JPH074680A - 暖房畳 - Google Patents

暖房畳

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JPH074680A
JPH074680A JP16738193A JP16738193A JPH074680A JP H074680 A JPH074680 A JP H074680A JP 16738193 A JP16738193 A JP 16738193A JP 16738193 A JP16738193 A JP 16738193A JP H074680 A JPH074680 A JP H074680A
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tatami
heating
tatami mat
sheet
heating element
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Kiyoteru Yachimoto
清照 谷地元
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Abstract

(57)【要約】 〔目的〕畳の中に軽くて安全な面状発熱体を仕込んだ暖
房畳を提供すること。 〔構成〕畳床(1)を柔軟弾力性ある木質ボード(2)で構
成し、これに面状発熱体(8)を取付けて、その上から
直接に又は他材を介在させて畳表を被着し、電極からの
引出線(10)を畳床に沿って配設した幹導線(12)に接
続して暖房畳を構成する。面状発熱体(8)は、炭素繊維
混抄紙(15)に電極を形成し、絶縁樹脂シート(19)で
密封被覆し、電極部分からの引出線(10)は樹脂シート
から外に延出させる。この暖房畳を縦横に隣接させて電
気的に接続し、共通電源から種々の電圧で通電加熱す
る。面状発熱体は、畳表の裏面に直接又は間接に取付け
ることもでき、また、薄い木質ボード層2枚の間に面状
発熱体を挾着して形成したユニット式通電発熱板を畳表
で被覆することもできる。 〔効果〕この暖房畳は、通電すると遠赤外線を輻射して
人体を健康的に加温するから、比較的低電力で採暖効果
がある。また、輻射遠赤外線は湿気除去に効果があるか
ら、室内乾燥の役にたつ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は暖房畳に関するもので、特
に軽量安全で、敷設に便であり、健康によく、消費電力
が低い暖房畳に関するものである。
【0002】
【発明の背景】洋室設計のフロアなどには、今日床暖房
装置が多数開発され使用されるに至っているが、和室の
畳については加熱装置を内蔵させた実用化商品の成功例
はあまり知られていない。床暖房装置で用いられるよう
な温水方式を採ることは、畳の場合はそもそも不可能に
近いし、また金属導線(ニクロム線)を用いた電気暖房
方式は、畳の重量を著しく増加させる不利益があり、さ
らに導線の断線や発火の危険性もあって採用されるに至
っていない。一部で、カーボンブラックや特殊導電性繊
維から成る通電発熱素子を組み込んだ畳が一部で試みら
れているが、このような発熱素子は比較的高価であって
一般的に使用するには適さず、また発熱素子の裁断や設
計加工が自在にできない不便などがあって、普及するに
至っていない。さらに、畳を加温することは、従来のわ
ら床製畳であると、ダニその他の害虫を発生させやすい
難点があり、健康上の問題があるので、畳そのものに暖
房装置を内蔵させる試みは従来成功しているとはいえな
い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明は、断線
等の危険や漏電感電等のおそれがなく安全で、自由な寸
法に設計することが容易な軽量の面状発熱体を使用し、
畳の重量を著しく増加させることがなく、またダニその
