JPH0748327A - アルカノールアミン類の製造方法 - Google Patents

アルカノールアミン類の製造方法

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JPH0748327A
JPH0748327A JP19593893A JP19593893A JPH0748327A JP H0748327 A JPH0748327 A JP H0748327A JP 19593893 A JP19593893 A JP 19593893A JP 19593893 A JP19593893 A JP 19593893A JP H0748327 A JPH0748327 A JP H0748327A
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JP
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carbon dioxide
ammonia
monoalkanolamine
column
liquid
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JP19593893A
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English (en)
Inventor
Yasuyoshi Watabe
恭吉 渡部
Mutsuo Matsumura
六雄 松村
Harushige Sugawara
晴茂 菅原
Takashi Okawa
尚 大川
Kenji Suzuki
賢司 鈴木
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 アンモニアとアルキレンオキサイドとをアン
モニアの炭酸塩類の存在下で反応させ、アルカノールア
ミン類を生成させ、該反応液からアンモニアおよび二酸
化炭素を主体とするガス成分を分離回収し、反応系へリ
サイクルし、缶出液を加熱蒸留して水を分離し、さらに
加熱蒸留して、二酸化炭素含有量の少ないモノアルカノ
ールアミンを塔頂部より分離回収すると共に、液供給部
と塔頂部分の中間部分から二酸化炭素を含有するモノア
ルカノールアミンをサイドカットにより抜きだし前工程
にリサイクルする。 【効果】 アルカノールアミン類の中でモノアルカノー
ルアミンの生成比率を増大でき、さらに、二酸化炭素含
有量の少ないモノアルカノールアミンを得る事が出来
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エタノールアミン類、
イソプロパノールアミン類等のアルカノールアミン類の
製造方法に関し、さらに詳しくは、これらのアルカノー
ルアミン類の中で特にモノアルカノールアミンの生成比
率を増大させる製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アルカノールアミン類はアルキレンオキ
サイドをアンモニア水と反応させる事により容易に得ら
れ、工業的にもこの方法で製造されている。しかしなが
ら、この反応により得られるアルカノールアミン類はモ
ノアルカノールアミン、ジアルカノールアミンおよびト
リアルカノールアミンの混合物であり、その生成比率を
制御する事は重要な課題であった。
【0003】一般に、モノアルカノールアミンの生成比
率を増大させる方法としては、例えばエチレンオキサイ
ドとアンモニアとの反応を例にとると、以下の事が知ら
れている。すなわち、エチレンオキサイドとアンモニア
との反応性は、エチレンオキサイドとモノエタノールア
ミンまたはジエタノールアミンとの反応性に比較して遅
く、従って、反応生成物の割合はエチレンオキサイドに
対するアンモニアの比率によって変わり、アンモニアが
大過剰に用いられるほどモノエタノールアミンの生成比
率が増大する(K.Weissermel, H.J.Arpe 著、向山光昭監
訳、" 工業有機化学- 主要原料と中間体-" 東京化学同
人発行、P149,(1978))。
【0004】しかしながら、アンモニア水を用いアンモ
ニア/アルキレンオキサイドモル比を高くすればモノア
ルカノールアミンの生成比率を増大させる事ができる
が、反応器の容積効率が悪くなったり、過剰のアンモニ
ア水を回収リサイクルする必要があるためエネルギー原
単位が悪化したり、アンモニア回収系および水回収系の
負荷が大きくなるという問題点がある。
