JPH07501819A - O−グリコシル化修飾による白血球および血小板のセレクチン依存性接着を阻害する方法 - Google Patents
O−グリコシル化修飾による白血球および血小板のセレクチン依存性接着を阻害する方法Info
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるため要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
O−グリコジル化修飾による白血球および血小板のセレクチン依存性接着を阻害
する方法発明の背景
セレクチンは、ELAM−1(内皮性白血球接着分子−1)、GNP−140(
CD62; PADGEM)およびLECCAM−1(7ウスのMel−14、
ヒトのLeu−8)を含む、分子のファミリーであり、特異的な炭水化物のエピ
トープを発現する血液細胞および腫瘍細胞の、内皮細胞(EC’ s)および血
小板への接着を主として媒介する。この分子は、N−末端レクチンドメイン(炭
水化物結合ドメイン)、表皮成長因子(EGF) ドメイン、補体制御性反復配
列、貫膜ドメインおよび細胞質C−末端ドメインからなる構造的モチーフを共有
する。
ELAM−1およびGMP−140のレクチンドメインは、炭水化物の構造物で
あるシアロシル(sialosyl) −Le (SLe ) (L。
weら、Ce1l、63: 475. 1990; Ph1llips ら、5
cience、250:1130、 1990; Po1leyら、Proc、
Natl、 Acad、 Sci、、 U、S、A。
、 88: 6224.1991)およびシアロシル−Le (SLe )Ha
ndaら、Biochem、 Biophys、 Res、 Commun、、
印刷中)に結合する。SLe およびSLe は、腫瘍関連抗原であるので(H
akomori、 Adv、 Cancer Res、、 52: 331.1
989 ) 、セレクチンは、血小板およびEC’ sへの腫瘍細胞の接着を決
定しくdefine)、転移を開始する重要な役割を果たすらしい(Hakom
ori、 Curr、 0pin、 Immunol、、 し646.1991
)。
炎症部位に補給される白血球と、活性化された血管系内皮細胞との相互作用、あ
るいは活性化された血小板との相互作用は、炎症における最初の事象である。し
かしながら、一般に、補給される白血球の数は過剰であり、その結果例えば、血
管壁を越えて周囲組織への白血球の浸潤、または白血球と血小板もしくは他の血
液細胞成分との凝集によって生じる塞栓および微小塞栓の発生、が起こる。
腫瘍細胞と活性化血小板または活性化血管系内皮細胞との相互作用は、白血球に
ついて上述されたものと類似の事象、つまり接着と塞栓および微小塞栓の発展を
引き起こし得る。腫瘍細胞の内皮細胞への接着、および腫瘍細胞の血管外遊出ま
たは血管外化(extravascularization)は、転移の初期の
事象と見なされている。
白血球または腫瘍細胞による、内皮細胞または血小板への接着ては、インターロ
イキン−1(IL−1)が白血球によって産生される。IL−1は、ELAM−
1の発現を誘導する。多くの腫瘍細胞が、内皮細胞を活性化しELAM−1発現
を誘導するTGFβまたはTNFαを産生ずる。さらに、白血球および腫瘍細胞
は両方とも、血小板を活性化しGMP−140発現を誘導する酵素性因子および
ADPを放出する。
ELAM−1およびGMP−140は、SLe またはSLe を発現する腫瘍
細胞または白血球の内皮細胞への接着を媒介するのに役立つ。同様に、GNP−
140を発現する活性化血小板は、SLe またはSLe を発現する腫瘍細胞
または白血球に接着する。
従って、セレクチン発現、あるいは白血球または腫瘍細胞上のSLe またはS
Le 発現の阻害により、白血球または腫瘍細胞の内皮細胞または血小板への接
着を最小にするか、または防止し、これにより血栓症/塞栓症、炎症、組織損傷
および、それから生じる転移を最小にするか、または防止することは、有益であ
ろう。
発明の概略
白血球または腫瘍細胞の内皮細胞または血小板への接着を最小にするか、または