他の害虫の温床となるおそれのない、敷設が簡単且つ比
較的安価で健康によい省電力型の通電発熱式暖房畳を提
供することを課題としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】このため本発明は、基本
的に畳床を柔軟弾力性ある木質ボードで構成し、その表
面と畳表の間に、紙状の通電発熱薄片を絶縁性樹脂シー
トで密封被覆して成る面状発熱体の単葉又は複葉を縦列
又は横列に配置し、これら発熱体をすべて畳に沿って縦
又は横に延設した幹導線に並列に接続して暖房畳を構成
する。隣接する暖房畳間を電気的に接続すれば複数の暖
房畳に一斉に通電し適温に発熱させることができる。前
記面状発熱体は、好適に、短截炭素繊維又はその他同等
な導電性繊維を紙パルプ、又はポリエステル繊維などの
有機合成繊維、又はこれらの混合物に分散させて紙状又
は不織布状に抄造した薄片(これを本発明において「紙
状通電発熱薄片」という)に2個又はそれ以上の電極を
付した上、全面を電気絶縁性樹脂シート又はフィルムで
密封被覆して構成されるものである。紙状通電発熱薄片
の電極に接続した引出線は絶縁被覆の外へ導出して、畳
床の縦又は横に延設した幹導線に接続する。
【0005】上記のような絶縁被覆した面状発熱体は、
本発明の一態様において、畳床を構成する木質ボードの
表面に形成した浅い凹所内に取付けられ、前記面状発熱
体からの引出線は、好適に、畳床の底部へ貫通させて畳
床の底部で幹導線に接続させる。面状発熱体は、1枚で
畳床表面のほゞ全面積を覆う程の大きさとすることもで
きるが、通常は畳床の上面の一部を覆う程度の寸法で、
2枚又はそれ以上の面状発熱体を幹導線に並列接続する
形で使用すれば十分である。また、本発明の他の態様に
よれば、面状発熱体は、畳床ではなく、畳表の裏面に取
付けることもできる。この場合はまず畳表に面状発熱体
を取付けておいてから、後にその裏面を畳床の表面に結
合させることになる。さらに他の態様によれば、面状発
熱体は、柔軟弾力性ある木質ボードの薄層2枚の間にサ
ンドイッチ状に挾着してユニット式発熱板に構成され得
る。このユニット式発熱板は、ついで畳床の表面に結合
して最初に説明した畳床と実質同等な暖房畳とすること
ができる。好適に、このようなユニット式発熱板は、畳
の幅のほゞ2分の1幅に構成し、その2枚を畳床の表面
に並設するようにするとよい。場合により、このユニッ
ト式発熱板はそれ自体で補助的な採暖器として使うこと
もできる。
【0006】本発明で用いる面状発熱体の主材は、炭素
繊維又はその他の導電性繊維を紙パルプ若しくは有機合
成繊維と紙状又は不織布状に混抄した薄片(「紙状通電発
熱薄片」、実施例において混抄紙という)であって、そ
の面積固有抵抗を抄造時に所望値に定めることができる
ほか、面状発熱体の設計時に混抄紙の縦横の寸法や電極
長さ、電極距離などの設定の仕方で抵抗値を自由に変え
ることができ、従って消費電力、発熱温度を希望値に応
じて幅広く設計することができる。また、同じ1つの面
状発熱体を種々な電圧で使用することができるので、こ
れにより発熱温度を調節することも容易にできる。さら
に、本発明の面状発熱体の優れた特徴は通電すると熱
線、特に遠赤外線を良好に輻射するので、人体の健康に
もよく、また室内の湿気除去などにも利用することがで
きることである。このため、冬期だけでなく、多湿時
期、例えば梅雨時にも低電力で使用して室内を乾燥させ
ることに利用することができ、従来の室内暖房装置とは
概念を一新した採暖・乾燥器具としても応用され得るも
のである。
【0007】
【実施例】図面を参照して本発明の暖房畳について具体
的に説明する。図1は本発明の1つの実施例の横断面
(図2のほゞA−A線に沿って幅方向に切断)を模式的
に示す拡大図で、幅に比し厚みをやゝ誇張して大きく描
いてある。本発明の暖房畳は基本的に畳床1と畳表27
