JPH0743661A - 露光方法及び装置 - Google Patents

露光方法及び装置

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Publication number
JPH0743661A
JPH0743661A JP18518493A JP18518493A JPH0743661A JP H0743661 A JPH0743661 A JP H0743661A JP 18518493 A JP18518493 A JP 18518493A JP 18518493 A JP18518493 A JP 18518493A JP H0743661 A JPH0743661 A JP H0743661A
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JP
Japan
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light
liquid crystal
image
photosensitive material
exposure
Prior art date
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Pending
Application number
JP18518493A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsuyoshi Ichihashi
光芳 市橋
Mitsuru Sawano
充 沢野
Tomonobu Nishio
朋宣 西尾
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
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  • Liquid Crystal (AREA)
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  • Control Of Exposure In Printing And Copying (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】1回のスリット走査露光で容易にソフトフォー
カス画像を形成できる露光方法を提供する。 【構成】光の透過及び散乱機能を通電により可逆的に保
持可能な液晶調光部材に画像光を通して調光し、この画
像光の散乱光と非散乱光を、画像光と感光材料との相対
走査により感光材料の同一部分に光量を可変的に重ねて
前記感光材料をスリット走査露光する。散乱光と非散乱
光による各露光時間を変化させることにより前記光量を
可変的に重ねる。散乱部分の副走査方向の幅と、透明部
分の副走査方向の幅との長さ比率を変えることにより、
前記光量が可変である。主走査方向と平行に延びる複数
の平行電極からなるくし形電極と、該くし形電極と対向
した電極間に、対向電極間への印加電圧の大きさにより
散乱度が変わる液晶を保持してなる液晶調光部材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、写真プリンタや電子写
真複写装置などのように走査露光系を有する画像形成装
置において、ソフトフォーカス画像を容易に形成できる
露光方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、写真の分野でソフトフォーカス写
真を作成するには、撮影時にカメラにソフトフォーカス
フィルタを装着して撮影時に画像を加工している。ま
た、撮影済みのネガフィルムの画像をソフトフォーカス
加工して印画紙に焼き付けることもできる。この場合
は、印画紙焼付時に、ソフトフォーカスフィルタをネガ
フィルムと印画紙との間に配設しての所定時間露光と、
ソフトフォーカスフィルタを除いた所定時間露光との合
成露光により、ソフトフォーカス露光が行われる。この
ような写真プリント以外の分野でも、ソフトフォーカス
画像を形成する要望があり、アナログ光による複写装置
でも容易にソフトフォーカス画像を形成できることが望
まれている。
【0003】複写装置で原画の内容を複写する際にソフ
トフォーカス加工を施すには、原画の画像光の内容をそ
のまま感光材料に結像して所定時間露光するとともに、
原画と感光材料との間にソフトフォーカスフィルタを配
置してソフトフォーカスフィルタを通過した原画の散乱
光で感光材料を所定時間露光する。ソフトフォーカスフ
ィルタは光を散乱させる機能を有し、ソフトフォーカス
加工は散乱光を利用して行われる。このようなソフトフ
ォーカスフィルタを用いずに散乱光を得るには、例えば
光を散乱させる機能を有する液晶化合物を用いればよ
く、液晶化合物に電場を印加して液晶化合物の光散乱状
態を生じさせることができる。そして光散乱状態を生じ
させた液晶化合物を通した光で感光材料を露光すれば、
感光材料上での結像をぼかすことができる。
【0004】液晶化合物を用いて結像をぼかす技術とし
て、特開昭59−29236号公報、特開平1−214
837号公報、及び同1−257820号公報に記載の
ものがある。特開昭59−29236号公報には、網点
分解された原画を電子写真法により複写する際にモアレ
縞の発生を防止するために、原画の近傍に液晶セルを配
置して液晶セルを適当な電場を印加して光散乱状態を生
じさせ、この液晶セルを通過した光で感光材料を露光し
て全面均一なソフトフォーカス露光する方法が開示され
ている。
【0005】特開平1−213837号公報には、液晶
素子を利用した電子シャッターを原画と感光材料との間
