JPH0747707Y2 - 防水を施した水温計 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、防水を施した水温計の
分野に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来市販されている観賞用水槽内の水温
や河川、海水の水温等を測定する水温計は、容体に内蔵
しているデジタル表示モジュール本体と接続するサーミ
スターセンサー部を内蔵するセンサーパイプが、長いリ
ード線の先端に接続されていた。

【０００３】

【本考案が解決しようとする課題】従来の水温計は、水
温を測定するとき、サーミスターセンサー部を水槽や海
水、河川の水中等に測定対象となっている所定の深さま
で落下せしめ測定していた。

【０００４】そのため河川や海の場合には、水の流れに
よってセンサー部が流され、所定の深さの水温を測定す
るのが困難であった。また海の水温測定調査時において
も、センサー部が波によって押し流され、所定の深水温
度の測定作業が容易でなかった。

【０００５】また従来の水温計は、ポケット等に収納し
ておくが、その際雨水が入り込むと水温計の内部に水が
侵入し故障することが応々にしてあった。

【０００６】さらにセンサー部と接続するリード線が長
くなっているので、水温計を構成する容体に捲込み、そ
のため取り出し時にリード線が引掛ったりして破損のお
それがあった。

【０００７】しかるに本考案の水温計は、第１にリード
線を水温計を構成する容体から一切飛出させないように
したこと、第２に容体より飛出するセンサーパイプや蓋
体、シールフィルムに接着剤を付着せしめて防水加工処
理を施し、さらにパッキンを嵌挿した電池用蓋にパッキ
ンを嵌挿して、水槽、河川、海水等のどの深さに投入し
ても、容体内部にまで侵水することなく、確実に水温測
定ができるようにしたこと、第３に河川等に入れても水
流によって押し流されずに所定の深さの水温を確実に測
定できるようにしたこと、第４にポケット等に収納する
ときも、また再度取り出すときも、リード線がないの
で、引掛ったりせず容易に取り出しができると共に、耐
用期間も従来品に比し著しく長く確保させることができ
るに至った等多数の利点を併有するものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本考案は、容体を構成す
る底壁面部の所定個所にネジ付き嵌挿部を形成し、容体
を構成する左右両側壁面部の何れかの一側壁面部にセン
サーパイプを嵌挿し、且先端部を突出する貫通孔付き嵌
挿部を突設し、前記嵌挿部を形成した側壁面部と反対の
側壁面部に引掛け部を突設し、各壁面部の上方内側部に
上面部に行くに従って径が大きくなる下段部と上段部と
を形成し、

【０００９】前記容体内にデジタル表示モジュール本体
を収納せしめ、前記本体と接続するリード線も容体内に
収納し、且リード線に接続するサーミスターセンサー部
を嵌挿部の貫通孔内にＯリングを介して嵌込んだセンサ
ーパイプ内に内蔵せしめ、貫通孔とセンサーパイプとの
間隙部に接着剤を注入して防水加工を施し、

【００１０】透明な塩化ビニール製蓋体を下段部に嵌挿
し、蓋体の周縁部に接着剤を注入もしくは付着して防水
加工を施し、

【００１１】前記蓋体の表面部に水温表示用透明窓部を
有するシールフィルムを貼着し、Ｏリングを嵌込んだネ
ジ付き電池用蓋部を底壁面部の嵌挿部に螺着して組立て
たことを特徴とする防水を施した水温計である。

【００１２】

【作用】本考案の作用を説明すると以下のとおりであ
る。

【００１３】本考案の水温計は、通常容体より突設した
引掛け部に紐をしばり付けておくものである。ポケット
類に収納するには、紐を容体に捲きつけたり、あるいは
容体と紐とを同時に収納する。

