JPH0745055U - 単発使い切り点腔容器 - Google Patents

単発使い切り点腔容器

Info

Publication number
JPH0745055U
JPH0745055U JP7613593U JP7613593U JPH0745055U JP H0745055 U JPH0745055 U JP H0745055U JP 7613593 U JP7613593 U JP 7613593U JP 7613593 U JP7613593 U JP 7613593U JP H0745055 U JPH0745055 U JP H0745055U
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
container
main body
nozzle mechanism
drug solution
bent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7613593U
Other languages
English (en)
Inventor
石 保 行 白
本 啓 二 浜
木 真 黒
川 勝 義 相
中 重 男 田
崎 文 男 漆
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taisei Kako Co Ltd
Taisho Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Taisei Kako Co Ltd
Taisho Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taisei Kako Co Ltd, Taisho Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Taisei Kako Co Ltd
Priority to JP7613593U priority Critical patent/JPH0745055U/ja
Publication of JPH0745055U publication Critical patent/JPH0745055U/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 輸送、貯蔵及び携帯に便利であることに加え
て使用時に何等の道具無しに手指で使用可能状態へ移行
できる点腔容器を開発する。 【構成】 低密度ポリエチレンからブロー成形機で本体
部1を作成した。次に1にノズル機構3を挿入して後に
所定の薬剤溶液を注入したものをブロー成形機に装着し
た。3には旋回流形成マンドレル4を内蔵。押出機から
押出された同一の低密度ポリエチレンからなる溶融パリ
ソンを分割金型で両側からインサートと共に挟んだ後に
パリソン内に空気を吹き込んで冠状部2を成形すると共
に本体部1と接合された単発使い切り点腔容器を得た。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は単発使い切り点腔容器に関する。詳しくは、本考案は携帯、輸送及び 貯蔵に便利であることに加えて、使用時に何等の道具類を要せずに容易に開封可 能及び迅速に使用可能であって、使用終了後にはその儘廃棄可能な単発使い切り 点腔容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
点眼容器としては単発使い切り式の容器が既に用いられている。しかし、殆ど の目薬供与操作は上向きの眼球に対して上方から眼薬液を滴下する(点眼)方式 で行なわれる。処が、例えば鼻腔内への薬剤液供与(「点鼻」と称することがあ る)操作においては、事情が全く異なる。即ち、薬剤液を上方から鼻腔内へ滴下 注入する方式ではなく、下方から鼻腔内へ噴霧注入する方式が用いられる。また 、鼻腔内への薬液供与に限らず、上方から薬液を滴下又は噴霧する薬剤供与方式 を採用しにくい対象部位が多数存在する。特に、対象である被治療者にとって薬 剤供与部位を上向きにする姿勢が苦痛を与える場合等には、体腔内への薬剤液供 与は側方から又は下方から行なわれ得る方式であることが要求される。側方又は 下方等の任意の方向から実行可能な供与方式としては、加圧による噴霧即ち、ノ ズル等からの噴射によって霧化する方式が極めて好ましい。本考案ではこの体腔 内への薬剤液供与方式を「点腔」と称する。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
