JPH0749999B2 - 赤外線放射温度測定方法、そのための空間感度分布測定方法、測定用装置及び熱拡散率測定方法 - Google Patents

赤外線放射温度測定方法、そのための空間感度分布測定方法、測定用装置及び熱拡散率測定方法

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JPH0749999B2 JP25905688A JP25905688A JPH0749999B2 JP H0749999 B2 JPH0749999 B2 JP H0749999B2 JP 25905688 A JP25905688 A JP 25905688A JP 25905688 A JP25905688 A JP 25905688A JP H0749999 B2 JPH0749999 B2 JP H0749999B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、赤外線検出系を用いて、温度分布を有する物
体の表面温度を非接触で測定する赤外線放射温度測定方
法、前記赤外線検出系に特徴的な空間感度分布を測定す
る空間感度分布測定方法、そのための測定用装置、及
び、前記赤外線放射温度測定方法を利用した熱拡散率測
定方法に係り、特に、レーザフラツシユ法により薄膜状
物質の熱物性を非接触で測定する際に用いるのに好適
な、温度分布を有する物体の表面温度を高い空間分解能
で測定することが可能な赤外線放射温度測定方法、その
ための空間感度分布測定方法、測定用装置、及び、熱拡
散率測定方法に関するものである。
【従来の技術】
物体表面の温度を測定することは、あらゆる産業におい
て重要な技術である。例えば、製造プロセスの工程管
理、あるいは、製品の熱物性を測定することにより行う
品質管理等で、物体の表面温度を測定することは不可欠
である。 物体の表面温度を測定する方法には、大別して、接触式
と非接触式とがある。 前者の接触式は、測定対象に熱電対等の温度センサを直
接接触させ、その表面の温度を測定しようとするもので
ある。しかしながら、この方法では、温度センサと測定
対象表面との接触面あるいは接触圧により、安定した温
度が測定表示されない場合がある。又、微細な物体の温
度を測定する際には、温度センサを接触させることによ
つて、測定対象の熱の分布に変化が発生し、必ずしも測
定対象物体の温度を正確に測定できない場合がある等の
問題点を有していた。 一方、後者の非接触式は、例えば特開昭63−58242に開
示されている如く、測定対象に、測定器あるいは測定セ
ンサを直接接触させることなく、例えば赤外線領域の放
射を検出素子で捉えて測定しようとするものである。こ
の方法は、前者の接触式に比べて、測定器を物体近傍に
設置し、センサを物体に接触させることが困難な場合
や、あるいは、センサそれ自体が物体の温度に攪乱を与
えることを防ぐという点で優れている。 しかしながら、赤外線検出系を用いて物体の表面温度を
非接触で測定する際には、次のような問題点があつた。
即ち、物体表面からの放射光を例えばレンズを用いて集
光して、赤外線検出器に導く場合に、測定対象の空間分
解能が最低でも数mmという大きな値になつてしまい、0.
1〜0.01mmのオーダーでの微小な温度分布のある測定対
象では、正確に温度分布を測定することができない。例
えば、第7図(A)に示す如く、測定対象である平板10
上に非常に狭い高温部12がある時、該平板10表面からの
放射光をレンズ14を用いて集光して赤外線検出器16に導
いた場合、実際の温度分布は、第7図(B)で示す如く
であるのに対して、前記赤外線検出器16で測定された温
度分布は、第7図(C)に示す如くとなり、検出される
波形がなまつてしまい、不正確な空間分布となる。特
に、前記高温部12がある間隔以上狭い間隔で並んでいる
ときには、測定される温度分布が重なつてしまつて、両
者を分離して検出することが不可能となり、充分な空間
分解能を得ることはできなかつた。
【発明が達成しようとする課題】
本発明は、前記従来の問題点を解消するべくなされたも
ので、温度分布を有する物体の表面温度を、高い空間分
解能で測定することが可能な赤外線放射温度測定方法を
提供することを第1の課題とする。 又、本発明は、前記赤外線放射温度測定方法を実施する
際に必要な、赤外線検出系に特徴的な空間感度分布を測
定することが可能な空間感度分布測定方法を提供するこ
とを第2の課題とする。 又、本発明は、前記空間感度分布を測定するための装置