の間に面状発熱体8を配置して成るもので、畳床1は好
適に木質繊維を圧縮成型したファイバーボード又は木質
ボードを用いるのが、柔軟弾力性又は緩衝性、軽量化、
吸湿性、及び防虫性などの観点から好ましい。図1の例
では、上方の木質ボード2と、下方の木質ボード4との
間に、好適には耐熱性の発泡プラスチック層3をクッシ
ョン材としてサンドイッチしてあるが、これは必須では
なく、発泡プラスチック層3を除き、軽量で空気を含み
やすい木質層4だけを使用してもよい。上方の木質ボー
ド2の上表面には、図示の例で2個の浅い凹所5が形成
され、ここに面状発熱体8が取付けられる。
【0008】本発明で用いる面状発熱体8は、炭素繊維
又は同等な他の繊維、例えば繊維状金属を有機もしくは
無機繊維と複合させた導電性繊維、を混抄した紙状通電
発熱薄片(以下、単に「混抄紙」という)を主材とするも
ので、図3には炭素繊維を混抄した例を示してある。混
抄紙15は5〜8ミリ程度に短截した炭素繊維16を紙
パルプ(特に長繊維の針葉樹パルプが好適)又はポリエ
ステル繊維などの合成繊維と混合して紙又は不織布状に
抄造し、所定面積に裁断したその少なくとも両端に金属
性電極17を設ける。好適に、電極17は銀粉又は銅粉
などの金属粉を有機溶剤に分散懸濁させたペースト状の
液を混抄紙15に所定幅(5〜10ミリ)で塗布又はスク
リーン印刷等によって適用し紙質に浸透させ硬化させて
形成される。電極17の少なくとも一部に銅箔18など
の金属部分を導電性接着剤により貼り付け、ここに後に
引出線10をハンダ付けするか、又は銅箔を後述樹脂シ
ート(19)より長く延出させて引出線を付ける。引出線
を付ける前に、混抄紙15(電極を含む)の両面を、電
気絶縁性ある2枚の樹脂シート19(図3に19a,1
9bで示す)で挾み、両面から好適に真空プレス機等に
より圧着して密封状の絶縁被覆を形成する。好適に、絶
縁樹脂シート19は、ガラス繊維メッシュを含有するエ
ポキシ樹脂のプリプレグシート2枚を混抄紙の両面に当
て、真空プレス機で圧着することにより形成される。こ
うすると上のシート19aと下のシート19bとの内面
の樹脂が紙に浸透し硬化して炭素繊維を含む紙層を固定
化する。樹脂の硬化後、前記銅箔18の上の樹脂シート
19a部分を切り欠いて銅箔を露出させるか、又は延出
している銅箔の上に引出線10の端末をハンダ付けし、
この部分を樹脂でシール20し、引出線の他端は畳床1
に這わせる幹導線12に接続する。幹導線12の端部
は、電源又は隣の畳と接続するため、適宜接続具を備え
ておくのがよく、図3では隣り合う畳どうしを簡易に接
続するためのコネクタ21,22を幹導線12の端部に
設けた例を示してある。凸コネクタ21と凹コネクタ2
2を単に差し込めば、隣りどうしの幹導線が簡単に接続
される。例えば凸コネクタ21のある端部が電源に直接
接続されるものであれば、ソケット(図示せず)に代え
ればよい。
【0009】図1と図2に戻って、上記のような面状発
熱体8は、畳床1の表面の浅い凹所5内に収められる。
面状発熱体8は、絶縁樹脂シートで被覆した後も厚さわ
ずか2〜3ミリであるが、畳表27の上から凹凸の違和
感を感じさせないため、また面状発熱体のズレを防ぐた
めにも、浅い凹所5に入れるのが望ましい。面状発熱体
から延びている引出線10は、畳床に形成した貫通孔1
1に挿通して底面に臨ませ、底面の凹溝6に畳床の長手
方向に這わせた幹導線12に図2に示すように並列に接
続する。畳床1は、各種層2,3,4等を一体化するた
めに予め縫合糸23を刺通して結合しておくのがよい
が、図示のように面状発熱体8の縁部も同様に縫合する
と安定する。但し、縫合に代え又は併せて、接着剤を用
いることもできる。なお、図2の長手方向中央部の縫合
糸23は図面の明瞭化のため省略してある。また、図2
において各面状発熱体8は連続した1枚の混抄紙15に
4本の電極17を設けて3つの区画に分割されたものと