【0005】このような問題点を解決するため、アンモ
ニアの含水量を極力少なくする方法もあるが、本反応で
は水が触媒として作用するため、そのままでは活性が低
下する。そこで、その対策として、固体酸触媒の使用や
反応温度を高くする方法( 例えば、特開昭49-47728、Z
h.Prikl.Khim.,56,1966(1983)、USP 4438281)や、超臨
界状態で反応させる方法( 特開昭59-13751、特開昭59-3
3247) も提案されているが、反応圧力が高くなる為、高
圧反応器が必要となったり、アンモニア回収系の負荷が
大きくなるという問題点は依然として解決されていな
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、さきに
アンモニアとアルキレンオキサイドとを反応させてアル
カノールアミン類を製造する際に、アンモニアの炭酸塩
類の存在下で反応を行い、アルキレンオキサイドに対し
アンモニアを大過剰に用いなくとも、モノアルカノール
アミンの生成比率を著しく増大できることを提案した。
しかしこの方法で得られた反応液から生成物であるモノ
アルカノールアミン、ジアルカノールアミンおよびトリ
アルカノールアミンを分離するに際し、従来方法の如き
蒸留操作を行ったところ、特にモノアルカノールアミン
留分中に二酸化炭素が残存しており、モノアルカノール
アミンと二酸化炭素の分離がきわめて困難である事が明
らかになった。
【0007】本発明の課題は、アンモニアとアルキレン
オキサイドとをアンモニアの炭酸塩類の存在下で反応さ
せて得られる反応液から、アルカノールアミン類を分離
する際に、二酸化炭素の含有量を低減したアルカノール
アミン類を得るための製造方法を提供する事にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決するために鋭意検討を行った。アンモニアとア
ルキレンオキサイドとをアンモニアの炭酸塩類の存在下
で反応させて、アルカノールアミン類を生成させ、該反
応液を加熱蒸留して、アンモニアおよび二酸化炭素を主
体とするガス成分を分離し、さらに加熱蒸留して水を分
離する事により大部分の二酸化炭素は反応液から除去出
来る事がわかった。
【0009】アンモニア、水および大部分の二酸化炭素
を分離した濃縮液中には、モノアルカノールアミン、ジ
アルカノールアミンおよびトリアルカノールアミンの他
に、前工程で完全に分離できなかった二酸化炭素が存在
している。アルカノールアミン類中での二酸化炭素の存
在形態は確定できないが、1Hおよび13C-NMR の結果から
は、モノアルカノールアミンのカルバミン酸塩あるいは
モノアルカノールアミンの炭酸塩が推定できた。その結
果から、二酸化炭素は遊離の状態で存在しているのでは
なく、主にモノアルカノールアミンとカルバミン酸塩あ
るいは炭酸塩の形態で存在している事がわかった。
【0010】一方、本発明者らは、モノアルカノールア
ミンのカルバミン酸塩あるいは炭酸塩は、加熱する事に
よりモノアルカノールアミンと二酸化炭素に解離する
事、解離したモノアルカノールアミンと二酸化炭素は、
冷却する事により再びモノアルカノールアミンのカルバ
ミン酸塩あるいは炭酸塩になる現象を見いだした。そこ
で本発明者らは、この現象を応用する事により二酸化炭
素をモノアルカノールアミンから分離出来ることを見い
だした。
【0011】すなわち、反応液を加熱蒸留して、アンモ
ニア、水および大部分の二酸化炭素を分離した濃縮液か
ら、さらに蒸留によりモノアルカノールアミンを回収す
る際に、該濃縮液を蒸留塔の中段に供給し、塔底部で加
熱する事により、モノアルカノールアミンのカルバミン
酸塩あるいは炭酸塩をモノアルカノールアミンと二酸化
炭素に解離させ、塔内を上昇させる。次に、塔頂部と中
段供給部との中間部分は塔底部よりも低温であるので、
塔内を下降してくるモノアルカノールアミンに二酸化炭
素をモノアルカノールアミンのカルバミン酸塩あるいは
炭酸塩として吸収させ、この二酸化炭素を含有するモノ
アルカノールアミンをサイドカットにより抜き出し、前
工程へリサイクルすると共に、塔頂部からは二酸化炭素
含有量の少ないモノアルカノールアミンを回収する事に
より、二酸化炭素の含有量を低減したアルカノールアミ
ン類が得られる事を見いだし本発明に到達した。
【0012】すなわち本発明は、(1) アンモニアとアル
キレンオキサイドとをアンモニアの炭酸塩類の存在下で
反応させて、アルカノールアミン類を生成させ、(2) 該
