JPH0744817Y2 - 回転体と回転体との接続装置 - Google Patents

回転体と回転体との接続装置

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JPH0744817Y2
JPH0744817Y2 JP1990105110U JP10511090U JPH0744817Y2 JP H0744817 Y2 JPH0744817 Y2 JP H0744817Y2 JP 1990105110 U JP1990105110 U JP 1990105110U JP 10511090 U JP10511090 U JP 10511090U JP H0744817 Y2 JPH0744817 Y2 JP H0744817Y2
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隆 市沢
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は一組の回転体を一体に回動自在に接続するため
の装置に関する。
(従来の技術) 従来、例えば、車両用ディファレンシャル装置(以下、
デフ装置という)の作動検査装置においては、実開昭61
−170053号公報に開示されているように、ピニオンギヤ
及びサイドギヤを収納したデフケースと回転取出軸とを
所謂コレットを介して接続し、デフ装置の作動時にデフ
ケースの回転をコレットを介して回転取出軸に出力する
ようにしたものが知られている。
この場合、該コレットは、回転取出軸に一体に回動自在
に設けられた中空軸の端部に複数の割り溝を周方向に間
隔を存して形成したものであり、その内部にはテーパ面
を有するテーパ軸が摺動自在に嵌挿されている。そし
て、回転取出軸とデフケースとを接続するに際しては、
該コレットをデフケースの車軸穴に嵌挿する一方、該コ
レットをテーパ軸に対して所定の向きに摺動させること
により該コレットを拡径させてデフケースの車軸穴の内
周面に圧着させ、この時、該コレットとデフケースとの
間の摩擦力により該デフケースと回転取出軸とを一体に
回動自在に接続するようにしている。
また、例えばフライス盤等の工作機械においては、実公
昭58−56108号公報に開示されているように、スピンド
ル軸に取付けられるアーバと回転カッター等の工具とを
割り溝付コレットを介して接続するようにしたものが知
られている。
この場合、アーバと工具との接続に際しては、該コレッ
トを工具の軸部に外挿する一方、該コレットをアーバの
テーパ面を有するコレット取付穴に嵌挿圧入することに
より該コレットを縮径させて工具の軸部の外周面に圧着
させ、この時、該コレットと工具及びアーバとの間の摩
擦力により該工具とアーバとを一体に回動自在に接続す
るようにしている。
しかしながら、この種のコレットでは、一組の回転体同
士を容易に一体に回動自在に接続し得るものの、摩擦力
を利用した接続であるために、その接続箇所における回
転トルクが大きいと、該コレットの割り溝を形成した部
分が捩じれて該コレットが破損することがあり、耐久性
に欠けるという不都合があった。
(解決しようとする課題) 本考案はかかる不都合を解消し、一端部に割り溝を形成
したコレットを介して一組の回転体同士を一体に回動自
在に接続する装置において、その接続箇所における耐久
性を向上することができる接続装置を提供することを目
的とする。
(課題を解決する手段) かかる目的を達成するために、本考案の回転体と回転体
との接続装置の第1の態様は、第1の回転体の回転軸心
部に設けられた嵌挿穴に複数の割り溝が周方向に間隔を
存して形成された中空のコレットを挿脱自在に嵌挿する
と共に、第2の回転体と一体に回動自在に設けられたテ
ーパ軸を前記コレットに摺動自在に内挿し、該テーパ軸
