JPH0747642Y2 - 自動変速機におけるバンドブレーキ用油圧制御装置 - Google Patents

自動変速機におけるバンドブレーキ用油圧制御装置

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JPH0747642Y2
JPH0747642Y2 JP17042688U JP17042688U JPH0747642Y2 JP H0747642 Y2 JPH0747642 Y2 JP H0747642Y2 JP 17042688 U JP17042688 U JP 17042688U JP 17042688 U JP17042688 U JP 17042688U JP H0747642 Y2 JPH0747642 Y2 JP H0747642Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、自動変速機において所定の変速段を設定す
るために回転部材の制動を行なうブレーキを動作させる
油圧制御装置に関し、特にバンドブレーキを動作させる
ための油圧制御装置に関するものである。
従来の技術 周知のように自動車用の自動変速機は、遊星歯車機構や
差動歯車機構を複数組使用し、それらの歯車機構を構成
する三要素(すなわち遊星歯車機構であればサンギヤお
よびキャリヤならびにリングギヤ、差動歯車機構であれ
ばリングギヤおよびこれに噛合する一対のサイドギヤ)
のいずれか一つの要素を固定し、かつ他の二要素を入力
要素や出力要素とすることにより適宜の変速比を得るよ
う構成されている。この種の自動変速機では所謂変速シ
ョックのないスムースな変速を行なうことが重要な課題
であり、そのために従来一般には、歯車変速装置に一方
向クラッチを組込み、また油圧制御回路にタイミングバ
ルブやアキュームレータを多用してクラッチやブレーキ
の係合タイミングの適正化を図っている。しかしながら
一方向クラッチやタイミングバルブなどを多用すると、
自動変速機の構成部材が増加することになるから、重量
の増大やコストアップを招くことになる。
そこで本出願人は、全体としての機構を複雑化せずに変
速ショックの解消に有効に作用させることのできるブレ
ーキ装置を既に提案した(特願昭62-101477号)。この
ブレーキ装置は、ブレーキの締付け力を発生する油圧サ
ーボシリンダとアンカーロッドとを共に前後動自在とす
るとともに、これら両者を連結することにより、ブレー
キドラムの回転によって油圧サーボシリンダを後退移動
させ、その際にブレーキを締付けるよう作用する油圧を
排圧する弁機構を設け、その結果、一方向クラッチとし
ての作用を付加したものである。その概略を図示すれば
第4図の通りであり、サーボシリンダ100はその軸線方
向に前後動するよう配置されており、その内部すなわち
第1油室101に油圧を送ると、ピストン102が前進するこ
とによりプッシュロッド103がアンカーロッド104と共に
ブレーキバンド105を締付けて制動を行なうよう動作す
る。そのアンカーロッド104は前後動自在に保持され、
またこのアンカーロッド104とサーボシリンダ100とは連
結ロッドRによって連結されており、したがってブレー
キドラム106が第4図に符号Bで示すディエナージ方向
に回転していたとすると、サーボシリンダ100がアンカ
ーロッド104と一体となって第4図の左方向に後退移動
し、それに伴って弁体107が第4図の右方向に相対的に
押されて第1油室101と第2油室108とを連通させる油路
を開くので、第1油室101から排圧され、その結果、プ
ッシュロッド103を押圧する力がなくなるので制動が行
なわれない。これに対してブレーキドラム106が第4図
に符号Aで示すエナージ方向に回転していれば、ブレー
キドラム106がブレーキバンド104を巻き込むうえに前記
弁体107が開動作させられないので制動を行なうことが
できる。また第1油室101および第2油室108の両方に油
