JPH0747322Y2 - 羊羹等の包装用容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、羊羹等の包装用容器に関するものである。

［従来の技術］ 従来、羊羹等を内部に充填した合成樹脂製の角筒状の容
器があり、この容器は一方の閉端面部にプルリングや指
掛け片を備えた開口片が設けられ、他方の開端面部には
シール用の合成樹脂フィルム等が貼着された構造になっ
ている。

［考案が解決しようとする課題］ 上記した従来の包装用容器から羊羹等の内容物を取り出
すには、前記開口片を引き上げて開口すると共に、前記
シール用の合成樹脂フィルムを剥がし、何れか一方の開
口端部から押し出すが、その取り出し作業は押し出し部
材が必要で意外に面倒であり、押し棒等で押すと羊羹の
端部が凹んだり形崩れしたりする等の欠点があった。

このような欠点を防止するために、例えばカップ状容器
からプリンを落下させて取り出す場合のように、空気孔
及びその空気孔を開口するための小突起を前記包装用容
器の閉端面部に設けたものもあるが、羊羹の場合はプリ
ンとは違って容器との摩擦力が大きく、しかも長い角棒
状を呈していることから、空気による自動押し出しが円
滑に出来ないことになる。

本考案は、このような従来の事態に対処するためになさ
れ、何ら押し出し部材を必要とせずに羊羹等を簡単に取
り出せるようにした包装用容器を提供することを技術的
課題としたものである。

［課題を解決するための手段］ この技術的課題を解決するための手段として、本考案
は、角筒状に形成された容器本体の一方の閉端面部に、
プルリングを備えた開口片を対角線方向に、しかもその
開口片を取り囲む輪郭部が薄肉となるように形成すると
共に、この開口片に続いて狭幅の開封片を、前記容器本
体の稜に沿って他方の開端面部に至るまでかつその開封
片の両側輪郭部が薄肉となるように形成したことを要旨
とするものである。

［作用］ プルリングに指を掛けて引くと、開口片が薄肉輪郭部か
ら切れて閉端面部から持ち上がり、更にプルリングを引
っ張ると開口片に続く開封片がその両側の薄肉部から切
断され、開端面部に至るとこれらが容器本体から完全に
分離されるので、容器本体をその切れ目から外側に折り
曲げることにより内部の羊羹等を簡単に取り出すことが
出来る。

［実施例］ 以下、本考案の実施例を添付図面に基づいて詳説する。

第１図において、１は合成樹脂で形成された角筒状の容
器本体であり、一方の閉端面部1aにはプルリング２を備
えた開口片３が対角線方向に形成されている。この開口
片３は、それを取り囲む輪郭部3aが薄肉に形成され、前
記プルリング２を引き上げると輪郭部3aから切れて持ち
上がるようにしてある。４は前記開口片３に続く帯状の
開封片であり、容器本体１の稜に沿って他方の開端面部
1bに迄至っており、その両側の輪郭部4aは薄肉に形成さ
れている。５は前記閉端面部1aの角部に立設された保護
壁であり、前記プルリング２を両側から囲うようにして
保護するためのものである。６は容器本体１の開端面部
1bに貼着されたシール用の合成樹脂フィルムである。

尚、容器本体１の前記開封片４と斜めに向かい合う稜1c
は、第２図に示すように薄肉に形成されている。また、
前記開端面部1bは第５図に示すように肉厚に形成されて
おり、これは前記シール用の合成樹脂フィルム６との接
着面積を増大させるためである。

本考案に係る包装用容器は上記のように構成され、前記
容器本体１内に羊羹等の内容物７を充填して使用され
る。内容物７を取り出すには、先ず前記シール用の合成
樹脂フィルム６を剥がすと共に、前記プルリング２に指
を掛けて引き上げると、前記開口片３が薄肉輪郭部3aか
ら切れて持ち上がる。次に、更にプルリング２を引っ張
ると、第３図に示すように前記開封片４がその両側の薄
肉輪郭部4aから切れて持ち上がるので、引き続き容器本
体１の開端面部1bまで開封片４を切断して、これ等を容
器本体１から完全に分離させる。この後、第４図に示す
ように容器本体１を前記切れ目から開くと、前記薄肉の
稜1cを折り目として外側に折り曲げることが出来、これ
により内容物７を簡単に取り出すことが出来る。

従って、この場合には内容物７を押し出すための部材は
何ら必要とせず、内容物の端部が凹んだり形崩れするよ
うなこともない。また、容器本体は合成樹脂等で一体成
形できるので、低コストで提供することが可能である。

［考案の効果］ 以上説明したように、本考案によれば、角筒状容器本体
の一方の閉端面部に薄肉輪郭部で囲った開口片を設け、
この開口片に続いて同じく両側を薄肉輪郭部で挟んだ帯
状の開封片を容器本体の稜に沿って他方の開端面部まで
形成したので、内容物の取り出し時にこれ等を引きなが
ら切断し除去すると、容器本体を大きく二つに開くこと
が出来るので、内容物を簡単に取り出すことが出来る。

また、本考案の場合は押し出し部材が一切不要であり、
押し出し部材により内容物の端部が傷付かない等の優れ
た効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す斜視図、第２図は第１図
のＡ−Ａ線断面図、第３図は容器本体の開封時の状態を
示す斜視図、第４図は内容物を取り出すときの状態を示
す斜視図、第５図は第１図のＢ−Ｂ線断面図である。 １…容器本体、1a…閉端面部 1b…開端面部、1c…稜 ２…プルリング、３…開口片 3a…輪郭部、４…開封片 4a…輪郭部、５…保護壁 ６…シール用合成樹脂フィルム ７…内容物

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】角筒状に形成された容器本体の一方の閉端
   面部に、プルリングを備えた開口片を対角線方向に、し
   かもその開口片を取り囲む輪郭部が薄肉となるように形
   成すると共に、この開口片に続いて狭幅の開封片を、前
   記容器本体の稜に沿って他方の開端面部に至るまでかつ
   その開封片の両側輪郭部が薄肉となるように形成したこ
   とを特徴とする羊羹等の包装用容器。