に配置し、部分領域ごとに光散乱状態を制御された電子
シャッターに原画光を通過させることにより、感光材料
上での結像にぼかし処理を施すことが記載されている。
特開平1−257820号公報には、撮影用カメラ等で
被写体と感光材料との間に位置するように液晶部材を配
置して、液晶部材の光散乱状態を部分的に制御して、感
光材料に露光される画像にぼかし処理を施すことが記載
されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来技
術で形成されるぼかし処理された画像は、単にピントが
ずれたピンボケ画像であり、本発明の意図するソフトフ
ォーカス画像とは異なる。本発明の意図するソフトフォ
ーカス画像は、輪郭は鮮明でありながらも、輪郭の結像
幅が広がった画像である。
【0007】従来技術で作成される画像は液晶により散
乱された光で露光されるため、液晶の散乱部分を通過し
た光だけで露光されるとシャープな画像とはならない。
従来からあるソフトフォーカスフィルタを用いたと同様
に感光材料を露光するには、散乱した画像光と散乱しな
い画像光とにより2重露光する必要があるが、上記のよ
うな構成では、これを達成することができない。
【0008】更に、スリット露光方式による複写装置で
ソフトフォーカス露光を行うには、散乱光と非散乱光と
による2重露光を行うために、光学装置の極めて複雑な
制御が要求される。例えば、散乱光による走査露光と、
非散乱光による走査露光とを感光材料の同一部分に行う
ので、光学装置は2回の走査露光を行う必要がある。ま
た、感光材料が停止した状態で走査露光するのであれ
ば、2回の走査露光制御だけでもよいが、感光材料を移
動させながら走査露光するのであれば、光学装置及び感
光材料駆動装置の制御は更に複雑になる。
【0009】したがって、従来の構成では1回のスリッ
ト走査露光で容易にソフトフォーカス画像状に感光材料
を露光することはできなかった。本発明の目的は、上記
従来の問題を解決することにあり、1回のスリット走査
露光で容易にソフトフォーカス画像を形成できる露光方
法及び装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記構成により達成される。 (1) 光の透過及び散乱機能を通電により可逆的に保
持可能な液晶調光部材に画像光を通して調光し、この画
像光の散乱光と非散乱光を、画像光と感光材料との相対
走査により感光材料の同一部分に光量を可変的に重ねて
前記感光材料をスリット走査露光する露光方法。
【0011】(2) 前記画像光の散乱光と非散乱光に
よる各露光時間を変化させることにより前記光量を可変
的に重ねることを特徴とする前記(1)記載の露光方
法。
【0012】(3) 前記液晶調光部材の前記画像光の
散乱光を生じさせる散乱部分の副走査方向の幅と、前記
散乱部と平行に配置される透明部分の副走査方向の幅と
の長さ比率を変えることにより、前記光量が可変である
ことを特徴とする前記(1)記載の露光方法。
【0013】(4) 前記画像光の散乱光と非散乱光と
を同一の前記液晶調光部材により調光して、前記感光材
料をスリット走査露光する前記(1)〜(3)のいずれ
かに記載の露光方法。
【0014】(5) スリット露光時の主走査方向と平
行に延びる複数の平行電極からなるくし形電極と、該く
し形電極と対向した電極間に、対向電極間への印加電圧
の大きさにより散乱度が変わる液晶を保持してなる液晶
調光部材。
【0015】(6) 原画と感光材料との間で感光材料
の近傍に配設される前記(5)記載の前記液晶調光部材
と、前記液晶調光部材への印加電圧を制御する制御装置
と、前記原画を照明して得た画像光をスリット光にして
前記液晶調光部材を通して感光材料に導くスリット走査
手段と、前記原画と前記感光材料とを相対走査する駆動
手段とを備えたスリット露光装置。
【0016】
【作用】液晶調光部材により散乱光と非散乱光とに調光
された画像光を可変的に重ねて感光材料をスリット走査
露光することにより、輪郭がシャープでありながらも結
像幅が広がったソフトフォーカス画像を容易に形成する
ことができる。また、上記構成により、原画の粒状性が
粗くてもそれを和らげて露光することもでき、粒状性の
粗い原画でもザラツキ感を抑えた画像を形成できる。ま
た、真夏の海辺等で撮影した硬調画像であっても、上記
のように液晶調光部材により散乱させた画像光と散乱し
ない画像とで感光材料を2重露光することにより、再現
画像を軟調化することができる。
【0017】図1〜図3を参照して本発明によるソフト
フォーカス画像を説明する。図1は液晶調光部材による
散乱光と非散乱光の光量光の変化に応じたボケ効果と印
加電圧との関係を示すグラフである。グラフ中の斜線部
が本発明によるソフトフォーカス画像に相当する。この
グラフから分かるように、散乱光100%で露光する
と、結像幅が広がるだけで、ピンボケ画像となる。ま
た、非散乱光100%で露光すると、ソフトフォーカス
加工されない通常のシャープな画像となる。しかし、散
乱光と非散乱光とを適度な割合で合成した光で露光する
と、輪郭がシャープでありながらも結像幅が広がったソ
フトフォーカス画像を容易に形成することができる。
【0018】例えば、図2(A)に示す絵柄(濃度分
布)の画像を、散乱光100%で露光すると、図2
(B)に示すように、ボケの程度は電圧に依存するが、
像はよく見えずに単なるピンボケ画像となる。これに対
し本発明では、非散乱光と散乱光とにより露光するの
で、図3(A)に示す非散乱光による画像と図3(B)
に示す散乱光による画像とが合成された、図3(C)に
示すような荷重平均像となる。図3(C)における高さ
Hは散乱光の割合が小さいほど低い。
