JPH0747533B2 - 体内腫瘍の目標攻撃、診断または治療用ミセル粒子組成物 - Google Patents

体内腫瘍の目標攻撃、診断または治療用ミセル粒子組成物

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JPH0747533B2
JPH0747533B2 JP60236230A JP23623085A JPH0747533B2 JP H0747533 B2 JPH0747533 B2 JP H0747533B2 JP 60236230 A JP60236230 A JP 60236230A JP 23623085 A JP23623085 A JP 23623085A JP H0747533 B2 JPH0747533 B2 JP H0747533B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は体内の腫瘍細胞にミセル粒子を運搬する組成物
に係わる。より特異的には、このような腫瘍を診断及び
/又は治療する目的で患者体内に、イメージング薬剤又
は化学療法薬剤を含有する中性又は荷電したリン脂質ミ
セル粒子を導入する組成物に関する。
(従来の技術) 患者体内の腫瘍のような異常部位(abnormalities)を
診断し治療し得るためには、その前にその異常部位の場
所を突き止めることがしばしば必要となる。これは悪性
腫瘍のような異常部位について特にあてはまることであ
る。なぜならば、このような腫瘍の治療はまずその箇所
を決定することがその基礎になるからである。例えば、
治療薬剤を悪性腫瘍細胞に到達させこの腫瘍を消滅せし
め得る為には、この細胞の部位が同定されなければなら
ない。
長年に亘って、患者体内の腫瘍部位(localization)の
ような特定部位(specific localization)を簡便な方
法によって同定すべく幾多の試みがなされて来た。例え
ば、診断の目的で、選択された可動粒子を患者体内に導
入しこの粒子がガン細胞に移動することを含む簡便な方
法によって患者体内のガン細胞の部位を同定することは
望ましいことであろう。
更に、このようなガン細胞を治療する目的で、患者体内
に化学療法薬剤を導入し、この薬剤を特定部位に移動さ
せてその特定部位でガン細胞を攻撃させることもまた望
ましいことであろう。モノクローナル抗体を用いた最近
の発達した方法が現われるまでは、診断の目的で腫瘍の
ような特定部位を目標攻撃(targeting)する簡便且つ
信頼性のある方法、及び治療の目的で患者体内の腫瘍に
化学療法薬剤をうまく運搬する方法は開発されていなか
った。
化学療法薬剤を体内に経口投与、皮下投与又は静脈内投
与するとそれを接種された体内の正常細胞に害を及ぼ
し、患者の状態を悪化させてしまい、腫瘍細胞の活動は
所望する程抑えることが出来ない。過去に於いては、患
者体内の正常細胞に対するこのような毒性が化学療法薬
剤を用いた腫瘍の治療に於ける主な欠点であった。この
ような化学療法に効能がないことはこの薬剤が体内の他
の細胞によって摂取乃至排泄されてしまう前に、自由に
循環して腫瘍細胞内に局在化(localize)することが出
来ないということにもその原因がある。
先行技術の化学療法薬剤による腫瘍治療を改善する試み
には、これらの薬剤を小胞又はリポソームの形態の生物
分解可能なリン脂質ミセル粒子内に封入する(encapsul
ation)ことが含まれている。この薬剤の封入化によっ
て循環する薬剤の潜在的な毒性が軽減されているものと
考えられている。研究者達は化学療法薬剤を運搬する為
にこのような封入化を体内の腫瘍に選択的に目標攻撃さ
せることに利用しようとして来た。しかしながら、本発
明前にはイメージング薬剤又は薬剤封入粒子を細腫瘍胞
内に確実に位置させる(place)試みは発表されていな
かった。
固形腫瘍又はその転移部位は血管外に位置している為
に、イメージング薬剤又は化学療法薬剤を静脈内注射し
て腫瘍細胞への目標攻撃を達成するためには、これらの
薬剤は通常の循環系から血管膜を越えて血管外組織に入
っていく必要がある。この挙動は“溢血(extravasatio
n)”として知られている。通常は、低分子量タンパク
質のような小さな物質や膜透過性分子が受動拡散(pass
ivediffusion)として知られているプロセスによって腫
瘍の毛細血管壁を越えることができる。しかしながら、
この受動拡散によっては薬剤を含んでいる大きな粒子が
腫瘍の近傍内に治療レベルに達する程充分に蓄積するこ
とは難しいと考えられていた。
エイチ・アイ・パターソン(H.I.paterson),腫瘍に於
ける血管及び血管内空間(Vascular and Extravascular
Spaces in Tumors);腫瘍血管透過性(Tumor Vascula
r Permeability),第III章,腫瘍血液循環(Tumor Blo
od Circulation),1979年参照。
腫瘍部位のような特定部位を小胞のような粒子に化学療