を提供することを第3の課題とする。 又、本発明は、前記赤外線放射温度測定方法を利用し
た、高精度の熱拡散率測定方法を提供することを第4の
課題とする。
【課題を達成するための手段】
本発明は、赤外線検出系を用いて、温度分布を有する物
体の表面温度を非接触で測定する際に、前記検出系に特
徴的な空間感度分布を測定し、該空間感度分布を用い
て、検出系による物体表面の実測温度分布を補正するこ
とにより、物体表面の実際の温度分布を求めるようにし
て、前記第1の課題を達成したものである。 又、本発明は、赤外線検出系に特徴的な空間感度分布を
測定するに際して、放射される赤外線の強度分布がステ
ツプ状に変化する測定面を作り、前記検出系を用いて、
該測定面の境界線に直交する方向に沿う温度分布を測定
し、該温度分布を、前記検出系の境界線からの距離で微
分することによつて、検出系の空間感度分布を求めるよ
うにして、前記第2の課題を達成したものである。 又、本発明は、赤外線検出系に特徴的な空間感度分布を
測定するための装置を、放射される赤外線の強度分布が
ステツプ状に変化するようにされた測定面と、他の面を
周囲から断熱するための断熱面と、前記測定面と断熱面
によつて形成される恒温槽の内部を、所定の一定温度に
維持するための温度調整手段とを用いて構成することに
より、前記第3の課題を達成したものである。 又、本発明は、薄膜状の試料に所定断面形状のレーザビ
ームを瞬間的に照射し、試料の温度上昇曲線を示す赤外
線検出器で測定することにより、試料の熱拡散率を求め
るに際して、レーザビームの照射によつて生じる温度上
昇による温度分布関数を、赤外線検出器で、その空間感
度分布を含んだまま測定し、試料の熱拡散率に直接関係
する装置定数を、レーザビームの照射位置からの距離の
関数として、理論的な温度分布関数を計算することによ
り決定しておき、該距離rと、レーザビームの照射開始
から温度上昇がその最大値の半分に到達する迄の時間か
ら、試料の熱拡散率を求めるようにして、前記第4の課
題を達成したものである。
【作用及び効果】
第7図に示したように、実際の温度分布(第7図
(B))が、その測定対象点の周辺の温度の影響を受け
て、空間分解能が低下することを防ぐためには、その検
出系(物体とレンズ、レンズと検出器間の距離、レン
ズ、検出器等)での測定対象点からの距離に対応した感
度を、別の測定対象物から求め、その感度特性で測定温
度を補正すればよい。 即ち、例えば第1図(A)に示す如く、放射される赤外
線の強度分布I(x)がステツプ状に変化する測定面20
を作り、レンズ14及び赤外線検出器16を含む赤外線検出
系を用いて、該測定面20の境界線20A(r=0)に直交
する方向(x方向)に沿う温度分布関数U(r)を測定
する。測定される温度分布関数U(r)は、例えば第1
図(B)に示す如くとなるが、この温度分布関数U
(r)は、検出系の空間感度分布をS(x)とすると、
次式に示す如くとなる。 ここで、rは、x方向で境界線20Aから測定用光学系の
焦点までの距離である。 この(1)式において、赤外線の強度分布I(x)は、
原理的にはステツプ関数であり、例えば次式のように表
わすことができる。 従つて、(1)式を距離rで微分すると、次式に示す如
くとなる。 {∂U(r)}/(∂r)=(a−b)S(r)………
(3) ここで、a、bは設定温度であり、実験的に所定の温度
に設定できる。又、U(r)は、測定された温度分布で
既知であるので、この(3)式から検出系の空間感度分
布S(x)を決定することができる。 このようにして決定した、例えば第1図(C)に示すよ
うな検出系の空間感度分布S(x)と、例えば第1図
(B)に示したような温度分布関数U(r)を再び前出
(1)式に代入すると、物体表面の実際の赤外線強度分
布I(x)、即ち温度分布を求めることができる。 従つて、検出系に特徴的な空間感度分布S(x)を予め
測定しておき、該空間感度分布S(x)を用いて、検出
系による物体表面の実測温度分布U′(r)を補正すれ
ば、例えば第1図(D)に示すような物体表面の温度分
布I′(x)を得ることができ、これは、実際の赤外線
の強度分布I(x)(第1図(A))に近いものとな
る。よつて、検出器単体の空間分解能が低い場合であつ
ても、空間分解能を向上させて、温度分布のある測定対
象についても、正確に温度分布を測定することが可能と
なる。 前記赤外線検出系に特徴的な空間感度分布S(x)は、
例えば第2図に示すような装置を用いて測定することが
できる。 この装置は、放射される赤外線の強度分布がステツプ状