して描いてあるが、これは一例であって、限定ではな
く、電極の数及び配列方向は、図示のもののほか適宜実
施することができる。
【0010】表面に面状発熱体8を取付けた畳床1の上
には、図1に示すような畳表27を直接に又は他材を介
在させて被せ、適宜畳縁28を縫着して、畳表27の両
側縁部を畳床1の両側部に縫着する。畳表、畳縁の縫着
工程そのものは常套的なものである。好適に、面状発熱
体8と畳表27との間には、図1に鎖線25で示すよう
な位置に適当な緩衝層、例えば発泡プラスチック層或い
は軽い通気性のよい木質層を約3〜15ミリの厚さで介
在させ、畳表の上からの感触を滑らかにするのがよい。
また、この緩衝層の下にアルミ箔又はシートを畳床全面
を覆う均熱板として介在させると畳の表面の温度分布を
均一にするのでなおよい。さらに後述の図7に示すよう
な反射材52(例えば、アルミ箔)を浅い凹所5に敷い
てその上に面状発熱体8を置くようにしてもよい。こう
して完成された本発明の暖房畳は部屋の床上に配置し
て、幹導線12の一端を電源に接続すれば、図2で2列
に配置してある各面状発熱体8の各部がすべて同等に発
熱する。本発明で用いる面状発熱体は、その主材である
炭素繊維混抄紙の製造の際に、パルプと炭素繊維との割
合を定め(例えば乾燥重量比でパルプ87:炭素13の
ように)、また発熱体設計の時に電極間距離、電極長さ
等を決めれば、通電発熱時の温度もほゞ一定に制御する
ことができる。しかし、より安全を期するためには図2
で下側の面状発熱体8の左側の区分に鎖線で示すように
温度感知器24(小さい薄型サーモスタット又はサーミ
スタなど)を混抄紙15の面積上の樹脂シート19上に
取付けるとよい(畳床に取付ける時は、サーモスタット
を下側とする)。温度感知器の設定温度(例えば60
℃)に達すると、サーモスタットのついている区分への
通電が切れて、それ以上に昇温することはない。或いは
電源と幹導線の間に適宜温度コントローラ(図示せず)
を介在させ、或る設定温度以上にならないよう自動的に
オンオフさせれば面状発熱体個々に温度感知器を設けな
くてもよい。
【0011】本発明で用いる面状発熱体は、特定の発熱
温度に限定されるものではないが、参考として一例を説
明すると、例えば面積固有抵抗80Ω/□に抄造した混
抄紙を用いて、図2に示す混抄紙15を幅15cm、長さ
120cmの寸法とし、30cm間隔で4本の電極17を設
けたとする場合、100Vで約140Wの消費電力とな
り、約47°(deg) の発熱をする。この仕様で使用電圧
を50Vにすると、1つの面状発熱体で約35W、発熱
温度は約17°(deg) となる。混抄紙15の面積固有抵
抗は、抄造条件によって例えば20〜100Ω/□の広
い範囲にわたり調節することができ、これを使用電圧1
0〜200Vの広い範囲で使用することができるから、
最も経済的効率的な希望の発熱温度を容易に得ることが
できる。
【0012】本発明の暖房畳は、畳を敷設しながら、隣
どうしの幹導線12を適切に接続していけば、すべての
暖房畳を単一電源から同等に通電発熱させることができ
る。通電発熱させた本発明の暖房畳は、面状発熱体から
熱線、特に遠赤外線を良好に輻射することが認められて
いる。この赤外線輻射は、空気分子を直接加熱すること
は少ないが、人体に当たると加温効果があり、輻射を受
けている体部に快適なぬくもりを感じさせる。従って暖
房畳は一つの部屋全体に敷きつめなくても、人間の座る
辺りに重点的に配列すれば十分であると認められ、この
点でも本発明の暖房畳は経済的である。図4に畳の敷き
方の一例を略示的平面図として示す。この部屋は35畳
敷きで、例えば宴会などに使用される部屋である。暖房
畳は、部屋全体ではなく、人間が座る領域だけ、例えば
縦の列30−1、30−3、30−5、30−7と上座
の3枚31a,b,cだけに入れられている。各列の暖
房畳は、隣どうしで幹導線12(図4では省略。図2を