法薬剤を封入したもので目標攻撃することは、封入され
た薬剤が血管膜を透過して挙動するのが不可能なこと
と、このような動きを検出することが不可能であるため
に、その進歩が妨げられて来た。普通の場合は、薬剤封
入小胞のような大きな構造物は毛細血管のような血管か
ら逃れることはできず、従って循環系にとどまるもので
ある。しかしながら、腫瘍の血管形態の構造を研究した
結果、腫瘍に関係する様々な血管、特に毛細血管は腫瘍
細胞の成長パターンの結果、その構造に変化を来たすこ
とが判明した。腫瘍の毛細血管の透過性を研究したとこ
ろ、毛細血管のこれら形態変化によって或る種の物質が
毛細血管膜を通過できることとが示唆された。このよう
な変化の中には未分化に由来する血管内皮細胞の欠陥、
及び腫瘍細胞の侵入による血管壁の崩壊が含まれる。腫
瘍によって変化を受けた毛細血管の例としては内皮ライ
ニング(endothelial lining)が中断されている血管及
び内皮に穴のあいた血管がある(前述のエイチ・アイ・
パターソン参照)。
腫瘍血管形態に関する上述のようなことが知られている
にも拘らず、パターソンのような研究者達は、腫瘍毛細
血管を通過する大きな分子又は物質の輪送はただ受動拡
散のみによって起り、そして治療効果に充分な量に薬剤
が濃縮されることは難しいと結論づけている(前述のエ
イチ・アイ・パターソン著の第83頁参照)。
このような形態学的研究に先立って、溢血に関する研究
によって小胞は毛細血管を“毛細血管通過輸送(transc
apillary passage)”によって通過し腫瘍細胞に達し得
るかも知れないということが示唆された(ジー・グレゴ
リアディス(G.Gregoriadis)、生物系に於けるリポソ
ーム(Liposomes In Biological Systems),グレゴリ
アデス版,第2章,1980年)。しかしながら、入手され
たデータによると小胞はイン・ヴィボに於いては不安定
であり放射標識が溢れていたということが指摘された。
従ってこれによって、小胞が長い間循環しこのような小
胞から薬剤がゆっくりと遊離されて、このリポソームが
実際には毛細血管壁を通過することなく該壁と相互作用
を持ち、これによっておそらくは薬剤が腫瘍内に検出さ
れるようになるという、上記のものにとって代わる理論
が明確に提唱された。Id.他の研究者は単純に、静脈内
投与後に小胞は血管壁を浸透しないと結論づけた。ビー
・ライマン(B.Ryman)等、バイオル・セル(Biol Cel
l)第47巻,71−80頁,1983年;ジー・ポステ(G.Post
e),バイオル・セル,第47巻,19−38頁,1983年;ジー
・ポステ等、化学療法への新たなアプローチ(Novel Ap
proches to Cancer Chemotherady),アカデミックプレ
ス166−230頁,1984年;ジー・ポステ,レセプターを介
した薬剤のターゲッテイング(Receptor Mediated Targ
eting of Drugs)427−473頁,1985年を参照のこと。
このように先行技術に於いて治療薬剤を運搬する小胞は
腫瘍細胞に到達するためには血管障壁を通過する必要の
あることを認めてはいるが、その経験からして、リン脂
質小胞のようなミセル粒子を静脈投与しても血管外の腫
瘍細胞へ封入薬剤を効果的に運搬することには効果がな
いということがわかっている。
従って、本発明は、体内の腫瘍細胞に対する封入された
イメージング及び化学療法薬剤の溢出を増大させる組成
物を提供するものである。本発明は更に、体内のこのよ
うな腫瘍部位の同定及びその特注づけを提供するもので
ある。本発明はまたこのような腫瘍細胞へ化学療法薬剤
を運搬することを提供するものである。
(発明の要約) 本発明は、ミセル粒子状の組成物であって、化学療法剤
またはイメージング薬剤が配合されていると共に、リン
脂質と当該リン脂質に対し0〜50重量%のコレステロー
ルとを含み、前記粒子の大きさは1000オングストローム
(=100nm)未満であり、前記粒子と試薬とを腫瘍に分
配するための静脈投与医薬組成物調製用の組成物であ
る。
本発明によって、小さな(1000オングストローム未満)
生物分解可能なミセル粒子が提供される。該小胞内に
は、例えばジステアロイルホスファチジルコリン(DSP
C)のような、少なくとも18の炭素原子をもつ炭化水素
を含む中性リン脂質が純粋に(約98%以上の純度)含ま
れている。
体内の粒子の位置を検出するために粒子内の内容物又は
リン脂質分子を、例えば放射性物質を用いて標識し得
る。更に、腫瘍治療目的で化学療法薬剤をリン脂質分子
又は粒子内の内容物と会合させ得る。特に化学療法薬剤
としてメトトレキセートが有用である。
リン脂質小胞が腫瘍をイメージングする目的で体内に導
入される場合には、ガンマ線放出のインジウム−111を
ガンマカメライメージング技術を利用して用い得る。イ
ンジウム−111は適当な物質、好適にはニトリロトリ酢
酸(NTA)のような弱いキレート化剤とキレート化し得
る。NTAはインジウム−111と弱い結合を形成するので有