【0019】液晶調光部材は一対の電極間に液晶を封入
したシート形状であり、通電を制御することにより、容
易に光の透過、散乱機能を生じさせることができ、かつ
この機能を可逆的に保持することができる。したがっ
て、液晶調光部材を原画と感光材料との間の光軸上に配
置し、液晶調光部材の通電を制御することにより、機械
的動きを何ら生ずることなく感光材料に達する画像光を
容易に散乱させて調整でき、ソフトフォーカス加工を容
易に施すことができる。
【0020】本発明において、画像光の散乱光と非散乱
光とを得るためには、複数の液晶調光部材を用いて、各
液晶調光部材がスリット走査に合わせて散乱又は非散乱
の画像光を適正に生じるように駆動してもよい。また、
本発明において、全面にわたって散乱光と非散乱光とを
別々に生じさせることができる1つの液晶調光部材を、
スリット露光の光軸を横切って配置して露光することが
できる。この場合、液晶調光部材は、スリット露光幅を
走査する時間中に散乱光と非散乱光とが生じるように制
御され、スリット露光幅を走査する時間中に散乱光と非
散乱光とにより感光材料を重ね露光する。このとき、液
晶の応答速度を考慮してスリット走査速度を適正に調整
する必要がある。
【0021】本発明の方法に用いる好ましい液晶調光部
材としては、スリット走査の副走査方向に並んだ複数の
平行電極からなるくし形電極を備えた単体の液晶調光部
材がある。スリット光がくし形電極を副走査方向に横切
ることにより、スリット光は液晶調光部材の散乱部と非
散乱部とを交互に通過して感光材料に達し、感光材料は
散乱光と非散乱光とにより交互に露光される。散乱光と
非散乱光とによる露光量を変更するには、例えば各光に
よる露光時間を変化させればよい。露光時間を変えるに
は、液晶調光部材のスリット光対応部中に占める散乱部
と透明部との各幅が、スリット走査の副走査方向で異な
るようにしておけばよい。すなわち、スリット光対応部
中に占める散乱部と透明部との面積が異なるようにすれ
ばよい。
【0022】液晶調光部材の散乱部と透明部との副走査
方向の幅の長さ比を変える構成によれば、短時間露光で
も散乱光と非散乱光で交互に感光材料を露光することが
可能である。また、副走査方向の長さ比率を変える構成
では、長さ比を所定比に固定しておき電圧を変えて散乱
度を変えることにより、散乱状態のバリエーションが広
がる。前記くし形液晶調光部材の構成では、副走査線上
での面積比率がどこでも一定になるように斜め形の電極
構成が好ましい。また、前記くし形液晶調光部材の構成
では、必要に応じて副走査方向の長さ比率を変えられる
ように、散乱と非散乱との副走査方向の幅が2:1とな
るようなくし形が好ましい。この比率であると、散乱部
と非散乱部との比が2:1又は1:2とでき、かつ全面
散乱、全面非散乱にすることができる。
【0023】液晶は散乱が波長依存性のないものがよ
い。また、液晶は散乱により液晶自身が着色しないもの
がよい。液晶調光部材の駆動方法はスタティック又はマ
トリクス(主走査方向に分割したセグメント)のいずれ
でもよい。液晶の種類としては、電場無印加で透明であ
り電場印加で散乱状態となるものでもよく、逆に電場無
印加で散乱状態であり電場印加で透明となるものでもよ
い。本発明では液晶として、DSM(ダイナミックスキ
ャタリングモード、動的散乱モード)、PC(フェイズ
チェンジモード、相転移モード)、PDLC(ポリマー
分散型液晶)を用いることができる。透明時のことを考
えると、DSMが最も透明であるので好ましい。
【0024】まず動的散乱型液晶について説明する。動
的散乱型(DSM:Dymanic ScatteringMode) と呼ばれる液
晶デバイスについては、ビレンドラ・バハドゥール編
「リクイド・クリスタルズ・アプリケーションズ・アン
ド・ユーセズ」(1990年、ワールド・サイエンティ
フィック社刊)の195頁〜230頁、及びその引用文
献に記載がある。動的散乱型液晶は、透明電極とその上
に配向処理を施した2枚の透明基板でネマティック液晶
を挟持したものである。そこに封入される液晶化合物又
は組成物は、通常、誘電率の異方性が負で、1010オー
ムセンチメートル程度かそれ以下のやや低い抵抗率を有
し、導電率の異方性(分子長軸方向の導電率から、これ
と直交する方向の導電率を引いた差)が正である。更
に、通常は、イオン性の化合物(以下、ドーパントと略
す)が10乃至1000ppm添加される。
【0025】動的散乱動作を示す化合物として公知のも
のは1980年以前に知られていた化合物が多く、例え
ばN−p−メチルベンジリデン−p−ブチルアニリンに
代表されるシッフ塩基、p−置換フェニル、p−置換安
息香酸エステルを使用することができる。この他に動的
散乱動作を示すネマティック液晶はすべて用いることが
できる。
【0026】液晶デバイスの配向処理として、垂直配向
処理と水平配向処理が知られており、動的散乱モードに
はこれら両方が用いられる。したがって、本発明の目的
に適合するように、電圧無印加状態で液晶の光散乱が極
微であれば、本発明においては、本質的にいかなる配向
処理も利用可能である。それらの中で、垂直配向処理を
施したセルは、電圧無印加状態の透過率が高いこと、及
び光拡散の立体的対称性が良いので、他の配向法より有
利である。配向処理方法としては、例えばシランカップ
リング剤処理、ポリイミドなどのポリマーコート処理な
どが用いることができ、必要に応じてラビングを施すこ
とが好ましい。ドーパントとしては、臭化テトラブチル
アンモニウムなどの4級有機アンモニウム塩が代表的に
用いられる。ここで、対アニオンとしてカルボキシレー
トを用いてもよい。また、テトラシアノキノジメタン
(TCNQ)とテトラチアフルバレン(TTF)に代表
