JPH0749361B2 - ワサビ種子保存法 - Google Patents
ワサビ種子保存法Info
- Publication number
- JPH0749361B2 JPH0749361B2 JP32822287A JP32822287A JPH0749361B2 JP H0749361 B2 JPH0749361 B2 JP H0749361B2 JP 32822287 A JP32822287 A JP 32822287A JP 32822287 A JP32822287 A JP 32822287A JP H0749361 B2 JPH0749361 B2 JP H0749361B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- seeds
- wasabi
- temperature
- groups
- storage
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Pretreatment Of Seeds And Plants (AREA)
- Storage Of Harvested Produce (AREA)
- Storage Of Fruits Or Vegetables (AREA)
- Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、ワサビ種子を凍結して保存する方法に関す
る。
る。
(従来の技術とその問題点) ワサビ栽培には、一般に栄養繁殖による分けつ苗が主と
して用いられてきたが、種々の病害(例えば軟腐病、墨
入病、輪腐病、萎縮病)により、優良親株からの分けつ
法によるワサビ栽培は著しく困難になりつつある。
して用いられてきたが、種々の病害(例えば軟腐病、墨
入病、輪腐病、萎縮病)により、優良親株からの分けつ
法によるワサビ栽培は著しく困難になりつつある。
この困難を克服して、安定したワサビ栽培を確立する目
的で、近年種子からの育苗に基づく実生苗の導入が急速
に広まり、優良な品種からの種子の確保、保存の重要生
が高まっている(足立昭三著、ワサビ栽培、秀潤社(19
87))。
的で、近年種子からの育苗に基づく実生苗の導入が急速
に広まり、優良な品種からの種子の確保、保存の重要生
が高まっている(足立昭三著、ワサビ栽培、秀潤社(19
87))。
即ち、優良実生苗の計画的な大量生産を行うにあたって
は、多量の種子を確保する必要があるが、種子採りの時
期及び適切な貯蔵法を誤ると、種子がほとんど発芽しな
いため、注意を必要とする。
は、多量の種子を確保する必要があるが、種子採りの時
期及び適切な貯蔵法を誤ると、種子がほとんど発芽しな
いため、注意を必要とする。
従来ワサビ種子の保存法としては、ワサビ種子の発芽率
が乾燥により著しく低下するとされたため、湿気の保持
を旨とする土中貯蔵法、湿砂との混合貯蔵法が主として
用いられてきた。
が乾燥により著しく低下するとされたため、湿気の保持
を旨とする土中貯蔵法、湿砂との混合貯蔵法が主として
用いられてきた。
しかしながら、従来の保存法では10℃内外の一定温度に
保つことが要求され(足立昭三著、ワサビ栽培、秀潤社
(1987))、温度制御の技術的困難があり、更に比較的
高温での貯蔵であるが故に、種子の腐敗や不要な発芽が
貯蔵期間中に高頻度に起こり、安定した長期保存は極め
て困難であるという問題があった。
保つことが要求され(足立昭三著、ワサビ栽培、秀潤社
(1987))、温度制御の技術的困難があり、更に比較的
高温での貯蔵であるが故に、種子の腐敗や不要な発芽が
貯蔵期間中に高頻度に起こり、安定した長期保存は極め
て困難であるという問題があった。
(問題点を解決するための手段) 本発明者等は、従来の概念とは全く異なり、むしろ種子
を乾燥させることにより低温耐性が著しく増加し、ワサ
ビ種子の長期安定保存が可能ならしめることを見出し
た。更に、ワサビ種子の乾燥前に一定の低温処理、もし
くは吸水処理を施すことにより、保存法の正常発芽率が
著しく向上することを明らかにし、ワサビ種子の長期安
定保存法を確立するに至った。
を乾燥させることにより低温耐性が著しく増加し、ワサ
ビ種子の長期安定保存が可能ならしめることを見出し
た。更に、ワサビ種子の乾燥前に一定の低温処理、もし
くは吸水処理を施すことにより、保存法の正常発芽率が
著しく向上することを明らかにし、ワサビ種子の長期安
定保存法を確立するに至った。
即ち、本発明のワサビ種子保存法は、ワサビ種子を乾燥
(含水率50%以下、好ましくは5〜15%)した後に、凍
結して低温(温度0℃以下、好ましくは温度−20℃〜−
80℃)に貯蔵することを特徴とする。また、種子乾燥前
に低温(例えば温度2〜5℃)処理、もしくは吸水処理
を施すことにより保存後の種子の正常発芽率、生育率と
もに著しく促進されることがわかった。
(含水率50%以下、好ましくは5〜15%)した後に、凍
結して低温(温度0℃以下、好ましくは温度−20℃〜−
80℃)に貯蔵することを特徴とする。また、種子乾燥前
に低温(例えば温度2〜5℃)処理、もしくは吸水処理
を施すことにより保存後の種子の正常発芽率、生育率と