反応液を加熱蒸留して、アンモニアおよび二酸化炭素を
主体とするガス成分を分離し、該ガス成分を凝縮または
水性媒体に吸収させ、該凝縮液または吸収液を(1) の反
応系へリサイクルし、(3)(2)の缶出液を加熱蒸留して水
を分離し、(4)(3)の缶出液を加熱蒸留して二酸化炭素含
有量の少ないモノアルカノールアミンを塔頂部から分離
回収すると共に、該缶出液供給部と塔頂部の中間部分か
ら二酸化炭素を含有するモノアルカノールアミンを、サ
イドカットにより抜き出し、(5) 該抜き出し液を(2) ま
たは(3) の加熱蒸留系へリサイクルする、事を特徴とす
るアルカノールアミン類の製造方法である。
【0013】以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明で言うアルカノールアミン類とはモノアルカノー
ルアミン、ジアルカノールアミンおよびトリアルカノー
ルアミンの総称である。例えば、エチレンオキサイドを
原料とした場合には、モノエタノールアミン、ジエタノ
ールアミンおよびトリエタノールアミンであり、プロピ
レンオキサイドを原料とした場合には、モノイソプロパ
ノールアミン、ジイソプロパノールアミンおよびトリイ
ソプロパノールアミンを意味する。
【0014】本発明の方法においては、アンモニアとア
ルキレンオキサイドとを反応させる際に、アンモニアの
炭酸塩類の共存下で反応を行い、従来法知られているよ
うにアンモニアを大過剰に用いなくモノアルカノールア
ミンの生成比率を増大させる事ができたものである。
【0015】本発明の方法で用いられるアンモニアの炭
酸塩類とは、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、
カルバミン酸アンモニウムのような化合物の他に、次の
ものも用いることができる。例えば、アンモニア水に二
酸化炭素を任意の割合で混合し、アンモニアの炭酸塩類
としても良い。この場合に用いられる二酸化炭素はドラ
イアイス、液体二酸化炭素、二酸化炭素を水に溶解させ
た炭酸水およびガス状二酸化炭素のいずれでも使用でき
る。また、ここで言うアンモニア水とは、アンモニアを
水に溶解させた通常のアンモニア水のほかに、水と液体
アンモニアまたはガス状のアンモニアを混合したものの
いずれかを意味する。
【0016】また、アンモニアと二酸化炭素の混合方法
としては、アンモニアと二酸化炭素を混合後にアルキレ
ンオキサイドを反応器に導入しても良いし、アンモニア
とアルキレンオキサイドの存在する反応器に二酸化炭酸
を導入しても良いし、アルキレンオキサイドと二酸化炭
素の存在する反応器にアンモニアを導入しても良いし、
アルキレンオキサイドの存在する反応器にアンモニアと
二酸化炭素を別々に導入しても良いし、反応器にアルキ
レンオキサイド、アンモニアおよび二酸化炭酸を別々に
導入しても良い。さらに、反応条件下で二酸化炭酸を放
出しアンモニアと塩を生成するものも使用できる。この
様な例としては、例えば、陰イオン交換樹脂に二酸化炭
素を吸収させたものや、炭酸エチレンなど二酸化炭素を
吸収しやすい溶媒に二酸化炭素を吸収させたもの等があ
る。
【0017】これらのアンモニアの炭酸塩類の使用量
は、アルキレンオキサイド1モルに対しアンモニアの炭
酸塩類の炭酸イオンとして0.01〜10モルの範囲であり、
好ましくは0.02〜8モルの範囲である。この範囲の中
で、アンモニアの炭酸塩類の使用量を大きくすればする
ほど、モノアルカノールアミンの生成比率を大きくで
き、それにともないジアルカノールアミンおよびトリア
ルカノールアミンの生成比率を抑制できる。
【0018】従って、アンモニアの炭酸塩類の使用量を
制御する事により、任意にモノアルカノールアミンの生
成比率を制御できる。アンモニアの炭酸塩類の使用量が
この範囲よりも少ないとモノアルカノールアミンの生成
比率を増大させる効果が小さく、またこの範囲よりも大
きくとも効果は十分あるが経済性を考慮すると好ましく
ない。
【0019】本発明の方法で用いられるアルキレンオキ
サイドの例としてはエチレンオキサイド、プロピレンオ
キサイド、エピクロルヒドリン、グリシドール、1,2-エ
ポキシブタン、トランス-2,3- エポキシブタン、イソブ
チレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、スチレ
ンオキサイド等が例示できる。これらのアルキレンオキ
サイドの中ではエチレンオキサイド、プロピレンオキサ
