とこれに隣接する疎水性多孔質層さらにそれに隣
接する冷却板とこれに隣接する冷却水路からなる多層構
造物をスパイラル状に巻いてハウジングに収容した蒸留
装置がある。これは長尺の仕切壁材や疎水性多孔質材を
重ねた後スパイラル状に巻いてハウジング内に収容し両
端部を接着剤によって固めて形成される。このことは、
この装置製造時に発生した不具合箇所や、使用中に発生
した破損、漏れ部分の修復が事実上不可能であることを
意味する。
【0003】さらに、特開昭62−236429号公報
に示されるように、疎水性多孔質材からなる中空構造体
を土中に埋設し、その内部に温塩水などを供給し疎水性
多孔質材を通して水蒸気を土中に放出し、植物に供給す
る方法が提案されている。この方法によると、土中に埋
設された中空構造体周辺の土壌が昇温して温塩水との温
度差がなくなると、もはや水蒸気の移動は起こらず、さ
らに土中に放出された熱エネルギーを回収することがで
きないため、熱効率が著しく悪いものにならざるを得な
かった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討を行った結果、温塩水流路、
蒸留水流路及び冷却水流路の3つの空間とこれらを形成
する4つの仕切壁からなる多層構造体を直接畝間表面に
敷設し、太陽熱により温塩水流路を直接加熱し、蒸留水
流路に部分的に設けた開口部から蒸留水を取出して植物
に供給することにより、簡便で効率的な灌漑が可能であ
ることを見出して、本発明を完成するに至った。
【0005】こうして、本発明によれば、第1のシート
は少なくとも水性液体不透過性材料からなり、その下に
位置する第2のシートは少なくとも疎水性多孔質材料か
らなり、第2のシートの下に位置する第3のシート及び
第4のシートは少なくとも水蒸気不透過性材料からな
る、少なくとも4枚の長尺状シートをお互いに重ねて、
その長辺部分を接合して少なくとも3つの内部空間を形
成した膜材であり、第1及び第2のシートの間に形成さ
れた第1の空間は海水などの水性液体を供給するための
ものであり、第2及び第3のシートの間に形成された第
2の空間は第1の空間から第2のシートを透過した水蒸
気を捕集し、凝縮させるためのものであり、第3及び第
4のシートの間に形成された第3の空間は第1の空間に
供給される水性液体より低い温度の液体を供給するため
のものであり、かつ第2の空間には凝縮された水を排出
するための開口部が形成されていることを特徴とする灌
漑用膜材と、この灌漑用膜材を用いた灌漑方法であり、
該灌漑用膜材を第1のシートが太陽光に当たるような状
態で畝間に配置し、第1の空間に海水などの水性液体を
供給し、第3の空間に該水性液体より低温の液体を供給
し、第2の空間の開口部から凝縮された水を排水して植
物に供給することを特徴とする灌漑方法とが提供され
る。
【0006】即ち、本発明の灌漑用膜材は、少なくとも
4枚の長尺状シート材料を垂直方向に重ねてなり、それ
らの長辺部分を接合することにより、少なくとも3つの
内部空間を形成する。図1にこの灌漑用膜材を模式的に
示すが、図1中、1は第1のシート、2は第2のシー
ト、3は第3のシート、4は第4のシート、11は第1
の空間、12は第2の空間、13は第3の空間、5は第
2の空間12からの開口部である。
【0007】第1のシートは、第2のシートと共に第1
の空間を形成し、この第1の空間には海水などの水性液
体が供給される。従って、第1のシートはこの水性液体
が漏出するものであってはならず、また水蒸気を透過し
ないものが好ましい。このような材料としては、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルなどの合成樹
脂充実シートや、ステンレス、チタンなどの金属シート
等が挙げられる。
【0008】また、本発明の灌漑方法の1つの態様にお
いて第1のシートに太陽熱吸収性の材料を用いることが
好ましいが、このためには第1のシートの太陽光暴露面
に太陽熱吸収性塗料を塗布したり、合成樹脂の場合は黒
色の顔料などを練り込んだものを用いることもできる。
あるいは、第1のシートを透明ないし半透明の太陽光透
過性のシートととすると共に、第2のシートを黒色など
にして太陽熱吸収性とすることもできる。
【0009】第2のシートは、疎水性多孔質材料からな