その結果、点眼容器を点腔容器として転用することはできず、如何なる使用条 件においても容易に使用可能でしかも確実に作動する新たな機構を開発する必要 があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本考案の単発使い切り点腔容器は点腔容器に要求される独特の機能を如何なる 使用条件下においても容易にしかも確実に発揮させ得る機構として下記の「基本 的構成」並びに「改良構成1」〜「改良構成4」からなる。
【0005】 [基本的構成要件] 薬剤溶液収容部を備えた細長い形状の本体部、該部から裂断分離容易に本体部 上端に水密的にしかも一体的に接合された冠状部及び本体部の上端域に内嵌され たノズル機構から形成された容器であって、該冠状部が上端において閉塞された 管状部とその両翼に略対称に位置して母線上から外側へ張り出す張出し部とで形 成されると共に、その下端付近において軸方向へ屈曲した屈曲端を備えているこ とを特徴とする単発使い切り点腔容器。
【0006】 [改良構成1] ノズル機構が略筒状であってその上端の閉塞部に噴射孔を備え、その中段部外 壁に係合用の凹部を備えると共に該機構の下半部の外壁に設けられた凸部が本体 部上端区域によって包接された状態で本体部内に緊密に固定されていることを特 徴とする「基本的構成」に記載の単発使い切り点腔容器。
【0007】 [改良構成2] ノズル機構がその内部に旋回流形成マンドレルを備え、該マンドレルがその外 壁に旋回流形成用手段を備えていることを特徴とする「基本的構成」及び「改良 構成1」に記載の単発使い切り点腔容器。
【0008】 [改良構成3] 本体部に位置する把持部の上半部が略横方向の軸を有する多角柱状であって、 該部が薬剤溶液収容部側へ折曲げられることによってスクイズ作用を生じさせ得 る位置及び形状に作成されていることを特徴とする「基本的構成」並びに「改良 構成1」及び「改良構成2」に記載の単発使い切り点腔容器。
【0009】 [改良構成4] 冠状部の内部において両張出し部の内側縁に装着された支持枠がその下面に噴 射孔閉塞用の突起を備えると共にその両脚下端に屈曲端を有することを特徴とす る「基本的構成」及び「改良構成1」〜「改良構成3」に記載の単発使い切り点 腔容器。
【0010】 [改良構成5] 飲食品、化粧品、環境整備剤を含有する溶液の収容部を備 えた細長い形状の本体部、該部から裂断分離容易に本体部上端に水密的にしかも 一体的に接合された冠状部及び本体部の上端域に内嵌されたノズル機構から形成 された容器であって、該冠状部が上端において閉塞された管状部とその両翼に略 対称に位置して母線上から外側へ張り出す張出し部とで形成されると共に、その 下端付近において軸方向へ屈曲した屈曲端を備えていることを特徴とする「基本 的構成要件」及び「改良構成1」〜「改良構成4」の何れかに記載の単発使い切 り噴霧容器。
【0011】 [考案の好適態様] 以下、本考案を図面に基づいて具体的に説明する。 図1は本考案の点腔容器の見取り図であり、図1の(a)は該容器の正面見取り 図、図1の(b)は該容器の側面見取り図である。図1の(a)において1は点腔容器 本体部であって、その上端(本明細書において「上下左右」等は説明の便宜上の 表現である)には冠状部2が水密的にしかも容易に裂断分離可能な程度に一体的 に接合されている。
【0012】 図1の(a)において本体部1は通常は細長い板状体であって、下半部11と上 半部12とからなり、下半部11の機能はこの点腔容器を使用可能状態へ移行さ せ、更に点腔操作を行なう際に該容器を手によって確実に把持する為の「握り部 」として働くことにある。また、上半部12は薬剤溶液収容部として働き、スク イズ作用(絞り出し作用又は圧潰作用)を受けて内容液を排出するに適する形状 を備えると共に、肉眼によって内部を透視可能な可撓性の軟質材料で形成されて いることが重要である。
【0013】 薬剤溶液収容部12の形状は必要に応じて略円筒形、楕円筒形、直方体、立方 体、コノイド(底面が円形又は楕円形で一側面形状は三角形、それに垂直は方向 からの側面形状は台形)等を執り得る。しかし、薬剤溶液収容部12は通常的に は略円筒形又は略直方体(隅丸直方体)等であれば十分である。
【0014】 図2は本考案の単発使い切り点腔容器の模式的縦断面図であって、図2の(a) は1を図1の(b)における線A−Aで切断して現れる模式的正面断面図、図2の( b)は1を図1の(a)における線B−Bで切断して現れる模式的側面断面図である 。図2の(a)において特に重要な部分は本体部1の上半部に組み込まれた薬剤溶 液収容部12、その上端部に内嵌されたノズル機構3及びそのそれを包む様に冠 装された冠状部2の形状及び構造である。以下に順を追って説明する。
