JPH0744887Y2 - 空調機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はルームエアコンやパッケージエアコン等の空調
機の改良に係り、詳しくは梅雨時期等の湿度が高いとき
の冷房運転時に、水滴を吹き出さないようにし得る空調
機に関する。

〔従来技術〕

第７図は従来のルームエアコン等の空調機の室内ユニッ
トの縦断面模式図である。

この空調機１では、冷房運転時、送風機２により矢印Ａ
に示すように吸い込まれた空気はフィルタ３を通り、更
に熱交換器４で冷却されて、吹き出し口５から矢印Ｂに
示すように吹き出される。

上記吸い込み空気の湿度が高くないときには、一般に上
記熱交換器４の温度はほぼ均一である。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、梅雨時期等で上記吸い込み空気の湿度が
高いときには、同空気のエンタルピーおよび潜熱比が大
きいので、熱交換器４内を流れる冷媒が過熱気味となり
第８図に示すように同熱交換器４の一部分６（通常、熱
交換器４の冷媒の出口側近傍部分）の温度が他の部分よ
りも高くなることがあった。

それゆえに、上記従来の空調機１では、上記熱交換器４
の他の部分を通った吸い込み空気は十分冷却除湿され
ず、この十分冷却除湿されない湿度の高い空気が上記他
の部分を通って十分冷却除湿された空気と混合し、その
結果、熱交換器４と吹き出し口５との間の空間にて、同
空気中の水分が急激に凝縮して水滴となり（いわゆる霧
吹き状態）、この水滴がそのまま吹き出されるという不
具合があった。

従って、本発明は梅雨時期等の湿度が高いときの冷房運
転時に水滴を吹き出さないようにし得るようにした空調
機を提供することを目的としてなされたものである。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために本考案は、所定の冷媒を流入
出させて空気を冷却する熱交換器がその断面の薄肉方向
を送風方向に一致させて送風機の風上側に配設され、上
記送風機による吸い込み空気を上記熱交換器により冷却
して吹き出す空調機において、上記熱交換器の吹き出し
側の少なくとも上記冷媒の流出口近傍に、熱伝導性を有
する板状部材に所定の孔を形成してなり、上記熱交換器
における上記冷媒の流出口近傍を通過した空気の送流方
向を他の部分を通過した空気と混合させる方向に整流す
るに熱伝導性整流部材を取り付けたことを特徴とする空
調機として構成されている。

〔作用〕

この空調機では、熱交換器の吹き出し側の少なくとも冷
媒の流出口近傍に熱伝導性整流部材が取り付けられてい
る。従って、梅雨時期等で吸い込み空気の湿度が高いと
きに冷房運転を行い、上記熱交換器の冷媒の流出口近傍
部分の奪熱能力が他の部分よりも低くなっても、上記流
出口近傍部分を通る吸い込み空気は、上記熱交換器から
の伝熱により冷却される上記熱伝導性整流部材により整
流されるので、他の部分よりも比較的緩やかな速度で送
流されながら冷媒により長時間奪熱された後に、熱伝導
性整流部材によっても冷却されつつ、他の部分を通過し
た空気と混合する方向に送出される。（当然ながら熱伝
導性整流部材を熱交換器を通過した冷気によっても冷却
される）。

従って、この空調機では、上記熱伝導性整流部材により
十分冷却除湿された空気が熱交換器から吹き出される十
分冷却除湿された空気と混合されるので、従来方式のよ
うに霧吹き状態となることはない。

また、熱伝導性整流部材を上記熱交換器の吹き出し側の
全面に取り付けた空調機では、吸い込み空気が上記熱伝
導性整流部材で冷却除湿されるだけでなく、上記熱交換
器の一部分を通った空気と他の部分を通った空気が即座
に混合されると共にこの混合により発生した水滴は、こ
の熱伝導性整流部材により直ぐに捕集される。

〔実施例〕

以下、添付図面を参照して、本発明を具体化した実施例
につき説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施
例は本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的
範囲を限定する性格のものではない。

ここに、第１図は本発明の一実施例に係る空調機の縦断
面模式図、第２図は同空調機の熱交換器および熱伝導性
整流部材の一例を示す斜視図、第３図（ａ），（ｂ）は
それぞれ同熱交換器および熱伝導性整流部材の他の例を
示す斜視図、第４図（ａ），（ｂ）はそれぞれ同熱交換
器および熱伝導性整流部材の更に他の例を示す斜視図、
第５図（ａ），（ｂ），（ｃ），（ｄ）は第１図、第２
図、第３図（ａ），（ｂ）、第４図（ａ），（ｂ）に示
す熱伝導性整流部材の形状の変形例を示す模式図、第６
図（ａ），（ｂ），（ｃ）は同熱伝導性整流部材に形成
された孔の形状の変形例を示す模式図である。

