JPH0743468A - 高精度時間間隔測定装置 - Google Patents

高精度時間間隔測定装置

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JPH0743468A
JPH0743468A JP5186375A JP18637593A JPH0743468A JP H0743468 A JPH0743468 A JP H0743468A JP 5186375 A JP5186375 A JP 5186375A JP 18637593 A JP18637593 A JP 18637593A JP H0743468 A JPH0743468 A JP H0743468A
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JP
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signal
optical
optical signal
frequency
light
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JP5186375A
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Inventor
Yoshihiko Mizushima
宜彦 水島
Sadahisa Warashina
禎久 藁科
Akira Takeshima
晃 竹島
Koji Ichie
更治 市江
Morio Takechi
盛生 武市
Kazumi Ogawa
一三 小川
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Hamamatsu Photonics KK
Original Assignee
Hamamatsu Photonics KK
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Publication date
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  • Stabilization Of Oscillater, Synchronisation, Frequency Synthesizers (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 広い測定範囲を高精度で測定可能であり、か
つ、安全性を向上した高精度時間間隔測定装置を提供す
る。 【構成】 計測・制御部1の制御の下で、信号発生部2
が発生した擬似ランダム信号を、送光部3が光パルスに
変換し、反射部4に測定光信号を、受光・相関部5に基
準光信号を送出する。反射部4で反射されて送り返され
た測定光信号と、送出部3より送出された基準光信号
と、を受光・相関部5が入力し、相関演算を行い、演算
結果である相関値を出力する。この相関値は、信号処理
部6で加工処理され、周波数制御帰還信号として信号発
生部2へ通知される。このフィードバック制御の結果、
平衡点に達した時の信号発生部2の発振器周波数を計測
・制御部1が読取り、測定光信号の伝播時間を算出す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、時間間隔測定装置に関
するもので、基準地点と目標地点との間を光が伝播する
未知の時間を測定するごとき用途を有する。
【0002】本発明による高精度時間間隔測定装置は、
光の伝播時間を測定することにより距離を測定する距離
計測に利用できる。更に、本発明の原理を使用すれば距
離計測ばかりではなく、例えば、対向反射体の相対変
位、相対速度を検出できる。また、光路媒質の屈折率温
度を知ることができる。あるいは、基準クロックに対し
て、これと同期した変調光、光パルス等を発生させるこ
とに利用できる。また、入射波の位相検出にも使用でき
る。
【0003】
【従来の技術】従来より、光の伝播時間を計測するため
に光変調による時間測定法、または光パルスを用いた時
間測定法が用いられている。光変調による方法は、変調
された光波に対し目的とする距離を往復させ、戻り光を
検波復調して変調信号の位相を原信号と比較することに
よりその時間間隔に換算するものである。光パルスを用
いた方法は、光パルスの出射タイミングをカウンタの計
測開始トリガとし、受光タイミングを計測終了トリガと
して、カウンタの計数値とカウンタの基準クロック周期
とから、伝播時間を算出する方法である。
【0004】特に本発明に関係の深い公知例について述
べると、次の通りである。 (1)特開昭57−182670 これは、ランダム符号化系列によって相関演算から距離
を求めようとするもので、信号対雑音比(S/N)を向
上させる手段としてよく知られており、本発明もこれを
部分的に採用しており、その部分については同様の原理
である。 (2)特開昭62−54189 これも前掲例と全く同様のものを光波に適用しようとす
るものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上は一般的な分類に