防止する組成物および方法を提供することが本発明の目的であり、ここで接着は
内皮細胞または血小板上に発現されるセレクチンによって媒介されるものである
。
それおよび他の目的は、内皮細胞および血小板の表面上に発現されるセレクチン
分子のレクチンドメインによって認識され結合される、白血球または腫瘍細胞上
に発現される炭水化物構造物の発現を阻害するための、組成物および方法の開発
において達成されてきた。
本発明は、0−グリコジル化またはO−グリコジル化の伸長(extensio
n)を阻害することにより、SLe またはSLe の発現をブロックするため
の組成物および方法に関する。体系的な研究により、N−グリコジル化の阻害剤
ではなく、O−グリコジル化伸長の阻害剤が、白血球または腫瘍細胞によるSL
e またはSLe の発現をブロックし、それにより、白血球または腫瘍細胞の
内皮細胞および血小板への接着を阻害することが明らかにされた。
図面の簡単な説明
図IAおよびIBは、フローサイトメーター(flow cyt。
meter)で検出される蛍光細胞のグラフを示す。次に、Bz−a−GalN
Acで処理されていない、または処理されたHL60細胞を、SLe に特異的
に結合する抗体(SNH4)に曝しくexpose)、図IA[あるいは、構造
物0−r−GalNAcに結合する蛍光標識したカタツムリレクチン(Heli
x pomatia Iectin)に曝す、図IB]、および適切な蛍光で標
識した二次抗体に曝した。
これらのグラフは、細胞の数および種々のレベルの蛍光強度を示す。図IAでは
、−曲線は非処理肛60細胞を示し;−・−曲線はBz−a−GaINAcおよ
び5NH4で処理されたIIL60細胞を示し;そして−−一曲線はBz−a−
GalNAcおよびコントロールの抗体で処理されたHL60細胞を示す。図I
Bでは、−曲線は非処理11L60細胞を示し、および−・−曲線はレクチンに
曝すのに先立ってBz−α−GalNAcに曝した肛60細胞を示す。
図2Aおよび2Bは、N−グリコジル化阻害剤であるカスタノスペルミン(ca
stanospermine)およびスワインソニン(swainsonine
)に曝した肛60細胞を、フローサイトメーターでトレースしたものを示す。−
曲線は非処理HL60細胞を示し;−・−曲線はカスタノスペルミンおよび5L
eX抗体(SNH3は図2ASSNH4は図2B)で処理されたHL60細胞を
示し;−・・−曲線はスワインソニンで処理したHL60細胞を示し;そして−
一一一曲線はカスタノスペルミンで処理およびコントロールの非特異的マウスI
gGまたはIgM抗体で処理したHL60細胞を示す。
図3Aおよび3Bは、処理および非処理HL60、Co1o205およびU93
7細胞の、内皮細胞への結合(図3A)およびELAM−1でコートしたプレー
トへの結合(図3B)を示すグラフである。図3Aては、ソリッドバー(sol
id bar)は活性化されていない内皮細胞を示し、オープンバー(open
bar)は活性化された内皮細胞を示す。骨髄性)IL60細胞、結腸のCo
1o205腫瘍細胞および単球性U937白血病細胞は、Bz−α−GalNA
cに曝されなかった(−)か、または曝された(+)。
図4Aおよび4Bは、非活性化(ソリッドバー)および活性化(オープンバー)
内皮細胞に対する、細胞の結合(図4AではHL60、図4BではCo1o20
5 )を示す。抗ELAM−1は、ELAM−1に関する抗体である。DMNM
は、ジメチル−ノジリマイシンを示す。5WSNは、スワインソニンである。C
3TPは、カスタノスペルミンである。Bz−σ−G1cNAcは、ベンジル−
α−N−アセチルグルコサミンである。TMは、ツニカマイシンである。1lL
60細胞を、種々のグリコジル化阻害剤とともに培養し、トリチウム標識し、次
に内皮細胞の単層に添加した。ツニカマイシンは、Hし60細胞に毒性であった
。
図5Aおよび5Bは、非処理(−)ならびにBz−a−GalNAC処理(+)
HL60細胞およびU937細胞の、非活性化(ソリッドバー)または活性化(
オープンバー)血小板[図5Aはトロンビンで活性化し、図5Bは10−7M