【0015】 図2の(a)において本体部1の上端区域に設けられた開口12mにはノズル機構 3が内嵌され、ノズル機構3の下半部32の外壁に設けられた凸部32gが本体 部1の上端域によって包み込まれた構造によって緊密に固定されている。本体部 1の上端には冠状部2がその下端25において本体部1から裂断分離容易に本体 部末端に水密的にしかも一体的に接合されている。本体部1と冠状部2との接合 によって形成される本考案の単発使い切り点腔容器においては、接合は両部の境 界に位置する頚部を呈する。
【0016】 図2の(a)における冠状部2は倒立状態の有底円筒2bの両袖に張出し部22が 付設された形状であり、該有底円筒部2bの上端部に位置する閉塞部26は通常 はドーム状に形成されている。この有底円筒部2bは防湿性及び気体遮断性(ガ スバリヤー性)の材料で作成されている。張出し部22は有底円筒部2bと通常 は同一の材料で作成され得るが、22の役割は本考案の単発使い切り点腔容器を 使用状態へ移行させる最初の段階として冠状部2を除去する為の捻り及び引張作 用を裂断されるべき接合(頚部)に伝えることにあるから、その作用に耐える強 度及び剛性を備えた材料で作成されるべきである。
【0017】 図2の(a)に示されている様に、冠状部2の内部には両張出し部22が部分的 に進入しており、その内側縁にノズル機構3を所定位置に固定する支持枠21の 両脚がそれぞれ接合されている。この支持枠21は図2の(a)では倒立U字型に 見えるるが、別態様として円筒形であってもよく、気密性形状であることを要し ない。支持枠21の水平部下側には突起23が設けられ、突起23はノズル機構 3の頂面に設けられた凹窩33c中に嵌入されると共に噴射孔33hを塞ぐことに よって点腔容器内部に収容された薬剤溶液の流出を阻止する。この支持枠21の 両脚21fの下端は軸方向(内側)へ屈曲する様に形成され、この屈曲端21cは ノズル機構3の中段外壁に設けられた括れ31nに嵌入して冠状部2が不時に脱 離する事態を防止する。
【0018】 図2の(b)が独立に示すものは支持枠21が側面から見ても倒立U字型であり 得る態様を示すこと及び薬剤溶液収容部12が如何なる側面形状を呈しているか を例示する程度である。なお、把持部11の側面形状は平板状に図示されている が、後述の様にその上方に位置する薬剤溶液収容部12を効率的に圧潰する為の 側面形状が付与されていることが好ましい。この把持部11の側面形状について は後に別項で説明する。
【0019】 図3の(a)は冠状部2が本体部1から分離された状態を示す。同図においては 、冠状部2の下端区域に形状保持リング24が設けられていること、支持枠21 の水平部下側に突起23が設けられていること及び支持枠21の両脚21fの下 端にに屈曲部21cが設けられていることが判る。
【0020】 図3の(b)は本体部1の上部域から後掲のノズル機構3に到る構造の模式的縦 断面図であって、同図において本体部1は通常、その上端区域から縮幅し始めて 肩部12sを形成し、その上端区域の内壁が開口12mを形成している。肩部12 sは更に上部へ伸びて後掲の内嵌されたノズル機構3の凸部32gを包む張出し部 12gを形成した後にノズル機構3の凸部32gの上面に沿って縮径して上端に到 る。上端の開口12mには上方からノズル機構3の下半部32が緊密に内嵌され ている。
【0021】 図3の(b)に示されたノズル機構3は比較的小径筒である上半部31と比較的 大径筒である下半部32とが同軸で連続する異径円筒形状であり、その上半部3 1の上端が閉塞され、閉塞部の中心付近に通常は上開きの凹窩33cが形成され 、該凹窩33cの形状は多く半球形、円錐形又は摺鉢型等であってその中心付近 に噴射孔33hを備えると共に、上半部31の内部は空洞でその内壁31iuから 下半部32の内壁32idへの移行区域の内壁31icで拡径する。他方、ノズル機 構3の下半部32の外壁には凸部32gが設けられている。
【0022】 この凸部32gは複数個の突起、全周に亙る一連の突条又は全周に亙る突条の 1箇所以上に切欠きを有する歯形突条の何れをも用途に応じて選択できる。該凸 部32gの役割は上述の様に本体部1の上端域に位置する開口12mに内嵌された 後に開口12mの上端付近で本体部1によって包み込まれて本体部1に緊密に固 定されることにある。その結果として、凸部32gを包み込んだ本体部1の形状 は凸部32gの外形に倣う凸部12gを形成する。