イド等が好ましい。
【0020】本発明の方法で用いられるアンモニア水の
濃度には特に制限はないが、通常アンモニア濃度が1〜
80wt% の範囲であり、好ましくは5〜60wt% の範囲であ
る。アンモニア濃度が低すぎると反応器の容積効率が悪
くなり、一方、高すぎると反応速度が低下する。
【0021】本発明の方法で用いられるアンモニアの使
用量は、使用されるアンモニアの炭酸塩類に含まれるア
ンモニア量とアンモニア水として使用されるアンモニア
量の総和として決定されるが、この総和がアルキレンオ
キサイド1モルに対し、1〜10モル、好ましくは2〜8
モルの範囲である。アンモニアの使用量がこの範囲より
少ないとモノアルカノールアミンの生成比率が低下し、
多いと反応器の容積効率が悪くなったり、過剰のアンモ
ニア水を回収リサイクルする必要があるためエネルギー
原単位が悪化したり、アンモニア回収系および水回収系
の負荷が大きくなる。
【0022】また本発明の方法では、溶媒としては通常
水を用いるが、反応に悪影響を及ぼさない溶媒であれば
水との混合溶媒あるいは単独で用いる事ができる。これ
らの溶媒の例としては、ヘプタン等の飽和炭化水素、ト
ルエン等の芳香族炭化水素、N-メチルピロリジン-2- オ
ン、N,N-ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリ
ックトリアミド等のN-置換アミド類、N,N-ジエチルアニ
リン、N-メチルモルホリン、ピリジン、トリエタノール
アミン等の三級アミン類、スルホラン等のスルホン類、
ジメチルスルホキサイド等のスルホキサイド類、1,3-ジ
メチル-2イミダゾリジノン等の尿素誘導体、炭酸エチレ
ン等の炭酸エステル類およびトリブチルホスフィンオキ
シド等のホスフィンオキシド類をあげる事ができる。
【0023】本発明の方法においては、反応温度は10〜
150 ℃、好ましくは20〜100 ℃である。反応温度が低い
と反応速度が小さく、高いと反応圧力が高くなるので好
ましくない。反応圧力は所定の反応温度における自生圧
により決定され、この圧力を保持すればよい。通常、1
〜50kg/cm2( ゲージ圧) である。
【0024】本発明の方法においては先ず、モノアルカ
ノールアミンに富んだ反応液を加熱蒸留して、アンモニ
アおよび二酸化炭素を主体とするガス成分を分離する。
反応器から抜き出された反応混合物は導管を経て蒸留塔
に導入され、アンモニアおよび二酸化炭素の大部分と水
の一部は蒸気となって塔頂から留出され、該ガス成分を
凝縮または水性媒体に吸収される。一方、アンモニアお
よび二酸化炭素の大部分と水の一部を除去された反応混
合物は蒸留塔の底部から抜き出され、更に脱水工程を経
てアルカノールアミン類の分離精製工程に送られる。先
のアンモニア及び二酸化炭素と水の凝縮液または吸収液
は反応系へ循環され再使用される。
【0025】エチレンオキサイドとアンモニアの反応を
例にとると加熱蒸留圧力は減圧下、常圧下または加圧下
のいずれの条件で行ってもよいが通常10Kg/cm2( ゲージ
圧)以下で行う。加熱蒸留温度は用いられる圧力により
異なるが通常40〜200 ℃である。反応混合物の蒸留塔内
の滞留時間は2時間以内が好ましい。滞留時間がこれよ
りも長いとアルカノールアミン類が熱的な変質を受ける
ため好ましくない。加熱蒸留は回分式で行っても連続式
で行ってもよい。蒸留形式は通常の蒸留操作で用いる単
蒸留や充填塔または泡鐘塔、多孔板塔等の段塔等を用い
た精留の他に、例えば棚段の蒸留塔上部から反応液を供
給し下部から窒素等の不活性ガスを吹き込んでアンモニ
アおよび二酸化炭素の大部分と水の一部をストリッピン
グする方法、薄膜蒸発器による方法、フラッシュ蒸発さ
せる方法等が挙げられる。
【0026】加熱蒸留により分離したアンモニアおよび
二酸化炭素を主体とするガス成分は、導管を経て凝縮器
または吸収塔に導入され、該ガス成分を凝縮させるかま
たは水性媒体に吸収させる事により回収する。該ガス成
分を凝縮器により回収する場合の凝縮器の温度は10〜10
0 ℃、好ましくは30〜70℃である。凝縮温度がこの範囲
よりも低いとエネルギー的に不利となり、高すぎると凝
縮効率が悪くなる。
【0027】一方、該ガス成分を水性媒体に吸収させる
場合の水性媒体は、水、アルコール類、グリコール類ま
たはこれらの混合物等が使用できるが、好ましくは水が
用いられる。吸収圧力は減圧下、常圧下または加圧下の
いずれの条件で行ってもよいが通常10Kg/cm2( ゲージ