もに著しく促進されることがわかった。
(作用) 本発明による貯蔵を行うことにより貯蔵中のワサビ種子
の腐敗や不要な発芽はほぼ完全に抑制でき、優良実生苗
の計画的な大量生産を可能とする。
の腐敗や不要な発芽はほぼ完全に抑制でき、優良実生苗
の計画的な大量生産を可能とする。
(実施例) 実施例1 材料として、‘ふじだるま’の種子を用いた。種子はさ
やに入った状態で採取後、さやから取り出して種子表面
の水分を除去し、200粒毎の5つの群に分割した。次に
群別に処理時間を異ならせて温度25℃のデシケータ内で
の乾燥処理を行った。各群の種子の乾燥状態は、10粒の
種子を温度130℃のオーブンで1時間処理した場合の重
量の変化を検定し、3回の平均から種子の含水率(湿重
量−乾重量/湿重量×100)を求め、指標とした。
やに入った状態で採取後、さやから取り出して種子表面
の水分を除去し、200粒毎の5つの群に分割した。次に
群別に処理時間を異ならせて温度25℃のデシケータ内で
の乾燥処理を行った。各群の種子の乾燥状態は、10粒の
種子を温度130℃のオーブンで1時間処理した場合の重
量の変化を検定し、3回の平均から種子の含水率(湿重
量−乾重量/湿重量×100)を求め、指標とした。
次に、各群の種子をビニールフィルムに封入後、液体窒
素(温度−196℃)中に直接投入して急速凍結した。
素(温度−196℃)中に直接投入して急速凍結した。
1時間液体窒素中に保持後、30℃の温水で急速解凍し、
ビニールフィルム内の種子を湿ったロ紙上に移した。
ビニールフィルム内の種子を湿ったロ紙上に移した。
その後、100ppmのジベレリンと100ppmのベンジルアデニ
ンを含む溶液に、温度4℃で7日間浸せきしてから発芽
試験を行った。
ンを含む溶液に、温度4℃で7日間浸せきしてから発芽
試験を行った。
以上の実験の各群別の結果を第1表に示した。第1表に
より種子の含水率が凍結処理後の正常発芽率(正常発芽
種子数/全播種種子数×100)および生存率(全発芽種
子数/全播種種子数×100)に著しい影響を及ぼし、含
水率5〜15%内の群1,2において正常発芽率及び生存率
共に高いことがわかる。
より種子の含水率が凍結処理後の正常発芽率(正常発芽
種子数/全播種種子数×100)および生存率(全発芽種
子数/全播種種子数×100)に著しい影響を及ぼし、含
水率5〜15%内の群1,2において正常発芽率及び生存率
共に高いことがわかる。
実施例2 乾燥処理の前処理として、各群の種子を低温処理(温度
4℃にて7日間放置、1,2群)、または低温吸水処理
(蒸留水に浸漬した状態で温度4℃にて7日間放置、3,
4群)した。次に含水率を異ならせて(1,3群;5〜15%、
2,4群:15〜50%)乾燥処理を行った後、実施例1に準じ
て発芽試験を行った。その結果を第2表に示す。第2表
により、これらの前処理を行うことにより、含水率5〜
15%まで乾燥させた種子群で、乾燥・凍結後の正常発芽
率が著しく増加した。
4℃にて7日間放置、1,2群)、または低温吸水処理
(蒸留水に浸漬した状態で温度4℃にて7日間放置、3,
4群)した。次に含水率を異ならせて(1,3群;5〜15%、
2,4群:15〜50%)乾燥処理を行った後、実施例1に準じ
て発芽試験を行った。その結果を第2表に示す。第2表
により、これらの前処理を行うことにより、含水率5〜
15%まで乾燥させた種子群で、乾燥・凍結後の正常発芽
率が著しく増加した。
実施例3 実施例2に記載された低温吸水処理を行った種子を含水
率10〜15%になるまで乾燥した後、200粒毎の4群に分
割し、各々液体窒素中で急速凍結した。
率10〜15%になるまで乾燥した後、200粒毎の4群に分
割し、各々液体窒素中で急速凍結した。
各群別に温度−80℃のフリーザーで保存し、保存期間を
異ならせ、その各々に対して発芽試験を行った。尚、乾
燥法、発芽試験などについては全て実施例1に準ずる。
異ならせ、その各々に対して発芽試験を行った。尚、乾
燥法、発芽試験などについては全て実施例1に準ずる。
その結果を第3表に示す。第3表より、少なくとも14ヶ
月の保存期間中に正常発芽率及び正常生育率(正常生育
苗数/正常発芽種子数×100)に全く変化は認められな
かった。
月の保存期間中に正常発芽率及び正常生育率(正常生育
苗数/正常発芽種子数×100)に全く変化は認められな
かった。
実施例4 実施例2に記載された低温吸水処理後の種子を、含水率
が10〜15%になるまで乾燥後、200粒毎の4群に分割
し、直接温度−20℃(1,2群)、もしくは温度−80℃
(3,4群)のフリーザーに入れて凍結保存した。その
後、1ケ月後(1,3群)又は4ケ月後(2,4群)に発芽実
験を行なった。尚、乾燥法、発芽試験などは実施例1に
準じて行い、その結果を第4表に示す。第4表より温度
−20℃以下での乾燥種子の直接凍結保存が、少なくとも
4ヶ月は可能であることがわかった。
が10〜15%になるまで乾燥後、200粒毎の4群に分割
し、直接温度−20℃(1,2群)、もしくは温度−80℃
(3,4群)のフリーザーに入れて凍結保存した。その
後、1ケ月後(1,3群)又は4ケ月後(2,4群)に発芽実