(最終濃度)のホルボール12−ミリステートβアセテート(PMA)で活性化
した]との結合を示す。
発明の詳細な説明
本明細書で使用される場合、「細胞」は、核を有する、および血小板のような除
核された、エレメントを包含する。
「白血球」は通常、好中球、マクロファージおよびリンパ球を含む血液系および
リンパ系に関連する細胞、あるいはセレクチンに認識され結合されるリガンドを
発現する、あらゆる他の細胞である。
本発明は、セレクチンの結合機能を介して白血球および腫瘍細胞が内皮細胞およ
び血小板に接着する(セレクチン依存性接着)のを阻害するための、組成物およ
び方法に関する。それは、細胞を、O−グリコジル化またはO−グリコジル化伸
長の阻害剤に曝す(exposure)ことによって得られる。
糖タンパク質におけるグリコジル化は、(i)セリン(Set)もしくはスレオ
ニン(Thr)のO−グリコジル化;または(ii)アスパラギン(Asn)の
N−グリコジル化に基づく。1つの糖がアミノ酸残基に結合した後、炭水化物の
鎖は、最初に複合体化された糖に更なる糖残基を連続的に付加することにより、
成長(develop) L得る。従って、糖タンパク質の成長は、最初のグリ
コジル化と関連し、アミノ酸に付加したポリサッカライド鎖を形成するために、
モノサッカライド誘導体からの伸長を包含し得る。
N−グリコジル化または0−グリコジル化を修飾するとして知られる試薬が公知
である(例えば、N−グリコジル化の阻害剤が、Elbein、 Ann、 R
ev、 Biochem、、 56: 497.1987に論評されている)。
ジメチル−ノジリマイシン、ツニカマイシン、スワインソニンおよびカスタノス
ペルミン[シグマケミカル(Sigma Chemical Co、)、セント
ルイス、ミズーリ州、から入手される]は、N−グリコジル化の適切な阻害剤で
ある。
ベンジル−α−N−アセチルガラクトサミン(Bz−a−GalNAc) (同
様に、シグマから入手される)は、カタツムリレクチン(Helix poma
tia 1ectin)により認識されるエピトープである0−α−GalNA
cの蓄積を導くO−グリコジル化の伸長を阻害する(Kuan、 J、 Bio
l、 Chem、、 264: 19271.1989)。
他のO−グリコジル化およびO−グリコジル化伸長の阻害剤の同定は、Serま
たはThrの0−グリコジル化が起きたかどうか、および内部に含まれる糖鎖の
サイズ並びに糖残基が何であるかを決定するのに当該分野で既知の方法を使用し
て、為され得る。特異的な阻害剤が本発明の実施に使用され得るかどうかは、本
明細書に開示されている方法、あるいはセレクチン依存性接着がそれによって阻
害されるかどうかを決定するためのあらゆる他の同等の方法を実施して決定され
得る。
セレクチンによって認識されることが可能な、tlL60 (骨髄性細胞) 、
Co1o205 (結腸癌細胞)およびU937 (単球性白血病細胞)の、炭
水化物エピトープであるSLe およびSLe は、主として〇−結合鎖の形態
で存在する。N−結合鎖で存在するSLe またはSLe は、セレクチンとく
にELAM−1によっては有効に認識され得ない。〇−結合鎖、N−結合鎖また
はグリコスフィンゴリピッドで存在する同じエピトープの識別的認識のための正
確な原理は、いまだ不明のままであるが、〇−結合構造は、ムチン型の糖タンパ
ク質またはロイコシアリン(leukosialin)分子にしばしば観察され
るように、塊になる(clustered)傾向がある(Fukuda、 Gl
ycobiology、 1: 347.1991)。対照的に、N−結合構造
は、塊を形成しない。
Bz−α−GalNAcは、〇−結合炭水化物鎖の伸長を阻害する、0−グリコ
ジル化の修飾因子(modi f 1er)である。しかしながら、本発明の実
施の中で、他のO−グリコジル化阻害剤は、骨髄性細胞または腫瘍細胞のセレク
チン依存性接着をブロックするのに同程度か、より効果的であり得た。α−Ga
lNAcの全身的投与は胛前性であることが知られているため(Liehrら、
Virchows Arch、B Ce11. Path、、26: 331.