利なものである。その結果、リン脂質小胞が腫瘍に到達
し長い時間かかって溶解した際に、腫瘍に於いてNTAは
インジウム−111とより強力なキレートを形成するタン
ンパク質に置換される。なぜならばそのタンパク質はイ
ンジウム−111と強力な結合を形成し、その結果インジ
ウム−111が24時間以上に亘って該腫瘍に残留する。こ
れによって腫瘍のイメージング及び診断が長時間に亘っ
て可能になる。
本明細書中で述べたリン脂質小胞が患者の血流内に導入
されると、それらは患者体内の腫瘍のようなガン性増殖
(cancerous growths)が局在している特定部位に完全
なまま移動して局在化する。こうして特定部位のガン性
増殖が同定され治療され得る。例えば、イメージング薬
剤又は化学療法薬剤をリン脂質小胞内に含有しその後患
者体内に導入し体内の腫瘍部位を目標攻撃し得る。
イメージング薬剤又は化学療法薬剤を含有するリン脂質
小胞の患者体内に於ける腫瘍への移動を増大させるに
は、粒子から外側に向って伸長している正に荷電した分
子を持つリン脂質小胞の第1グループを患者の血流内に
導入して、細網内皮組織系を含む患者体内で肝臓、脾臓
及び他の組織中の食細胞による取り込みを阻害し得る。
このようなリン脂質小胞に結合した伸長している正に荷
電した分子は突き出たアミノ基を含む脂質溶性分子、例
えば、コレステロールの6−アミノマンノース誘導体の
ようなコレステロールのアミノサッカランド誘導体であ
り得る。同時に、又は適当時間後に、例えば約1時間後
に、小さい(2000Åより小さい)リン脂質小胞の第2グ
ループを患者血流内に導入し、患者体内の腫瘍のような
特定部位に第2グループの小胞を完全なまま位置させ得
る。このようなリン脂質小胞は好ましくは中性でコレス
テロールを含み得る。
(発明の詳しい記載) 本明細書中に於いて、“ミセル粒子”及び“ミセル”と
は両親媒性分子の自発的な凝集によって引き起こされる
水溶性粒子を意味する。両親媒性分子は親水及び疎水部
分を含んでいる。本発明に於いて好適な両親媒性分子は
生物由来の脂質である。このようなミセルは小球,楕円
体又は長い円筒形の形態をとり得、そして両親媒性分子
の2つの平行な層から成る二重層でもあり得る。このよ
うな二重層ミセルは通常内部に水性成分を含む単一ラメ
ラの球状小胞であり、又“リポソーム”としても知られ
ているものである。
これらの小胞を調製する方法は、これまで当業質に公知
のものである。典型的には、これらの小胞は、例えばジ
ステアロイルホスファチジルコリンのようなリン脂質か
ら超音波処理によって調製され、例えばコレステロール
のような中性脂質といった他の物質を含んでいても良い
し、更に小胞の二重層中の分子に足場(anchor)を持ち
得る基を持つ正又は負に荷電した化合物,サッカライ
ド,抗体及び他の官能リガンドのような表面修飾剤(su
rface modifiers)を含み得る。我々は、有る種のリン
脂質分子を含有することで小胞がイン・ヴィボで安定化
されることを発見した。相転移点は炭化水素の鎖の数の
関数であることは公知である(シー・タンフォード(C.
Tanford),疎水性効果(The Hydrophobic Effect)第
2版,1980年)或る種のリン脂質、例えば少なくとも18
の炭素原子を有する炭化水素を持つリン脂質分子は相転
移が比較的高い温度(37℃より高い)で起り、本明細書
中の組成粉にこれらのリン脂質を使うとイン・ヴィボで
優れた安定性を示す小胞が得られることを我々は発見し
た。或る場合には、入手し易いことと経済的であるが故
に、より短に炭化水素鎖を使うのが望ましいこともあり
得る。その場合にはこれらの鎖は小胞組成物に少量しか
加えないようにして、血清中での小胞の安定性を保つ為
にリン脂質の大部分は炭素原子の数が少なくとも18の炭
化水素で構成されているようにすべきである。
リン脂質ミセル粒子の安定性はコレステロールの添加に
よって更に増大し得る。小胞中にリン脂質の0−50重量
%のコレステロールを添加することによって安定した小
胞が得られる。
小胞の調製 イオノフオアA23187を含む小さな単一ラメラ小胞(Smal
l unilamellar vesicles;SUV)を従来の方法に従ってジ
ステアロイルホスファチジルコリン(DSPC),コレステ
ロール(Ch),ジセチルホスフェート(DP),ステアリ
ルアミン(SA)及びコレステロールの6−アミノマンノ
ース(AM),及び6−アミノマンニトール(AML)誘導
体から調製した。本明細書中に引例として記されている
マウク(Mauk)及びギャンブル(Gamble),アナル・バ
イオケ(Anal.Bioc),94,302−307頁,1979年参照のこ
と。
簡単に述べると、それぞれDSPC:Ch=2:1,DSPC:Ch:X=4:
1:1(ここでXはSA,DP又はAML)及びDSPC:Ch:AM=8:3:1
のモル比からなる10mgの脂質のクロロマルム溶液をN2
で蒸発乾燥させ、更に真空下で乾燥させた。各試験管に
1mMのニトリロトリ酢酸(NTA)を含む10mMリン酸,pH7.