る。第1の空間に供給された水性液体の一部は、水蒸気
として第2のシートを透過して、第2の空間に移行す
る。従って、第2のシートは水性液体を透過させず、か
つ水蒸気を透過させるものでなければならない。このよ
うな疎水性多孔質材料としてはポリプロピレン、ポリエ
チレンなどのポリオレフィン類やポリフッ化ビニリデ
ン、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素樹脂類
を、延伸法などにより多孔質化したものが挙げられる。
とりわけ、特公昭51−18991公報等に記載される
延伸多孔質ポリテトラフルオロエチレンは、水蒸気透過
性、耐熱耐薬品性に優れ、本発明の目的に好適に使用で
きる。さらに、この疎水性多孔質シートはネット、不織
布などを積層することにより補強されていてもよく、ま
たポリウレタン樹脂、フッ素系イオン交換樹脂、フッ素
系親水性樹脂などの水性液体に不溶性でかつ水蒸気透過
性の樹脂からなる充実層と複合化してもよく、又これら
を併用してもよい。
【0010】第3のシートは、第2のシートと共に第2
の空間を形成する。第2の空間では第1の空間から第2
のシートを透過して移行してきた水蒸気を凝縮して水と
するため、第3のシートは凝縮水が透過するものであっ
てはならない。第3のシートは、また第4のシートと共
に第3の空間を形成する。第3の空間には第1の空間に
供給される水性液体より低温の液体が供給される。従っ
て、第3のシートは第2の空間に生成する蒸留水や第3
の空間を流れる冷却用の液体を透過するものであっては
ならず、また第4のシートは第3の空間を流れる液体を
透過するものであってはならない。さらに、第3のシー
トは、第3の空間の液体により冷却されやすいことが望
ましく、これにより第2の空間の凝縮効率を高めること
ができる。この観点から、第3のシート熱伝導性、厚さ
等を考慮することも必要である。
【0011】以上のことから、第3及び第4のシート材
料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化
ビニルなどの合成樹脂充実シートやステンレス、チタン
などの金属シートあるいはこれ等の複合材が挙げられ
る。
【0012】4枚のシートの接合方法は、接着剤を用い
る方法、熱融着による方法などの公知の方法が挙げられ
る。接着剤を用いる場合は、シートがポリエチレン、ポ
リプロピレンなどの接着性の悪い樹脂の場合にはプライ
マなどによる前処理が必要となる。また、熱融着の場合
は、ヒートシーラや熱ロールを用いた融着方法が採用さ
れる。以上述べたように、4枚のシート材により3つの
空間が形成されるわけであるが、これらの空間を保持す
るためにこれらの空間内に間隔保持材(スペーサ)を収
容することが好ましい。スペーサの材質としてはポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリウレタンなどの合成樹脂
や、ステンレス、チタンなどの金属が用いられる。その
形状はそれぞれの空間において液体の流れを妨害しない
ものであればよい。しかし、以上に述べた平面多層構造
の流路に液体を流すのであるが、この時液体をあまり高
い流速で流すと、即ち高い圧力をかけると、平面多層構
造体が膨張して、断面が円形になってしまう。この事は
即ち、第2のシートと第3のシートがたわんで波型にな
りこの二つのシートの間に蒸留水だまりができ、冷却効
果を低下させたり、スムーズな生産水の排出を妨げたり
する事になる。これを防ぐためには、シートやスペーサ
ーとして非常に剛性の高い、即ち曲げ強度の高い材料を
使ったり、多層構造体の外周部をさらに剛性の高い材料
で補強する方法が挙げられる。このような材料としては
厚さ1〜10mm程度の各種金属板やプラスチック板が好
適に用いられる。
【0013】また、蒸留水の取出口として、第2の空間
は開口部を形成する必要があるが、上記のシートの接合
時に第2のシートと第3のシートとの間に部分的に接合
しない箇所を形成することにより蒸留水の取出口とする
ことができる。また、細径のチューブや封筒状チューブ
を第2のシートと第3のシートの間に挟み込むようにし
て蒸留水取出口を形成してもよい。
【0014】また、図の横断面図に示すように、第3の
シート3と第4のシート4の接合部において、シート長