【００１４】そして水温測定にあたっては、紐をつかん
だまゝ、河川の水中に本考案品を落下し、所定の深さに
達したら、静止せしめ引き上げ水温測定をする。

【００１５】また海水温度の測定のときも上述と同じ要
領にて測定すればよい。

【００１６】上述の河川や海水の水温測定時において、
水温計全体の重量によって余り流されたりしない。従っ
て所定の目的で所定の深さの水温は確実に測定せしめる
ことができる。

【００１７】さらに本考案の水温計は、水槽の水温を常
時測定しようとするときは、紐を取り外し、そのまゝ水
槽内に入れて、よく測定することができ、従って水槽内
の魚貝類等が生息するのに適する水温を常時見ながら測
定することができる。

【００１８】以上のように本考案の水温計は、容体に対
し蓋体、シールフィルム、センサーパイプ、電池用蓋部
が、接着剤やパッキンによって、容体内部に侵水するよ
うなことがない。従って収納しているデジタル表示モジ
ュール本体や電池が水によって測定不能になるようなこ
とがない。

【００１９】以上のように本考案の水温計は、水の侵入
が阻止され、水温計の心臓部といわれているデジタル表
示モジュール本体が長期間機能するので、正確に水温測
定が可能である。

【００２０】なお本考案の水温計は、川、海の釣用、鑑
賞魚類の水槽用、養殖場用、農業用及びベビー風呂用等
の多方面において使用することができる。

【００２１】

【実施例】本考案の実施例を説明すると以下のとおりで
ある。

【００２２】図１は本考案水温計ａの正面図を表わした
ものである。１は水温計ａを構成する合成樹脂製容体で
あり、２は容体１を構成する底壁面部、３は所定個所に
ネジ４を付設した嵌挿部、５は底壁面部２より立設した
左側壁面部、６は同じく右側壁面部、７は前側壁面部、
８は後側壁面部である。９は右側壁面部６に形成した貫
通孔１０付き嵌挿部である。１１は左側壁面部５に突設
した嵌挿孔１２を有する引掛け部、１３は各側壁面部
５、６、７、８によって囲まれた開口部、１４は前記各
側壁面部の上方内側に形成された下段部、１５は下段部
１４より径が大きい上段部である。１６はデジタル表示
モジュール本体ｂに接続されているリード線、１７はリ
ード線１６の端部に接続のサーミスターセンサー部、１
８は前記嵌挿部９の貫通孔１０内にＯリング１９を嵌挿
せしめ挿入した一端部を外側に突出のセンサーパイプで
ある。このパイプ１８は貫通孔１０内に水が侵水しない
ように外周部に接着剤を注入してやる。そして前記のパ
イプ１８内にサーミスターセンサー部１７を内蔵せしめ
る。上述の容体１内にデジタル表示モジュール本体ｂを
リード線１６と共に収納する。

【００２３】２０は下段部１４に嵌挿した透明な塩化ビ
ニール製蓋体であり、外周縁部に防水用接着剤を付着し
てやる。２１は透明な窓孔２２を有するシールフィルム
であり、前記の蓋体２０の表面に貼着してやる。その結
果、モジュール本体ｂより表示されたデジタルが窓孔２
２より鮮明に見える。

【００２４】２３はネジ２４付き電池用蓋部であり、嵌
挿部３に螺着する。その結果蓋部２３に嵌挿しているＯ
リング２５によって防水され容体１内部に侵水するよう
なことがない。２６は電池である。２７はデジタル、ｃ
は従来の水温計、２８はデジタル表示用窓部、２９はリ
ード線、３０はセンサー、３１はデジタルである。