される電荷移動錯体も利用できる。
【0027】動的散乱型液晶は直流でも交流でも駆動可
能であるが、素子寿命の観点からは交流駆動が好まし
い。その際、好適な周波数と電圧は液晶組成物、ドーパ
ントの種類と濃度、温度に大きく依存する。駆動法とし
ては、1つの画素に1つのセグメント電極が対応してい
る素子を駆動するスタティック駆動と、複数の画素に1
つのセグメント電極が接続されている素子を駆動するマ
ルチプレックス駆動がある。動的散乱型液晶は、この2
つの駆動法のいずれも使用可能である。マルチプレック
ス駆動は、画素数が約100以上の場合に有利である。
【0028】動的散乱型液晶は、基板上の電極にある電
圧(閾電圧)以下の電圧が印加されているときには、液
晶層を通過する光を散乱しない。閾電圧以上の電圧を印
加すると、液晶層を通過する光は散乱する。散乱の程度
は、液晶材料、配向膜の作成条件、セル厚、印加電圧な
どの要因によって変化する。
【0029】動的散乱型液晶のこのような性質は、原画
をソフトフォーカス加工して複写しようとする本発明の
目的に極めて好適である。すなわち、光拡散能が角度半
値幅で5°から30°以上であり、ソフトフォーカスプ
リント用途としては十分である。しかも拡散の程度を印
加電圧によって制御できるので、拡散能の固定した拡散
板などを用いるよりも柔軟性に富んだシステムを作るこ
とが可能となる。
【0030】次に相転移型液晶(Phase Change Mode Liq
uid Crystal)について説明する。相転移型液晶は相変化
型液晶とも言う。相転移型液晶は螺旋構造の分子配列を
持つコレステリック(Ch)相から垂直配向構造のネマ
チック(N)相、又はこの逆のN相からCh相への相変
化は電界の強弱により生じる。電界が弱い場合は、螺旋
構造のCh相をとるが、電界が強い場合には螺旋構造が
解けてN相へ変化する。Ch相はフォーカルコニック組
織を形成し光を散乱するがN相は光を散乱せずこのとき
素子は透明化する。相転移型液晶はこの電気光学効果を
利用した素子であるが光の散乱を利用するために偏光板
を必要とせず明るい素子が得られる。これらについて
は、下記文献に記載されている。J. J. Wysocki et a
l., Phys. Rov. Lett., 20, 1024 (1968) 、G. H. Heil
meier and L. A. Zanoni, Appl. Phys. Lett., 13, 91
(1968)、H. Malchior et al., Appl. Phys. Lett., 21,
392 (1972) 。
【0031】次に高分子分散型液晶について説明する。
高分子分散型液晶は、高分子マトリクスにネマチック液
晶滴が完全又は部分的に包囲された構造を有している。
ここで液晶の常光屈折率と高分子の屈折率とが一致する
ように組み合わせると、素子に電界を印加した場合には
液晶が電界方向に配向し液晶と高分子の屈折率とが一致
するので透明になり、一方、電界を印加しない場合には
液晶が高分子からの配向規制力によってランダムに配向
するため液晶と高分子の屈折率が一致せず光を散乱す
る。
【0032】このような高分子分散型液晶を用いた液晶
調光部材は、偏光板が不要で明るい画面が得られる。ま
た、フィルム状で連続成形が可能であり、セル化や大面
積化が容易である。高分子分散型液晶は、その分散形態
等の違いにより下記のように各種呼称があり、これらを
本発明に用いることができる。
【0033】NCAP(Nematic Courvilinear Alligned
Phase):液晶をマイクロカプセル化して樹脂に入れて固
めたことに特徴がある。商品名「UMU」(日本板硝子
社製)。(特公平3−52843号、米国特許出願番号
第302,780号、J. L.Fergason, 1985, SID Dig.
Tech. Papers 68p) PDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal): 液晶と
高分子との相分離を用いて形成することに特徴がある。
(J. W. Doane et al., Appl, Phys. Lett., 48(4), 269
(1986)) PNLC(Polymer Network Liquid Crystal): 高分子マ
トリクスが紫外線重合化合物で三次元網目構造を有する
ことに特徴がある。大日本インキ化学工業が開発。(竹
内他、第15回液晶討論会206(1989))
【0034】原画と感光材料との距離(結像距離)A、
液晶調光部材と感光材料との距離(設置距離)Bの比B
/Aと、ヘイズ(散乱率)H(%)との関係が、B/A
<0.3−0.0025H、好ましくはB/A<0.3
−0.0029Hとなるように配置することにより、色
再現が良好なソフトフォーカス露光を施すことができ、
液晶調光部材はソフトフォーカス加工に有効に機能す
る。B/Aは液晶調光部材のヘイズHによって異なり、
距離比B/AとヘイズHとが上記関係にあると、ヘイズ
を変化させても再現時の色濃度が低下せず、良好なカラ
ー画像を再現することができる。
【0035】例えば、ヘイズHを90%としたソフトフ
ォーカス露光を行う場合には、B/Aを0.075より
低く、好ましくは0.039より低くして露光すれば、
再現した際に色の低下がない良好なソフトフォーカス加
工を施すことができる。このとき、結像距離Aが例えば
1000mmであれば、設置距離Bは75mmより短
く、好ましくは39mmより短くすれば、良好なソフト
フォーカス加工を施すことができる。
【0036】また、ヘイズHを80%としたソフトフォ
ーカス露光を行う場合には、B/Aを0.1より低く、
好ましくは0.068より低くして露光すれば、再現し