4のリン酸緩衝液0.9%食塩(PBS)を加え、N2下でチタ
ニウムマイクロトップを備えたMSEブランドプローブソ
ニケーターで5〜15分間超音波処理した。この超音波処
理により小さな単一ラメラ小胞を得て、これを以下の実
験に用いた。
小胞を60℃にて10分間アニーリングし300xgで遠心分離
にかけた。30×1.5cmのSephadex G−50カラムを用い
て封入されなかめたNTAと小胞とを分離した。小胞の大
きさは酢酸ウランでネガティブ染色した調製物を電子顕
微鏡で観察して決定した。前述の全ての小胞は電子顕微
鏡によって0.1ミクロン(1000Å)より小さい平均直径
を有することが示された。例えばDSPC:Ch小胞は約528Å
の平均直径であった。
上述のようにして得られた小胞は化学的に純粋である。
“化学的に純粋”とはリン脂質小胞を構成する物質が98
%より高い割合で純粋であるということである。例え
ば、加えたリン脂質がジステアロイルホスファチジルコ
リンである場合、この物質は98%より高い純度で用いら
れているということである。同じような制限が他の成
分、例えばコレステロールのようなものにも当てはま
る。このようにして得られた小胞は実験動物内に注射さ
れた時に安定である。
コレステロールのアミノマンノース及びアミノマンニト
ール誘導体のサッカライド部分はリン脂質小胞から外側
に向って伸長している。つまり、このような誘導体を小
胞や他のミセルの二重層内に添加ないしは会合させた場
合に、ミセル粒子の表面から約5−25Å,好ましくは約
10Åの範囲でアミン部分が伸長していることになる。小
胞の場合には、小胞二重層内の分子に足場(anchor)を
持つことのできる疎水性部分、及び少なくとも少しは親
水性であって疎水性領域とアミノ官能基との間の必要な
距離にまたがっている連結部分(linking portion)を
含む分子設計が適当であるように思われる。この親水性
はこの連結部分を二重層内にもぐり込ませないようにす
る為に必要であり、そしてアミンを表面から“伸長(ex
tend)”させておく為に明らかに必要なものである。
本発明の範囲内での適当な伸長アミンの例としては、6
−アミノマンノースコレステロール誘導体、例えば6−
(5−コレステロール−3−β−イロキシ)ヘキシル−
6−アミノ−6−デオキシ−チオ−D−マンノピラノサ
イドである。この例では、コレステロール部分が疎水性
部分になり、一方アミノマンノースは相対的に親水性で
ある。他の具体例も可能である。例えば、他のコレステ
ロール誘導体に結合した他のアミノ糖類も同様に疎水性
部分及び親水性部分の代替具体例として適当である。小
胞や他のミセルの表面に共有結合又は他の方法で会合し
得るポリアミン及びポリアミノ酸も使用し得る。これら
の物質及びコレステロールはリン脂質小胞に安定性を付
与する傾向がある。コレステロールは全リン脂質重量の
0−50%で含有され得、残部はリン脂質である。
上述の化学的に純粋な小胞組成物はイン・ヴィボ及びイ
ン・ヴィトロに於ける漏れ(leakage)に対して極めて
安定である。卵レシチンのようなリン脂質混合物は純粋
リン脂質よりももっと流動性の高い膜を形成し、その結
果、純粋リン脂質に較べてより容易にその内容物を漏ら
すことになる。
In−111負荷操作 イオノフォアA23187の存在によって予め形成された小胞
内にIn−111を容易に負荷させる(loading)ことができ
る。In−111は60−80℃で小胞内に負荷される(マウク
及びギャンブル,アナル・バイオケ,94,302−307頁,197
9年参照)。リン酸緩衝液0.9%塩化ナトリウム,pH7.4
(PBS)中の10mM EDTA溶液0.1mlを添加してインキュベ
ーションを終え、セファデックス(Sephadex)G−50カ
ラムによって未封入のIn−111とこれを負荷された小胞
とを分離する。この方法によって添加したIn−111のう
ち90%までが予め形成された小胞内に取り込まれ、300
μCi/mg脂質までの比活性が得られた。
EMT6腫瘍モデル 20−25g重量のオスBALB/cマウスの右後脚部に0.1ml滅菌
食塩リン酸緩衝液中の5×105MET6細胞を皮下注射し
た。腫瘍を10〜20日間増殖させた後、この動物をイメー
ジングの研究に用いた。この段階で腫瘍は0.2−0.4gで
あった。30μCiまでの負荷をもつ1〜2mgの小胞を含む
0.5mlまでのPBSを各動物の尾静脈から注射した。対照動
物には小胞内に封入されていないIn−111−NTAを注射し
た。
ガンマカメライメージング In−111負荷小胞注射後の1時間及び24時間に、各動物
を40mg/kgのペントバルビタールナトリウムで麻酔にか
けガンマシンチレーションカメラ装置から12cmの距離の
プラットフォーム上に6mmのピンホールドで固定した。
体全体の背部像をX線フィルム上に得、それに対応する
デジタル化データを磁気ディスクに蓄えコンピュータ分
析に用いた。
放射性の生物内分布 24時間後に動物を殺し、放射性の器官分布を測定するた
めに解剖に付した。器官及び組織を削りPBSで洗いそれ
を吸い取って乾かし秤量した。放射性をウェル型ガンマ
線スペクトロメーターで測定し注射前の小胞内に存在し
た活性に基づいて定量化した。幾つかの実験では、ガン
マ線摂動角相関(the gamma ray perturbed angular co
rrelation;PAC)分光学方法を用いて各組織内のIn−111
の回転相関時間(the rotational correlation time)
を測定し、それによって無傷の小胞内に残存している同
位元素の割合を評価した。マウク及びギャクブル,P.N.
