JPH0745293A - 燃料電池用燃料改質触媒 - Google Patents

燃料電池用燃料改質触媒

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JPH0745293A
JPH0745293A JP5189910A JP18991093A JPH0745293A JP H0745293 A JPH0745293 A JP H0745293A JP 5189910 A JP5189910 A JP 5189910A JP 18991093 A JP18991093 A JP 18991093A JP H0745293 A JPH0745293 A JP H0745293A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 セル内の電流密度分布の平準化が可能な燃料
電池用燃料改質触媒を提供する。 【構成】 触媒活性の低い金属とアルミナとのサーメッ
トに、触媒活性の高い金属を部分的に担持量を変えて担
持させた燃料電池用燃料改質触媒。 【効果】 集電体内に改質触媒能力を不均一に分布させ
て、セル内の局所毎の改質反応量を変化させ、量的な規
制を行うことにより、セル内部の電流密度分布や温度分
布を平準化することができる。セル内の電流密度分布の
平準化及びセル内温度分布の平準化を図り、セル破壊等
の問題のない良好なSOFCを提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は燃料電池用燃料改質触媒
に係り、特に、高温固体電解質型燃料電池(SOFC)
の燃料を電池内部で直接改質するための内部改質用触媒
に関する。
【0002】
【従来の技術及び先行技術】SOFCは、イットリア安
定化ジルコニア(YSZ)よりなる電解質膜の表面に燃
料極(アノード)及び空気極(カソード)の電極膜を積
層した構成とされている。
【0003】従来、このようなSOFC用の燃料改質方
式には、燃料電池の外で行って得た改質ガスを電池に供
給する外部改質法と、電池内部で直接改質する内部改質
法とがあり、後者はまだ実用化の域には達していないの
が現状である。
【0004】しかし、高温で作動するSOFCでは、内
部改質方式の実現が望まれており、その開発が進められ
ている。
【0005】従来、内部改質触媒としては、燃料極材料
に類似したNi−YSZサーメットが多く用いられてい
る。また、本発明者らは、ニッケルとスピネル体のサー
メットを触媒とすることを見出し、先に本出願人より特
許出願した(特願昭4−256345号)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、SOFCで
は、燃料ガスと酸化剤ガス(空気)との流れ方により、
図2に示す如く、セル内部で局所的な電流密度の差が大
きく現れる。これは、直ちにセル内部に大きい温度勾配
を発生させることにつながり、セル破壊の原因となる。
【0007】しかし、電池に燃料として供給するものは
メタン等の炭化水素化合物であり、一方、実際に電池の
燃料となるのは水素や一酸化炭素であるから、改質触媒
の配置によって、電流密度分布の平準化が可能になると
考えられる。なお、この改質触媒層は、通常、燃料極側
の集電体として使われることから、触媒及びその担体は
導電体であること、及び、その下層の電解質膜を構成す
る材料の熱膨張係数に近い熱膨張係数を有することが必
要とされる。
【0008】本発明は上記従来の実情に鑑みてなされた
ものであって、セル内の電流密度分布の平準化が可能な
燃料電池用燃料改質触媒を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の燃料電池用燃料
改質触媒は、SOFCの内部改質触媒において、触媒活
性の低い金属とアルミナとのサーメットに、触媒活性の
高い金属を部分的に担持量を変えて担持させてなること
を特徴とする。
【0010】本発明の燃料電池用燃料改質触媒は、基本
的には下記式で示されるサーメットであり、このうち、
1 の担持量を部分的に変化させたものである。
【0011】M1 +(M2 +Al23 ) M1 :触媒活性の高い金属(例えば、Ni、Ru、R
h) M2 :触媒活性の低い金属(例えば、Fe、Co、P
t) なお、以下において、M1 としてはNiを、また、M2
としてはFeを用いたものを例示して説明するが、これ
ら以外のものでも、本発明の目的を達成することができ
る。
【0012】本発明において、担持するNi等の触媒活
性の高い金属M1 の割合は、少な過ぎると触媒活性が不
足し、多過ぎると触媒活性が必要以上に高くなることか
ら、通常の場合、改質触媒中のNiOの重量割合で1〜
30重量%の範囲内で電流密度の平準化に有効なように
変化させるのが好ましい。
【0013】また、Al23 は多過ぎると触媒部分の
熱膨張係数が小さくなり、少な過ぎると熱膨張係数が大
きくなることから改質触媒中の重量割合で3〜35重量
%とするのが好ましく、Fe等の触媒活性の低い金属M
2 の割合は、多過ぎても少な過ぎても熱膨張係数を良好
な値とすることが難しく、また、少な過ぎると電子導電
性が低くなることから、改質触媒中のFe23 の重量
割合で30〜85重量%とするのが好ましい。
【0014】本発明の改質触媒は、通常の場合、気孔率
40〜60%程度の多孔質であることが好ましい。この