さ方向に間隔をおいて、第2の空間12につながる穴1
4を設けて蒸留水の取出口としてもよい。以上のように
して形成された多層構造膜材の寸法は、海水などの塩水
を用いて灌漑用の脱塩水を製造するという目的において
は如何なる寸法でも構わないが、実際問題としては1ユ
ニット当たり幅0.1〜1.0m、長さ5〜100mの
範囲となるであろう。もちろん、これらのユニットを直
列あるいは並列に接続して使用することが可能であり、
また垂直方向に多段に重ねて使用することも可能であ
る。
【0015】次に、以上のようにして形成された多層構
造膜材を用いて灌漑を行う場合について説明する。図3
は地表面に敷設された多層構造膜材の流路長さ方向の断
面図である。この多層構造膜材は太陽光暴露面(上側)
から順に、第1のシート1、第2のシート2、第3のシ
ート3、第4のシート4の配列で、これらのシートの間
に、同じく上側から順に、第1の空間11、第2の空間
12、第3の空間13が形成される。このように構成さ
れ、設置された多層構造膜材の第1の空間11に塩分な
どを含む加熱された水性液体を流し、第3の空間13に
第1の空間11に流れる液体より低温の冷却用液体を流
すと、第1の空間11と第3の空間13の間に存在する
温度差、さらにはそれに由来する蒸気圧差により、第1
の空間11から疎水性多孔質材である第2のシート2の
空孔部分を水蒸気が第2の空間2へ向かって移動する。
第2の空間2へ移動した水蒸気は第3のシート3の表面
で冷却され凝縮して蒸留水となる。
【0016】このような現象を安定的に起こすためには
多層構造膜材の長さ方向のどの部分においても温度差即
ち蒸気圧差が存在しなければならない。本発明の目的の
1つは、海水や多量の塩分を含んだ地下水、河川水、ま
た金属イオンなどを含んだ排水のようなそのままでは灌
漑用には不適当な水を用いて灌漑を行うことである。こ
れらの水を用いた実際的な灌漑方法の一例は、まず海水
などの液体を冷却用液体として、図3のAから第3の空
間13に導入する。この液体はAからBへ向かって流れ
るうちに第1の空間11からの伝熱により徐々に昇温す
る。次にBから取出した液体をCに導入する。この際、
太陽熱吸収装置などの加熱装置15を用いて液体をさら
に加熱することが望ましい。Cから導入された液体はD
へ向かって流れるうちに第2の空間12へ水蒸気を発生
させ、また第3の空間13へ向かって熱を移動させるた
めに徐々に温度が低下するが、各部分において常に第3
の空間13との間に温度差を有することになる。さら
に、第1のシート1が太陽熱吸収性を有している場合に
は、第1の空間11を流れる液体がさらに加熱されるこ
ととなり、第3の空間13との温度差がより安定的とな
る。このときには、第3の空間13を流れる液体は第1
の空間11からの熱を受けて相当加熱されている。この
熱が第4のシート4を通して地中に伝導することは熱効
率を低下させることになるので、第4のシート4を断熱
性のものにすることが好ましい。このような断熱性の材
料としては、発泡ポリエチレンや発泡ポリスチレンなど
や、これらとポリプロピレン、ポリエチレンシートや金
属シートと複合化させたものが挙げられる。このような
運転方法を採用すると、第2の空間12において水蒸気
が凝縮する際の潜熱や第1の空間11から移動してきた
熱を第3の空間13において回収することが可能にな
り、BからCの間における加熱を必要最小限に抑えるこ
とができるため、非常に熱効率のよい蒸留装置となる。
【0017】第2の空間12においては第1の空間11
から移動してきた水蒸気が凝縮して蒸留水となり、部分
的に形成された開口部より外部に流出する。開口部の間
隔は栽培する植物の間隔等に応じて適宜選定すればよ
い。また、開口部から細径のチューブなどを介して植物
の根元もしくは地中の根圏に直接蒸留水を供給すること
も可能である。さらに、開口部に接続したチューブをさ
らに分岐させることにより種々の植物栽培間隔に対応す
ることが可能になる。また、各蒸留水取出口における水
量を均一にするためには第3のシート3の水蒸気凝縮面
を親水性の材料により形成することが有効である。具体
的には、ステンレス、チタンなどの親水性の金属シート
や、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの疎水性の材料