A.S(米国)76,765−769頁,1979年を参照のこと(本明
細書中に引例として含まれている)。
オートラジオグラフィ In−111標識の代りに[3PH]−ジバルミトイルホスファ
チジルコリリン([3P]−DPPC)をマーカーとして加え
て前述の組成に類似した組成でオートラジオグラフィ用
の小さい中性単一ラメラ小胞を調製しオートラジオグラ
フィ感光を行った。
オートラジオグラフィ研究用にEMT6腫瘍切片(25−50m
g)をメスのBALB/cマウスに皮下移植し、5〜12日後に
実験に供した。EMT6腫瘍担持マウスにその後225−350μ
Ciの[3P]標識小胞を静脈内注射し、バックグランド用
のコレステロールとして通常の食塩水を注射した。15時
間後、動物を殺した。腫瘍,心臓,骨格筋,肝臓,脾
臓,皮膚の試料を取り出し、直ちに2%グルタルアルデ
ヒド2%パラホルアルデヒド溶液に浸漬させ、1〜2mm
片に切断した。この試料を更に1%四酸化オスミウムで
固定しその後脱水しEPON内に包埋して薄切片に切断し
た。
薄い(1.5μ)組織切片を顕微鏡スライド上に載せイル
フォード(Ilford)L4感光乳濁液でおおった。14−21日
間乳濁液を感光しその後現像した。組織を1%トルイジ
ンブルーで逆染色(counter stained)し光学顕微鏡写
真を撮った。
結果 24時間前に小さいIn−111−NTAリン脂質小胞を静脈内注
射された腫瘍担持マウスの全身シンチグラムを作成し
た。中性、負及び正に荷電したリン脂質小胞を注射され
たマウスでEMT6小胞のイメージが明瞭に認められた。
腫瘍イメージングは小胞阻害(vesicle blokade)を用
いると顕著に増大した。特に、中性DSPC:Chリン脂質小
胞はIn−111を多量にEMT6腫瘍に運搬しガンマカメライ
メージングによって腫瘍を明確に局所限定(localizati
on)することができた。
第1表のデータからこれらの型の各小胞によって運搬さ
れたIn−111の生物内分布の比較ができる。第1表の第
2欄からわかるように、中性リン脂質が一番良くIn−11
1を腫瘍組織に運搬した。リン脂質小胞の腫瘍に対する
特異的な目標攻撃はこの例では少なくとも、リン脂質小
胞の通常の目標攻撃である肝臓又は脾臓に対するそれと
同じくらい高く、遊離のIn−111−NTAをイン・ヴィボで
注射したときに較べておよそ8倍もの比活性であった。
この結果はこれまで小胞を腫瘍イメージング薬剤として
用いた他の人達が観察しなかったことである。これは第
1表,第1欄及び第2欄の結果の比較からわかることで
ある。第1表からは更に、肝臓及び脾臓によるIn−111
の取り込みが減少すると血清中に於ける残存リン脂質小
胞の濃度が上昇することがわかる。腫瘍部位の放射性も
大体血液中のIn−111と相関して上昇する。
我々は以前にコレステロールの6−アミノマンノース誘
導体を持つ小胞がイン・ヴィトロでEMT6腫瘍細胞と強い
会合することを示した。従って我々はIn−111で標識さ
れたコレステロールのアミノマンノース誘導体のリン脂
質小胞を使って腫瘍イメージングを試みた。我々はこの
実験からこのようなリン脂質小胞中のIn−111の殆んど
全てが最終的に肝臓と脾臓に沈積されるということが判
明した。第2表の第2欄及び第3欄から示されるように
このようなリン脂質小胞を用いては腫瘍に沈積する放射
性が低いために腫瘍イメージングを得ることができなか
った。腫瘍に於いて放射活性の沈積が低いのはこのよう
な小胞の殆んど全てが肝臓及び脾臓に取り込まれてしま
ったからである。
コレステロールの6−AM誘導体が低濃度であるような小
胞は肺に捕捉されないので、In−111負荷したAM12小胞
(第2表の第2欄)は第2表の第1欄の物質よりも優れ
た腫瘍イメージング薬剤と推定され得るかも知れない。
しかしながら第2表の第1及び第2欄を較べるとこのよ
うなことは言えないことが分る。実は、AM12小胞は肝臓
及び脾臓に対して非常に高い親和性を持っていた。例え
ば、血流中にリン脂質小胞を注射してから24時間後に、
肝臓と脾臓の放射性を合計したものは平均して全注射量
の75%よりも大きいものになる。これは研究した幾つか
の脂質組成物の中で最も高い肝臓及び脾臓の小胞取り込
み量であった。
我々は以前に正に荷電した小胞はイン・ヴィトロで中性
や負に荷電した小胞よりもはるかに高い割合でEMT6細胞
に結合することを明らかにした。従って、我々はコレス
テロールのAML誘導体、正に荷電した他の合成糖脂質誘
導体について研究した。これらのAML小胞は肝臓と脾臓