【００２５】さらに本考案の水温計ａの仕様は下記のと
おりである。

【００２６】

【表１】

【００２７】

【効果】本考案は以下に示す効果を奏する。

【００２８】水温計を構成する容体の底壁面部にネジ付
き嵌挿孔を、側壁面部に貫通孔付き嵌挿部を、各側壁面
部の上方内側部に上、下両段部を夫々形成して、デジタ
ル表示モジュール本体を収納し、且センサーパイプを前
記の貫通孔より外側にＯリングを嵌込んで突設し、嵌挿
部に接着剤を注入し、さらに嵌挿孔にパッキンを嵌込ん
だネジ付き電池用蓋部を螺着し、前記の段部に透明な塩
化ビニール製蓋体を嵌挿し、外周縁部に接着剤を塗着し
て防水処理を施し、前記蓋体の上面に窓部だけが透明な
シールフィルムを貼着せしめ形成したので、従来の水温
計のようにサーミスターセンサー部だけを投入する測定
方法と全く異って、水温計全体を河川、水槽、海、風呂
等の水中もしくは湯中に投入しても、水流に流されるこ
となく、所定の深さの水温を確実に測定することができ
る利点を有している。

【００２９】さらに、水流のない場合でも水温計全体が
相当の重量を有しているので、測定の深さまで確実に投
入でき、従って測定速度の能率アップにもなる利点を有
している。

【００３０】また本考案の水温計は、リード線が外側に
長く出ることが全くないので、ポケットやかばん等への
収納がきわめて容易であると共に、ポケットからの取り
出しもリード線が引掛って切断することもなく、きわめ
てスムーズである。さらにリード線の切断がないので、
商品寿命を従来品に比し延命にすることができる利点を
有している。

【００３１】さらに本考案の水温計は、完全防水を施し
ているので、ポケット等に入れておき、水が付着して
も、容体内にまで水が侵入して、収納されているモジュ
ール本体等を損傷するようなことがない利点を有してい
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案防水を施した水温計の正面図である。

【図２】同Ａ−Ａ線縦断面図である。

【図３】同水温計を構成する各部材の組立て前の斜面図
である。

【図４】従来の水温計の一部切欠斜面図である。

【符号の説明】

ａ、ｃ・・・水温計 １・・・容体 ２・・・底壁
面部 ３、９・・・嵌挿部 ４、２４・・・ネジ ５・・
・左側壁面部 ６・・・右側壁面部 ７・・・前側壁面部 ８・・
・後側壁面部 １０・・・貫通孔 １１・・・引掛け部 １２・・
・嵌挿孔 １３・・・開口部 １４・・・下段部 １５・・・
上段部 ｂ・・・デジタル本体モジュール １６・・・リード
線 １７・・・サーミスターセンサー部 １８・・・セン
サーパイプ １９、２５・・・Ｏリング ２０・・・蓋体 ２１
・・・シールフィルム ２２・・・窓孔 ２３・・・蓋部 ２６・・・電池 ２７、３１・・・デジタル ２８・・・窓部 ２９
・・・リード線 ３０・・・センサー

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】容体を構成する底壁面部の所定個所にネジ
   付き嵌挿部を形成し、容体を構成する左右両側壁面部の
   何れかの一側壁面部にセンサーパイプを嵌挿し、且先端
   部を突出する貫通孔付き嵌挿部を突設し、前記嵌挿部を
   形成した側壁面部と反対の側壁面部に引掛け部を突設
   し、各壁面部の上方内側部に上面部に行くに従って径が
   大きくなる下段部と上段部とを形成し、 前記容体内にデジタル表示モジュール本体を収納せし
   め、前記本体と接続するリード線も容体内に収納し、且
   リード線に接続するサーミスターセンサー部を嵌挿部の
   貫通孔内にＯリングを介して嵌込んだセンサーパイプ内
   に内蔵せしめ、貫通孔とセンサーパイプとの間隙部に接
   着剤を注入して防水加工を施し、 透明な塩化ビニール製蓋体を下段部に嵌挿し、蓋体の周
   縁部に接着剤を注入もしくは付着して防水加工を施し、 前記蓋体の表面部に水温表示用透明窓部を有するシール
   フィルムを貼着し、Ｏリングを嵌込んだネジ付き電池用
   蓋部を底壁面部の嵌挿部に螺着して組立てたことを特徴
   とする防水を施した水温計。