気孔率が小さ過ぎると燃料ガスが流れにくく、表面積が
減少することから有効触媒活性点が減少し好ましくな
い。逆に気孔率が大き過ぎると強度及び電子導電性の低
下を引き起こす。
【0015】Ni担持量を部分的に変化させた本発明の
燃料電池用燃料改質触媒は、例えば、次のような方法に
より製造することができる。
【0016】まず、出発原料にFe23 、Al23
を用い、ドクターブレード法でFe23 :Al23
=80:20重量%の多孔質平板を焼成する。この焼結
体の片面に所定量のNiスラリーを塗布し、1300〜
1550℃で3〜20時間焼成する。Niスラリーの塗
布量は、発電時、単セル内の電流密度分布が平準化され
るように決定する。
【0017】
【作用】鉄が過剰にある場合、鉄とアルミナのサーメッ
トは、酸化性雰囲気下では両者が独立の酸化物として存
在するが、還元性の雰囲気下では鉄と鉄−アルミナのス
ピネル(FeAl24 )として存在する。この場合、
図3に示す如く、鉄は非常に良好な導電体であり、ま
た、図4に示す如く、この両者の混合比によって、その
熱膨張係数をYSZのそれに完全に合わすことが可能で
ある。
【0018】なお、鉄は改質触媒としての機能はあまり
高くない。そこで、本発明では、鉄とアルミナの組み合
せによる集電体を作製し、そのセルとの接合面に改質触
媒となるNi等を量的に不均一に分布させて担持させ、
局所毎の改質能力を変化させた集電体とし、これを内部
改質触媒とする。
【0019】このようにして集電体内に改質触媒能力を
不均一に分布させて、セル内の局所毎の改質反応量を変
化させ、量的な規制を行うことにより、セル内部の電流
密度分布や温度分布を平準化することができる。
【0020】
【実施例】以下に本発明を図面を参照して詳細に説明す
る。
【0021】図1は本発明の実施例に係る燃料電池用燃
料改質触媒におけるNi担持量の分布状況を示す模式的
断面図である。
【0022】図1において、1は燃料側集電体、2はセ
ル、3は空気側集電体である。矢印は燃料ガスの流入方
向を示す。
【0023】本実施例においては、燃料側集電体1を構
成する触媒層4として、Fe−Al23 サーメット4
Aに、Ni 4Bを燃料ガスの流入方向に応じて、セル
2内に局所的な電流密度の差が発生しないように、この
電流密度差を相殺するように、部分的に担持量を変えて
担持したものである。
【0024】このようにNi担持量を調整することによ
り、電流密度の差に起因するセル内の温度勾配を防止し
て、セル内温度分布を効果的に平準化することができ
る。
【0025】以下に実験例を挙げて、本発明の効果をよ
り具体的に説明する。
【0026】実験例1 触媒中のAl23 の含有量を30重量%に固定し、F
23 /NiO含有量(重量%)を変えたサーメット
を用い、メタンの改質反応を行った。サーメットは下記
手法により作製した。即ち、所定配合となるように、各
粉末を乳鉢中で混合し、これを1200℃で5時間仮焼
した後、粉砕して粒径75μm未満のものを分級した。
その後、1500℃で10時間本焼成して、数mm程度
の粒子に粉砕した。
【0027】改質実験は、このようにして得られた触媒
粒子10を、図5に示すヒーター12を備えるアルミナ
製反応管11に10g充填し、これに水蒸気を添加した
メタン(S/C=2.5)を下記条件で導入することに
より行なった。なお、13はアルミナ製治具である。
【0028】改質温度 :1000℃ メタン流量:2 リットル/min 触媒中のFe23 /NiO比とメタン転化率との関係
を図6に示す。図6より、触媒中のNiO含有量が増加
するにつれ、メタン転化率が上昇することが判る。従っ
て、触媒(燃料極側集電体も兼ねる)中のFe/Ni含
有量の適正化により、セルの電流密度や温度の分布の平
準化を図ることが可能であることが明らかである。
【0029】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の燃料電池用
燃料改質触媒によれば、セル内の電流密度分布の平準化
及びセル内温度分布の平準化を図り、セル破壊等の問題
のない良好なSOFCを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る燃料電池用燃料改質触媒
におけるNi担持量の分布状況を示す模式的断面図であ
る。
【図2】SOFCセル内の燃料極集電体の電流密度分布
を示す図である。
【図3】鉄とアルミナのサーメットの導電率を示すグラ
フである。
【図4】鉄とアルミナのサーメットの熱膨張係数を示す
グラフである。
【図5】実験例1で用いた反応管を示す断面図である。
【図6】実験例1の結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 燃料側集電体 2 セル 3 空気側集電体 4 触媒層 4A Fe−Al23 サーメット 4B Ni

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高温固体電解質型燃料電池の内部改質触
    媒において、触媒活性の低い金属とアルミナとのサーメ
    ットに、触媒活性の高い金属を部分的に担持量を変えて
    担持させてなることを特徴とする燃料電池用燃料改質触
    媒。
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