【0023】 図3の(b)に示されたノズル機構3の上半部31内には旋回流形成マンドレル 4が噴射孔33hと略同軸位置に装着されている。図3の(c)は旋回流形成マンド レル4の拡大図であり、図3の(c)における旋回流形成マンドレル4は通常は棒 状体で、ノズル機構3内を遡上する薬剤溶液流をその表面に沿って誘導しながら その流速を飛躍的に増大させると共に、該液流に旋回性を与える為の部材である 。薬剤溶液を旋回流とする為に旋回流形成マンドレル4に付与される形状は多種 類に亙り、それらを適宜採用できる。
【0024】 図3の(c)に併せて図3の(d)を参照すれば、該マンドレル4の1例としてその 側壁41に母線に略平行に走る複数本の通液用の縦溝42を刻設すると共に、マ ンドレル4の頂面43には2本以上の縦溝42内を遡上して来た薬剤溶液流を導 いて旋回流を形成させる為の対応本数の誘導溝44及び対応本数の液流を互に稍 行き違う様に衝突させる為の水平断面円形の液溜め45が通常は設けられた旋回 流形成マンドレル4が示されている。この液溜め45はここに収束する液流を受 け入れて旋回流を生じさせ得る形状に作成されていればその形状が略円形である ことを要しない。なお、縦溝42は該マンドレル4の母線に対して5度以上で3 0度以下程度の傾斜角で設置されていることが旋回流を形成させる上で一層有益 である。傾斜角付与に起因する流通抵抗(圧損)と旋回流形成効率との均衡を保 つ見地からは、この傾斜角を母線に対して通常5〜20度、好ましくは10〜1 5度に選ぶ。
【0025】 各誘導溝44の形状は複数本の液流を互に稍行き違う様に衝突させ得る形状で あれば何れでもよく、それぞれが直線状であってもよい。2本以上の該誘導溝4 4の接続位置が水平断面円形の液溜め45において略該円形に対する接線方向か らそれぞれの液流を流入させる位置であれば旋回流を形成させることができる。 なお、この構造のノズル機構3においては旋回流形成マンドレル4はノズル機構 3の内壁に密着状態で嵌装され、液流が溝42内を経由して誘導溝44内だけを 流通した後に噴射孔33hから噴出され得る様に装着される。
【0026】 図4は旋回流形成マンドレル4の形状として図3の(c)及び(d)に例示された縦 溝付き棒状体に加えて、他の例を示す。図4は側壁41bの表面に数本の旋回流 形成用の突条42bfが鰭(フィン)の様に付設されたフィン付き棒状体4bであ って、これらの突条42bfが旋回流形成マンドレル4bの側壁41b表面を流れる 液膜を分割する形状を示す。図4の形状では、分割された液帯が相互に稍行き違 って衝突した際に旋回流を形成させる為のものであるから、各フィンは相互に比 較的に近い間隔で即ち、多数本設置されることが重要である。
【0027】 図4の(a)はフィン付き棒状体である旋回流形成マンドレル4bの軸方向から見 た模式的平面図であって、4本のフィン42bt及びそれに連なる側壁41b面の フィン42bfを示している。図4の(b)はフィン付き棒状体の模式的側面図であ って、側壁41b面のフィン42bfとそれに連なる頂面43bのフィン42btとを 示す。通常的には上記のフィン42bfの本数を6本以上、好ましくは8本以上に 選ぶ。旋回流形成マンドレル4bの側壁41bにフィン42bfを設けた場合には、 該マンドレル4bの頂面43bにも各フィンを延長設置することが好ましい。該マ ンドレル4bの頂面43bにおいて各フィン42btが該マンドレル4bの外周から 中心へ向かいながら中心を稍外れて相互に稍食い違う様に収束する際に、その終 点区域に円形の液溜め45bを設けておくことが有益である。
【0028】 上記の旋回流形成用のフィン42bf及び42btが設けられた場合には旋回流形 成マンドレル4bの表面がノズル機構3の上半部内壁面31iuに密着する必要は 無く、フィン42bf及び42btの稜線がノズル機構3の内壁面31iuに可能な限 り全長において密接することが必要になる。
【0029】 図5は本体部1の下半部が通常は把持部11として働く外に、薬剤溶液収容部 12をスクイズ(圧潰又は圧搾)する部材としても働く態様を例示する。図5の (a)は把持部11の上半部11uが側面形状において(略横方向から見て)多角柱 状であってその最大厚さが薬剤溶液収容部の厚さと略等しい態様を示し、その使 用時には図5の(b)に示される様に、該把握部11を薬剤溶液収容部12側へ折 曲げることによって薬剤溶液収容部12をスクイズする為の手指等による操作を 補助し得る。この折曲げを容易にする為には、薬剤溶液収容部12と把持部11 とを十分な間隔で設置する方策又は両者の中間区域の肉厚を薄目に作成する等の 実用面での手直しを施すことが有益である。