を前記コレットに対して所定の向きに摺動させることに
より、該テーパ軸の外周面に形成されたテーパ面で前記
コレットを拡径させて前記第1の回転体の嵌挿穴の内周
面に圧着させ、前記コレットと前記第1の回転体との間
及び前記コレットと前記テーパ軸との間に生じる摩擦力
により前記第1の回転体と第2の回転体とを一体に回動
自在に接続する装置において、前記コレットの各割り溝
に対向する位置で前記テーパ軸の外周面に周方向に間隔
を存して形成された複数のキー溝と、各キー溝に嵌挿さ
せると共に各割り溝の位置で前記コレットに係合された
キーとを備えたことを特徴とする。
また、本考案の第2の態様は、棒状の第1の回転体に複
数の割り溝が周方向に間隔を存して形成された中空のコ
レットを摺動自在に外挿すると共に、第2の回転体と一
体に回動自在に設けられた中空のテーパ軸を前記コレッ
トに摺動自在に外挿し、前記コレットを前記テーパ軸に
対して所定の向きに摺動させることにより、該テーパ軸
の内周面に形成されたテーパ面で前記コレットを縮径さ
せて前記第1の回転体の外周面に圧着させ、前記コレッ
トと第1の回転体との間及び前記コレットと前記テーパ
軸との間に生じる摩擦力により前記第1の回転体と第2
の回転体とを一体に回動自在に接続する装置において、
前記コレットの各割り溝に対向する位置で前記テーパ軸
の内周面に周方向に間隔を存して形成された複数のキー
溝と、各キー溝に嵌挿させると共に各割り溝の位置で前
記コレットに係合されたキーとを備えたことを特徴とす
る。
さらに、前記第1の態様または第2の態様において、前
記キー溝の幅が前記割り溝の幅よりも大きく形成され、
且つ、前記キーの該キー溝に嵌挿される部分の幅が該割
り溝の位置で前記コレットに係合される部分の幅よりも
大きく形成されていることを特徴とする。
(作用) 本考案の第1の態様によれば、前記コレットを前記第1
の回転体の嵌挿穴に嵌挿した状態で、前記テーパ軸を前
記コレットに対して所定の向きに摺動させて該コレット
を拡径させることにより該コレットが該第1の回転体の
嵌挿穴の内周面と該テーパ軸の前記テーパ面とに圧着さ
れ、この時、該コレットと第1の回転体の嵌挿穴及びテ
ーパ軸との摩擦力により、該第1の回転体と前記第2の
回転体とが一体に回動自在に接続される。そして、この
状態で、両回転体を回動させた場合には、前記テーパ軸
のキー溝に嵌挿された前記キーが該コレットの割り溝の
位置で該コレットに係合しているため、該コレットに大
きな回転トルクが加わっても、該コレットの捩じれが該
キーにより抑制される。
また、本考案の第2の態様によれば、前記コレットを前
記第1の回転体に外挿し、且つ、該コレットに前記テー
パ軸を外挿した状態で、該コレットを前記テーパ軸に対
して所定の向きに摺動させて縮径させることにより該コ
レットが該第1の回転体の外周面と該テーパ軸の前記テ
ーパ面とに圧着され、この時、該コレットと第1の回転
体及びテーパ軸との摩擦力により、該第1の回転体と前
記第2の回転体とが一体に回動自在に接続される。そし
て、この状態で、両回転体を回動させた場合には、前記
第1の態様と同様に、前記キーが該コレットの割り溝の
位置で該コレットに係合しているため、該コレットに大
きな回転トルクが加わっても、該コレットの捩じれが該
キーにより抑制される。
さらに、本考案のこれらの態様において、前記キー溝の
幅が前記割り溝の幅よりも大きく形成され、且つ、前記
キーの該キー溝に嵌挿される部分の幅が該割り溝の位置
で前記コレットに係合される部分の幅よりも大きく形成
されているときには、該キーの幅の大きい部分が該キー
溝とコレットとの間で係止されるので、該キーが抜け止
めされる。
(実施例) 本考案の回転体と回転体との接続装置の第1の態様の一
例を第1図乃至第4図に従って説明する。第1図は該接
続装置を用いて構成した車両用ディファレンシャル装置