においてはコロナ放電やスパッタエッチングなどの方法
により片面を親水化処理したものが挙げられる。さらに
厳密に制御する場合にはチューブ等の取出口にバルブな
どを取り付けることも可能である。
【0018】前記のように、各空間11〜13にスペー
サを配置することができるが、その形状としては、例え
ば、図4の(イ),(ロ)の如きものであることができ
る。すなわち、(イ)流路厚みを規定するロッド状部分
と、これらを横方向に連結する部分から成るネット状ス
ペーサーや、又、(ロ)、ロッド状部分のみから成るも
のなどが挙げられる。
【0019】さらに、本発明の灌漑用膜材は、上記の4
層3流路構造を基本として、図5(イ)に示す如く、第
4のシート4の下にさらに疎水性多孔質シートからなる
第5のシート5、水蒸気不透過性材料からなる第6のシ
ート6を付加して、6層5流路構造に発展させたり、あ
るいはさらに、これらの4層3流路構造や6層5流路構
造をユニットとしてこれらを多段に重ねた構造にするこ
とも可能である。図5(ロ)は4層3流路構造をユニッ
トとしてこれを3段に重ねた構造である。
【0020】また、本発明の灌漑用多層膜材を敷設する
方法としては、図4(イ)に示す如く、全ての畝21間
に敷設してよいが、植物の生育状況の観察や収穫の際
に、人または機械が畝間21’を通行する場合の邪魔に
なるので、図4(ロ)にように、畝21間に1本置きに
敷設することも可能である。図6(イ)(ロ)におい
て、21は畝又は植物、22は本発明の灌漑用膜材、2
3は海水などの供給流路、24は排水流路、25は加熱
装置である。
【0021】なお、本発明の灌漑用膜材は上記のように
地表面に置いて使用することを意図して考案されたもの
であるが、地中に埋設して使用することも可能である。
【0022】
【実施例】実施例1 第1、第3、第4のシートとして厚さ200μmのポリ
プロピレン製シート、第2のシートとして厚さ80μ、
空孔率80%の延伸多孔質ポリテトラフロロエチレン製
シートを用いて巾10cm、長さ1mの膜材(シート2の
有効面積:0.1m2 )を試作した。この膜材の第1の
空間及び第3の空間は厚さ4mmのポリプロピレン製スペ
ーサーネットを収容して形成し、生産水取出口は第2の
シートと第3のシートの間に内径1mm、外径2mmのポリ
エチレン製チューブを両端に3本づつはさみ込むように
して形成した。シート材の接合は大部分は熱融着によ
り、その他はポリプロピレン用ホットメルト接着剤を用
いて目どめを行った。温冷水用接続部は9.5mm×8.
3mmのポリプロピレン製パイプとし、膜材の端部とホッ
トメルト接着剤により接合した。温水は3.5wt%Na
Cl水溶液(電気伝導度54000μS/cm)をウォー
ターバスにて加熱し、ケミカルポンプにて循環させ、又
冷却水は水道水を使用した。その結果、下記に示すよう
に、安定的に塩分が除去された高品質の水を得ることが
できた。生産水の電気伝導度より塩分が除去されている
ことが確認された。
【0023】 温水入口 53℃ 生産水量 4.
22l/m2 ・hr 温水出口 47℃ 生産水電気伝導度 20
μS/cm以下 冷却水入口 19℃ 冷却水出口 27℃ 水流量 48l/hr
【0024】実施例2 実施例1において試作した多層膜材の第1のシートに黒
色の塗料を塗布し、太陽熱吸収性とし、太陽光の下で流
量、ウォーターバスの加熱等の条件は実施例1と同様に
して評価した。測定結果を以下に示す。 温水入口 53℃ 生産水量 4.
63l/hr 温水出口 48℃ 生産水電気伝導度 20
μS/cm 冷却水入口 19℃ 冷却水出口 28℃ 太陽熱を第1のシートにおいて吸収したため、温水出口
の温度が実施例1より上昇しており、さらに、そのこと
により生産水量も実施例1より増大していることがわか
る。
【0025】比較例 実施例1,2と同様の延伸多孔質PTFEシートを用い
て外径16mmのチューブ状中空構造体を試作し、本品1
m×2本を砂箱に埋設し、温水を通せるようにした。3
5wt%NaCl水溶液をウォーターバスにて50℃に加
温し、ポンプにて該チューブ内を循環させた。
【0026】砂中に放出され、凝集した水分を砂箱の重
量増加分として測定したところ、水生産量は運転開始後
約15分で頭打ちとなり、その後あまり増なかった。生
産水量を実施例1,2同一の単位で比較とすると、0.