【0030】 上記の側面形状における「多角柱状」とは例えば、半円柱、半楕円柱、半卵型 柱又は楔型等を挙げることができる。なお、半卵型柱の様な形状では、スクイズ の始めにおいては緩やかに圧搾し、次第に強く圧搾できる向き即ち、曲率の小さ な側が先に薬剤溶液収容部12を圧搾する様に設置することが好ましい。
【0031】 [本考案の容器の材質] 本考案の単発使い切り点腔容器を作成する為の材質としては一般的に熱可塑性 樹脂が常用される。中でも、成形容易性及び入手容易性に加えて、或程度以上の 透明性、防湿性、気体遮断性(ガスバリヤー性)、可撓性、柔軟性、人体無害性 及び焼却時の排気ガスの無毒性その他の見地から見て、オレフィン形樹脂が好ま しい。例えば、低密度ポリエチレンは上記の所望物性の多くを備えている点で好 ましい。これに加えて、ポリエチレンは低密度品から高密度品の全てにおいて極 めて優れた耐低温性を備えている。しかし、高密度ポリエチレンは透明性に欠け る外に剛性に富むことから、薄い膜状である場合をを除いてそのスクイズには相 当に手指に負担を及ぼすことになる。
【0032】 高温滅菌に耐えることが重視される場合には、ポリエチレンに代えて結晶性ポ リプロピレンが好適である。ポリプロピレンは加圧水蒸気滅菌(一般には121 ℃で20min)にも耐える。
【0033】 また、本考案の点腔容器を構成するノズル機構は寧ろ堅い材料を用いて作成さ れることが好ましいことから、縮合多環構造を含有する分子から形成された硬質 の非晶質オレフィン樹脂が好適である。
【0034】 本考案において「樹脂」とは結晶性樹脂に限らず、非晶性樹脂及び熱可塑性エ ラストマー等の成形業界で樹脂及びそれに匹敵するとして用いられている高分子 量体を包含する。
【0035】 [本考案の容器の作成] 本考案の容器を作成する方法としては各種のものを用い得る。その1例として 本考案では、インサートブロー成形法を挙げることができる。即ち、本体部1を 先に適宜の成形法例えば、ブロー成形法によって作成した後にその上端開口へ上 方からノズル機構3を挿入し、この状態でブロー成形金型に装着してからブロー 成形を行なって冠状部2を冠装する。勿論、ノズル機構3には挿入前に旋回流形 成マンドレル4又は4bを内蔵しておく。
【0036】 [本考案の容器の部分変形態様] 本考案の単発使い切り点腔容器においては、本体部1と冠状部2との間が裂断 された後にも、両部が僅かな部分で接続(連繋)を保つ構成を採用することが事 故防止及び廃棄物散乱防止等の面で好ましい。特に、冠状部が単独で放置された 場合には幼児又は動物等が誤って嚥下して気管閉塞又は消化管閉塞等の重大事故 を生じ兼ねないことから、万が一にもその種の事故を予防する為には上記の両部 連繋構成が好ましい。
【0037】 [本考案の容器の使用] 図1に示された本考案の単発使い切り点腔容器を点腔に用いるには、先ず本体 部1の下半部に位置する把持部11を確保しながら冠状部2の張出し部22を手 指等で捻りながら上方へ引くことによって接合部を裂断させて冠状部2を分離す る。次に、現れたノズル機構3を薬剤供与部位に挿入してから薬剤溶液収容部1 2を手指等で圧迫して内容液を押出して噴射孔33hから患部へ噴射供与する。
【0038】 [本考案の容器の機能及び用途] 本考案の容器の機能はその溶液収容部12内に収容された液体を該部に印加さ れる押圧力によってそのノズル機構先端の噴射孔33hから噴霧状に噴射するこ とにあり、その結果として諸種の用途例えば各種の薬剤溶液を体腔内へ噴霧供与 する用途、飲食品を手軽に供給する用途、環境整備剤を含有する溶液を生活空間 へ噴霧する用途等に有用性を発揮する。
【0039】 ここで、「環境整備剤」とは、化粧品、理容剤、美容剤、洗浄剤(石鹸を含む 洗剤)、芳香剤、脱臭剤、殺菌剤、殺虫剤及び殺ダニ剤等の生活環境を何等かの 意味で改善する機能を果たす物質を言う。ここで、生活空間とは多種多様であっ て例えば、室内の壁又は床、カーテン又はカーペット、調理台又は流し、浴室( 浴槽、洗面台及び便器を含む)、車両内、船舶内又は航空機内、病院又は医院内 その他の公衆が出入りする施設における備品等を挙げることができる。これらに 対する個人的規模の環境整備には本考案の容器は手軽さと個性に合わせた選択自 由度等の見地から意外な有用性を備えている。
【0040】
【実施例】
以下に、本考案の単発使い切り点腔容器を成形してその性能を確認する実験を 行なった結果を示す。
【0041】