また、前記第７図に示した従来の空調機と共通する要素
には同一符号を使用し、同空調機と共通し且つ機能の異
なる要素には更にサフィックスを付けて区別する。

この実施例に係るルームエアコン等の空調機1aの特徴点
は、第１図に示す如く、熱交換器４の吹き出し側に例え
ば円形のパンチング孔７（第２図）が形成された略コ字
状の金属板８が取り付けられていることである。

この金属板８は、この図に示すように例えばこの熱交換
器４の冷媒の出口側近傍部分を覆うようにして取り付け
られている。

この空調機1aでは、冷房時、冷却された熱交換器４の伝
熱により上記金属板８も冷却される。

従って、この空調機1aでは、梅雨時期等で吸い込み空気
の湿度が高いときの冷房時に、前述したように熱交換器
４の一部分６の温度が他の部分よりも高くなっても、上
記一部分６を通った吸い込み空気は、更に金属板８のパ
ンチング孔７を通過するときに同金属板８により整流さ
れると共に十分に冷却除湿される。なお、このとき、金
属板８に結露した水滴は、熱交換器４を伝わってこの空
調機1aのドレンパン10（第１図）内に集められる。

従って、この空調機1aでは、上記金属板８により十分冷
却除湿された空気が、熱交換器４の他の部分を通って十
分冷却除湿された空気と混合されることとなるので、従
来のように同空気中に水滴が発生することはない。

上記パンチング孔７が形成された金属板８が熱伝導性整
流部材の一例である。

なお、第３図（ａ）は上記金属板８の折り曲げ形状の変
形例8a、第３図（ｂ）は同金属板８の形状等の変形例8b
を示す。

また、第４図（ａ）は、上記金属板８を熱交換器４の吹
き出し側の全面に取り付けたときの変形例8cを示す。

このようにすれば、吸い込み空気が金属板8cにより冷却
除湿されるのみでなく、更に、熱交換器４の一部分６を
通った空気と他の部分を通った空気とが熱交換器４の吹
き出し側で即座に混合されると共に、この混合により発
生した水滴は、この金属板8cにより直ちに捕集される。

また、第４図（ｂ）は上記第４図（ａ）に示す金属板8c
の折り曲げ形状の変形例8dを示す。

なお、上記金属板8,8a,8b,8c,8dの形状は上記略コ字状
でなくても、他の形状、例えば第５図（ａ），（ｂ），
（ｃ），（ｄ）に示すような波形状等であってもよい。
このようにすれば、吸い込み空気との接触面積が増大さ
れるので、熱伝導性が高められる。

また、上記金属板8,8a,8b,8c,8dに形成された円形のパ
ンチング孔７は、他の形状、例えば第６図（ａ），
（ｂ），（ｃ）に示すような三角や方形等であってもよ
い。

〔考案の効果〕

本考案により吸い込み空気が熱交換器で冷却されて吹き
出されてなる空調機において、上記熱交換器の吹き出し
側に熱伝導性整流部材を取り付けたことを特徴とする空
調機が提供される。

従って、梅雨時期等の湿度が高いときの冷房運転時に水
滴を吹き出さないようにすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例に係る空調機の縦断面模式
図、第２図は同空調機の熱交換器および熱伝導性整流部
材の一例を示す斜視図、第３図（ａ），（ｂ）はそれぞ
れ同熱交換器および熱伝導性整流部材の他の例を示す斜
視図、第４図（ａ），（ｂ）はそれぞれ同熱交換器およ
び熱伝導性整流部材の更に他の例を示す斜視図、第５図
（ａ），（ｂ），（ｃ），（ｄ）は第１図、第２図、第
３図（ａ），（ｂ）、第４図（ａ），（ｂ）に示す熱伝
導性整流部材の形状の変形例を示す模式図、第６図
（ａ），（ｂ），（ｃ）は同熱伝導性整流部材に形成さ
れた孔の形状の変形例を示す模式図、第７図は従来の空
調機の縦断面模式図、第８図は同空調機の熱交換器を示
す斜視図である。 〔符号の説明〕 1a……空調機 ４……熱交換器 8,8a,8b,8c,8d……金属板（熱伝導性整流部材）

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】所定の冷媒を流入出させて空気を冷却する
   熱交換器がその断面の薄肉方向を送風方向に一致させて
   送風機の風上側に配設され、上記送風機による吸い込み
   空気を上記熱交換器により冷却して吹き出す空調機にお
   いて、 上記熱交換器の吹き出し側の少なくとも上記冷媒の流出
   口近傍に、熱伝導性を有する板状部材に所定の孔を形成
   してなり、上記熱交換器における上記冷媒の流出口近傍
   を通過した空気の送流方向を他の部分を通過した空気と
   混合させる方向に整流する熱伝導性整流部材を取り付け
   たことを特徴とする空調機。