に変化するようにされた測定面20と、他の面を周囲から
断熱するための断熱面22と、前記測定面20と断熱面22に
よつて形成される恒温槽24の内部を、所定の一定温度に
維持するための温度調整手段としての湯26及び温度計28
と、を含んでいる。 前記測定面20は、例えば厚さ0.3mm程度の真鍮板で形成
し、その半分(図の手前側)には、カーボンを一様に塗
布して、該測定面20のカーボン塗布面20Cと裸の真鍮面2
0Bの間で、前出(2)式で示した如く、放射される赤外
線の強度分布I(x)が、ステツプ状に変化するように
されている。 この測定面20は、温度分布関数U(r)を測定する間
中、恒温槽24内の湯26によつて、一定温度を維持するよ
うにされる。 又、前記断熱面22は、熱のリークを減らすために、例え
ば発泡性プラスチツクで作ることができる。 このような装置を用いて、第2図に示す如く、試料の代
わりに測定面20を検出系の焦点面に配置して、赤外線検
出器16及びレンズ14を含む検出系により、前記測定面20
の境界線20A(r=0)に直交するx方向に沿う温度分
布関数U(r)を測定し、該温度分布関数U(r)を、
前記検出系の境界線20Aからの距離rで微分することに
よつて、検出系の空間感度分布S(x)を容易に求める
ことができる。 又、薄膜状の試料に所定断面形状のレーザビームを瞬間
的に照射し、試料の温度上昇曲線を赤外線検出器で測定
することにより、試料の熱拡散率を求めるに際して、レ
ーザビームの照射によつて生じる温度上昇Tによる温度
分布関数U(αt、r)を、赤外線検出器で、その空間
感度分布S(x)を含んだまま測定し、試料の熱拡散率
αに直接関係する装置定数K(r)(≡α・t1/2)を、
レーザビームの照射位置からの距離rの関数として、理
論的な温度分布関数U(αt、r)を計算することによ
り決定しておき、該距離rと、レーザビームの照射開始
から温度上昇Tがその最大値の半分に到達する迄の時間
t1/2から、試料の熱拡散率αを高精度に測定することが
できる。
【実施例】
以下、図面を参照して、薄膜の熱拡散率の測定に適用し
た、本発明の実施例を詳細に説明する。 第3図は、本発明に係る、レーザパルス技術を使つた薄
膜状の試料30の熱拡散率を測定する方法の原理を示すも
のである。 この測定方法においては、レーザビーム32の1パルス
が、試料30の表面に瞬間的に照射される。レーザビーム
32の光路の途中に挿入されたスリツト34によつて、ビー
ム形状が、試料30の長手方向に垂直であり、且つ、試料
30の幅方向に関して、線状の光に限定されている。試料
30が充分に薄いので、長手方向に1次元の熱伝導が行わ
れていると仮定する。測定時間が短ければ、試料30から
の熱のリークはほとんど無視できる。従つて、熱拡散の
式は、次式に示す如くとなる。 (∂T/∂t)=α(∂2T/∂x2) …(4) 初期条件は、次式に示す如くである。 T0=Q/(ρCPd) ……(6) ここで、Tは初期温度からの温度上昇、αは熱拡散率、
lはレーザビーム32の幅、Qはレーザビーム32から単位
面積当り試料30によつて吸収される熱量、CP及びρは比
熱及び密度、dは試料30の厚み、xはレーザビーム32の
中心からの距離である。 試料30の長さが無限であると仮定すると、(4)式から
次の(7)式が解として求められる。 赤外線検出器を用いたレーザフラツシユ法による熱拡散
率αの測定において、温度上昇Tは、通常、試料温度自
体に比べて非常に小さい。従つて、赤外線検出器16によ
つて検出される信号強度は、温度上昇Tにほぼ比例した
ものとなる。 他方、赤外線検出器16の空間感度分布S(x)を含む、
測定された温度分布関数U(αt、r)は、次式に示す
如くとなる。 試料30の熱拡散率αに直接関係する、いわゆる装置定数
K(r)(≡α・t1/2)は、次のような手続を用いて、
(8)式をレーザビーム32の照射位置からの距離rの関
数として数値計算することにより決定される。即ち、理
論的な温度分布関数U(αt、r)を、αtの関数とし
て様々なrについて計算する。次いで、この曲線から、
様々なrの値について、パルスの照射開始から温度上昇
Tがその最大値の半分に到達するまでの時間t1/2を求め
る。それから、距離rの関数として、装置定数K(r)
が、次式によつて求められる。 α=K(r)/t1/2 ………(9) この装置定数K(r)が、前記検出系の空間感度分布S
(x)に対応するものとなつている。 このようにして、熱拡散率αが、検出器の位置(r)と