圧を供給することにより、サーボシリンダ100の後退移
動を阻止した状態でピストン102を押圧することになる
ので、ブレーキドラム106のエナージ方向およびディエ
ナージ方向のいずれの方向の回転も阻止することができ
る。このような構成であれば、油圧の供給の仕方によっ
て一方向特性が生じ、ブレーキドラムの回転によって制
動の解除を行なわせることができるので、タイミングバ
ルブなどの複雑な機構を用いずに変速ショックを低減で
きる。なお第4図中符号110はリターンスプリングであ
ってピストン102を第1油室101側に押圧している。
考案が解決しようとする課題 ところで第4図に示すブレーキ装置にあっては、弁体10
7が開動作する際に第2油室108がドレンに連通している
により、一方向特性が生じ、これとは反対に第2油室10
8および第1油室101に油圧を供給することにより一方向
特性が生じず、通常のブレーキ装置として作用するので
あり、したがって第2油室108はドレンとライン油圧油
路とに適宜に切替えて連通させる必要があり、そのため
には第1油室101の油圧を制御信号圧としてサーボシー
ケンスバルブを切換え動作させるよう構成することが好
ましく、そのような構成を特願昭62-313566号の明細書
に記載してある。このような構成の場合、サーボシリン
ダ100が後退移動する際の摺動抵抗が大きいと、ブレー
キドラム105のディエナージ方向の回転に起因してサー
ボシリンダ100が後退移動する際に第1油室101の油圧が
高くなり、その結果、サーサボシーケンズバルブの切換
えが行なわれてしまうために第2油室108がドレンに連
通されず、一方向特性が生じなくなる。
すなわちプッシュロッド103を介してブレーキバンド105
の端部に作用する力Fpは、 Fp=Ps1S1−(Fr+F1) ここでPs1は、第1油室101内の油圧、S1は、第1油室10
1でのピストン102の受圧面積、Frは、リターンスプリン
グ110による力であって初期設定荷重および変形に伴う
荷重の和であり、F1は、プッシュロッド103とブレーキ
バンド105の端部との間の摩擦力である。
またプッシュロッド104を介してブレーキバンド105の端
部に作用する力FAは、 FA=Ps1S1−(Fr+F2) ここでF2は、サーボシリンダ100の外周での摺動抵抗
力、連結ロッドRとこれをガイドする部材との間の摺動
抵抗力、アンカーロッド104とこれをガイドする部材と
の間の摺動抵抗力、アンカーロッド104とブレーキバン
ド105の端部との間の摺動抵抗力を加えた摩擦力であ
る。
ブレーキドラム106がディエナージ方向に回転している
場合、ブレーキバンド105のサーボ効果により、プッシ
ュロッド103がブレーキバンド105の端部を押圧する力Fp
に対して、ブレーキバンド105の他方の端部がアンカー
ロッド104を押圧する力FA′は、 FA′=Fp/eμβ ={Ps1S1−(Fr+F1)}/eμβ となる。ここでeは、自然対数の底、μは、ブレーキバ
ンド105とブレーキドラム106との間の摩擦係数、βは、
ブレーキバンド105の有効巻付け角度である。
そしてブレーキドラム106のディエナージ方向の回転に
伴ってサーボシリンダ100が後退移動し、その結果、弁
体107が開弁動作するには、 FA−FA′>Ps1S2 の条件を満す必要がある。なお、S2は、第1油室圧によ
って弁体107を閉じる方向に作用する受圧面積である。
すなわちこの条件は、 Ps1S1−(Fr+F2)−{Ps1S1−(Fr+F1)}/eμβ>Ps
1S2 これを整理すると、 (eμβ−1)(Ps1S1−Fr)/eμβ>Ps1S2+(F2−F1
/eμβ) ここで{(eμβ−1)/eμβ}>0であるから、 このPs1の値が、サーボシーケンスバルブの切換り圧力P
s1′より小さければ、第2油室108がドレンに連通させ
られることになる。そこで弁体107が開弁動作する際の
第1油室101の油圧Ps1は、右辺第1項のリターンスプリ