た際に色の低下がない良好なソフトフォーカス加工を施
すことができる。このとき、結像距離Aが例えば100
0mmであれば、設置距離Bは100mmより短く、好
ましくは68mmより短くすれば、良好なソフトフォー
カス加工を施すことができるこのような比率関係で液晶
調光部材を配置する場合、液晶調光部材と感光材料との
距離Bは、B=1mm〜50mmが好ましい。またヘイ
ズHは20%〜80%となるように露光するのが好まし
い。
【0037】
【実施態様】以下、添付図面を参照して本発明の実施態
様を説明する。図4は本発明の一実施態様である画像形
成装置の断面構成図である。画像形成装置10内には感
材マガジン12が配置されており、感材マガジン12内
には感光材料14がロール状に巻回されて収納されてい
る。感光材料14は、支持体上に感光性ハロゲン化銀、
バインダー、色素供与性物質、還元剤を有するものであ
り、受像材料と重ね合わせて加熱現像することにより、
色素供与性物質から生成又は放出された色素が受像材料
へ転写される。また、感光材料14は、水等の画像形成
用溶媒の存在下で熱現像転写処理が促進される。
【0038】感材マガジン12から引き出されてカッタ
ー16により所定長さに切断された感光材料14は、露
光部18へ搬送されるようになっている。受材マガジン
20内には受像材料22がロール状に巻回されて収納さ
れている。受像材料22の画像形成面には、媒染剤を有
する色素固定材料が塗布されている。受材マガジン20
から引き出されてカッター24により所定長に切断され
た受像材料22は、後述する熱現像転写部26へ搬送さ
れるようになっている。本体上部にはプラテンガラス2
8が設けられ、光反射原画(以下、原画という)30を
用いるときは、原画の上面を覆うための原画カバー32
がプラテンガラス28の上に装着される。光透過原画を
用いるときは、プラテンガラス28の上に透過原画照明
装置(プルーフユニット)が装着される。
【0039】プラテンガラス28の真下には反射原画照
明装置として、光源34及び該光源34と共に移動する
第1移動ミラー36Aを備えた光源ユニット38、該第
1移動ミラー36Aとは相対移動が可能な複数の第2移
動ミラー36Bが配設されており、いずれもプラテンガ
ラス28に沿って移動可能になっている。光源ユニット
38は、原画30からの画像光をスリット状にして第1
移動ミラー36Aに導くスリット部材(図示せず)を備
えている。第2移動ミラー36Bは光源ユニット38と
相対移動するように構成されているが、移動量及び移動
速度は光源ユニット38の1/2に設定されている。更
に、原画からの反射光は結像レンズユニット40を通っ
て、ミラーユニット42内に設けた固定ミラー44及び
可動ミラー46、更に固定ミラー48によって露光部1
8に反射される。
【0040】なお、ミラーユニット42の近傍には、図
示を省略しているが可動ミラー46によって反射された
画像光に基づいて原画30の画像濃度を測定する測光装
置が配置されており、該測光装置により露光条件が決定
される。また、ミラーユニット42は変倍時に移動して
光路長を調節するように構成されている。可動ミラー4
6は後述するプロジェクタ50による画像形成を行う際
はミラーユニット42内を上方に移動し、プロジェクタ
50の画像光を固定ミラー48に透過させるようになっ
ている。
【0041】原画30の内容を感光材料14へ露光する
には、光源34と第1移動ミラー36Aを移動させなが
ら第2移動ミラー36Bを所定の速度で追従移動し、光
源34からの光を原画30に沿って照射し、その反射光
をミラー36A,36B,36、結像レンズユニット4
0を用いて露光部18に位置する感光材料14へ結像し
走査露光する。なお、露光部18には、本発明の要部で
ある液晶調光部材52が設けられており、画像光は必要
に応じてこの液晶調光部材52により調光されて感光材
料14に達する。液晶調光部材52については後述す
る。
【0042】露光部18で走査露光された感光材料14
は、反転して搬送され、水塗布部54によって画像形成
溶媒としての水が塗布されるようになつている。水塗布
部54により水を塗布された感光材料14は受像材料2
2と重ね合わされ、熱現像転写部26で加熱現像転写が
行われるようになっている。なお、本実施態様は感光材
料14に水を塗布する構成であるが、水は感光材料14
又は受像材料22のいずれに塗布してもよく、受像材料
22に水を塗布するように構成してもよい。受像材料2
2はポリマーを含んでいるので吸水速度が遅いが、感光
材料14はゼラチンを含んでいるので吸水速度が速く、
感光材料14に水を塗布するほうが迅速化の点で有利で
ある。
【0043】熱現像転写部26は、発熱体としてのハロ
ゲンランプ56を内蔵した加熱ドラム58と、その周面
に巻き掛けられたエンドレスベルト60とからなり、加
熱ドラム58及びエンドレスベルト60を回転駆動する
ことにより、重ね合わされた感光材料14と受像材料2
2とを挟持搬送しながら熱現像転写するようになってい
る。これにより、感光材料14は可動性の色素を生成又
は放出し、同時にこの色素が受像材料22の色素固定層
に転写され、受像材料22に画像が得られるようになっ
ている。
【0044】加熱現像転写後に受像材料22から分離さ
れた感光材料14は、熱現像転写部26の側方に設けら
れた廃棄ボックス62へ送り出されるようになってい
る。また、感光材料14と分離された受像材料22は、
排出トレイ64内に集積されるようになっている。
【0045】本体10の側部にはプロジェクタ50が着
脱自在に装着される。プロジェクタ50は、例えばカラ
ーネガフィルムやカラーリバーサルフィルム等の光透過