【実施例1】 低密度ポリエチレンを用いてブロー成形機で本体部1を作成した。次にこの本 体部1の開口にノズル機構3を挿入して得られた半製品内に所定の薬剤溶液を注 入したものをブロー成形機のインサート支持部材に装着した。インサートにおけ るノズル機構3内部には予め旋回流形成マンドレル4を内蔵した。押出機から環 状ダイを通して同一の低密度ポリエチレンからなる溶融パリソンを押出し、冠状 部成形用の分割金型で両側からインサートと共にパリソンを挟んだ後にパリソン 内に空気を吹き込んで金型の形状をインサートに転写した製品即ち、本考案の単 発使い切り点腔容器を得た。
【0042】 これらの試験体を片手に保持した状態で、冠状部2の張出し部22を他方の手 の指で捻りながら軸方向へ引いて本体部1上端との接合部を裂断させて冠状部2 を分離した。次に、該試験体の薬剤溶液収容部12を手指でスクイズしながら内 容液をノズル機構3へ向けて圧送することによって、噴射孔33hから薬剤溶液 を噴霧した。噴射された液滴は微細で均一に広がり、被噴霧面にも斑が見られな かった。
【0043】
【作用】
本考案の単発使い切り点腔容器は図1の形態で出荷、輸送及び貯蔵され、その 形態では冠状部2がノズル機構3を塵及び埃から防御することは勿論、高度の防 湿性及びガスバリヤー性によって完全に無菌状態で内容薬剤の変質を防止しなが ら、不時の使用状態への移行を阻止する。その保存には冠状部2の内部に位置す る支持枠21の水平部下面に設けられた突起23による噴射孔43hの閉塞及び 支持枠21の両脚21f下端の屈曲とノズル機構3中段外壁の括れ31nとの係合 による支持枠21の脱離阻止によって支援された冠状部2と本体部1との間の裂 断分離容易な水密的で一体的な接合が寄与する。
【0044】 更に、本体部1の下半部(把持部)11に多角柱形状を付与し、把持部11が 薬剤溶液収容部12側へ折曲げられることによって薬剤溶液収容部12中に収容 された薬剤溶液を一層容易にスクイズして噴射孔42hから噴射する機能を付与 することができる。
【0045】
【考案の効果】
本考案の単発使い切り点腔容器は下記の効果を奏する: ◆輸送、貯蔵及び携帯に有利で、不時の使用状態への移行も殆ど無い ◆使用に際しては何等の道具を用いずに手指で容易に冠状部を除去し得る ◆スクイズ補助機構を備えれば手指機能の不自由な場合にも容易に使用可能であ る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本考案の単発使い切り点腔容器の見取り
図であり、図1の(a)はその正面見取り図及び図1の(b)
はその側面見取り図である。
【図2】図2は本考案の単発使い切り点腔容器の模式的
縦断面図であって、図2の(a)はその模式的正面縦断面
図及び図2の(b)はその模式的側面縦断面図である。
【図3】図3は本考案の単発使い切り点腔容器の構成部
分の模式的縦断面図を分離拡大したものであって、図3
の(a)はその冠状部の模式的縦断正面図、図3の(b)はそ
の本体部及びノズル機構の模式的部分断面図、図3の
(c)はそのノズル機構の模式的部分拡大縦断面図及び図
3の(d)はそのノズル機構内部に装着される旋回流形成
マンドレルを軸方向から見た模式的平面図である。
【図4】図4は本考案の単発使い切り点腔容器のノズル
機構内部に装着される旋回流形成マンドレルの別態様を
示すもので、図4の(a)は該マンドレルの模式的側面図
及び図4の(b)は該マンドレルの頂面を示す模式的平面
図である。
【図5】図5は本考案の単発使い切り点腔容器の把持部
の別異形状を示す模式的側面図である。
【符号の説明】
1 本考案の点腔容器の本体部 2 本考案の点腔容器の冠状部 3 本考案の点腔容器のノズル機構 4 本考案の点腔容器のノズル機構内部に装着された
旋回流形成マンドレル 11 本考案の点腔容器の本体部における把持部 12 本考案の点腔容器の本体部における薬剤溶液収
容部 21 本考案の点腔容器の冠状部内部に装着された支
持枠 22 本考案の点腔容器の冠状部両袖に設けられた張
出し部 23 支持枠下面に設けられた突起 24 冠状部の下端区域に設けられた形状保持リング 25 冠状部の下端 26 冠状部の上端に位置する閉塞部 31 ノズル機構の上半部 32 ノズル機構の下半部 41 旋回流形成マンドレルの側壁 42 旋回流形成マンドレルの側壁に刻設された通液
用の縦溝 43 旋回流形成マンドレルの頂面 44 旋回流形成マンドレルの頂面に刻設された誘導
溝 45 旋回流形成マンドレルの頂面に設けられた液溜
め 4b 別態様の旋回流形成マンドレル 11u 把持部の上半部で多角柱断面形状の部分 12g 本体部の上端区域において凸部を包んだ張出