1978)、Bz−+−GalNAcを高濃度で含有するリポソームのような
マイクロカプセルを、抗Le または抗SLe モノクローナル抗体(mAb’
s)と複合体化し、それによって、Le またはSLe を発現する骨髄性ま
たは腫瘍性細胞のセレクチン依存性接着をブロックするこ、とを手段として、問
題の細胞の標的化および副作用の最小化を為し得る。あるいは、Bz−α−Ga
lNAcを含む、Le 発現リポソームが使用され得る。
Le 分子間の相互作用は知られており(Eggensら、J、 Bi。
1、 Chem、、 264: 9476、1989 ) 、そのようなリポソ
ームの適用は、Le ならびにSLe を発現する骨髄性細胞または腫瘍細胞を
効果的に標的化し得た。
0−グリコジル化またはO−グリコジル化伸長の阻害剤は、あらゆる種々の当該
分野で認識されている手段により、投与され得る。その手段、経路および治療上
の規制(regimen)は、医薬分野で既知のルーチンな手順に従って、決定
され得る。例えば、0−グリコジル化またはO−グリコジル化伸長の阻害剤、ま
たは医薬的に受容可能なその塩は、医薬を供給するために、医薬的に受容可能な
希釈剤、担体または賦形剤と混合され得る。医薬は、粉末、錠剤、ゲルまたは溶
液を含む、種々の形態をとり得る。医薬的に受容可能な希釈剤は、既知の緩衝剤
および塩類を含む。0−グリコジル化またはO−グリコジル化伸長の阻害剤の製
剤は、公知の経路、即ち、経口的、筋肉内的、経静脈的などで投与され得る。
上述したように、本発明は、マイクロカプセルを使用して実施され得る。リポソ
ームのようなマイクロカプセルの作製および使用は、当該分野で公知である。マ
イクロカプセルの使用は、より全身的な経路による投与に関連する、扱いにくい
副作用を伴うことなしに、有効成分の局所的な高濃度を確実にすることができる
。
医薬的に有効な用量の規制(regimen)は、患者の例えば、疾病、年齢お
よび体重に関連して変更し得る。適切な投薬量は、適切なインビトロ試験システ
ム、動物モデルおよび臨床治験を用いて決定される。適切な投薬量は、インビト
ロで約2 mMのBz−α−GalNAcに等しいものである。0−グリコジル
化またはO−グリコジル化伸長のより大きな阻害性活性を有する他の試薬は、適
切に少ない投薬量で投与され得る。
本発明の種々の局面は、以下の非制限的実施例の中で例示される。とくに言及さ
れることがなければ、すべての重量および容量は、w/vまたはv/vで示され
るものである。
実施例
11L60(CCL 200) 、Co1o205(CCL 222)および[
937(CRL 1593)を、ATCCから入手した。HUVEC’s (ヒ
ト謄静脈内皮細胞)を、セルシステムズ(Cell Systems) (カー
クランド、ワシントン州)から入手した。細胞を、ATCCにより推奨されるよ
うに、または公知の手順に従って、培養した。主としてベヴイラクア(Bevi
1acqua)らの方法(Proc、 Natl、 Acad、 SC’sを
、コンフルエントな単層として使用した。活性化のために、単層をIL−1に曝
した。
HL60、Co1o205およびU937の細胞を、培養の間、種々の阻害剤に
曝した。アッセイより3日前に、種々の阻害剤試薬を、指示された濃度で、細胞
培養物に添加した。次に、懸濁液を遠心分離し、それから得られた細胞ペレット
を、新しい培地に懸濁し、その後アッセイのために使用した。
Bz−a−GalNAcがO−グリコジル化を阻害したことを確認するために、
HL60細胞を、2 mMのBz−a−GalNAcに72時間曝し、続いて、
SLe に特異的な抗体である5NH3およびSNH4(Muroiら、Blo
