JPH074444Y2

JPH074444Y2 - 貯湯式温水ボイラ

Info

Publication number: JPH074444Y2
Application number: JP1990036369U
Authority: JP
Inventors: 朝久小川; 典人内山
Original assignee: Takuma KK
Current assignee: Takuma KK
Priority date: 1990-04-03
Filing date: 1990-04-03
Publication date: 1995-02-01
Anticipated expiration: 2005-02-01
Also published as: JPH03127159U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本考案は、貯湯槽内に、その貯湯槽内の水を加熱するた
めの加熱装置を挿設してある貯湯式温水ボイラに関す
る。

〔従来の技術〕

この種の貯湯式温水ボイラとしては、第４図に示すよう
に、貯湯槽（５）の下部にその貯湯槽（５）内への給水
口（９）を形成し、貯湯槽（５）の上部にその貯湯槽
（５）内からの出湯口（11）を形成し、自然対流により
貯水を加熱するように構成したものが知られている。ま
た、第５図に示すように、一端において貯湯槽（５）内
の下部に連通し、他端において貯湯槽（５）内の上部に
連通する循環路（15）を形成し、その循環路（15）にポ
ンプ（Ｐ′）を介装し、もって、貯水を強制循環するよ
うに構成したものも知られている。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、前者従来技術によるときは、自然対流故に、貯
湯槽の上部と下部とでの温度差が大きくて、貯湯の下層
が低温となり、貯湯槽の大きさの割には、設定温度以上
の貯湯の量が少ない。換言すれば、設定温度以上で設定
量の湯を貯留するためには、貯湯槽が必要以上に大型化
するといった欠点があった。

また、後者従来技術によるときは、強制循環させる故
に、貯湯の全体を等しい温度にできるものの、貯湯槽内
の湯温を検出するセンサ（Ｓ）を設け、このセンサ
（Ｓ）の検出結果（Ｔ）に基づいて、検出結果（Ｔ）が
設定範囲の上限値（T₁）以上となったときには加熱装置
（８）を停止させ、かつ、検出結果（Ｔ）が設定範囲の
下限値（T₂）以下となったときには加熱装置（８）を作
動させることにより、湯温を設定範囲内に自動維持する
場合に次のような欠点があった。

つまり、第６図に示すように、出湯量が少ない等、負荷
が小さいとき、出湯温度が上限値（T₁）になると加熱装
置が停止し、かつ、出湯温度が下限値（T₂）になると加
熱装置が作動することで加熱装置の作動と停止が繰返さ
れる結果、出湯温度（Ｔ）が上限値（T₁）と下限値
（T₂）との間で大きく変動する。

本考案の目的は、上記欠点を解消する点にある。

〔課題を解決するための手段〕

本考案による貯湯式温水ボイラの特徴構成は、前記貯湯
槽内を、横方向に並置する加熱部と貯湯部とに仕切り、
その仕切りの下部に、加熱部と貯湯部とを連通させる連
通口を形成し、前記加熱装置を、加熱部の貯水を加熱す
る状態で加熱部にのみ配設し、前記加熱部の上部にその
加熱部への給水口を形成し、前記貯湯部の上部にその貯
湯部からの出湯口を形成してある点にある。

そして、前記貯湯部の上下中間レベルに貯湯温度検出用
のセンサを配設し、そのセンサの検出結果に基づいて、
検出結果が設定範囲の上限値以上となったとき前記加熱
装置を停止させ、かつ、検出結果が設定範囲の下限値以
下となったとき前記加熱装置を作動させる制御装置を設
けてあることが好ましい。

〔作用〕

加熱部に上部から供給された給水は、加熱部で加熱され
つつその加熱部内を下降し、連通口を経て貯湯部に至
る。そのため、貯湯槽の下部に低温層を形成することが
ない。

しかも、貯湯部の上部と上下中間部とで貯湯温度差を発
生させることができるため、出湯温度の制御を行なう場
合、前述したようにセンサと制御装置とを設けることに
より、出湯温度の変動を小さくできる。詳述すると、出
湯時、貯湯部の上部よりも上下中間レベルの方が貯湯槽
内での流れ方向の上流側に位置するため、出湯に伴う給
水及び加熱装置の作動・停止に起因した貯湯温度の変化
のうち、貯湯部の上部での変化よりも上下中間レベルで
の変化の方が早い時期に生じる。従って、上下中間レベ
ルでの温度変化に基づいて加熱装置を作動・停止するこ
とにより、貯湯部上部での温度が大きく変化していない
時期に加熱装置を作動・停止できることになるため、負
荷が小さいときの加熱装置の作動・停止の繰返しによる
貯湯部上部の温度、つまり、出湯温度の変化幅を小さく
できる。

〔考案の効果〕

従って、本考案によれば、不必要に貯湯槽を大型化する
ことなく貯湯量に見合った大きさのもので済み、しか
も、負荷が小さいときの加熱装置の作動・停止の繰返し
にかかわらず出湯温度を安定させることができるように
なった。

〔実施例〕

本考案の実施例を次に示す。

第１図に示すように、貯湯式温水ボイラ（１）を設け、
その貯湯式温水ボイラ（１）からカランやシャワー等の
使用末端（２）への給湯配管（３）と、その給湯配管
（３）の端末から前記貯湯式温水ボイラ（１）への戻り
配管（４）とを設けて、貯湯式温水ボイラ（１）、給湯
配管（３）、戻り配管（４）、貯湯式温水ボイラ（１）
とその記載順に温水を循環させておくことで即時給湯を
行なえる循環式の給湯設備を構成してある。（Ｐ）は温
水循環用のポンプである。