時間t1/2から(9)式により容易に求められる。 以下、実験結果の一例について説明する。 実験は、長さ50mm、幅10mmの薄膜状試料30を対象として
行い、細い線状のレーザビーム32を形成するために、幅
l=2mmのスリツト34をレーザビーム32の光路中に挿入
した。一次元熱伝導状態を実現するため、試料30の幅
(10mm)を、レーザビーム32の長手方向(第3図の紙面
に垂直な方向)寸法より短く設定した。更に、温度応答
曲線を測定する際のSN比を高めるため、試料30の裏面
(第3図の下方面)には、試料30の温度分布に影響を与
えない程度のカーボンパウダを塗布した。 このような試料30について、その温度変化を、液体窒素
によつて冷却され、シリコンレンズ14によつて、試料30
の所定位置に焦点を結ぶようにされたInSb赤外線検出器
16によつて測定した。赤外線検出用のInSb結晶の直径が
約1mmであつたので、試料30上の検出領域の直径は、光
路の幾何学的関係から、0.7〜1.2mmの範囲であると計算
された。赤外線検出器16は、試料30と平行なx方向に沿
つて移動可能とし、その正確な位置を、マイクロメータ
によつて読取つた。試料30は、検出器16の焦点面内の所
定位置にあればよく、従つて、試料30に応力や歪みをか
ける必要はない。これは、特に、壊れ易い試料に有効で
ある。 まず、前出(9)式の装置定数K(r)を求めるため、
第2図に示したような装置を用いて、28から33℃の温度
範囲について、前記温度分布関数U(r)を測定したと
ころ、第4図(A)に示すような結果が得られた。この
温度分布関数U(r)から数値計算された検出系の空間
感度分布S(x)は、第4図(B)に示す如くであつ
た。 第5図は、第4図(B)によつて与えられる空間感度分
布S(x)から求められた装置定数K(r)を示したも
のである。 本実施例において、試料30の熱拡散率αを計算するため
には、温度上昇と時間の関係を含む空間感度分布S
(x)の相対的な値のみが必要である。しかしながら、
試料30全体の温度上昇の最大値を評価するためには、空
間感度分布S(x)の絶対値が便利である。 本実施例による、プラチナ薄膜(厚さ25μm)の温度応
答曲線の測定結果の一例を第6図に示す。その結果、熱
拡散率α=0.210〜0.293(レーザビーム照射位置からの
距離rの絶対値が2.8mm未満の平均ではα=0.249cm2/se
c)の測定値を得ることができた。又、銅薄膜(厚さ18
μm)についても、同様の実験を行つて、熱拡散率α=
1.13〜1.41(|r|<2.8mmの平均ではα=1.19cm2/sec)
の測定値を得ることができた。これらの値は、文献に記
載された、バルク状試料についての推奨値の範囲(プラ
チナは0.239−0.265、銅は1.12−1.22)内にある。な
お、距離rが大きくなると精度が落ちるのは、主に温度
上昇曲線が崩れるためと考えられる。 この実施例では、検出器の空間感度分布の影響は、前記
装置定数K(r)に全て含まれている。よつて、この装
置定数K(r)の値について、空間感度分布を考慮した
場合と、検出器の感度が空間上の1点にだけ集中してい
る場合について計算を行えば、検出器の空間感度分布
が、測定にどの程度影響を与えるか見積ることができ
る。具体的に言えば、検出器の感度が空間上の1点にだ
け集中している場合、装置定数K(r)の値が10%変化
すると、空間感度分布を考慮しないで得られた値は10%
の誤差を持つことになる。空間感度分布を考慮した場合
と、感度が空間上の1点にだけ集中している場合の装置
定数K(r)の値の差を、いくつかの検出器位置rにつ
いて計算したところ、下記第1表に示すような結果が得
られた。 第1表から、レーザビーム32の中心からの距離rが近い
程、空間感度分布の影響が大きいことが明らかである。
このように、一般に、レーザビーム32の中心からの距離
rが大きくなると、SN比が低下し、データのばらつきが
大きくなる傾向にあるが、本実施例によれば、検出器位
置が|r|<2.8の間で、精度の高いデータが得られる。 銅のデータについて検討したところ、銅の熱拡散率αの
文献推奨値は、1.12〜1.22であり、第2表に示す如く、
検出器の空間感度分布を考慮した場合は、この推奨値に
近い値が得られるのに対し、空間感度分布を無視した解
析では、推奨値より大きな値となつていることが明らか
である。 以上のように、測定において検出器の空間感度分布を考
慮することは、正確な測定を行うためには不可欠であ
る。 なお、前記実施例においては、本発明が、薄膜試料の熱