の作動検査装置の説明的構成図、第2図はその要部の説
明的断面図、第3図は第2図のIII−III線断面図、第4
図は第3図のIV−IV線断面図である。
第1図及び第2図で、当該作動検査装置は、車両用ディ
ファレンシャル装置W(以下、デフ装置Wという)にお
いて、その差動機構を作動させず、且つ、その出力側に
適当な負荷を与えた状態、すなわち、自動車の直進走行
時に対応した状態で該デフ装置Wに駆動力を付与して該
デフ装置Wの入出力特性等の作動を検査するためのもの
であり、デフ装置Wを駆動するための駆動装置1と、デ
フ装置Wの差動機構をロックするためのデフロック装置
2と、デフ装置Wの出力を吸収すると共に該デフ装置W
に適宜負荷を与える出力取出装置3とを基台4上に備え
ている。そして、デフロック装置2は、本考案の第1の
態様を適用した接続装置5を備えている。
この場合、第2図示のように、デフ装置Wは、そのミッ
ションケースa内に一組のベベルギヤb,cを介して接続
された入力軸d及びギヤケースeを備え、ギヤケースe
内には、周知のように、ピニオン軸fに回動自在に挿着
された一対のピニオンギヤg,gと、両ピニオンギヤg,gに
噛合された一対のサイドギヤh1,h2とが収納されてい
る。そして、ギヤケースeには、その両側部に両サイド
ギヤh1,h2と同心に嵌挿穴i1,i2が穿設されている。
駆動装置1は、第1図示のように、駆動モータ6及び変
速装置7を有し、駆動モータ6の駆動軸6aは、駆動プー
リ8、プーリベルト9及び被動プーリ10を順に介して変
速装置7の入力軸7aに接続されている。そして、変速装
置7の出力軸7bは、デフ装置Wの入力軸dにスプライン
結合により連結可能な駆動軸11にロータリエンコーダ12
を介して接続されている。
かかる駆動装置1は、駆動軸11とデフ装置Wの入力軸d
とを連結した状態で、駆動モータ6の回転駆動力を変速
装置7を介して適宜変速した後に、ロータリエンコーダ
12及び駆動軸11を順に介してデフ装置Wの入力軸dに伝
達し、これによって、該デフ装置Wを駆動するようにし
ている。そして、この時、ロータリエンコーダ12は、入
力軸dの所定の回転角度毎にパルスを出力するようにし
ている。
出力吸収装置3は、第1図示のように、出力吸収モータ
13及び変速装置14を有し、出力吸収モータ13の駆動軸13
aは、駆動プーリ15、プーリベルト16及び被動プーリ17
を順に介して変速装置14の入力軸14aに接続されてい
る。そして、変速装置14の出力軸14bは、デフ装置Wの
サイドギヤh1,h2の一方、例えばサイドギヤh2にスプラ
イン結合により連結可能な出力取出軸18にロータリエン
コーダ19及びトルクメータ20を介して接続されている。
かかる出力吸収装置3は、デフ装置Wのサイドギヤh2
出力取出軸18とを連結した状態で、前記したように駆動
装置1により駆動されるデフ装置Wの出力をサイドギヤ
h2から出力取出軸18、ロータリエンコーダ19、トルクメ
ータ20及び変速装置14を順に介して出力吸収モータ13に
より吸収する一方、該吸収モータ13の回転駆動力を変速
装置14を介して適宜変速してデフ装置Wのサイドギヤh2
に伝達することにより、該デフ装置Wに適宜負荷を付与
するようにしている。そして、この時、ロータリエンコ
ーダ19は、サイドギヤh2の所定の回転角度毎にパルスを
出力するようにし、また、該サイドギヤh2に付与される
負荷トルクをトルクメータ20により検出するようにして
いる。
デフロック装置2は、デフ装置Wの差動機構をロックす
べく、デフ装置Wの第1の回転体であるギヤケースe
と、第2の回転体である他方のサイドギヤh1とを接続装
置5により一体に回動自在に接続するものであり、該接
続装置5は、第2図及び第3図示のように、デフ装置W
の嵌挿穴i1に同心に挿脱自在に嵌挿可能な中空軸状のコ