参照)を接続すればよく、例えば列30−1の一番右の
畳と列30−3の一番右の畳とを接続すれば、この2列
は部屋の隅の1つのコンセントC−1から通電できる。
部屋全体の19枚の暖房畳を1つのコンセントから通電
することもできなくはないが、安全を考え、3つのコン
セントC−1,C−2,C−3を使う方がよいであろ
う。各コンセントと最初の畳の幹導線の入力端との間に
コントローラ(図示せず)を配置して、電圧を50Vに
して使用するとしたら、部屋全体で約1.3 KWの消費
電力で、部屋にいる数十人の人間がかなりの暖かさを感
じる発熱温度が得られる。
【0013】図5は、本発明の暖房畳の他の実施例を示
す略示平面図で、畳床1は2点鎖線で、面状発熱体8の
絶縁樹脂シート19は1点鎖線で示し、混抄紙15を実
線で示してある。この例の畳は、2枚の面状発熱体8,
8を畳の長手方向に縦に並べたもので、幹導線12はこ
の2枚の面状発熱体の間で畳の中央部を横切って配設さ
れている。面状発熱体8は前例と同様に畳床の表面に浅
い凹所を設けて収納すればよく、幹導線12は畳床の底
部の凹溝に幅方向に貫走させ、各面状発熱体からの引出
線10は畳床を刺通して底面に臨ませるか、畳床の側部
から底部に回して幹導線に並列に接続すればよい。この
例の暖房畳は、前例とは異なる畳の敷き方に適してい
る。
【0014】図6は、図5の暖房畳の敷き方の一例を略
示する平面図で、図4の場合と同様に電気結線は省略し
てある。図6では、暖房畳が部屋の両脇(40−1の列
と40−2の列)と上座(2枚の41)だけに横並べ式
に配置されている。幹導線12は列40−1と列40−
2のそれぞれの左端から右端まで縦列につなぎ、上座は
隣接する2枚41をつないだ後、例えば列40−1の右
端と41の右端とを接続するようにすれば、図4に示し
たコンセントC−1とC−2の2個で部屋全体をまかな
うことができる。図5に示した混抄紙15として面積固
有抵抗45Ω/□のものを用い、その1枚に長さ50cm
の電極を60cmの距離で一対に設けた面状発熱体8を各
2枚用いる暖房畳を図6のように配列したものとして、
これを100Vの電圧で使用すると1枚の畳について3
70W、部屋全体で約8.1KWの消費電力で、40deg
の温度上昇が得られる。電圧を下げて70Vで用いたと
して、部屋全体で約3.9KW、24degの温度上昇が得
られる。
【0015】図7は本発明の暖房畳の変形例を示す横断
面図である。この例で面状発熱体8は、畳床にではな
く、畳表27の裏面に取付けられる。面状発熱体8は、
好適に連続気泡の発泡プラスチック層又は通気性のよい
ファイバーボード層50の裏面に接合され、この発泡又
は通気層の表面が畳表の裏面に接合される。面状発熱体
8からの引出線10は長く延ばしておくのがよい。面状
発熱体を取付けた畳表27は、畳床51の上に被せ、通
常のように縫着される。畳床51は、図1に示したよう
な木質ボード2,4と発泡体3のサンドイッチ状構成で
もよく、或いは、遮蔽効果の十分な反射材52(例えば
アルミ箔など)を面状発熱体8と畳床51の間に使って
断熱と虫の侵入防止を十分に図れるなら、従来のわら床
でもよい。畳床51の横へ引出した引出線10は、畳の
底部又は畳と畳の間に這わせた幹導線(図7では図示せ
ず)に接続する。幹導線は、図2に示した例のように畳
の長手方向に、又は図5に示した幅を横断する方向に設
けてもよい。この畳の敷き方は図4又は図6のようにす
ればよい。
【0016】最後に、図8は本発明の暖房畳の第2の変
形例を示す断面図である。この暖房畳は、予め形成した
ユニット式発熱板60を畳床66の上に取付け、その上
から畳表(図示しないが、図1の27と同様なもの)を
被着するようにしたものである。ユニット式発熱板60
は、好適に畳の幅の半分幅に形成するものとし、2枚を
合わせて畳床の上に破線で示すように縫合又は接着によ
り結合するようにするとよい。1枚の発熱板60は、薄