ング110による荷重と右辺第2項の摺動抵抗とに応じて
高くなり、かつ(S1−S2)の面積差に反比例することが
知られる。しかも第1項のリターンスプリング110によ
る荷重はブレーキバンド105を解放させる際のブレーキ
ドラム106に対する引き摺りを防止する目的で第2項の
摺動抵抗に応じて設定し、したがって摺動抵抗が大きい
ほど大きくなる。すなわちPs1の値は摺動抵抗が大きく
なるほど大きくなるのであるから、確実に一方向特性を
示すようにするためには、摺動抵抗を可及的に小さくす
ることが必要である。
しかるに第4図に略示する従来のブレーキ装置では、連
結ロッドRがサーボシリンダ100の軸線から半径方向に
ずれた位置に取付けてあるために、ブレーキドラム106
の回転力が連結ロッドRを介してサーボシリンダ100に
掛った場合、サーボシリンダ100に回転モーメントが作
用してその外周側で所謂コジリが生じ、摺動抵抗が大き
くなり、ひいては一方向特性を示さなくなるおそれがあ
った。
この考案は上記の事情を背景としてなされたもので、サ
ーボシリンダが前後動する際の摺動抵抗を減じて確実に
一方向特性を示すバンドブレーキ用油圧制御装置を提供
することを目的とするものである。
課題を解決するための手段 この考案は、上記の目的を達成するために、ブレーキバ
ンドの一端部を押圧するプッシュロッドを、軸線方向に
前後動自在に配置した油圧サーボシリンダ内のピストン
に連結するとともに、そのブレーキバンドの他端部をブ
レーキドラムのほぼ接線方向に前後動自在に配置したア
ンカーロッドによって支持し、また前記油圧サーボシリ
ンダとアンカーロッドとを両者が一体となって移動する
よう連結部材によって連結するとともに、前記プッシュ
ロッドがブレーキバンドの一端部を押圧する方向とは反
対方向に前記油圧サーボシリンダが後退移動することに
より前記ピストンをブレーキバンドの締付方向に押圧す
るよう作用する油圧を油圧サーボシリンダ内から排圧す
る弁機構を設けた自動変速機におけるバンドブレーキ用
油圧制御装置において、前記連結部材が、前記油圧サー
ボシリンダの中心軸線に直交する軸線を中心に回転自在
でかつ油圧サーボシリンダに対する力の作用箇所が油圧
サーボシリンダの軸心に対して対称となる複数箇所で前
記油圧サーボシリンダに連結された連結具と、その連結
具に一端部が連結されるとともに他端部が前記アンカー
ロッドに対してその軸心から外れた箇所で連結一体化さ
れかつ前記油圧サーボシリンダの中心軸線と平行な方向
に前後動する軸部材とを備えていることを特徴とするも
のである。
作用 この考案のバンドブレーキ用油圧制御装置によれば、油
圧サーボシリンダの内部に油圧を供給してプッシュロッ
ドとアンカーロッドとによってブレーキバンドを締付
け、その状態でブレーキドラムがディエナージ方向に回
転すると、油圧サーボシリンダに対してこれを後退移動
させる力が連結部材から掛ることになる。その場合、連
結部材のうちの軸部材は油圧サーボシリンダの中心軸線
と平行方向に前後動するから、その一端部に連結してあ
る連結具には油圧サーボシリンダの中心軸線と平行な方
向に荷重が作用する。そしてこの連結具は油圧サーボシ
リンダに対して、その中心軸線に直交する軸線を中心に
回転自在でかつ油圧サーボシリンダの軸心に対して対称
な複数箇所で連結されているから、軸部材の前後動に伴
って油圧サーボシリンダを押圧する場合、連結具から油
圧サーボシリンダに対してこれを回転させるモーメント
が生じない。したがって油圧サーボシリンダが移動する
際にその外周でコジリが殆んど生じないために摺動抵抗
が小さくなり、その結果、ブレーキバンドを締付けた状
態でブレーキドラムがディエナージ方向に回転すると、
油圧サーボシリンダが速やかに後退移動して弁機構が開
弁動作し、ブレーキバンドを締付けるよう作用していた
油圧が排圧される。
実施例 つぎにこの考案の実施例を図面を参照して説明する。
第1図はこの考案の一実施例を示す断面図であり、ブレ
ーキドラム1はトランスミッションケース2の内部に収