型原画の画像光により感光材料14を露光するためのも
のであり、透過光源装置66、光透過型原画が載置され
る走査型原画台68、光学系70により構成されてい
る。光源部66内には透過光源72が設けられ、光学系
70はズームレンズ74と絞り板76とで構成されるレ
ンズ部78、色フィルタ80a、80b及びミラー82
で構成される。
【0046】なお、プラテンガラス28に載置されて露
光に用いられる原画30は、光透過形又は光反射形のい
ずれであってもポジ画像を有することが多い。また、プ
ロジェクタ50の原画台68に載置されて露光に用いら
れる原画は、カラーリバーサルフィルムであればやはり
ポジ画像を有する。このようなポジ画像からの光で感光
材料14を露光して画像を形成するには、感光材料14
はポジ画像用のものが用いられる。この場合、感光材料
14は支持体上に、シアン色素供与性化合物と組み合わ
された赤感性ハロゲン化銀乳剤層、マゼンタ色素供与性
化合物と組み合わされた緑感性ハロゲン化銀乳剤層及び
イエロー色素供与性化合物を組み合わされた青感性ハロ
ゲン化銀乳剤層を少なくとも有し、ハロゲン化銀の現像
に逆対応して拡散性の色素像を形成するポジ型感光材料
である。
【0047】これに対し、プロジェクタ50の原画台6
8にカラーネガフィルムのようなネガ画像を有する原画
を載置して露光に用いることもある。このようなネガ画
像からの光で感光材料14を露光して画像を形成するに
は、感光材料14はネガ画像用のものが用いられる。こ
の場合、感光材料14は支持体上に、シアン色素供与性
化合物と組み合わされた赤感性ハロゲン化銀乳剤層、マ
ゼンタ色素供与性化合物と組み合わされた緑感性ハロゲ
ン化銀乳剤層及びイエロー色素供与性化合物と組み合わ
された青感性ハロゲン化銀乳剤層を少なくとも有し、ハ
ロゲン化銀の現像に対応して拡散性の色素像を形成する
ネガ型感光材料である。
【0048】次に、液晶調光部材52について、電圧印
加により散乱状態となる液晶を用いた場合を例に説明す
る。このような特性の液晶としては、誘電率の異方性が
負のネマチック液晶、例えばメルク(E.Merck)
社製のZLI−4330、ZLI−2806、ZLI−
4518などを用いることができる。
【0049】図5は液晶調光部材52を露光ガラス10
0の上面に備えた状態の斜視図であり、図6は液晶調光
部材の断面図である。液晶調光部材52は液晶を介して
対向配置された透明電極102、104に電圧を印加さ
れることにより、透明状態及び光散乱状態が制御され、
これにより液晶調光部材52は原画30からのスリット
状の画像光を必要に応じて散乱させて透過させることが
できる。液晶調光部材52は光源ユニット38内のスリ
ットと同方向(主走査方向X)に延びる長手形状であ
り、図4で紙面と直交する方向に延びる長手形状であ
る。液晶調光部材52は図4において紙面と直交する方
向に装脱可能であり露光部18に装填される。
【0050】電極パターンは、スリット露光の副走査方
向Yに透明部と光散乱部とを順に形成できるものであれ
ばよい。図5に示す例は、液晶調光部材52の一方面側
に2つのくし形電極102、104がかみ合う配置で設
けられ、他方面側にくし形電極の全面と対向する電極が
設けられている。この他方面側の電極は露光ガラス10
0の面形状とほぼ同じ形状のベタ電極でもよく、また前
記一方面側の電極と同じ形状の電極でもよい。液晶調光
部材52は、図6に示すように、2枚の配向膜の間に液
晶化合物を保持し、配向膜(例えばポリイミド)の外側
に更に、絶縁膜(例えばSiO2 )、透明電極(例えば
ITO)、ガラス基板、反射防止膜を順次層設したもの
である。
【0051】液晶調光部材52は露光ガラス100に層
設されるが、液晶調光部材52は露光ガラス100に密
接しててもよく数mm(例えば5mm)程度浮き上がっ
ていてもよい。また液晶調光部材52と露光ガラス10
0との間に、カナダバルサムのような屈折率がガラスに
近い接着剤や透明充填剤を挿入すると、透過率が上がる
ので好ましい。一方の面側の電極と他方の面側の電極
は、それぞれの端子106、108、110に電圧が印
加される。この端子106、108、110は透明電極
でもよく金属線でもよい。
【0052】図5に示す電極パターンを拡大して図7
(A)に示す。図7(A)に示す電極102、104
は、図5に示した電極パターンであり、2つのくし形電
極102、104がかみ合うように配置されている。な
お、これらの電極102、104の全面に対して液晶を
介して対向電極が設けられている。2つの電極102、
104は副走査方向Yの幅が異なり、一方の電極102
の幅W1は他方の電極104の幅W2の2倍になってい
る。2つの電極102、104の隣接部分の間隙S1は
できる限り小さくされる。電極102、104の幅比に
より決定される透明と散乱の比率はすべての倍率で一定
であることが好ましく、このためには、電極102、1
04の幅は狭いほどが好ましい。ただし、電極102、
104の幅が狭すぎると光の回折を起こして正確に露光
できないので、電極102、104の幅は回折を起こさ
ない程度に設定される。
【0053】図7(A)ではスリット光の通過部分(ス
リット光部)106を想像線で示してあり、この場合、
一方の広い幅W1の電極102のくし歯部分のピッチに
相当する。2つの電極102、104の幅の比率は、ス
リット光部106が最小幅(最小スリット光幅)SWの
ときに所望の散乱率が得られれるように設定する。拡大
複写時にはスリット光幅も拡大し、縮小複写時にはスリ
ット光幅も縮小するが、最小スリット光幅SWで所望の
散乱率が得られるように設定されていれば、どの倍率で
も同じ散乱率が得られる。
【0054】異なる幅の電極102、104のうちの一