レット21と、該コレット21に摺動自在に貫挿されたテー
パ軸22と、該テーパ軸22を摺動させる駆動手段23とを有
する。
第2図乃至第4図示のように、コレット21は、その先端
部に軸方向に延在する複数の割り溝24が周方向に等間隔
で形成され、該先端部が拡縮自在とされている。そし
て、該コレット21の先端部の内周面には、その内径が該
コレット21の内部側から先端に向かって徐々に拡径する
ようにテーパ面25が形成されている。
第3図及び第4図示のように、テーパ軸22は、そのコレ
ット21内から突出した先端部にデフ装置Wのサイドギヤ
h1にスプライン結合により連結可能なスプライン部22a
を有する。そして、該テーパ軸22のコレット21の先端部
内に収納された部分22b(以下、テーパ部22bという)
は、該テーパ軸22の後退動によりコレット21の先端部を
拡径させるべく、その外周面に形成されたテーパ面26を
介してコレット21のテーパ面25に全周にわたって摺接さ
れている。
また、テーパ部22bの外周面には、前記コレット21の各
割り溝24に対向する位置でその軸方向に延在する複数の
キー溝27が周方向に等間隔で形成され、各キー溝27にそ
の全長にわたって嵌挿されたキー28が、コレット21の各
割り溝24に遊挿されて該コレット21に係合されている。
この場合、各キー溝27は、その幅がコレット21の各割り
溝24の幅よりも大きく形成されており、これに対応して
各キー28は、そのキー溝27に嵌挿された部分がコレット
21の割り溝24に遊挿された部分よりも大きな幅とされて
いる。
第2図示のように、駆動手段23は、略円筒状のハウジン
グ29内に複数のベアリング30を介して回動自在に支承さ
れた中空の回転体31と、該回転体31に同心に摺動自在に
内挿されると共に係合ピン32aを介して該回転体31に一
体に回動自在に係合された摺動体32とを備えている。こ
の場合、前記コレット21はその後端部がハウジング29内
に挿入されると共にネジ33を介して回転体31の先端部に
同心に結合され、また、前記テーパ軸22はそのコレット
21内から回転体31内に突出した後端部に形成されたネジ
部22cを介して摺動体32に同心に螺着されている。
回転体31の内部には、摺動体32の両側に流体室34,35に
画成されており、流体室34は、摺動体32の軸心部に穿設
された流体孔36からハウジング29の後端部に固設された
ロータリージョイント37を介して給排管38に連通されて
いる。また、流体室35は、流体孔36の周囲で摺動体32の
後端部に穿設された複数の流体孔39からロータリージョ
イント37を介して給排管40に連通されている。
そして、この駆動手段23は、給排管38から流体室34に作
動油やエア等の作動流体を供給して該流体室34を加圧す
ることにより、前記テーパ軸22を摺動体32と共にコレッ
ト21に対して後退動させ、この時、該テーパ軸22により
コレット21の先端部を拡径させるようにしている。ま
た、該駆動手段23は、給排管40から流体室35に作動流体
を供給して該流体室35を加圧することにより、テーパ軸
22を摺動体32と共にコレット21に対して前進動させ、こ
の時、コレット21の先端部を通常状態に縮径させるよう
にしている。
かかるデフロック装置2の接続装置5においては、デフ
装置Wの差動機構をロックする際に、コレット21の先端
部がギヤケースeの嵌挿穴i1に同心に嵌挿されると共
に、テーパ軸22のスプライン部26がサイドギヤh1にスプ
ライン結合により一体に回動自在に連結され、この状態
で前記したように駆動手段23によりテーパ軸22を後退動
させてコレット21の先端部を拡径させることにより、該
コレット21の先端部を嵌挿穴i1の内周面及びテーパ軸22
の外周面に圧着させ、この時、これらの摩擦力によりギ
ヤケースeとサイドギヤh1とをコレット21及びテーパ軸