od 、印刷中)およびSLe に特異的な抗体であるCA19−9(CA19
−9(ら、J、 Bio、 Chem、、 257: 14365. 1982
)に曝した。−次抗体を、2×105細胞当たり2−5μg/mlの濃度で使用
した。実験では、コントロール抗体として、シグマから入手したマウスIgGま
たはIgMを使用した。
二次抗体は、タボコーポレーション(Tago Co、) (バーリンゲイム、
カリフォルニア州)から入手した、適切に滴定されたFITC標識したヤギ抗マ
ウスIg抗体であった。標識細胞の数、およびその蛍光の程度を、エピマウス・
プロフィールフローサイトメーター(Epics Profile) [=7ウ
ルター(Coulter) 、ヒアo−(Hialeah) 、フロリダ州コで
評価した。
2 mMのBz−+−GalNAcの存在下に72時間細胞を培養すると、抗S
Le モノクローナル抗体(mAb’ s)である5NH3およびSN旧との反
応性による測定として、SLe 発現の完全な、または殆ど完全なブロックを生
じた。5NH3との僅かな残留的反応が、HL60細胞について観察された。B
z−α−Ga I NAcと共に培養されたCo1o205およびU937細胞
については、5NH3あるいは5NH4に対しても、抗SLe モノクローナル
抗体(mAb)であるCA19−9に対しても、反応はなかった。Bz−+−G
alNAcの効果を反映する、HL60細胞に関するフローサイトメトリーのパ
ターンは、図IAに示される。Bz−4−にalNAc処理された細胞のみが、
5NH4に対し大きく低下した反応性を示した(図IA)。
処理された、および非処理の肛60細胞もまた、適切に滴定されたFITC標識
したカタツムリレクチン(シグマ)に曝され、フローサイトメーターで分析され
た。HL60細胞をBz−a−GalNAcに曝露した結果、a−GalNAc
を認識するカタツムリレクチンとの有意な反応が生じた。Bz−α−GalNA
cは、細胞表面での〇−結合炭水化物の鎖伸長をブロックし、鎖伸長なしに〇−
結合α−GalNACの蓄積を生じる(図IB)。
0−グリコジル化修飾の効果とは対照的に、N−グリコジル化に影響する試薬、
例えば10μg 7mlスワインソニンおよび100μg 7mlカスタノスペ
ルミン(これらは、N−結合複合体型構造の形成をブロックする)は、SLe
発現に対する阻害効果を有しなかった(BL60細胞に対するそれら試薬の効果
については、図2Aおよび2Bを参照)。スワインソニンは、それら細胞でのS
Le 発現に対して無視してよいほどの効果を有しただけだが、カスタノスペル
ミンは、SLe 発現を僅かに増大させた(図2Aは、5NH3との反応;図2
Bは、5NH4との反応)。スワインソニンは、11L60細胞の活性化HUV
EC’ sへの接着を僅かに減少させた(図4を参照)。
処理された細胞の内皮細胞への結合能力を評価するために、コンフルエンシーま
で培養されたHUVEC’ sを、I U/mlのインターロイキン−1β(ル
ー1)で4時間刺激した。次に、Bz−α−GalNAcによるO−グリコジル
化阻害をされた、またはされていない、既知の手順に従って[3■]チミジンで
代謝的に標識された、HL60、Co1o205またはU937細胞を、単層に
添加した。1時間インキュベートした後、放射性カウントを細胞数に転換するこ
とによって、接着細胞を定量した(図3Aおよび3B)。
2、mMのBz−a−GalNAcで処理されたそれらの細胞のみが、刺激され
たHUVEC’ sへの接着の明らかな阻害を示した(図3 A) 。Bz−+
−GalNAc処理された細胞のみがELAM−1でコートされたプラスチック
プレート上の接着の有意な減少を示したので、この効果は明らかにELAM−!