方の電極に電圧を印加することにより、液晶調光部材5
2に透明部と散乱部を形成できる。図7(A)に示すの
は広い幅W1の電極102に電圧を印加した場合で、こ
の電圧印加部の液晶が光散乱状態を起こしている。この
場合、透明と光散乱との割合が2:1になっており、散
乱率は67%である。ここで散乱率は最小スリット光幅
SW中の散乱部の占める割合である。
【0055】原画30からのすべての画像光が液晶調光
部材52のスリット光部106を通って感光材料14に
達することにより、すべての画像光は透明部と散乱部と
を通過し、このとき通過する透明部と散乱部との割合は
すべての画像について等しい。そのため、感光材料14
は散乱率67%の散乱光と非散乱光とが合成された画像
光により露光される。この結果、同じ画像光でも、散乱
光となって感光材料14を露光した部分では結像がぼけ
て、非散乱光で露光された部分ではシャープな像とな
り、これらが合成されて、輪郭がシャープでありながら
ぼけた画像であるソフトフォーカス画像が形成される。
【0056】なお、図7(A)に示す状態は光散乱率が
67%であるが、2つの電極102、104のうちの他
方の電極104に電圧を印加すれば、図7(B)に示す
ような散乱状態を設定でき、この場合、上記と同じスリ
ット光幅SWでは散乱率が33%になる。この電極パタ
ーンで設定可能な散乱部と透明部との組み合わせ比率
は、散乱部100%:透明部0%、散乱部67%:透明
部33%、散乱部33%:透明部67%、散乱部0%:
透明部100%の4通りである。
【0057】次に、図8及び図9を参照して電極パター
ンの変形例について説明する。図8(A)は電極パター
ンの変形例を示す。このパターンでは、2つの電極11
4、116の幅比2:1と同じではあるが、電極11
4、116の間のスペースの幅が、一方の電極114の
幅の1/2であり、他方の電極116の幅と等しくなっ
ている。このときの最小スリット幅SWは図7と同じ
く、幅の広い電極114のピッチに相当する。
【0058】この電極パターンの場合、電圧を印加する
電極の選択の仕方により散乱度を3種に設定できる。図
8(A)に示すように幅の狭い電極116に電圧を印加
すると、スリット光部112中で占める散乱部の割合は
1/4であり、散乱率は25%である。また、図8
(B)に示すように幅の広い電極114に電圧を印加す
ると、最小スリット幅SW中で占める散乱部の割合は1
/2であり、散乱率は50%である。また、図8(C)
に示すように両方の電極114、116に電圧を印加す
ると、スリット光部112中で占める散乱部の割合は3
/4であり、散乱率は75%である。
【0059】この電極パターンで設定可能な散乱部と透
明部との組み合わせ比率は、散乱部75%:透明部25
%、散乱部50%:透明部50%、散乱部25%:透明
部75%の3通りである。上記電極パターンは、幅の異
なる2つのくし形電極102、104、114、116
がかみ合うパターンであるが、同じ幅の2つのくし形電
極がかみ合うパターンでもよい。
【0060】図9は電極パターンの他の変形例を示す。
上述の電極パターンは2つのくし形電極がかみ合うよう
に配置されたものであるが、図9に示す2つのパターン
は1つのくし形電極118、120からなる。図9
(A)と(B)とはくし歯のピッチが異なるのみであ
る。図9(A)に示す電極118は電極幅W5と間隙W
5とが等しく、電圧を印加すると、スリット光部112
中での散乱部の占める割合は1/2であり散乱率は50
%となる。図9(B)に示す電極120は電極幅W6が
間隔W7の2倍である。電極120に電圧を印加する
と、スリット光部112中での散乱部の占める割合は1
/3であり散乱率は67%となる。
【0061】これらの電極118、120の場合、電極
118、120が透明状態であっても散乱状態であって
も、電極118、120を通過するスペクトルと間隙部
を通過するスペクトルが異なることもある。すると、同
じ画像であっても露光波長が異なってしまい、正確に感
光材料14を露光することができない。そこで、電極部
と他の部分とでのスペクトルの相違による効果が相殺す
るように、かつ全露光量に換算した場合に液晶調光部材
が着色しないように、電極118、120や絶縁膜の厚
みを調節する。このようなことから、部分的にスペクト
ルが異なることを防止するためには、複数の電極が液晶
調光部材の一方の面全域にあることが好ましい。
【0062】上記各電極102、104、114、11
6はスリット露光の主走査方向に平行に延びる形状であ
るが、次に、他の電極パターンについて説明する。図1
0に各種電極パターンを示す。
【0063】図10(A)〜(E)に示す電極122、
124、126、128、130のパターンは、主走査
方向と交差する斜め部分を有する電極パターンであり、
斜め部分が所定間隔で配列されたものである。これらの
うち、図10(A)及び(B)の電極122、124は
斜め部分が平行かつジグザグに配列され、図10(C)
〜(E)の電極126、128、130は斜め部分が平
行に配置されたものである。
【0064】これらの電極パターンの場合、最小スリッ
ト光幅SWと電極パターンとが図示の関係にあれば、ス
リット光は透明部と散乱部とを必ず通って感光材料14
に達することができる。しかも、最小スリット光幅SW
中での透明部と散乱部との割合は主走査方向のどの位置
でも同じである。
【0065】また、図10(F)及び(G)の電極13
2、134は1本が主走査方向に延びたパターンであ
る。図10(F)のパターンでは、最小スリット光幅S
Wが電極幅より大きければ、スリット光幅中で所定比率
の散乱光と透明光が得られる。図10(G)のパターン
は、液晶調光部材の幅方向の中央を境に一方側に電極を