験を行なった。尚、乾燥法、発芽試験などは実施例1に
準じて行い、その結果を第4表に示す。第4表より温度
−20℃以下での乾燥種子の直接凍結保存が、少なくとも
4ヶ月は可能であることがわかった。
(発明の効果) 以上説明したように、本発明の保存方法を用いることに
より、ワサビ種子の長期安定貯蔵が可能であり、優良品
種の種子を計画的に保存することによって、実生苗によ
る優良ワサビ生産の安定化が著しく促進される。またワ
サビ種子の長期保存により、交配育種による優良品種の
作出の安定化を図ることが可能となる。
より、ワサビ種子の長期安定貯蔵が可能であり、優良品
種の種子を計画的に保存することによって、実生苗によ
る優良ワサビ生産の安定化が著しく促進される。またワ
サビ種子の長期保存により、交配育種による優良品種の
作出の安定化を図ることが可能となる。
Claims (3)
- 【請求項1】ワサビ種子を乾燥処理して含水率を5〜15
%とした後に凍結して−20℃〜−80℃の温度で保存する
ことを特徴とするワサビ種子保存法。 - 【請求項2】前記乾燥処理が、低温処理後に行われるこ
とを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のワサビ種子
保存法。 - 【請求項3】前記乾燥処理が吸水処理後に行われること
を特徴とする特許請求の範囲第1項記載のワサビ種子保
存法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32822287A JPH0749361B2 (ja) | 1987-12-24 | 1987-12-24 | ワサビ種子保存法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32822287A JPH0749361B2 (ja) | 1987-12-24 | 1987-12-24 | ワサビ種子保存法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01168601A JPH01168601A (ja) | 1989-07-04 |
JPH0749361B2 true JPH0749361B2 (ja) | 1995-05-31 |
Family
ID=18207806
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32822287A Expired - Lifetime JPH0749361B2 (ja) | 1987-12-24 | 1987-12-24 | ワサビ種子保存法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0749361B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20000072140A (ko) * | 2000-08-04 | 2000-12-05 | 송용엽 | 잔디씨앗 발아촉진 처리법 |
JP5294022B2 (ja) * | 2009-03-27 | 2013-09-18 | 山梨県 | トロロアオイの保存方法とその粘性の改善方法 |
JP6277911B2 (ja) * | 2014-08-27 | 2018-02-14 | 株式会社ツムラ | コガネバナの採種方法 |
CN107114031B (zh) * | 2017-05-11 | 2021-04-09 | 中国科学院昆明植物研究所 | 一种提高低温保存后尼泊尔野桐种子胚乳活力的方法 |
JP2019136031A (ja) * | 2018-02-05 | 2019-08-22 | 国立大学法人東京農工大学 | 種子の保存方法 |
CN109006807A (zh) * | 2018-07-18 | 2018-12-18 | 安徽省金海种业有限公司 | 一种玉米种子的保存方法 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6230701A (ja) * | 1985-08-01 | 1987-02-09 | Kyodo Shiryo Kk | 種子の保存方法 |
-
1987
- 1987-12-24 JP JP32822287A patent/JPH0749361B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01168601A (ja) | 1989-07-04 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Hegarty | Seed activation and seed germination under moisture stress | |
Courtney | Seed dormancy and field emergence in Polygonum aviculare | |
Yoshida et al. | The accumulation process of carbohydrate in rice varieties in relation to their response to nitrogen in the tropics | |