圧) 以下で行う。吸収温度は用いられる圧力により異な
るが通常10〜100 ℃であり、好ましくは10〜60℃であ
る。吸収温度がこの範囲よりも低いとエネルギー的に不
利となり、高すぎると吸収効率が悪くなる。吸収方法の
例としては通常の吸収操作に用いる充填塔、濡れ壁塔、
噴霧塔等の液分散型吸収装置の他、気泡式あるいは泡沫
式等のガス分散型吸収装置が挙げられる。
【0028】この様にして回収したアンモニアおよび二
酸化炭素の凝縮液または吸収液を反応系へリサイクルす
る事により再び反応で使用されるが、二酸化炭素は反応
により消費されないので回収工程でのロス分だけを補給
すれば良く、一方、アンモニアは反応工程で消費される
量と回収工程でのロス分を補給すればよい。
【0029】本発明の方法では、アンモニアおよび二酸
化炭素の大部分と水の一部を除去された反応混合物は蒸
留塔の底部から抜き出され、次に脱水工程に送られる。
エチレンオキサイドとアンモニアの反応を例にとると、
脱水工程での加熱蒸留圧力は減圧下、常圧下または加圧
下のいずれの条件で行ってもよい。好ましくは減圧下ま
たは常圧下で行い、通常760torr 以下で行う。加熱蒸留
温度は用いられる圧力により異なるが通常40〜200 ℃で
ある。反応混合物の蒸留塔内の滞留時間は2時間以内が
好ましい。滞留時間がこれよりも長いとアルカノールア
ミン類が熱的な変質を受けるため好ましくない。加熱蒸
留は回分式で行っても連続式で行ってもよい。蒸留形式
は通常の蒸留操作で用いる単蒸留や充填塔または泡鐘
塔、多孔板塔等の段塔等を用いた精留が好ましい。
【0030】次に、反応液を加熱蒸留して、アンモニ
ア、水および大部分の二酸化炭素を分離した濃縮液中か
ら、蒸留によりモノアルカノールアミンを回収する。こ
の際に、該濃縮液を蒸留塔の中段から供給し、塔底部で
加熱する事により、モノアルカノールアミンのカルバミ
ン酸塩あるいは炭酸塩をモノアルカノールアミンと二酸
化炭素に解離させ、解離したモノアルカノールアミンと
二酸化炭素を蒸気として塔内を上昇させる。
【0031】一方、塔頂部と供給部の中間部分は塔底部
よりも低温であるので、塔内を下降してくるモノアルカ
ノールアミンに二酸化炭素をモノアルカノールアミンの
カルバミン酸塩あるいは炭酸塩として吸収させ、二酸化
炭素を含有するモノアルカノールアミンをサイドカット
により抜き出し、前工程へリサイクルすると共に、塔頂
部からは二酸化炭素含有量の少ないモノアルカノールア
ミンを回収する事により、二酸化炭素の含有量を低減し
たアルカノールアミン類が得られる。
【0032】エチレンオキサイドとアンモニアの反応を
例にとると、本工程での加熱蒸留圧力は減圧下、常圧下
または加圧下のいずれの条件で行ってもよいが、減圧下
が好ましく、通常200torr 以下で行う。加熱蒸留温度は
用いられる圧力により異なるが塔底温度は通常40〜250
℃に加熱する。一方、塔頂部と供給部の中間部の二酸化
炭素吸収部分の温度は塔底温度より低くなるが通常30〜
180 ℃である。
【0033】本発明の方法で用いる蒸留塔では、塔内を
下降してくるモノアルカノールアミンに二酸化炭素を吸
収させ、該吸収液の一部を液としてサイドカットにより
抜き出すための構造を、二酸化炭素吸収部の下部に設置
する。本発明の目的が達成できる構造であればどの様な
構造でも使用できる。サイドカットにより抜き出された
該吸収液の一部は前工程へリサイクルされるが、アンモ
ニアおよび二酸化炭素を主体とするガス成分の分離工程
または水の分離工程のいずれかにリサイクルされる。
【0034】本工程での反応混合物の蒸留塔内の滞留時
間は2 時間以内が好ましい。滞留時間がこれよりも長い
とアルカノールアミン類が熱的な変質を受けるため好ま
しくない。加熱蒸留は回分式で行っても連続式で行って
もよい。蒸留形式は通常の蒸留操作で用いる充填塔また
は泡鐘塔、多孔板塔等を用いた精留が好ましい。
【0035】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
する。
【0036】実施例1 塔底容積1500mlの吸収塔の塔底部に35% 炭酸アンモニウ
ム水溶液611gおよび39% アンモニア水269gを仕込んだ。
この液を435.5g/hr で内径6mm 、全長9mのステンレス製
反応器( 内容積250ml)の入り口にポンプで供給し、同時
にEOをに65.9g/hrポンプで供給した。反応器は恒温槽に
より40℃を保つように調節され、圧力は7kg/cm2(ゲージ