容され、その外周側にブレーキバンド3が配置されてい
る。このブレーキバンド3の両端部は接近して対向する
よう配置されていて、一端部すなわち第1アンカー部4
は、アンカーロッド5により支持されている。このアン
カーロッド5はブレーキドラム1の接線方向に向けてト
ランスミッションケース2に形成した中空部内にその軸
線方向すなわちブレーキドラム1の接線方向に前後動す
るよう収容され、その後退端(第1図の右方向での移動
端)は調整ボルト6によって規定されている。なおアン
カーロッド5の先端部にはその半径方向に突出したフラ
ンジ部7が形成され、そのフランジ部7には、連結部材
の一部をなす連結ロッド8が貫通して固定されるととも
に、その連結ロッド8の先端部がアンカーロッド5と平
行にトランスミッションケース2に形成した孔9に摺動
自在に嵌合し、したがって連結ロッド8の先端部がガイ
ドピンとなっている。
またブレーキバンド3の他方の端部すなわち第2アンカ
ー部10は、トランスミッションケース2のうち前記アン
カーロッド5とほぼ対向する位置に設けた油圧サーボシ
リンダ11のピストン12に取付けてあるプッシュロッド13
を押し付けることにより保持されている。
油圧サーボシリンダ11は、トランスミッションケース2
に形成した中空部14の内部に前後動自在に収容した構成
であり、その後端部(ピストン12を挟んでプッシュロッ
ド13とは反対方向の端部)には、内周面に密着した環状
のストッパ15が配置されており、このストッパ15の内周
側には、軸線方向での前後両側に突出したバルブスリー
ブ16が前後動自在に配置され、またこのバルブスリーブ
16の内周面には、前記ピストン12の後端側の円柱部分12
aが液密性を保持した状態で摺接している。
バルブスリーブ16の外周面とストッパ15の内周面との間
には、わずかな隙間が形成されて油路17となっており、
またバルブスリーブ16のうちストッパ15から前方(第1
図の右方向)に突き出している部分は、半径方向で外側
に延び出しており、その延出部分のうちストッパ15の正
面と対向する面が、ストッパ15に密着することによりス
トッパ15の内周面との間の油路17を閉じるようになって
いる。したがってここにバルブスリーブ16を弁体とし、
かつストッパ15の正面を弁座とした弁機構18が構成され
ている。
上記の油圧サーボシリンダ11を収容している中空部14の
後端部(第1図の左端部)がケースカバー19によって密
閉されており、したがってその中空部14の内部には、ピ
ストン12とストッパ15との間の第1油室20と、ストッパ
15とケースカバー19との間の第2油室21との二つの油室
が形成されている。
前記バルブスリーブ16の第2油室21側への突出長さは、
前記油圧サーボシリンダ11の可動範囲でケースカバー19
に当接する長さに設定されており、したがって前記弁機
構18は油圧サーボシリンダ11の後退移動によって開弁さ
れるよう構成されている。
また油圧サーボシリンダ11には、前記連結ロッド8の一
端部が連結されている。その連結部分の構造は第2図お
よび第3図に示す通りであり、トランスミッションケー
ス2のうちプッシュロッド13と同方向に突出した方形断
面をなすボス部22の左右両側(第3図での左右両側)に
は軸心を中心として対称となるようピン23が突設されて
おり、そのピン23に連結部材の一部をなす連結具である
連結金具24が係合されている。この連結金具24は、左右
両壁部24aに前記ピン23に係合する受け部を形成した全
体として上向きのほぼコ字形状をなすものであって、ピ
ン23を受け部に係合せた状態で左右両壁部24aをつなぐ
ようピン25を取付けることにより、ボス部22に取付けら
れている。そして連結ロッド8はその連結金具24の下端
部にピン26によって連結されている。したがって連結ロ
ッド8を介してその軸線方向に作用する力は、前記一対
のピン23を介して油圧サーボシリンダ11に作用し、その