に対して低い親和性を示し(第2表の第3欄)、腫瘍に
よる取り込みがAM12小胞(第2表の第2欄)に較べて僅
かに増加していた。しかしながら、この腫瘍と結合した
放射性レベルはそれでも第1表で示された中性、正及び
負の小胞のものと較べても3〜10倍小さいものであっ
た。
更に、第3表に示されている組成のIn−111標識小胞を
注射する1時間前に食塩溶液(“一",阻害)又は8mgAM
12小胞のいずれかをマウスに注射した。24時間後に上述
の方法で組織生物内分布を測定した。
食塩溶液はコレステロールとして用い、これは肝臓及び
脾臓内の細網内皮細胞を上述のように阻害しなかった。
AM12小胞は正に荷電しており肝臓及び脾臓内の細網内皮
細胞を効果的に阻害した。肝臓及び脾臓内の細網内皮細
胞は少なくとも部分的にAM12小胞によって阻害されたの
で、その後体内の血流に注射されたリン脂質小胞は腫瘍
により多く取り込まれた。
第1表は、肝臓及び脾臓内の細網内皮細胞のいかなる事
前の阻害なしにIn−111を含むリン脂質小胞を血流中に
導入した時の体内の各部分を目標攻撃したIn−111の量
を示している。それに対して、第3表は肝臓及び脾臓内
の細網内皮細胞を事前に阻害した後に、In−111を含む
リン脂質小胞を血流内に導入した時の体内の各部分を目
標攻撃したIn−111の量を示している。第1表及び第3
表の比較から分るように、阻害(blockade)を用いた例
の殆んどに於いて腫瘍を目標攻撃したIn−111の量は顕
著に増大していた。更に、阻害を用いると肝臓及び脾臓
に於いて摂取されたIn−111量は第1表の肝臓及び脾臓
に於いて摂取されたIn−111量よりも著しく減少してい
た。
上記の実施例に於いて、腫瘍を目標攻撃させるべきリン
脂質小胞の第2グループは、肝臓及び脾臓内の細網内皮
細胞を阻害する目的でリン脂質小胞の第1グループを血
流内に導入した約1時間後に、血流内に導入された。こ
の1時間という間隔以外も使用し得るものである。例え
ば、1時間よりかなり短くなる。リン脂質小胞は肝臓及
び脾臓をかなり長い期間に亘って阻害することができる
ので、肝臓及び脾臓を阻害(block)する為のリン脂質
小胞を導入すると同時に腫瘍を目標攻撃するリン脂質小
胞を導入することも考えられる。
第1図はIn−111−NTAを封入した中性小胞(DSPC:Ch=
2:1モル比)注射後の各時間に於ける腫瘍及び血液の放
射性を示したものである。腫瘍に於ける放射性は注射後
24時間後に最大値に達する。24時間後には放射性の90%
は血中から除去されてしまった。この結果から時間の経
過と伴に、インジウムを含む小胞は無傷のまま(完全な
まま)血中を循環し選択的に腫瘍に蓄積されることが推
測される。
ガンマ線摂動角相関(PAC)分光学による選ばれた組織
に於ける各時間での研究によって小胞が無傷のまま血流
中にあることが確認された。In−111で標識されたリン
脂質小胞の注射後1〜48時間後に各腫瘍及び各血液試料
をガンマ線摂動角相関(PAC)分光計で測定した。無傷
ままの割合として示した第2図のPACによる測定結果に
依ると、血液内の放射性の80%以上は48時間後も小胞内
に留まってるのに対し、腫瘍に蓄積された放射性はその
殆んどが小胞から遊離されていることが分る。この結果
は腫瘍と結合した小胞は破壊ないし溶解されてIn−111
はタンパク質のような高分子と結合しているのに対し、
血中のは完全なまま残っていることを示している。遊離
のIn−111−EDTAと小胞に封入されたIn−111−EDTAの生
物分布の研究によって完全なままの小胞の腫瘍局在化が
更に示された(第4表の第1及び第2欄)。EDTAはNTA
と比較して強力なキレート化剤であってIn−111を遊離
してタンパク質と結合させることはしない。更に未結合
のIn−111−EDTAは速やかに腎臓から排出される。従っ
て注射後24時間後に残存している放射性は無傷の小胞か
ら来たものか又は無傷の小胞内に存在するものであり直
接に結合したタンパク質から来たものではない。第4表
の結果から24時間後に封入されたIn−111−EPTAは14
識された小胞と同一の薬物動力学(pharmacokinetics)
を示すことが分る。遊離のIn−111−EDTAは速やかに排
出されるためにどの組織にも殆んど蓄積されることがな
い。
小胞内部の水相ではなくて膜成分を標識した効果を次に
検討した。小胞膜成分の生物内分布を追跡する為に14C
標識したDPPCトレーサーを小胞に加えた。血中からの除