拡散率αの測定に適用されていたが、本発明の適用範囲
はこれに限定されず、r=0とした裏面又は表面からの
温度測定や、一般の温度分布を有する物体の表面温度の
測定にも同様に適用できることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係る赤外線放射温度測定方法及びそ
のための空間感度分布測定方法の原理を説明するための
線図、 第2図は、本発明に係る空間感度分布測定用装置の構成
を示す斜視図、 第3図は、本発明に係る薄膜試料の熱拡散率測定方法の
実施例の原理を示す線図、 第4図は、前記実施例における温度分布関数U(r)及
び空間感度分布S(x)の測定結果の一例を示す線図、 第5図は、同じく装置定数K(r)の測定結果の一例を
示す線図、 第6図は、同じく温度応答曲線の測定結果の一例を示す
線図、 第7図は、赤外線検出器による温度測定状態、実際の温
度分布及び測定される温度分布の一例を比較して示す線
図である。 14…レンズ、16…赤外線検出器、20…測定面、20A…境
界線、20B…真鍮面、20C…カーボン塗布面、22…断熱
面、24…恒温槽、26…湯、28…温度計、I(x)…赤外
線の強度分布、U(r)…測定された温度分布関数、S
(x)…検出系の空間感度分布、30…試料、32…レーザ
ビーム、34…スリツト、K(r)…装置定数、t1/2…温
度上昇がその最大値の半分に到達する迄の時間、α…熱
拡散率。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 早稲田 嘉夫 宮城県仙台市緑ケ丘1丁目17―30 (72)発明者 太田 弘道 茨城県日立市鮎川町5―16―6 (72)発明者 柴田 浩幸 宮城県仙台市清水沼1丁目2―32 (72)発明者 垣生 泰弘 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内 (72)発明者 太田 与洋 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】赤外線検出系を用いて、温度分布を有する
    物体の表面温度を非接触で測定する際に、 前記検出系に特徴的な空間感度分布を測定し、 該空間感度分布を用いて、検出系による物体表面の実測
    温度分布を補正することにより、 物体表面の実際の温度分布を求めることを特徴とする赤
    外線放射温度測定方法。
  2. 【請求項2】赤外線検出系に特徴的な空間感度分布を測
    定するに際して、 放射される赤外線の強度分布がステツプ状に変化する測
    定面を作り、 前記検出系を用いて、該測定面の境界線に直交する方向
    に沿う温度分布を測定し、 該温度分布を、前記検出系の境界線からの距離で微分す
    ることによつて、検出系の空間感度分布を求めることを
    特徴とする空間感度分布測定方法。
  3. 【請求項3】赤外線検出系に特徴的な空間感度分布を測
    定するための装置であつて、 放射される赤外線の強度分布がステツプ状に変化するよ
    うにされた測定面と、 他の面を周囲から断熱するための断熱面と、 前記測定面と断熱面によつて形成される恒温槽の内部
    を、所定の一定温度に維持するための温度調整手段と、 を含むことを特徴とする空間感度分布測定用装置。
  4. 【請求項4】薄膜状の試料に所定断面形状のレーザビー
    ムを瞬間的に照射し、試料の温度上昇曲線を赤外線検出
    器で測定することにより、試料の熱拡散率を求めるよう
    にした熱拡散率測定方法において、 レーザビームの照射によつて生じる温度上昇による温度
    分布関数を、赤外線検出器で、その空間感度分布を含ん
    だまま測定し、 試料の熱拡散率に直接関係する装置定数を、レーザビー
    ムの照射位置からの距離の関数として、理論的な温度分
    布関数を計算することにより決定しておき、 該距離rと、レーザビームの照射開始から温度上昇がそ
    の最大値の半分に到達する迄の時間から、試料の熱拡散
    率を求めることを特徴とする熱拡散率測定方法。
JP25905688A 1988-10-14 1988-10-14 赤外線放射温度測定方法、そのための空間感度分布測定方法、測定用装置及び熱拡散率測定方法 Expired - Lifetime JPH0749999B2 (ja)

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