結果、油圧サーボシリンダ11には連結ロッド8を介して
掛る力が軸線に沿った荷重として掛るようになってい
る。そしてこの連結ロッド8の他方の端部が前述したよ
うにアンカーロッド5に固定されているから、油圧サー
ボシリンダ11とアンカーロッド5とは、一体となってブ
レーキドラム1の接線方向に前後動するようになってい
る。
さらに油圧サーボシリンダ11のうちピストン12の前側に
は、ピストン12を第1図の左方向に押し戻すリターンス
プリング27が配置されている。
そしてまた前記第1油室20に開口する小孔28が油圧サー
ボシリンダ11に形成されるとともに、その小孔28に連通
する油路29がトランスミッション2に形成され、これと
は別に前記第2油室21に連通する油路30がトランスミッ
ションケース2に形成されている。
したがって上記の構成の油圧制御装置では、第1油室20
に例えばライン油圧を供給する一方、第2油室21をドレ
ンに連通させた場合、ブレーキドラム1の回転方向が第
4図に符号Aで示す方向と同じエナージ方向であれば、
ブレーキドラム1がブレーキバンド3を巻き込むよう作
用するので、ブレーキドラム1がブレーキバンド3によ
って制動される。これとは反対にブレーキドラム1の回
転方向が第4図に符号Bで示す方向と同じディエナージ
方向であれば、ピストン12が前進してプッシュロッド13
とアンカーロッド5とによってブレーキバンド3を締付
けていることにより、アンカーロッド5および油圧サー
ボシリンダ11が連結ロッド8で連結一体化した状態で第
1図の左方向に移動する。その場合、連結ロッド8とこ
れを取り付けた連結金具24とは、ブレーキドラム1の接
線方向に移動するとともに、その連結金具24が油圧サー
ボシリンダ11のボス部22に突設した左右一対のピン23に
係合しているから、油圧サーボシリンダ11に対する荷重
はその軸線方向に沿った荷重となる。換言すれば、油圧
サーボシリンダ11は軸線方向に沿って移動させられ、回
転モーメントが作用しない。そのため油圧サーボシリン
ダ11の外周での所謂コジリがなく、もしくは減少させら
れ、油圧サーボシリンダ11は円滑に後退移動する。そし
てバルブスリーブ16がケースカバー19に当接すると、バ
ルブスリーブ16が相対的に前進させられて油路17を開
き、その結果、第1油室20の内部の油圧が第2油室21を
介して排圧されるので、ブレーキバンド3の締付け力が
なくなり、制動が解除される。すなわちブレーキドラム
1の回転がエナージ方向の回転からディエナージ方向の
回転に変われば、自動的に制動が解除され、一方向特性
を示すことになる。
さらに第1油室20および第2油室21との両方にライン油
圧を供給すれば、ブレーキドラム1の回転方向がたとえ
ディエナージ方向であっても、油圧サーボシリンダ11の
後退移動が第2油室21に供給した油圧によって阻止さ
れ、したがってブレーキドラム1の制動が解除されな
い。すなわち一方向特性を示さない。
上述のように上記の油圧制御装置では、連結ロッド8を
介して油圧サーボシリンダ11に作用する力が油圧サーボ
シリンダ11の軸線に沿って作用することになるので、ブ
レーキドラム1の回転がディエナージ方向の回転である
場合に、油圧サーボシリンダ11を円滑に後退移動させて
第1油室20から排圧させることができ、したがって第1
油室20の内部圧力をサーボシーケンスバルブの制御信号
圧とし、そのサーボシーケンスバルブを介して第2油室
21をドレンに連通させる場合であっても、一方向特性の
あるブレーキ装置として確実に機能させることができ
る。
なおこの考案でアンカーロッドと油圧サーボシリンダと
を連結する連結部材は上記の実施例で示した連結ロッド
8および連結金具24に限定されず、その軸部材はクラン
ク状のロッドであってもよく、またリンク機構の一部を
なすロッドであってもよい。
考案の効果 以上説明したようにこの考案のバンドブレーキ用油圧制
御装置によれば、連結部材を介して油圧サーボシリンダ