圧) に設定した。反応器を出た反応液は吸収塔に至るま
で圧力を3.4kg/cm2(ゲージ圧) に保たれる。
【0037】反応液は予熱器で135 ℃に加熱され、予熱
器を出た反応液は気液分離器に供給され気液分離され
る。アンモニア、二酸化炭素および水の一部を含む気相
部は吸収塔に送入され、液相部はさらにアンモニア、二
酸化炭素を回収するためガス回収塔に導入される。ガス
回収塔は塔底容積500ml 、内径40mm、高さ80cmの充填塔
で、オイルバスにより塔底を158 ℃に加熱した。この塔
頂から回収されるアンモニア、二酸化炭素および水の一
部は気液分離器からの回収ガスと合流後冷却器で45℃に
冷却、凝縮され吸収塔に導入される。
【0038】冷却器で凝縮されなかったアンモニアおよ
び二酸化炭素は吸収塔上部から61.5ml/hr で供給される
水に全量吸収して回収させた。さらに吸収塔の塔底部に
アンモニアガスおよび二酸化炭素をボンベよりそれぞれ
20.7g/hrおよび3.0g/hr で供給し水に吸収させた。一
方、ガス回収塔の塔底液はエタノールアミン類の回収工
程に供給する。
【0039】この装置を用いて5 時間連続して反応を行
い系が定常状態に達した後の反応成績を以下に示した。
【0040】反応器入口: 供給量 504g/hr, 組成 EO
12.9wt%, アンモニア 17.6wt%, 二酸化炭素 9.7wt%,水
59.1wt%,MEA 0.7wt% 反応器出口: 液量 504g/hr, 組成 アンモニア 13.5w
t%, 二酸化炭素 9.7wt%,水 59.1wt%,MEA 13.1wt%,DEA
2.9wt%,TEA 1.7wt% 気液分離器気相部: 留出量 289g/hr, 組成 アンモニア
23.3wt%, 二酸化炭素12.5 wt%, 水 63.0wt%,MEA 1.1wt
% ガス回収塔塔頂: 留出量 63g/hr,組成 アンモニア 0.8
wt%,二酸化炭素 13.7wt%, 水 85.7wt%,MEA 0.5wt% ガス回収塔塔底: 液量 150g/hr, 組成 二酸化炭素 2.0
wt%,水 41.0wt%,MEA 41.4wt%,DEA 9.8wt%,TEA 5.8wt%
【0041】以上の結果より、EOの転化率は100%であ
り、MEA 62.1g/hr、DEA 14.8g/hrおよびTEA 8.57g/hrが
生成し、MEA 、DEA およびTEA の生成比率は重量比で7
2.5:17.3:10.2であった。
【0042】次に、ガス回収塔の塔底液を用いて水の分
離を行った。塔底容積300ml 、内径30mm、高さ80cmの理
論段数16段の充填塔の中間部分から、ガス回収塔の塔底
液(組成: 二酸化炭素 2.0wt%,水 41.0wt%,MEA 41.4wt%,
DEA 9.8wt%,TEA 5.8wt%) を150g/hr の速度で供給し
た。塔底を135 ℃に加熱し、圧力を150torr 、還流比を
0.5 に保ち連続蒸留を行った。3時間連続して蒸留を行
い系が定常状態に達した後の結果を以下に示した。
【0043】塔頂: 留出量 63.6g/hr,組成 :二酸化炭素
3.4wt%,水 96.6wt% 塔底: 抜き出し液量 86.4g/hr,組成: 二酸化炭素 1.0wt
%,MEA 71.9wt%,DEA 17.0wt%,TEA 10.1wt%
【0044】次に、脱水蒸留の塔底液からMEA の分離回
収を行った。実験には、塔底容積300ml 、内径25mm、高
さ90cmの塔の中間部分に蒸留原料液供給部、塔頂部と原
料液供給部の中間部にはサイドカットにより液を抜き出
す為のサイドカット部を備えた装置を用いた。蒸留塔は
充填塔であり、理論段数は塔底部と液供給部の間が12
段、サイドカット部と塔頂部の間が14段であった。塔底
液( 組成: 二酸化炭素 1.0wt%,MEA 71.9wt%,DEA 17.0wt
%,TEA 10.1wt%)を86g/hrの速度で供給した。塔底を185
℃に加熱し、圧力を10torr、還流比を1.0 、塔頂留出量
とサイドカット抜き出し液量の比を0.2 に保ち連続蒸留
を行った。3 時間連続して蒸留を行い系が定常状態に達
した後の反応成績を以下に示した。
【0045】塔頂: 留出量 52g/hr,組成:MEA 99.98wt%,
二酸化炭素 0.02wt% サイドカット: 抜き出し液量 11g/hr,組成:MEA 92.4wt
%, 二酸化炭素 7.6wt% 塔底: 抜き出し液量 23g/hr,組成:DEA 62.8wt%,TEA 37.