依存性接着の消失に起因する(図3 B ) 。Bz−a−Ga、1NAcの阻
害性効果は、HL60およびCo1o205細胞について明らかであったが、U
937細胞については幾分弱かった(図3A)。[メリーランド州、ロツクヴイ
レ、オーツカアメリカ(Otsuka America)のウォルター・ニュー
マン(Waiter Newman)博士から入手したELAM−1タンパク質
を、PBS中0.5μg /mlのアリコート50μlを、ファルコンプロビン
ド(Falcon Probind)プレートのウェルに加えた。プレートを、
−晩4℃でインキュベートし、ウェルをPBSで洗浄し、そして使用の前に、1
%BSA溶液でブロックした。]
種々のN−グリコジル化阻害剤(100μg 7mlカスタノスペルミン、10
μg 7mlスワインソニンおよび100μg /mlジメチルーノジリマイシ
ン)の存在下での細胞の培養は、HL60またはCo1o205細胞においてS
Le またはSLe の発現を阻害せず、それら細胞のHUVEC’ sへの接
着にも影響しなかった(図4A)。カスタノスペルミンは、肛60細胞における
SLe 発現を実際に増加させたが(図IB)、この阻害剤は、HL60細胞の
HUVEC’ Sへの接着を僅かに減少させた(図4A)。
SLe 発現Co1o205細胞の活性化HUvEC′Sへの接着もまた、0.
5μg 7mlツニカマイシンを含む種々のN−グリコジル化阻害剤によっては
影響されなかった(図4B)。活性化HUVEC’ s上の、HL60およびC
o1o205の両方の細胞の接着は、2 mWのBz−a−GalNAcにより
阻害され、同様ニ2mMノ濃度で使用された異性体のBz−+−G1cNAcに
よっては阻害されなかった(図4Aおよび4B)。5μg /mlの濃度のEL
AM抗体(J、 Imm、、 145: 819.1990) ヘの曝露は、結
合を阻害した。この結果は、N−グリコジル化された側鎖上に存在するSLe
エピトープが、セレクチンによって適切に認識されないことを示唆する。
トロンビンにより、またはホルボール12−ミリステート13−アセテート(P
MA)により活性化された血小板への、HL60およびU937細胞の接着に対
する、Bz−+−GalNAcの効果を測定した。血小板を、「血小板豊富な血
漿」 (オレゴン赤十字、ポートランド、オレゴン州)から分離した。混入赤血
球を、遠心分離(80xg、 10分間)により取り除いた。血小板を、遠心分
離(300xg 、 10分間)により得て、22 mMのクエン酸三ナトリウ
ムおよび0.35%BSAを含むタイロード緩衝液(pH6,5)中で1回洗浄
し、そして同じ緩衝液に1×109血小板/mlの濃度に再懸濁した。全ての手
順は、室温で行った。
pH7,2のタイロード緩衝液中の血小板懸濁液(1×1087m1)に、トロ
ンビン(最終濃度I U/ml )またはPMA (最終濃度10’ M)を添
加し、その混合物を攪拌することなく、37℃で10分間インキュベートした。
48ウエルプレート[コスタ−サイエンティフィック(Costar 5cie
ntific) 、ケンブリッジ、マサチューセッツ州]の各ウェルを、PBS
中ポリL−リジン溶液(100μg /ml)で満たし、1時間インキュベート
した。次に、各ウェルを、PBSで洗浄し、BSAでブロックし、そして6×1
07血小板を含む150μlのPBSを添加した。プレートを遠心分離(300
xg 、7分間)し、さらに室温で30分間インキュベートした。
結合した血小板を、PBS中0.1%グルタルアルデヒドを添加して、2分間4
℃で固定した。各ウェルを、PBS中10 myグリシンで洗浄し、そしてプレ