し部 12m 本体部上端の開口 12s 本体部の上端区域における肩部 21c 支持枠の両脚の下端における屈曲部 21f 支持枠の両脚部 31n ノズル機構の中段外壁に設けられた括れ 32g ノズル機構の下半部外壁に設けられた凸部 32i ノズル機構の下半部内壁 33c ノズル機構の頂面に設けられた凹窩 33h ノズル機構の頂面に設けられた噴射孔 41b 別態様の旋回流形成マンドレルの側壁 42b 別態様の旋回流形成マンドレル表面に設けら
れたフィン(包括名) 43b 別態様の旋回流形成マンドレル頂面 45b 別態様の旋回流形成マンドレル頂面に設けら
れた液溜め 31ic ノズル機構が下半部へ移行する区域の内壁 31iu ノズル機構の上半部内壁 32id ノズル機構の下半部内壁 42bf 別態様の旋回流形成マンドレル側面に設けら
れた突条 42bt 別態様の旋回流形成マンドレル頂面に設けら
れた突条
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 黒 木 真 大阪府茨木市藤の里2丁目11番6号 大成 化工株式会社研究所内 (72)考案者 相 川 勝 義 東京都豊島区高田3丁目24番1号 大正製 薬株式会社内 (72)考案者 田 中 重 男 東京都豊島区高田3丁目24番1号 大正製 薬株式会社内 (72)考案者 漆 崎 文 男 東京都豊島区高田3丁目24番1号 大正製 薬株式会社内

Claims (6)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薬剤溶液収容部を備えた細長い形状の本
    体部、該部から裂断分離容易に本体部上端に水密的にし
    かも一体的に接合された冠状部及び本体部の上端域に内
    嵌されたノズル機構から形成された容器であって、該冠
    状部が上端において閉塞された管状部とその両翼に略対
    称に位置して母線上から外側へ張り出す張出し部とで形
    成されると共に、その下端付近において軸方向へ屈曲し
    た屈曲端を備えていることを特徴とする単発使い切り点
    腔容器。
  2. 【請求項2】 ノズル機構が略筒状であってその上端の
    閉塞部に噴射孔を備え、その中段部外壁に係合用の凹部
    を備えると共に該機構の下半部の外壁に設けられた凸部
    が本体部上端区域によって包接された状態で本体部内に
    緊密に固定されていることを特徴とする請求項1に記載
    の単発使い切り点腔容器。
  3. 【請求項3】 ノズル機構がその内部に旋回流形成マン
    ドレルを備え、該マンドレルがその外壁に旋回流形成用
    手段を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記
    載の単発使い切り点腔容器。
  4. 【請求項4】 本体部に位置する把持部の上半部が略横
    方向の軸を有する多角柱状であって、該部が薬剤溶液収
    容部側へ折曲げられることによってスクイズ作用を生じ
    させ得る位置及び形状に作成されていることを特徴とす
    る請求項1〜3の何れかに記載の単発使い切り点腔容
    器。
  5. 【請求項5】 冠状部の内部において両張出し部の内側
    縁に装着された支持枠がその下面に噴射孔閉塞用の突起
    を備えると共にその両脚下端に屈曲端を有することを特
    徴とする請求項1〜4の何れかに記載の単発使い切り点
    腔容器。
  6. 【請求項6】 飲食品、化粧品、環境整備剤を含有する
    溶液の収容部を備えた細長い形状の本体部、該部から裂
    断分離容易に本体部上端に水密的にしかも一体的に接合
    された冠状部及び本体部の上端域に内嵌されたノズル機
    構から形成された容器であって、該冠状部が上端におい
    て閉塞された管状部とその両翼に略対称に位置して母線
    上から外側へ張り出す張出し部とで形成されると共に、
    その下端付近において軸方向へ屈曲した屈曲端を備えて
    いることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の単
    発使い切り噴霧容器。
JP7613593U 1993-12-28 1993-12-28 単発使い切り点腔容器 Pending JPH0745055U (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7613593U JPH0745055U (ja) 1993-12-28 1993-12-28 単発使い切り点腔容器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7613593U JPH0745055U (ja) 1993-12-28 1993-12-28 単発使い切り点腔容器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0745055U true JPH0745055U (ja) 1995-12-19

