JPH0749955Y2

JPH0749955Y2 - 芳香剤容器

Info

Publication number: JPH0749955Y2
Application number: JP1990001936U
Authority: JP
Inventors: 透水柿
Original assignee: 株式会社カツシカ
Priority date: 1990-01-12
Filing date: 1990-01-12
Publication date: 1995-11-15
Anticipated expiration: 2005-01-12
Also published as: JPH0394238U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本考案は、香料を含ませたゲル状物又は多孔質物から成
る芳香剤を封入した芳香剤収納体を装着する芳香剤容器
に関するものである。

〔従来の技術〕

従来より、芳香剤容器は芳香剤を缶詰状に封入した芳香
剤収納体とこの芳香剤収納体を収納する芳香剤容器とで
構成されていた。この芳香剤容器は、芳香剤を外部へ発
散させる発散孔を手動スライド式のシャッタで開閉さ
せ、芳香剤の外部への発散量を調節しているものが多か
った。また、缶詰状に封入した芳香剤収納体は長期の保
存が可能で大量生産が可能という利点を有していた。

しかし、この種の構成は、手動スライド式のシャッタに
よって芳香剤の発散量を好みに調節できるのであるが、
芳香剤は周囲温度によって発散量が変化するために、常
時好みの発散量を得るのは不可能であった。

そこで、実開昭61−57936号公報により、芳香剤が発散
する開口部を渦巻状のバイメタルにより回動される自動
開閉板で開閉する芳香剤容器が提案されている。この構
成の場合、温度変化によるバイメタルの屈曲率の変化を
利用して、開口部の開度を変化させているため、周囲温
度が高温の時には開口部を小さく、低温の時には開口部
を大きくすることができ、周囲温度の変化に関係なく常
に一定の香気の発散量を得ることが出来た。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、この構成の場合、バイメタルにより開閉する開
口部と手動により開閉する開口部とは別個のものとなっ
ており、しかもそれぞれの開口部の間にバイメタルが収
納される作動部収納室を設けており、バイメタルにより
開閉する開口部より発散した香気は一度作動部収納室に
溜り、それから手動の開口部を通過するため、芳香剤の
発散量を個人の好み応じ、しかも周囲温度に関係なく一
定に調整することは困難であった。

また、この自動開閉板は作動部収納室内に配置されてい
るため、外部から見ることが出来ず、この構成の特徴を
使用者に訴えにくかった。

〔課題を解決する為の手段〕

内部に芳香剤２を収容し、揮発した芳香が外部に発散す
る開口部11を、バイメタル12により作動される自動開閉
板14で開閉する機構を有した構成に於いて、前記自動開
閉板14の他に、前記開口部11を開閉する手動開閉板19を
自動開閉板14の摺動の軸線が一致しないよう、かつ開口
部11の開閉時に自動開閉板14とある程度の角度をもって
交差する様、摺動自在に、外部より摺動操作可能に配置
する。

〔作用〕

芳香の発散量を調節する場合、手動開閉板19を操作し
て、開口部11を好みの開度に調節すれば良い。そして、
周囲温度が変化するとバイメタル12の熱膨張率の差異に
より生じた応力は自動開閉板14に伝達され、自動開閉板
14が摺動し開口部11の開度を増減させる。この時、手動
開閉板19と自動開閉板14は、有る程度の角度をもって交
差しているため、手動開閉板19の端面を横切る様に自動
開閉板14が移動する。従って、手動開閉板19が閉鎖しな
かった開口部11を自動開閉板14が閉鎖する様になってお
り、周囲温度の変化による芳香の揮発量に反比例して開
口部11の開口面積を増減するようになっている。つま
り、一度好みの量に調節してしまえば周囲温度に関係な
く絶えず一定の香気の発散量を得ることができる。

〔実施例〕

芳香剤収納体１は、金属製の缶詰状であり、内部に芳香
剤２を含有したゲル物質又は多孔性物質を封入してい
る。そして使用時には、芳香剤収納体１の天面部３を適
宜の手段で開いて使用するものである。尚、この芳香剤
収納体１は、缶詰状の構成ばかりでなく、ビン詰め状の
構成であっても実施可能である。

次に、芳香剤収納体１を収納する芳香剤容器４について
説明する。芳香剤容器４は、芳香剤収納体１を収納する
収納容器体５と、この収納容器体５の上部に着脱自在に
嵌合する蓋体６とより成っており、芳香剤収納体１が交
換可能となっている。尚、芳香剤収納体１を収納容器体
５に収納せず、芳香剤収納体１の上面に直接蓋体６を被
嵌させても良い。

この蓋体６は、下部に仕切り板７を止着し、この仕切り
板７の上方に作動部収納室８を構成している。この仕切
り板７の中央には、芳香剤収納体１より揮発した芳香が
通過し、作動部収納室８内に侵入する通過口９が穿設さ
れている。更に仕切り板７には、作動部収納室８内に突
出する固定支柱10を立設している。また、蓋体６の上面
には、揮発して作動部収納室８内に侵入した芳香が外部
へ発散する開口部11が穿設されている。この開口部11
は、仕切り板７の固定支柱10を鋭角の先端部分とした略
扇形状となっている。