ートを、PBS中 5%BSAを含む0.1%アジ化ナトリウム、10mMグリ
シンとともに1時間、室温でインキュベートした。培養培地(5% Fe2を含
むRPMI 1640 ’)で洗浄した後、[3■]チミジンで標識した1×1
06のHL60細胞またはU937細胞を、各ウェルに添加した。室温で45分
間インキュベーション後、非結合細胞を吸引し、ウェルを培地(5%FC3を含
むRPMI 1640 ’)で1回洗浄した。結合細胞を、PBS中0.05%
トリプシン−0,02%EDTA [アーヴインサイエンティフィック(Irv
ine 5cientific) ]で脱離し、液体シンチレーションカウンタ
ーで計数した。
活性化血小板上の、肚60およびU937の両方の細胞の接着は、細胞がBz−
α−GalNAcで前処理されたときには、有意に減少した。この効果は、トロ
ンビンで活性化された血小板(図5A)およびPMAで活性化された血小板(図
5B)の両方で観察された。
本発明は、特定の実施態様および実施例を参考にして詳しく例示されたが、種々
の変化および修飾が、本発明の精神および範囲から逸脱することなく為され得る
ことは明らかであろう。
フロントベージの続き
(72)発明者 ハンダ カズコ
アメリカ合衆国 98119 ワシントン シアトル スウィート 305 エ
リオットアベニュ ウェスト 201 ザ バイオメンブレン インスティテユ
ート内
(72)発明者 ハコモリ センイチロウアメリカ合衆国 98119 ワシン
トン シアトル スウィート 305 エリオットアベニュ ウェスト 201
ザ バイオメンブレン インスティテユート内
Claims (15)
- 1.O−グリコシル化阻害剤またはO−グリコシル化伸長阻害剤、または医薬的 に受容可能なその塩、および医薬的に受容可能な希釈剤、担体または賦形剤を含 有する治療用組成物。
- 2.前記阻害剤がベンジル−α−N−アセチルガラクトサミンである請求項1に 記載の組成物。
- 3.前記阻害剤がマイクロカプセル中に含まれる請求項1に記載の組成物。
- 4.前記マイクロカプセルがその外部表面上にLex、シアリル(sialyl )LexまたはシアリルLeaに特異的に結合可能なリガンドを付着した請求項 3に記載の組成物。
- 5.前記リガンドがLexである請求項4に記載の組成物。
- 6.前記リガンドが抗体である請求項4に記載の組成物。
- 7.第二の細胞上に発現されるセレクチンにより特異的に結合されるリガンドを 発現する第一の細胞を有効量のO−グリコシル化阻害剤またはO−グリコシル化 伸長阻害剤に曝すことを包含する細胞の相互作用を阻害する方法。
- 8.前記阻害剤がシアリル(sialyl)−Lex、シアリルーLeaまたは Lexの発現を減少させる請求項7に記載の方法。
- 9.前記阻害剤がベンジル−α−N−アセチルガラクトサミンである請求項7に 記載の方法。
- 10.前記第二の細胞が内皮細胞または血小板である請求項7に記載の方法。
- 11.前記第一の細胞が白血球または腫瘍細胞である請求項7に記載の方法。
- 12.前記阻害剤がマイクロカプセル中に含まれる請求項7に記載の方法。
- 13.前記マイクロカプセルがその外部表面上にLex、シアリル(sialy l)LexまたはシアリルLeaに特異的に結合可能なリガンドを付着した請求 項12に記載の方法。
- 14.前記リガンドがLexである請求項13に記載の方法。
- 15.前記リガンドが抗体である請求項13に記載の方法。
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