Family

ID=13596525

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7613593U Pending JPH0745055U (ja) 1993-12-28 1993-12-28 単発使い切り点腔容器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0745055U (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109091291A (zh) * 2017-06-12 2018-12-28 汇恩斯株式会社 眼药水容器
JPWO2018061807A1 (ja) * 2016-09-30 2019-07-25 富士フイルム株式会社 ノズルおよび分注容器
JP2021065850A (ja) * 2019-10-25 2021-04-30 株式会社徳重 噴射口形成部材及びそれを用いた噴霧器

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2018061807A1 (ja) * 2016-09-30 2019-07-25 富士フイルム株式会社 ノズルおよび分注容器
CN109091291A (zh) * 2017-06-12 2018-12-28 汇恩斯株式会社 眼药水容器
JP2021065850A (ja) * 2019-10-25 2021-04-30 株式会社徳重 噴射口形成部材及びそれを用いた噴霧器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU764881B2 (en) Oral medicine dispenser
DE60124291T2 (de) Extrusions-blasgeformter zusammendrückbarer behälter und verfahren zu dessen herstellung
US20150122846A1 (en) Flexible containers with vent systems
US7036684B1 (en) Diagonally divided bottle with curved line of division distinct from edge curve
CN100396575C (zh) 具有一体化液滴分配器的气密容器
NZ206480A (en) Container with two chambers separated by open mouth portion
US20020036213A1 (en) Device for the extemporaneous mixing of at least three products
CN104903205B (zh) 具有分配器的单次使用式容器
US6039213A (en) Hand-holdable, reuseable containers
EP3340959B1 (en) Collapsible bottle
WO2003055435A1 (en) Improved oral medicine dispenser
WO2019003810A1 (ja) 合成樹脂製容器
US9828148B2 (en) Container with a securing device
US20080047925A1 (en) Plastic container
EP1047327B1 (en) Liquid dispenser
JPH0745055U (ja) 単発使い切り点腔容器
CA2193818A1 (en) Container of thermoformable material with a closure
JP4975585B2 (ja) 泡噴出容器
CN206228607U (zh) 一种药液瓶
JP4209288B2 (ja) パウチの代替に適したブロー成形スタンディング薄肉容器
US9668618B1 (en) Method of dispensing liquid bathing products
WO2001008993A1 (en) Dropper bottle
JP3745021B2 (ja) 詰め替え容易な液体注出容器
CN1359283A (zh) 易开式细管状容器
CN201578575U (zh) 有压破膜的装药混药管以及带该混药管的两用输液瓶