2wt%
【0046】この結果より、塔頂から留出したMEA 中に
は二酸化炭素が0.02wt% しか含有されておらず、大部分
の二酸化炭素はサイドカットにより除去できたことを示
している。
【0047】比較例1 本比較例では、サイドカットをしない方式で、脱水蒸留
の塔底液からMEA の分離回収を行った。塔底容積300ml
、内径30mm、高さ80cmの理論段数16段の充填塔の中間
部分から、実施例5の塔底液( 組成: 二酸化炭素 1.0wt
%,MEA 71.9wt%,DEA 17.0wt%,TEA 10.1wt%)を86g/hrの速
度で供給した。塔底を185 ℃に加熱し、圧力を10torr、
還流比を1.0 に保ち連続蒸留を行った。3 時間連続して
蒸留を行い系が定常状態に達した後の反応成績を以下に
示した。
【0048】塔頂: 留出量 63g/hr,組成:MEA 98.6wt%,
二酸化炭素 1.40wt% 塔底: 抜き出し液量 23g/hr,組成:DEA 62.8wt%,TEA 37.
2wt%
【0049】この結果より、本発明の方法によらない蒸
留方法ではモノアルカノールアミン中に含まれる二酸化
炭素の含有量は低減出来ない事がわかる。
【0050】
【発明の効果】アンモニアとアルキレンオキサイドとを
アンモニアの炭酸塩類の存在下で反応させてアルカノー
ルアミン類を製造する本発明の方法によれば、モノアル
カノールアミンの生成比率を著しく増大する事が可能と
なり、さらに、通常の蒸留操作では分離できなかったモ
ノアルカノールアミン中に含まれる二酸化炭素の含有量
を著しく低減する事が出来るため、経済的かつ工業的に
極めて有利にアルカノールアミン類を製造できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大川 尚 大阪府高石市高砂1丁目6番地 三井東圧 化学株式会社内 (72)発明者 鈴木 賢司 大阪府高石市高砂1丁目6番地 三井東圧 化学株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1) アンモニアとアルキレンオキサイドと
    をアンモニアの炭酸塩類の存在下で反応させて、アルカ
    ノールアミン類を生成させ、(2) 該反応液を加熱蒸留し
    て、アンモニアおよび二酸化炭素を主体とするガス成分
    を分離し、該ガス成分を凝縮または水性媒体に吸収さ
    せ、該凝縮液または吸収液を(1) の反応系へリサイクル
    し、(3)(2)の缶出液を加熱蒸留して水を分離し、(4)(3)
    の缶出液を加熱蒸留して二酸化炭素含有量の少ないモノ
    アルカノールアミンを塔頂部から分離回収すると共に、
    該缶出液供給部と塔頂部の中間部分から二酸化炭素を含
    有するモノアルカノールアミンを、サイドカットにより
    抜き出し、(5) 該抜き出し液を(2) または(3) の加熱蒸
    留系へリサイクルする、事を特徴とするアルカノールア
    ミン類の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7977513B2 (en) 2006-12-07 2011-07-12 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Method and apparatus for producing mono-lower-alkylmonoalkanolamine

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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