作動部収納室８内には、内側壁に沿ってリング状に、渦
巻バネ状に巻設したバイメタル12が収納されている。こ
のバイメタル12は、固定支柱10と蓋体６の内側壁の間を
通過しており、外側の端部が作動部収納室８の内側壁に
止着されている。また、バイメタル12の内側の端部に
は、摺動支柱13が止着されている。この摺動支柱13の上
端には、支持突部15を突設している。その結果、摺動支
柱13は、バイメタル12の熱膨張率の差異により生じた応
力によって作動部収納室８内を摺動する様構成されてい
る。尚、このバイメタル12は、渦巻状ばかりでなく、板
状のバイメタル12も利用可能である。この場合、板状の
バイメタル12は、温度差による変位量が渦巻状のものに
比べて少ないため、リンクを介する等をして摺動支柱13
を止着し、変位量を大きくする必要がある。

また作動部収納室８内には、前記蓋体６の上面の開口部
11の形状に倣った扇状の自動開閉板14が内装されてい
る。この自動開閉板14の鋭角の先端部分は、固定支柱10
に回動自在に支持されている。更にこの自動開閉板14の
下面には、係合溝16が径方向に細長く刻設されている。
この係合溝16には、摺動支柱13の支持突部15が摺動可能
に係合している。その結果、バイメタル12に発生した応
力により摺動支柱13が摺動し、この摺動支柱13によって
自動開閉板14が固定支柱10を中心として回動するように
なっている。そして、バイメタル12により摺動する摺動
支柱13の軌跡と、固定支柱10を中心として回動する自動
開閉板14の軌跡との差異は、摺動支柱13の支持突部15が
自動開閉板14の係合溝16を摺動する事によって吸収して
いる。

また、蓋体６の開口部11の周囲の下面には、固定支柱10
を中心に回動した自動開閉板14が当接して回動が制限さ
れる回動制御部17が設けられている。この回動制御部17
は、自動開閉板14が開口部11を全開にした時及び全閉に
した時、当接する位置に設けられている。尚、開口部11
は周囲温度の変化により自動開閉板14が摺動して開閉さ
れるのであるが、約10℃で全開となり約30℃で全閉とな
る様設定しておくと良い。

また、蓋体６の上面の開口部11の周囲には、摺動溝18が
刻設され、この摺動溝18には開口部11を開閉する手動開
閉板19を摺動自在に納置している。この摺動溝18は前記
固定支柱10の位置から開口部11の方向に設けられてお
り、手動開閉板19の摺動方向が自動開閉板14の摺動方向
と直交する様構成されている。また、手動開閉板19には
操作片20が突出している。

更に、蓋体６の上面には天プレート21が止着され、手動
開閉板19を摺動自在に脱落不能に保持している。この天
プレート21には、開口部11が覗く穴22が穿設されてお
り、手動開閉板19の操作片20が貫通し突出するガイド溝
23が摺動方向に長く穿設されている。その結果、外部よ
り操作片20を操作する事によって、手動開閉板19を摺動
操作できるようになっている。

尚、天プレート21の穴22の円弧状部分の周縁に自動開閉
板14の開度に対応した周囲温度を目盛りにしておけば、
簡易温度計となる。

〔考案の効果〕

本考案は、以上の様に香気が外部に発散する開口部11
に、外部から操作される手動開閉板19、及びバイメタル
12により駆動される自動開閉板14を重ねて配置し、しか
も手動開閉板19を自動開閉板14の摺動の軸線が一致しな
いよう、かつ開口部11の開閉時に自動開閉板14とある程
度の角度をもって交差する様、摺動自在に、外部より摺
動操作可能に配置したため、自動開閉板14の縁部も手動
開閉板19の縁部も他方に隠れることなく開口部11を閉鎖
する事ができるようになっている。したがって、自動開
閉板14及び手動開閉板19を摺動させる事によって、開口
部11の開口面積をきめ細かく増減させる事ができ、香気
の発散量の調整を好みに応じて、外気温に応じて調整で
きる。

しかも、周囲温度と香気の揮発量は、比例して増減する
のであるが、自動開閉板14は周囲温度に反比例して開口
部11の開口面積を増減させるため、外部に発散する香気
の発散量は、周囲温度に関係なく絶えず一定にする事が
できる。従って、一度手動開閉板19で好みの香気の発散
量に調節してしまえば、周囲温度に関係なく好みの発散
量を維持できる。

更に、バイメタル12により駆動される自動開閉板14が直
接開口部11を開閉するため、自動開閉板14の作動状況を
直接目視することができ、本考案芳香剤容器４の特徴を
使用者に訴えることができる。加えて、開口部11の縁部
に周囲温度に対応した自動開閉板14の解放位置を目盛り
にしておけば、簡易の温度計となり、更に付加価値が増
す。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案実施例の部分断面斜視図。第２図は、
開口部の低温時の平面図。第３図は、開口部の常温時の
平面図。第４図は、開口部の高温時の平面図。２〜芳香剤、11〜開口部、12〜バイメタル、14〜自動開
閉板、19〜手動開閉板

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】内部に芳香剤（２）を収容し、揮発した芳
香が外部に発散する開口部（11）を、バイメタル（12）
により作動される自動開閉板（14）で開閉する機構を有
した構成に於いて、前記自動開閉板（14）の他に、前記開口部（11）を開閉
する手動開閉板（19）を自動開閉板（14）の摺動の軸線
が一致しないよう、かつ開口部（11）の開閉時に自動開
閉板（14）とある程度の角度をもって交差する様、摺動
自在に、外部より摺動操作可能に配置した事を事を特徴
とする芳香剤容器。