前記貯湯式温水ボイラ（１）は、貯湯槽（５）内を、平
面視で同芯状に位置する中心側の加熱部（5A）と外周側
の貯湯部（5B）とに仕切る仕切り（６）を設け、その仕
切り（６）の下部に、加熱部（5A）と貯湯部（5B）とを
連通させる連通口（７）を形成し、前記貯湯槽（５）内
の水を加熱するための加熱装置（８）を前記加熱部（5
A）に配設し、前記加熱部（5A）の上部にその加熱部（5
A）への給水口（９）と循環温水の戻り口（10）とを形
成し、前記貯湯部（5B）の上部にその貯湯部（5B）から
の出湯口（11）を形成して構成されている。つまり、貯
湯式温水ボイラ（１）は、給水口（９）からの給水及び
戻り口（10）からの戻り温水を加熱部（5A）において加
熱装置（８）で加熱しつつ下降させ、連通口（７）を経
て貯湯部（5B）に至らせることで貯湯するように構成さ
れている。

前記加熱装置（８）は、バーナ（8A）と、そのバーナ
（8A）の燃焼室を形成するとともに、燃焼ガスと貯水と
の熱交換面を形成する火炉（8B）と、燃焼ガスと貯水と
を熱交換させる煙管（8C）群と、前記バーナ（8A）に燃
料ガスと燃焼用空気との混合ガスを供給するファン（8
D）とから成る。

かつ、前記貯湯式温水ボイラ（１）は、出湯温度を設定
値（T₀）に自動維持する温度制御手段を備えている。

前記温度制御手段は、前記貯湯部（5B）の上端に出湯温
度検出用の第１のセンサ（S₁）を配設し、前記貯湯部
（5B）の上下中間レベルに貯湯温度検出用の第２のセン
サ（S₂）を配設し、前記第１及び第２のセンサ（S₁），
（S₂）の検出結果に基づいて前記加熱装置（８）の操作
装置（8E）を制御する制御装置（12）を設けて構成され
ている。

前記制御装置（12）は、第２図に示すように、前記第２
のセンサ（S₂）の検出結果（ｔ）が設定範囲の上限値
（t₁）以上となったとき前記加熱装置（８）の操作装置
（8E）を消火作動させるとともに、前記第２のセンサ
（S₂）の検出結果（ｔ）が設定範囲の下限値（t₂）以下
になったとき前記操作装置（8E）を燃焼作動させ、ま
た、前記第１のセンサ（S₁）の検出結果（Ｔ）が前記出
湯温度の設定値（T₀）よりも高温の第２設定値（T₁）以
上となったとき、第２のセンサ（S₂）の検出結果（ｔ）
に優先して操作装置（8E）を消火作動させるとともに、
報知装置（13）を作動させるものである。

前記設定範囲の上限値（t₁）は、前記出湯温度の設定値
（T₀）よりも設定温度（Δｔ）低い値、つまり、第１の
センサ（S₁）の検出結果が設定値（T₀）であるときの第
２のセンサ（S₂）の検出結果である。また、設定範囲は
７〜10℃である。

従って、上記の構成によれば、第２図に示すように、給
湯の使用量が少なくて温水が循環している軽負荷時、第
２のセンサ（S₂）の検出結果（ｔ）が上限値（t₁）以上
となることで加熱装置（８）が停止し、反対に、第２の
センサ（S₂）の検出結果（ｔ）が下限値（t₂）以外とな
ることで加熱装置（８）が作動するといった加熱装置
（８）の作動・停止が繰返されることにより、第２のセ
ンサ（S₂）の検出結果（ｔ）が大きく変動するものの、
出湯温度（Ｔ）の変動幅は小さくできる。

〔別実施例〕

本考案の別実施例を以下に示す。

（１）上記実施例において、第３図に示すように、貯湯
部（5B）内の貯湯により第２の給水を加熱させる熱交換
器（14）を設ける。

（２）尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照
を便利にする為に符号を記すが、該記入により本考案は
添付図面の構造に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は本考案の実施例を示し、第１図は概略
縦断面図、第２図は出湯温度変化を示すグラフであり、
第３図は本考案の別実施例を示す概略縦断面図である。
第４図乃至第６図は従来例を示し、第４図、第５図は概
略構成図、第６図は出湯温度変化を示すグラフである。（５）……貯湯槽、（８）……加熱装置、（5A）……加
熱部、（5B）……貯湯部、（９）……給水口、（11）…
…出湯口、（S₂）……センサ、（12）……制御装置。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】貯湯槽（５）内に、その貯湯槽（５）内の
水を加熱するための加熱装置（８）を挿設してある貯湯
式温水ボイラであって、前記貯湯槽（５）内を、横方向
に並置する加熱部（5A）と貯湯部（5B）とに仕切り、そ
の仕切り（６）の下部に、加熱部（5A）と貯湯部（5B）
とを連通させる連通口（７）を形成し、前記加熱装置
（８）を、加熱部（5A）の貯水を加熱する状態で加熱部
（5A）にのみ配設し、前記加熱部（5A）の上部にその加
熱部（5A）への給水口（９）を形成し、前記貯湯部（5
B）の上部にその貯湯部（5B）からの出湯口（11）を形
成してある貯湯式温水ボイラ。
【請求項２】前記貯湯部（5B）の上下中間レベルに貯湯
温度検出用のセンサ（S₂）を配設し、そのセンサ（S₂）
の検出結果に基づいて、検出結果が設定範囲の上限値以
上となったとき前記加熱装置（８）を停止させ、かつ、
検出結果が設定範囲の下限値以下となったとき前記加熱
装置（８）を作動させる制御装置（12）を設けてある請
求項１記載の貯湯式温水ボイラ。