JPH0744926U - モンキーレンチ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 握持物の大小の変化に充分に対応し得、しか
も、部品点数が少なく、従来品の改造を最小限とした安
価に生産できるモンキーレンチを提供しようとするもの
である。 【構成】 可動あご段差基端とラックとを連設し、上部
に段差を有した係合突出部５を形成すると共に、下部に
突出片６を形成し、固定あご上部の係合凹部９と、下部
に形成したスライド斜面溝１２とが可動あごの摺動によ
り夫々係脱自在に構成したものであるか、可動あご段差
基端部を巾広としラック長さと同一巾として連設し係合
突出部及び係合凹部に代えて形成しても良い。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、パイプやナット等の握持物の大小の変化に対応し、可動あご部のみ の移動により握持物を最適状態で握持保持するモンキーレンチに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種のレンチとしては、締付に際してナットを外すことなく反復動作 で締付けるものや、握持物の大きさの変化に対応して上あごを上下動するものが 知られている（例えば、実公平２−２４６１６号公報及び実公平２−２４６１７ 号公報参照）。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来技術で述べたものの中前者においては、一定の大きさの握持物を握持し反 復動作可能とするか握持物の大小の変化に対応し得るが２面でのみしか接面し保 持し得ず締付けトルクが大きい場合ねじの頭をナメてしまう間題点を有していた 。

【０００４】 又、後者においては握持物の大小の変化に対応し得るものの、ウォーム筒とラ ックの歯合わせによる円滑した連続動作を保持し得ないばかりか、スライド長孔 の係止歯と爪板の係止爪形成に精度を要するほか、バネによる上あごの揺動握持 となりバネ力による握持力に限定される問題点を有していた。

【０００５】 本考案は、従来技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、 その目的とするところは、握持物の大小変化に充分に対応し、しかも、部品点数 が少なく、従来品の改造を最小限としたコンパクト化したモンキーレンチを提供 しようとするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するために、本考案におけるモンキーレンチは握持部と、握持 部に設けたナットを嵌合保持するレンジ部とからなり、握持部先端巾方向の平板 部一側に固定あごを連設し、平板部には係止杆により枢着するウォーム筒を嵌合 する嵌合孔を形成すると共に、その上面にフラットと固定あご及び可動あご近傍 を斜面としたスライド溝を穿設し、基端段差部とラックを連接した可動あごの基 部がスライド溝に嵌合し左右摺動自在となるよう形成し、可動あご上部に段差を 有して形成した係合突出部と、固定あご上部に前記係合突出部と係合する係合凹 部を形成する一方、可動あご基端に設けた突出片と固定あご係斜面溝とが夫々係 合するようにしてなるものである。

【０００７】 又、図３に示す如く、可動あご部基端段差部をラック長さと略同一巾の広がり を有した突出板とラックと連設し摺動自在に作動するようにしても良い。

【０００８】

【作用】

パイプやナット等握持物を可動あごと固定あごとで握持物の大小に応じ、予め 調整移動させ然る後、ラック筒の歯と噛み合わせてなるウォームを回動すると、 可動あご及び固定あごに設けた傾斜面により一般の大きさの握持物は把持固定さ れ保持される。又、握持物が小物である場合は、ウォーム筒さらに回動するとラ ックを介て可動あごは移動し、可動あごの係合突出部と固定あごの係合凹部並び に、可動あご突出片と固定あご斜面溝部とが夫々係合されるため、握持物が小さ いものであっても最適状態で握持保持できる（図２ｂ参照）。

【０００９】

【実施例】

実施例について図面を参照して説明する。 図１及び図３において、モンキーレンチＡは、握持部１、２１と、握持部１、２ １に設けたナット２８等を嵌合保持するレンジ部２、２２とからなり、握持部先 端巾方向の平板部１５、２５一側にＬ字型固定あご４、２４を連設し、前記平板 部１５、２５には係止杆１４により枢着されたウォーム筒１１、２７を嵌合する 嵌合孔１３を形成すると共に、平板部１５、２５上面にフラット１６と固定あご ４、２４及び可動あご５、２５近傍を斜面７、２９としたスライド溝１２を穿設 してなり、基端段差部又は突出部２６とラック１０、２０とを連設した可動あご ３、２３の基部がスライド溝１２に嵌合し、左右摺動自在となるよう形成し、可 動あご３、上部に段差を有して形成した係合突出部５と固定あご４上部に前記係 合突出部５と係合する係合凹部９を形成する一方、可動あご３基端に設けた突出 片６と固定あご４係斜面溝とが夫々係合するようにしたモンキーレンチ。

【００１０】 又、図３の如く、上述係合突出部５及び係合凹部９に代えて、可動あご２３の 基端部を巾広にして突出板２６を形成しラック２０と連設し、突出板２６が固定 あご斜面溝と充分に係合するようなしたものであっても良い。

【００１１】

【考案の効果】

本考案は、上述の通り構成されているので、次に記載する効果を奏する。

【００１２】 握持物の大小の変化に充分対応し得るばかりか、部品点数も少なくて済み、し かも 従来品の改造を最小限になし得、コンパクトで 生産工程も少なく安価で 製作容易なモンキーレンチを製造できる。

【００１３】 本考案の場合、握持物を多面的に保持し得るため、大きなトルクで締め付けた 場合でもねじをなめることがない。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の一実施例に係わる要部斜視図であ
る。

【図２】（ａ）（ｂ）同例の使用状態説明図である。

【図３】本考案の他の実施例に係わる要部正面図であ
る。

【符号の説明】

１，２１ 握持部 ２，２２ レンジ部 ３，２３ 可動あご ４，２４ 固定あご ５ 係合突出部 ７ 傾斜面 ８ ナット ９ 係合凹部 Ａ モンキーレンチ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 握持部と、握持部に設けたナットを嵌合
   保持するレンジ部とからなり、握持部先端巾方向の平板
   部一側に固定あごを連設し、平板部には係止杆により枢
   着するウォーム筒を嵌合する嵌合孔を形成すると共に、
   その上面にフラットと固定あご及び可動あご近傍を斜面
   としたスライド溝を穿設し、基端段差部とラックを連接
   した可動あごの基部がスライド溝に嵌合し左右摺題自在
   となるよう形成し、可動あご上部に段差を有して形成し
   た係合突出部と、固定あご上部に前記係合突出部と係合
   する係合凹部を形成する一方、可動あご基端に設けた突
   出片と固定あご係斜面溝とが夫々係合するようにしたモ
   ンキーレンチ。