去と組織内の生物内分布に関してIn−111標識を用いた
実験と同様であった(第4表第3欄)。
種々の型の腫瘍を担持したマウス内の小胞封入In−111
−NTAの生物内分布の研究も行った(第5表)。これら
の腫瘍の型のうちの7種に於いて腫瘍に関係する放射性
は組織グラムを基に計算して、肝臓での取り込み量のす
くなくとも50%であった。腫瘍での比較的低い取り込み
は結腸アデノカルシノーマ38,B−16メラノーマ,及び骨
肉腫に於いて観察された。これらの結果はIn−111の取
り込みは腫瘍の種類の違いによって程度が様々であるこ
とを示唆するものである。
オートラジオグラフィによる研究でヒト細胞の切片を作
成した。多数の感光粒子が腫瘍の表面あるいはその近傍
の急速に増殖するEMT6細胞の充填層上に直接発現し、こ
うして腫瘍細胞内の小胞の存在が示された。対照的に腫
瘍の壊死中心(necrotic core)はオートラジオグラフ
ィで余り感光しなかった。腫瘍塊の外側部にある脂肪細
胞(adiopocytes)及び連結組織(connetive tissue)
にも又感光粒子が余り見られなかった。
肝臓切片もまたその標識の全取り込み量から予想されて
いた通りに、オートラジオグラフィに於いて高い感光を
示した。肝臓の全領域に亘って銀粒子が均一な密度を示
していることは、他者によって指摘されたように(ロエ
ルディック(Roerdink)等、バイオケム・エト・バイオ
フィジ・アクタ(Bioc.et Biophys.Acta),770,195−20
2頁,1984年)、小さな小胞が肝細胞に達していることを
確証するものである。
脾臓切片に於いても予想以上の感光を示したが、しかし
この脾臓の高い標識に関与した細胞を明確に同定するこ
とができなかった。検査した他の組織はオートラジオグ
ラフィに於ける顕著な感光を示すことはなかった。
対照組織は均一に低いオートラジオグラフィ感光を示し
たので、この実験で得られた感光は人為的なものではな
いことが確認された。
本明細書中で調製されたリン脂質小胞は体内の腫瘍に対
する化学療法剤メトトレキセートのような薬剤の運搬を
増加する目的で使用することもできる。この結果は第6
表に見られる実験から分る。MTXの運搬を示す為に、フ
リーな[3H]メトトレキセート([3H]MTX)及び小胞
にそれを封入したものを直接腫瘍担持マウスに注射し
た。4時間後に腫瘍内の[3H]MTX量をシンチレーショ
ン計測によって測定した。DSPC:Ch:SAを4:1:1のモル比
で含むリン脂質小胞を[14C]コレステロールオレート
で標識し、[3H]MTXを該リン脂質小胞内に封入した。
表から分るように腫瘍に達したリン脂質小胞の量は該腫
瘍に向ったフリーなMTXの量より約3倍程大きかった。
腫瘍によるMTXの取り込みは好適な中性小胞(DSPC:Ch=
2:1モル比)を用いると更に増大された(第7表参
照)。[3H]MTXの取り込みに於いて封入されたものと
そうでないものとの比は3時間及び16時間後に於いてそ
れぞれ4.2及び11.2倍であった。
本発明に於いて使用される小胞技術に於ける幾つかの改
良点によって腫瘍内に小胞が無傷で完全なまま運搬され
優れた腫瘍イメージングが可能になったものと思われ
る。この改良点のうちの1つは、小さくて、少なくとも
18の炭素原子鎖から成る炭化水素を含む化学的に純粋な
リン脂質小胞を用いたことであり、それによってイン・
ヴイボで安定で所望のイメージング薬剤又は化学療法薬
剤を腫瘍に運搬することができるのである。
更にもう1つの改良点はIn−111がNTAとの錯体の形態で
封入されたことである。NTAは相対的に弱いキレート化
剤であり血清が存在するとNTAは置換されてしまう。つ
まりIn−111を含有するリン脂質小胞が腫瘍を目標攻撃
した際に、NTAは腫瘍のタンパク質に取って代られてし
まう。In−111は強固に腫瘍のタンパク質と結合する。
このタンパク質は細胞内にあるので、In−111は腫瘍部
位に固定される。この状況によってイメージングの目的
に有利は2つの顕著な点が生じる。第1の利点は漏れに
よる放射性損出は殆んどないということである。減衰
(decay)を補正した後に我々は典型的には注射後少な
くとも24時間後には始めの90%の放射性が動物に残存し
ていることが観察された。これはガンマカウンターに於
ける固定数を蓄積するのに必要な時間を基にした値であ
る。
第2の利点はIn−111のような標識が小胞が破壊された
部位に固定されて残存する際に、全量の他にも組織によ