Bussell et al. | Effects of pre-sowing seed treatments and temperatures on tomato seed germination and seedling emergence | |
Ely et al. | Fast germination of parsley seeds | |
Rees | High-temperature pre-treatment and the germination of seed of the oil palm, Elaeis guineensis (Jacq.) | |
Baskin et al. | Germination requirements of seeds of Astragalus tennesseensis | |
CN111084064A (zh) | 一种粳稻栽培方法 | |
Williams | A STUDY OF THE COMPETITIVE ABILITY OF CHENOPODIUM ALBUM L. I. INTERFERENCE BETWEEN KALE AND C, ALBUM GROWN IN PURE STANDS AND IN MIXTURES | |
JPH0749361B2 (ja) | ワサビ種子保存法 | |
Keller et al. | Preplanting Treatment to Hasten Germination and Emergence of Grass Seed. | |
Heydecker et al. | More rapid and uniform germination of Cyclamen persicum L. | |
CN110393120A (zh) | 一种适种于广西高寒山区的樱桃种苗繁殖培育方法 | |
Gray et al. | A comparison of two large‐scale seed priming techniques | |
Vogt | Effect of gibberellic acid on germination and initial seedling growth of northern red oak | |
Suszka et al. | Seedling emergence of beech (Fagus sylvatica L.) seed pretreated by chilling without any medium at controlled hydration level | |
Tukey | Studies of fruit seed storage and germination | |
Lake | The temperature response of single-truss tomatoes | |
Toole et al. | Effect of different temperatures on the germination of several winter annual species of Trifolium | |
Onwueme | Tuber formation in yam (Dioscorea spp.): effect of moisture stress; contribution of the parent sett | |
Onwueme | Performance of yam (Dioscorea spp.) setts planted without water | |
Cox | The effect of shape of compost blocks on the propagation, transplant establishment and yield of four vegetable species | |
Longden et al. | Establishment and growth of sugar beet as affected by seed treatment and fluid drilling | |
Steinbauer | Differences in resistance to low temperatures shown by clover varieties | |
Yura | Comparative ecophysiology of Larix kaempferi (Lamb.) Carr. and Abies veitchii Lindl. II. Mechanisms of higher drought resistance of seedlings of L. kaempferi as compared with A. veitchii |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term | ||
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080531 Year of fee payment: 13 |