22を介して一体に回動自在に接続するようにしている。
次に、かかる作動検査装置によるデフ装置Wの作動検査
と、該作動検査におけるデフロック装置2の接続装置5
の作動について第1図及び第2図に従って説明する。
デフ装置Wの作動を検査する際には、まず、デフ装置W
の入力軸dと前記駆動装置1の駆動軸11とを連結すると
共に、デフ装置Wのサイドギヤh2と前記出力吸収装置3
の出力取出軸18とを連結し、さらに前記したようにデフ
ロック装置2の接続装置5によりデフ装置Wのギヤケー
スe及びサイドギヤh1を一体に回動自在に接続して該デ
フ装置Wの差動機構をロックする。
次いで、駆動装置1によりデフ装置Wの入力軸dに回転
駆動力を付与して該デフ装置Wを作動させる一方、デフ
装置Wのサイドギヤh2からの出力を出力吸収装置3によ
り吸収しつつ該サイドギヤh2を介してデフ装置Wに適宜
負荷を付与する。
この時、デフ装置Wの差動機構はデフロック装置2によ
りロックされているので、両サイドギヤh1,h2はギヤケ
ースeと一体的に回動し、デフ装置Wは自動車の直進走
行時に対応した状態で作動する。そして、この作動時
に、前記ロータリエンコーダ12,19の出力パルスを比較
したり、或いは前記トルクメータ20により出力トルクを
測定することによって、自動車の直進走行時に対応した
デフ装置Wの作動が検査され、この検査は、駆動装置1
によりデフ装置Wの入力軸dの回転速度を適宜変更し、
また、出力吸収装置3によりデフ装置Wへの負荷を適宜
変更しつつ行われる。
この場合、デフ装置Wに付与される負荷は、ギヤケース
eやサイドギヤh1,h2等を介して前記接続装置5のコレ
ット21やテーパ軸22に伝達されるので、その負荷が大き
くなると、テーパ軸22及びギヤケースeの嵌挿穴i1に摩
擦接触されたコレット21に捩じり力が発生する。ところ
が、前記したようにテーパ軸22のキー溝27に嵌挿された
キー28がコレット21の割り溝24の位置で該コレット21に
係合されているため、該キー28によりコレット21の捩じ
れが抑制され、該コレット21がその捩じれにより破損し
てしまうようなことはない。従って、当該作動検査装置
においては、デフ装置Wに出力吸収装置3により高負荷
を付与して支障なく検査を行うことができる。
また、この場合、前記したように、各キー28のキー溝27
に嵌挿された部分はコレット21の割り溝24の幅よりも大
きくされているので、ギヤケースe等の回転速度が高速
となっても、該キー28が遠心力によりキー溝27から抜け
てしまうようなことはなく、確実にコレット21の捩じれ
が抑制される。
次に、本考案の回転体と回転体との接続装置の第2の態
様の一例を第5図及び第6図に従って説明する。第5図
は該接続装置の説明的縦断面図、第6図は第5図のVI−
VI線断面図である。
第5図及び第6図で、41は例えばフライス盤等の工作機
械の回転体であるアーバ、42は該アーバ41に同心に接続
すべきカッタ等の工具軸、43は該アーバ41及び工具軸42
を同心に一体に回動自在に接続する接続装置であり、接
続装置43は、アーバ41の端部に一体に同心に形成された
テーパ軸44と、該テーパ軸44の軸心部に穿設された挿入
穴45に同心に挿入された工具軸42に摺動自在に外挿され
た中空軸状のコレット46とを有する。
テーパ軸44の先端部には、その内周面に挿入穴45の内径
が内部側から先端に向かって徐々に拡径するようにテー
パ面47が形成され、また、その外周面にはネジ部48が形
成されている。
コレット46の先端部には、その軸方向に延在する複数の
割り溝49が周方向に等間隔で形成され、該先端部が拡縮
可能とされている。そして、コレット46は、その外周面
に形成されたテーパ面50を介してテーパ軸44の先端部の
位置で挿入穴45に摺動自在に嵌挿され、この時、該挿入