る小胞取り込みの速度に関する情報も得ることができる
ということである。
つまり、本研究に於いて、高い腫瘍の比活性(specific
activity)が観察されたのは24時間に亘ってIn−111が
腫瘍内に連続的に蓄積された結果である。小胞内に含有
されたEDTAはNTAに較べて強いキレート結合を形成す
る。EDTAは腫瘍部位に於いてタンパク質と置換すること
はない。つまりIn−111は細胞内に固定残留することは
ない。例えば、EDTAがリン脂質小胞内でIn−111にキレ
ートした際には、In−111−NTA負荷小胞と比較してたっ
た25%の腫瘍比活性しか達成されなかった。
もう1つの利点というのはIn−111は予め形成された小
胞内に負荷されることである。この高効率の方法によっ
て200−300μCi/mg脂質の比活性が得られた。
本明細書は特定の応用を参考にしながら開示説明をして
あるが、本発明の原理は当業者に明らかな数多くの他の
応用も含むものである。従って本発明は添付の特許請求
の範囲でのみ限定されるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は血液中の放射活性標識リン脂質小胞の除去及び
腫瘍への蓄積の経時変化を示す。 第2図はガンマ線摂取動角相関(PAC)光度計で測定し
た腫瘍及び血液中に残存している完全なままの標識リン
脂質小胞の割合を示したものである。 第3図は標識小胞を含有する腫瘍を表わす一連のオート
ラジオグラフィである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 レイモンド・レオ・テプリツツ アメリカ合衆国、カリフオルニア・91107、 パサデイーナ、サン・パスクオール・2644 (72)発明者 ローレンス・アーネスト・ウイリアムズ アメリカ合衆国、カリフオルニア・91773、 サン・デイマス、ハンテイントン・アヴエ ニユ・224 (72)発明者 ジヨージ・ウイング―イウ・テイン アメリカ合衆国、カリフオルニア・91006、 アルカデイア、イースト・サンドラ・431 (56)参考文献 特開 昭59−122423(JP,A) 特開 昭59−163315(JP,A)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ミセル粒子状の組成物であって、化学療法
    剤またはイメージング薬剤が配合されていると共に、リ
    ン脂質と当該リン脂質に対し0〜50重量%のコレステロ
    ールとを含み、前記粒子の大きさは1000オングストロー
    ム未満であり、前記粒子と試薬とを腫瘍に分配するため
    の静脈投与医薬組成物調製用の組成物。
  2. 【請求項2】前記のリン脂質がジステアロイルホスファ
    チジルコリンであることを特徴とする特許請求の範囲第
    1項に記載の組成物。
  3. 【請求項3】前記化学療法剤がメトトレキセートである
    とき、前記粒子は、遊離のメトトレキセートの3倍以上
    の量、腫瘍細胞に蓄積することができることを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項又は第2項に記載の組成物。
  4. 【請求項4】前記蓄積が血流の導入後3時間で遊離のメ
    トトレキセートよりも少なくとも4倍よりも多く、血流
    の導入後16時間では少なくとも11倍よりも多いことを特
    徴とする特許請求の範囲第3項に記載の組成物。
  5. 【請求項5】前記のイメージング薬剤が放射性元素、特
    にガンマ線を放出するもの、特にインジウム−111であ
    ることを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の組成
    物。
  6. 【請求項6】インジウム−111が弱いキレート化剤、特
    に、特定部位に於いて、該放射性標識と強力な結合を形
    成する物質による弱いキレート化剤とキレート化してい
    ることを特徴とする特許請求の範囲第5項に記載の組成
    物。
  7. 【請求項7】前記ミセル粒子が球状単一ラメラ脂質小胞
    の形態である特許請求の範囲第1〜6項のいずれか一項
    に記載の組成物。
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US663550 1984-10-22
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