設けたものであるが、スリット光部が電極と一部重なる
ように位置設定すれば、スリット光幅SW中で所定比率
の散乱光と透明光が得られ、その重なり程度により散乱
率も変わる。
【0066】
【実施例】図7に示す電極パターンで、図6に示す断面
構造の液晶調光部材を作製した。液晶はDSMのもので
メルク社製のZLI−4318にテトラブチルアンモニ
ウムブロマイドを0.04wt%加えたものを用いた。
電極幅はW1=1mm、W2=0.5mmである。駆動
方法は50Hzの交流サイン波で、波高値0V〜±70
Vを印加する方法である。なお、サイン波の代わりに矩
形波でも三角波を用いても同じである。
【0067】このように構成した素子のヘイズ値の電圧
依存性を図11に示し、透過スペクトルの電圧依存性を
図12に示す。図11に示すように、印加電圧が波高値
10Vから60Vまでは電圧印加量を増加するとヘイズ
値も0〜90%弱の間で比例的に増加する。また図12
に示すように、透過スペクトルは400nm〜700n
mの間では、スペクトルの透過率は変わるものの印加電
圧を変更しても透過スペクトルは変わらない。したがっ
て、電圧を印加しても素子が着色することはない。
【0068】この液晶調光部材を図4の構成の画像形成
装置に装着して、波高値40Vの電圧を印加してヘイズ
80%の散乱光を生じさせてソフトフォーカス露光を行
った。画像形成装置の変倍率に対応するスリット幅は4
mm〜25mmである。この結果、輪郭がシャープでし
かも結像がボケた良好なソフトフォーカス画像を、電圧
印加制御だけで容易に形成することができた。電極パタ
ーンを図8、図9、図10にして、上記と同様に露光を
行ったところ、同様に良好なソフトフォーカス画像を形
成することができた。
【0069】
【発明の効果】本発明によれば、液晶調光部材により散
乱光と非散乱光とに調光された画像光を可変的に重ねて
感光材料をスリット走査露光することにより、機械的動
きを生ずることなく電気的制御だけで散乱光と光散乱光
とを生じさせることができ、輪郭がシャープでありなが
らも結像幅が広がったソフトフォーカス画像を1回のス
リット走査露光で容易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ソフトフォーカス画像とピンボケ画像の関係を
示す説明図である。
【図2】ピンボケ画像の説明図である。
【図3】ソフトフォーカス画像の説明図である。
【図4】画像形成装置の構成図である。
【図5】液晶調光部材の斜視図である。
【図6】液晶調光部材の断面図である。
【図7】くし形電極のパターン図である。
【図8】くし形電極の変形例のパターン図である。
【図9】くし形電極の他の変形例のパターン図である。
【図10】他の形状の電極のパターン図である。
【図11】ヘイズの電圧依存性を表すグラフである。
【図12】透過スペクトルの電圧依存性を表すグラフで
ある。
【符号の説明】
14 感光材料 22 受像材料 30 原画 38 光源ユニット 40 光学系 52 液晶調光部材 102、104、114、116、118、120、1
22、124、126、128、130、132、13
4 透明電極 112 スリット光部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光の透過及び散乱機能を通電により可逆
    的に保持可能な液晶調光部材に画像光を通して調光し、
    この画像光の散乱光と非散乱光を、画像光と感光材料と
    の相対走査により感光材料の同一部分に光量を可変的に
    重ねて前記感光材料をスリット走査露光する露光方法。
  2. 【請求項2】 前記画像光の散乱光と非散乱光による各
    露光時間を変化させることにより前記光量を可変的に重
    ねることを特徴とする請求項1記載の露光方法。
  3. 【請求項3】 前記液晶調光部材の前記画像光の散乱光
    を生じさせる散乱部分の副走査方向の幅と、前記散乱部
    と平行に配置される透明部分の副走査方向の幅との長さ
    比率を変えることにより、前記光量が可変であることを
    特徴とする請求項1記載の露光方法。
  4. 【請求項4】 前記画像光の散乱光と非散乱光とを同一
    の前記液晶調光部材により調光して、前記感光材料をス
    リット走査露光する請求項1〜3のいずれかに記載の露
    光方法。
  5. 【請求項5】 スリット露光時の主走査方向と平行に延
    びる複数の平行電極からなるくし形電極と、該くし形電
    極と対向した電極間に、対向電極間への印加電圧の大き
    さにより散乱度が変わる液晶を保持してなる液晶調光部
    材。
  6. 【請求項6】 原画と感光材料との間で感光材料の近傍
    に配設される請求項5記載の前記液晶調光部材と、前記
    液晶調光部材への印加電圧を制御する制御装置と、前記
    原画を照明して得た画像光をスリット光にして前記液晶
    調光部材を通して感光材料に導くスリット光学手段と、
    前記原画と前記感光材料とを相対走査する駆動手段とを
    備えたスリット露光装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3279723A4 (en) * 2015-03-31 2018-10-10 LG Chem, Ltd. Liquid-crystal element
EP3279724A4 (en) * 2015-03-31 2018-10-10 LG Chem, Ltd. Liquid crystal device

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