に作用する荷重が、実質上、油圧サーボシリンダの軸心
に沿う荷重として作用することになるから、油圧サーボ
シリンダの移動の際にその外周でのコジリが大幅に減少
し、円滑に移動させることができる。その結果、ピスト
ンを押圧する油圧が特に高くならずに弁機構が開弁動作
してその油圧を排圧するので、ピストンを押圧する油圧
を制御信号油圧としてサーボシーケンスバルブを切換え
動作させる構成とした場合であっても、確実に一方向特
性を示すバンドブレーキとすることができる。またコジ
リが生じないことにより、摩耗粉の発生を抑制すること
ができるなどの効果をも奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの考案の一実施例を示す断面図、第2図はそ
の連結ロッドと油圧サーボシリンダとの連結部分の拡大
図、第3図は第2図のIII-III線矢視断面図、第4図は
本出願人が既に提案したバンドブレーキ用油圧制御装置
を示す断面図である。 1……ブレーキドラム、2……トランスミッションケー
ス、3……ブレーキバンド、8……連結ロッド、11……
油圧サーボシリンダ、12……ピストン、13……プッシュ
ロッド、16……バルブスリーブ、17……油路、18……弁
機構、20……第1油室、21……第2油室、23……ピン、
24……連結金具。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】ブレーキバンドの一端部を押圧するプッシ
    ュロッドを、軸線方向に前後動自在に配置した油圧サー
    ボシリンダ内のピストンに連結するとともに、そのブレ
    ーキバンドの他端部をブレーキドラムのほぼ接線方向に
    前後動自在に配置したアンカーロッドによって支持し、
    また前記油圧サーボシリンダとアンカーロッドとを両者
    が一体となって移動するよう連結部材によって連結する
    とともに、前記プッシュロッドがブレーキバンドの一端
    部を押圧する方向とは反対方向に前記油圧サーボシリン
    ダが後退移動することにより前記ピストンをブレーキバ
    ンドの締付方向に押圧するよう作用する油圧を油圧サー
    ボシリンダ内から排圧する弁機構を設けた自動変速機に
    おけるバンドブレーキ用油圧制御装置において、 前記連結部材が、前記油圧サーボシリンダの中心軸線に
    直交する軸線を中心に回転自在でかつ油圧サーボシリン
    ダに対する力の作用箇所が油圧サーボシリンダの軸心に
    対して対称となる複数箇所で前記油圧サーボシリンダに
    連結された連結具と、その連結具に一端部が連結される
    とともに他端部が前記アンカーロッドに対してその軸心
    から外れた箇所で連結一体化されかつ前記油圧サーボシ
    リンダの中心軸線と平行な方向に前後動する軸部材とを
    備えていることを特徴とする自動変速機におけるバンド
    ブレーキ用油圧制御装置。
JP17042688U 1988-12-29 1988-12-29 自動変速機におけるバンドブレーキ用油圧制御装置 Expired - Lifetime JPH0747642Y2 (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101455896B1 (ko) * 2008-03-13 2014-11-03 젯트에프 프리드리히스하펜 아게 센트랄 싱크로나이저를 장착한 카운터샤프트 구조의 차량용 듀얼 클러치 트랜스미션

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101455896B1 (ko) * 2008-03-13 2014-11-03 젯트에프 프리드리히스하펜 아게 센트랄 싱크로나이저를 장착한 카운터샤프트 구조의 차량용 듀얼 클러치 트랜스미션

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