い木質ボード上層61と、下層62の間に面状発熱体6
3をサンドイッチ状に挾んだもので、面状発熱体63は
先に説明図示した面状発熱体8と同様に、混抄紙に一対
又はそれ以上の電極を付し、絶縁樹脂シートで密封被覆
し、電極からの引出線を樹脂シート外へ引出した構成と
する。この引出線64は木質ボード上層61と下層62
の合わせ目から外へ引出し、図7の例のように畳床66
の底部又は側部に這わせる幹導線(図8では示してな
い)に接続する。各ユニット発熱板60は、それ自体で
単独に発熱するように異なる幹導線に接続するようにし
てもよい。こうすれば、必要に応じ畳の半分だけを加温
することができる。この方式は、図1、2の例、及び図
5の例にも適用して、畳の縦半分だけ、或いは横半分だ
けを切り換え発熱させるようにすることもできる。これ
らの場合は1枚の畳について2組又はそれ以上(面状発
熱体の枚数に応じ)の幹導線を設けることが必要であ
る。
【0017】図8に示すようなユニット式発熱板60
は、畳床66に結合して使用する以外に、それ自体で使
用することもできる。発熱板の厚さは、面状発熱体63
がきわめて薄いことから、1〜3センチ程度の薄いもの
に製作することができる。これに、畳表と同様なゴザ
を、特に図示しないが、図1及び図7から想像できるで
あろうように被着しておいて、普通の畳を敷いた部屋で
暖める必要がある時と所だけにこのユニット式発熱板を
載せていけば、即座に暖房とすることができる。また、
ゴザ若しくはその他布等のシート材料を被着した、又は
してない、ユニット式発熱板60を例えば壁際に立てか
けて適宜電源に接続すれば、部屋のスペースを大きくつ
ぶすことなく、簡易暖房を実現することができる。この
使い方は、室内のみならず、廊下や玄関、或いは洗面所
などにも応用することができ、きわめて多用途に適応さ
せることができる。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、き
わめて薄型で軽量な面状発熱体を利用して暖房畳を作る
から、畳の重量を普通の畳に比べて著しく増加させるこ
とがなく、また室内に重量と嵩のある従来の採暖器具
(ファンヒーターや電気ストーブ等)を置かなくても、
畳自体から必要にして十分な採暖が可能となり、器材と
スペースの節約ができる。本発明で用いる面状発熱体
は、炭素繊維などの導電性繊維を紙質の中に無数均一に
分散させた混抄紙を主材とし、これを強い樹脂シートで
絶縁被覆しているから、仮に紙の一部が破れるようなこ
とがあってもニクロム線ヒーターのように断線や漏電の
危険がない。また、この混抄紙は比較的低電圧で使用し
ても発熱性能は十分発揮されるから安全且つ経済的な暖
房を実現することができる。本発明の暖房畳は、その畳
床の主要部を木質ボードや発泡体で構成するから、全体
に軽量であり、持ち運びや敷設に多大な労力を要しな
い。また畳自体に幹導線を仕込んであるから、畳の端の
コネクタどうしを接続するだけで簡易迅速に多数の畳の
電気接続を行なうことができ、季節の変わり目に入れ替
えをするとしても、手間は最小限で済む。また、木質ボ
ードを畳床の主要部とすることにより、これに発熱体を
仕込んでも従来のわら床畳のようにダニなどを繁殖させ
るおそれがなく、健康で清潔な暖房畳とすることができ
る。さらに、本発明の暖房畳は、遠赤外線を良く輻射す
るから、畳表に含まれる水分を効果的にとばすことがで
き、例えば梅雨時に畳が湿りがちな時は、コントローラ
を介して多量の発熱をしない程度に通電しておけば湿気
をとばし、サラサラした快適な畳表面を維持することが
できる効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係る暖房畳の1つの実施例を模
式的に表わした横断面拡大図であって、幅に対し厚さを
誇張して表わしてある。(図2のA−A線切断に相当)
