JPH0744898U - 鳥類着止・営巣防止体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】電柱上の角型横木における鳥類による送電線の
短絡事故を防止するための、鳥類着止・営巣防止を提供
する。 【構成】滑り易い外表面を有する蓋２０と、鳥類がこれ
に着止しようとすると、その体重により、上記蓋を内側
から打撃する機構９ａ，９ａ′を有する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、電柱にて送電線を支持するために使われる電気絶縁碍子を取付け る角型横木に、カササギ、カラスなどの鳥類が着止したり、巣作りするのを防ぎ 、巣作りに伴なう送電線の短絡による停電事故を未然に防止するための、鳥類着 止・営巣防止体に関するものである。

【０００２】 〔従来の技術〕 鳥類が２本の横木に渡架しようとする針金、樹木の小枝などの棒状物を撥ね除 けることを目的として、横木の間に回転翼を設け、適宜に、これを回転させる。

【０００３】 〔考案が解決しようとする課題〕 従来の技術には次のような欠点があった。 （イ） 翼を回転させるための動力源と動力伝達機構が必要である。 （ロ） 風力を動力源とした場合、鳥類は、風が止んでいる間に、横木に着止し て針金などを渡架するため、再び風が吹いても、風による小さい回転力で は、針金などを撥ねることができず、結局、翼を回転させることが不可能 な状態に陥ってしまう。 本考案は、これらの欠点を有しない、電柱上の横木を対象とする鳥類着止・営 巣防止体を提供するためになされたものである。

【０００４】 〔課題を解決するための手段〕 電柱（１０）を挟んで、同一水平面内で相互に平行に配置された２本の角型横 木（２）（２′）に鳥類が着止するのを、動力を必要とすることなく、著しく困 難にするため、滑り材（４）が積層あるいは形成された上部体（３）、侵入防止 側板（５）（５′）と３対の侵入防止板（１５）（１５′）（１６）から構成さ れる蓋（２０）および蓋（２０）とこれに着止しようとする鳥類の荷重により上 部体（３）を打撃するための打撃頭（９ａ）が形成されたレバー（９）を備えた 支持体（３０）を組合せる。 本考案は、以上のような構成による、鳥類着止・営巣防止体（４０）である。

【０００５】 〔作用〕 電柱（１０）を挟んで、同一水平面内で相互に平行に配置された２本の角型横 木（２）（２′）に装着された鳥類着止・営巣防止体（４０）の上部体（３）に 鳥類が着止しようとすると、その体重により、弾性部材（１２）（１２′）が圧 縮されて、支持体（３０）（３０′）に設けられた作動棒（６）（６′）が下降 し、レバー（９）（９′）の一端を押し下げることにより、該レバーの他端に形 成された打撃頭（９ａ）（９ａ′）が上部体（３）の内部を打撃するため、該鳥 類は、その音と震動に驚いて、該上部体へ着止することなく飛び去るようになる 。 さらに、上部体（３）の傾斜面に滑り材が積層あるいは形成されている場合に は、鳥類がこれに着止しようとしても足元が極めて不安定になるため、着止、事 実上、不可能になるだけでなく、仮令、鳥類が針金などの棒状物や練り土を傾斜 面に置いても、その直後または暫らく後には、滑り落ちてしまうため、該上部体 の上での巣作りも、事実上、不可能になる。

【０００６】 〔実施例〕 以下、本考案の実施例について説明する。 （イ） 上部体（３）の斜面に、滑り材（４）を積層あるいは形成する。この場 合、上部体の成型と滑り材の積層あるいは形成の順序は、技術的および経 済上の事情が許す限り、自由である。 （ロ） 上部体（３）の両下端に侵入防止側板（５）（５′）を、略三角形の両 側面に２対の侵入防止側板（１５）（１５′）を、さらに、底面には１対 の侵入防止底板（１６）を設ける。ここで、対を成している該側板および 該底板は、蓋（２０）を２本の横木（２）（２′）に装着する際に、該上 部体の斜面の成す角度が変るのを妨げることがないよう、重なり合ったま ゝ、摺動できる形状および構造である。 （ハ） 上部体（３）の底面に、作動棒（６）（６′）を設ける。 （ニ） 固定ブラケット（７）（７′）の固定座（８）（８′）に、打撃頭（９ ａ）（９ａ′）を有するレバー（９）（９′）を、回転可能な軸ピン（１ １）（１１′）により、取付ける。 （ホ） 蓋（２０）は、複数対の弾性部材（１２）（１２′）および垂直ボルト （１３）（１３′）を介して、固定ブラケット（７）（７′）に連結する 。 （ヘ） 本考案の適用性と効果を高めるため、上部体（３）を、ＦＲＰ（繊維強 化プラスチック）など、電気絶縁性および可撓性を有する材料で製作する ことも可能である。

【０００７】 〔本考案の効果〕 本考案になる鳥類着止・営巣防止体を用いれば、電柱を挟んで同一平面内で相 互に平行に配置された２本の角型横木に、鳥類が着止したり、巣を作るのを防止 できる。その結果、巣作りに伴なう電線の短絡による停電事故を未然に防止し、 送電の安定化とコストの低減を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案を電柱上の角型横木に装着した状態の正
面図である。なお、電柱の左側は本考案を装着していな
い状態を示す。

【図２】本考案の側断面図である。なお、本図における
各部位相互の位置関係は、着止しようとする鳥類の体重
により、上部体が沈み、打撃棒が作動した状態を示す。

【図２ａ】本考案の上部体の側面図であり、上部体の自
由状態における侵入防止側板対を示す。

【図３】本考案の内部を示す斜視図である。

【符号の説明】 １ 電気絶縁碍子 １１、１１′ 軸ピン ２、２′ 角型横木 １２、１２′ 弾性部材 ３ 上部体 １３、１３′ 垂直ボルト ４ 滑り材 １４、１４′ ナット ５、５′ 侵入防止側板 １５、１５′ 侵入防止側板 ６、６′ 作動棒 対 ７、７′ 固定ブラケット １６ 侵入防止底板対 ８ 固定座 ２０ 蓋 ９、９′ レバー ３０ 支持体 ９ａ、９ａ′ 打撃頭 ４０ 鳥類着止・営巣防止 体 １０ 電柱

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 電気絶縁碍子（１）を取付ける、電柱
   （１０）を挟んで同一水平面内において相互に平行に配
   置された、角型横木（２）（２′）に装着することを目
   的として、上部体（３）に滑り材層（４）を設け、両方
   の下辺に侵入防止側板（５）（５′）と作動棒（６）
   （６′）が取付けられた蓋（２０）および固定ブラケッ
   ト（７）（７′）の固定座（８）（８′）に打撃頭（９
   ａ）（９ａ′）が形成されたレバー（９）（９′）が軸
   ピン（１１）（１１′）により取付けられた支持体（３
   ０）（３０′）を、弾性部材（１２）（１２′）を介
   し、垂直ボルト（１３）（１３′）およびナット（１
   ４）（１４′）により組合せ、さらに、蓋（２０）の両
   側面と底面に計３対の侵入防止板（１５）（１５′）
   （１６）を設けた鳥類着止・営巣防止体（４０）。
2. 【請求項２】 上記鳥類着止・営巣防止体の上部体
   （３）に、ＦＲＰ（繊維強化プラスチクス）など、電気
   絶縁性と可撓性を有する材料を採用した鳥類着止・営巣
   防止体（４０）。