85l/hr・m2 となり、実施例1,2に比べ著るしく
低かった。 温水入口 53℃ 温水出口 49℃ 流量 50l/hr
【0027】実施例3 実施例2に於いて試作した多層膜材31を用いて屋外に
て実際の植物栽培を行った。図7に示す如く、計6ケ所
の生産水取出口に細径チューブ32を取り付け、発芽後
2週間の百日草33の根もとに導入した。栽培土は10
0%砂を用い、対照区として同じく6本の百日草33を
植えた。
【0028】そして、温水34、冷却水35を流して、
1日当り6時間の運転を行い、水を生産したところ、水
取出口1ケ所当りの水生産量は平均770ml/hr(Ma
x.850ml,Min 560ml)であり、ほぼ均一で
あった。さらに3週間にわたり栽培を継続したところ、
百日草は6本とも順調に生育した。一方、対照区におい
ては一切水を与えず、またこの間、雨等もふらなかった
ので、試験開始3日後に完全にしおれ、さらに1週間後
には枯れてしまった。
【0029】
【発明の効果】本発明の灌漑用膜材によれば、海水な
ど、そのままでは灌漑に不適当な水を用いて、簡易に効
率よく灌漑を行うことが可能になる。また、温水に対し
て冷却水を用いるので、温水などの熱によって周囲が昇
温して膜蒸留が困難になることがなく、継続的に蒸留、
灌漑を行うことができると共に、熱効率も向上する。さ
らに、灌漑用膜材を土中に埋設する必要もないので、敷
設や補修などが容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の灌漑用膜材の模式図である。
【図2】本発明の灌漑用膜材の別の例の模式図である。
【図3】本発明の灌漑用膜材を地表面に配置した様子を
示す図である。
【図4】スペーサを示す模式図である。
【図5】本発明の灌漑用膜材の発展形態を示す模式図で
ある。
【図6】本発明の灌漑用膜材を畝場に配置する態様を示
す平面模式図である。
【図7】実施例の灌漑用膜材の敷設を示す図である。
【符号の説明】
1…第1のシート 2…第2のシート 3…第3のシート 4…第4のシート 5…開口部 11…第1の空間 12…第2の空間 13…第3の空間 15…加熱装置 21…畝(植物) 22…灌漑用膜材 23…海水供給路 24…排水路 25…加熱装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平賀 義彦 東京都中央区日本橋室町3丁目1番3号 株式会社クボタ内 (72)発明者 小林 正幸 東京都世田谷区赤堤1丁目42番5号 ジャ パンゴアテックス株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1のシートは少なくとも水性液体不透
    過性材料からなり、その下に位置する第2のシートは少
    なくとも疎水性多孔質材料からなり、第2のシートの下
    に位置する第3のシート及び第4のシートは少なくとも
    水蒸気不透過性材料からなる、少なくとも4枚の長尺状
    シートを互いに重ねて、その長辺部分を接合して少なく
    とも3つの内部空間を形成した膜材であり、第1及び第
    2のシートの間に形成された第1の空間は海水などの水
    性液体を供給するためのものであり、第2及び第3のシ
    ートの間に形成された第2の空間は第1の空間から第2
    のシートを透過した水蒸気を捕集し、凝縮させるための
    ものであり、第3及び第4のシートの間に形成された第
    3の空間は第1の空間に供給される水性液体より低い温
    度の液体を供給するためのものであり、かつ第2の空間
    には凝縮された水を排出するための開口部が形成されて
    いることを特徴とする灌漑用膜材。
  2. 【請求項2】 第1のシートが太陽熱吸収性の材料から
    なる請求項1記載の灌漑用膜材。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の灌漑用膜材を用い
    た灌漑方法であり、該灌漑用膜材を第1のシートが太陽
    光に当たるような状態で畝間に配置し、第1の空間に海
    水などの水性液体を供給し、第3の空間に該水性液体よ
    り低温の液体を供給し、第2の空間の開口部から凝縮さ
    れた水を排水して植物に供給することを特徴とする灌漑
    方法。
JP31351693A 1993-06-10 1993-12-14 灌漑用膜材及び灌漑方法 Withdrawn JPH0750939A (ja)

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