【図2】図2は図1に示した畳の畳表を除いた平面略示
図である。
【図3】図3は本発明で用いる面状発熱体を説明するた
め、その一部を切欠き剥離して示す拡大斜視図である。
【図4】図4は図1及び図2に示した暖房畳を広い部屋
に敷く場合の敷き方の一例を示す略示平面図である。
【図5】図5は本発明に係る暖房畳の他の実施例の略示
平面図で、混抄紙を実線で、絶縁樹脂シートと畳の輪郭
を鎖線で示してある。
【図6】図6は図5に示した実施例の畳を配列する一例
を示す略示平面図である。
【図7】図7は畳表に面状発熱体を取付ける本発明の暖
房畳の変形例を示す横断面図である。
【図8】図8はユニット式発熱板を利用する本発明の暖
房畳のさらに他の変形例の横断面図である。
【符号の説明】
1…畳床 2…木質ボード 5…浅い凹所 6…凹溝 8…面状発熱体 10…引出線 11…貫通孔 12…幹導線 15…混抄紙(紙状通電発熱薄片) 17…電極 19…絶縁樹脂シート 27…畳表 50…発泡プラスチック又は通気性ファイバーボード層 60…ユニット式発熱板 61,62…木質ボード薄層 63…面状発熱体 64…引出線

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 畳床を構成する柔軟弾力性ある木質ボー
    ドに、炭素繊維を混抄した紙状通電発熱薄片を電気絶縁
    性樹脂シートで密封被覆し紙状通電発熱薄片の電極に結
    合した引出線を絶縁樹脂シート外に導いて成る面状発熱
    体を組合せ、前記引出線は畳床の端から端へ延設した幹
    導線に接続し、前記幹導線は一端において電源方向に、
    他端において隣接する同様構成の畳の相当する幹導線に
    接続し得るようにして成ることを特徴とする暖房畳。
  2. 【請求項2】 前記面状発熱体は、木質ボードの表面に
    形成した浅い凹所内に取付けられ、この上に直接に、又
    は発泡プラスチック層若しくは木質層を介在させて畳表
    を被覆し、前記面状発熱体からの引出線は畳床を底部へ
    貫通して畳床底部で幹導線に接続している請求項1に記
    載の暖房畳。
  3. 【請求項3】 前記面状発熱体は、畳床の長手方向に2
    列に配置され、一対の幹導線が畳床底部を長手方向に端
    から端まで延設され、前記面状発熱体はこの幹導線に並
    列接続されている請求項2に記載の暖房畳。
  4. 【請求項4】 前記面状発熱体は、畳床の長手方向に2
    枚縦列に配置され、一対の幹導線が畳床の幅を横切って
    延設され、前記面状発熱体は幹導線に並列接続されてい
    る請求項2に記載の暖房畳。
  5. 【請求項5】 前記面状発熱体は、畳表の裏面に発泡プ
    ラスチック層又はファイバーボード層を介して取付けら
    れ、この面状発熱体の裏面が畳床表面に向けて取付けら
    れる請求項1に記載の暖房畳。
  6. 【請求項6】 前記面状発熱体は、柔軟弾力性ある木質
    ボードの薄層2枚の間に挾着され、引出線を木質ボード
    薄層外に導き、この木質ボード薄層が畳床と畳表の間に
    取付けられる請求項1に記載の暖房畳。
  7. 【請求項7】 畳床の幅のほぼ2分の1幅の柔軟弾力性
    ある木質ボードの薄層2枚の間に、炭素繊維を混抄した
    紙状通電発熱薄片を絶縁性樹脂シートで密封被覆し紙状
    通電発熱薄片の電極に接続している引出線を樹脂シート
    外に導いて成る面状発熱体を挾着し、前記引出線を木質
    ボード外へ導出し、適宜幹導線又は電源に接続し得るよ
    うにして成るユニット式通電発熱板。
  8. 【請求項8】 前記発熱板の表面を畳表又はその他のシ
    ート材料で被覆して成る請求項7に記載のユニット式通
    電発熱板。
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