穴45の内部側への摺動により該コレット46の先端部が縮
径するようになっている。
また、テーパ軸44の先端部の内周面には、コレット46の
各割り溝49に対向する位置でその軸方向に延在する複数
のキー溝51が周方向に等間隔で形成され、各キー溝51に
その全長にわたって嵌挿されたキー52が、コレット46の
各割り溝49に遊挿されて該コレット46に係合されてい
る。この場合、各キー溝51は、その幅がコレット46の各
割り溝49の幅よりも大きく形成されており、これに対応
して各キー52は、そのキー溝51に嵌挿された部分がコレ
ット46の割り溝49に遊挿された部分よりも大きな幅とさ
れている。
また、接続装置43は、コレット46をテーパ軸44の内部側
に摺動させる駆動手段である締付ナット53を有する。
この締付ナット53は、その先端部がテーパ軸44のネジ部
48に螺合されると共に、後端部が工具軸42に外挿され、
該後端部に形成されたフランジ部54を介してコレット46
の後端部に当接されている。そして、該締付ナット53
は、これをさらにテーパ軸44のネジ部48に巻締めて該テ
ーパ軸44の後端部側に移動させることにより、フランジ
部54を介してコレット46をテーパ軸44の挿入穴45の内部
側に摺動させるようにしている。
次に、かかる接続装置43の作動を説明する。
前記アーバ41と工具軸42とを接続する際には、まず、工
具軸42をテーパ軸44の挿入穴45に同心に挿入すると共に
該工具軸42に外挿したコレット46をテーパ軸44の先端部
に嵌挿し、さらに、前記締付ナット53を工具軸42に外挿
した後にテーパ軸44のネジ部48に螺合させると共に、そ
のフランジ部54をコレット46の後端部に当接させる。
次いで、該締付ナット53をさらに巻締めてテーパ軸44の
後端部側に移動させ、これによって、コレット46を締付
ナット53のフランジ部54を介してテーパ軸44内にさらに
圧入する。
この時、該コレット46の先端部は縮径されて工具軸42の
外周面に圧着されると共にテーパ軸44の内周面に圧着さ
れ、該圧着時の摩擦力により工具軸42とテーパ軸44及び
アーバー41とが一体に回動自在に接続される。
この場合、工具軸42をアーバ41と共に回動させつつ図示
しないワークの加工を行った場合において、該工具軸42
に発生するトルクが大きくなると、コレット46に捩じり
力が生じる。ところが、前記接続装置5の場合と同様
に、前記キー42によりコレット46の捩じれが抑制され、
該コレット46がその捩じれにより破損してしまうような
ことはない。
また、この場合、前記接続装置5の場合と同様に、各キ
ー52のキー溝51に嵌挿された部分はコレット46の割り溝
49の幅よりも大きくされているので、工具軸42等の回転
速度が高速となっても、該キー52が遠心力によりキー溝
51から抜けてしまうようなことはなく、確実にコレット
21の捩じれが抑制される。
(効果) 上記の説明から明らかなように、本考案の回転体と回転
体との接続装置によれば、一組の回転体をコレット及び
テーパ軸を介して摩擦力により一体に回動自在に接続す
る場合において、テーパ軸に形成したキー溝に嵌挿した
キーを、コレットの割り溝の位置で該コレットに係合さ
せるようにしたことによって、両回転体の回動時にコレ
ットに生じる捩じれを抑制することができ、該回転体の
一方に大きなトルクが付与される場合においても、コレ
ットを破損させることなく両回転体を支障なく接続する
ことができる。
この場合、キー溝の幅をコレットの割り溝の幅よりも大
きく形成し、且つ、前記キーの該キー溝に嵌挿される部
分の幅を該割り溝の位置でコレットに係合される部分の
幅よりも大きく形成したときには、前記回転体の回動時
にあるいは着脱時に該キーがキー溝から抜脱してしまう
のを防止することができ、確実にコレットの捩じれを抑
制することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の回転体と回転体との接続装置の第1の
態様の一例を用いて構成した車両用ディファレンシャル
装置の作動検査装置の説明的構成図、第2図はその要部
の説明的断面図、第3図は第2図のIII−III線断面図、
第4図は第3図のIV−IV線断面図、第5図は本考案の回
転体と回転体との接続装置の第2の態様の一例の説明的
縦断面図、第6図は第5図のVI−VI線断面図である。 5…接続装置、21…コレット 22…テーパ軸 24…割り溝、25,26…テーパ面 27…キー溝、28…キー e…ギヤケース(第1の回転体) i1…嵌挿穴 h2…サイドギヤ(第2の回転体) 41…アーバ(第2の回転体) 42…工具軸(第1の回転体) 43…接続装置、44…テーパ軸 46…コレット、49…割り溝 47,50…テーパ面、51…キー溝 52…キー

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の回転体の回転軸心部に設けられた嵌
    挿穴に複数の割り溝が周方向に間隔を存して形成された
    中空のコレットを挿脱自在に嵌挿すると共に、第2の回
    転体と一体に回動自在に設けられたテーパ軸を前記コレ
    ットに摺動自在に内挿し、該テーパ軸を前記コレットに
    対して所定の向きに摺動させることにより、該テーパ軸
    の外周面に形成されたテーパ面で前記コレットを拡径さ
    せて前記第1の回転体の嵌挿穴の内周面に圧着させ、前
    記コレットと前記第1の回転体との間及び前記コレット
    と前記テーパ軸との間に生じる摩擦力により前記第1の
    回転体と第2の回転体とを一体に回動自在に接続する装
    置において、前記コレットの各割り溝に対向する位置で
    前記テーパ軸の外周面に周方向に間隔を存して形成され
    た複数のキー溝と、各キー溝に嵌挿させると共に各割り
    溝の位置で前記コレットに係合されたキーとを備えたこ
    とを特徴とする回転体と回転体との接続装置。
  2. 【請求項2】棒状の第1の回転体に複数の割り溝が周方
    向に間隔を存して形成された中空のコレットを摺動自在
    に外挿すると共に、第2の回転体と一体に回動自在に設
    けられた中空のテーパ軸を前記コレットに摺動自在に外
    挿し、前記コレットを前記テーパ軸に対して所定の向き
    に摺動させることにより、該テーパ軸の内周面に形成さ
    れたテーパ面で前記コレットを縮径させて前記第1の回
    転体の外周面に圧着させ、前記コレットと第1の回転体
    との間及び前記コレットと前記テーパ軸との間に生じる
    摩擦力により前記第1の回転体と第2の回転体とを一体
    に回動自在に接続する装置において、前記コレットの各
    割り溝に対向する位置で前記テーパ軸の内周面に周方向
    に間隔を存して形成された複数のキー溝と、各キー溝に
    嵌挿させると共に各割り溝の位置で前記コレットに係合
    されたキーとを備えたことを特徴とする回転体と回転体
    との接続装置。
  3. 【請求項3】前記キー溝の幅が前記割り溝の幅よりも大
    きく形成され、且つ、前記キーの該キー溝に嵌挿される
    部分の幅が該割り溝の位置で前記コレットに係合される
    部分の幅よりも大きく形成されていることを特徴とする
    請求項1又は2記載の回転体と回転体との接続装置。
JP1990105110U 1990-10-05 1990-10-05 回転体と回転体との接続装置 Expired - Fee Related JPH0744817Y2 (ja)

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