ついて述べたが、特に、長時間のうちの極短時間(距離
でいえば長距離たとえば10kmを高精度たとえば1m
mの桁まで)を測定しようとするには、従来の装置では
性能不足である。例えば、上述の公知例では、相関演算
のためのデジタル回路の動作速度によって距離分解能
が、その1ビットの時間に相当する程度に制限される問
題があり、本発明の高精度の目的に充分でない。このま
ま高精度化しようとすると、Gb/sの相関演算速度が
必要となってしまい実現できない。
【0006】上記の光変調を用いる方法においては、位
相検出精度は一般に変調周期の1/1000〜1/20
00が実現可能であり、光パルス法に比べて精度は一般
に高い。しかし、まだこれでも不足であって、高精度化
のためには変調周波数を高くする必要があるが、技術的
に困難である。また、光路の媒質の状態が時々刻々変化
するような場合、変調波形に歪を生じ測定誤差となる。
また、光路媒質による信号光の減衰により受信強度が低
い場合も同様である。特に、大気中では大気の状態変化
が著しく、光の減衰も大きいため比較的短距離または短
時間の時間測定にしかこの方法は使われない。
【0007】それに対して光パルスを用いた方法は、受
信信号の有無により測定するので原理的にはフォトンカ
ウンティングレベルの受信強度でも可能な方法である。
しかし、カウンタのみを用いた時間計測では、カウンタ
の基準クロックと光パルス幅により精度が決定され、超
高周波領域では技術的限度があり、現状技術では充分な
精度は得られない。従って、光変調では困難な長距離の
時間測定に用いられている。
【0008】また、上述した二つの方法において、距離
が長くなった時の光路媒質による減衰をカバーするた
め、光強度を強くする必要があり、特に目への安全性の
面で問題となってきている。
【0009】本発明は、上記の問題点を解消するために
なされたものであり、広い測定範囲を高精度で測定可能
であり、かつ、安全性を向上した高精度時間間隔測定装
置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段および作用】本発明では、
擬似ランダム変調光信号を用いることで使用する光ピー
ク強度を下げ安全性を高めるとともに、測定可能距離を
延ばし、レーザダイオードを低出力として、その高速駆
動を可能にしている。この擬似ランダム変調光は、1ビ
ット相当時間よりも充分細いパルスを用いる。また、距
離(時間)分解能がビット間相関よりも、光パルス幅程
度の精度で相関をとれるような光ゲートを使用する。そ
して、測定光信号と基準光信号との位相差検出を行う高
速度部分は光のレベルで処理され、電子回路は高速度ク
ロックを必要としないため比較的低速でよいのでデジタ
ル回路を採用でき、装置の信頼性、安定度を高くでき
る。
【0011】時間差算出手段は、位相を読むのではなく
周波数を読むので精度が高い。また、擬似ランダム変調
信号の復調は光変調法や光パルス法のような一点測定で
はなく、信号系列1周期にわたる相関演算であるので、
このことも精度向上に貢献している。この相関出力を発
振器の制御信号として帰還させ位相同期ループを構成す
ることにより、光路媒質の変化に対して自動追従させる
ことを可能にしている。また、本発明の位相同期ループ
の位相比較器は、擬似ランダム信号系列により変調され
た2つの光パルス間の排他論理和演算器(光EXOR)
により構成されているため、光パルス幅を変調周波数よ
り細くすることで、位相比較精度を向上させることが可
能であり、従来の位相同期ループに比べ精度が高い。
【0012】以上のように、本装置を用いることによ
り、同じ変調周波数を用いても従来の方法より高精度な
時間測定が可能となる。光論理演算回路には、時定数の
早い光EXOR回路を使用すればよく、電子演算ゲート
よりも高速に動作可能とできる。
【0013】以下、MSMフォトディテクタ対によるE
XOR回路を、基準発振器として電圧制御発振器(VC
O)を、擬似ランダム信号として、m系列を用いた場合
について説明する。図1にMSMフォトディテクタによ
るEXOR回路を示す。このEXOR回路はMSMフォ
トディテクタ2つで簡単に構成でき、演算速度はディテ
クタの時定数で決まるため、例えば10GHz以上を達
成でき、高速したがって高精度である。
【0014】目標地点に反射鏡を置き、そこから基準地
点に測定光信号が戻ってくるものとし、光の往復時間を
測定する場合を考える。測定光信号と基準光信号とは一
つの変調光信号を分離し、一方を測定光信号とし、もう
一方を基準光信号として使用するため、電気変調信号を
光変調信号に変換した時の波形歪誤差やジッタは消去さ
れる。
【0015】VCOの出力の周波数をf、往復伝播時間
をtd 、m系列の一周期をn、測定光信号が受信された
時の信号系列と基準光信号の信号系列との位相ずれをΔ
pとすると、 Δp=2π(n・k−td ・f) …(1) で表される。ここで、kは、伝播時間td 内にm系列の
周期が幾つ含まれるかに相当する整数で、別の方法によ
り求めることができる。この位相差Δpが「0」になる
ようにVCOの出力周波数fを調整すれば、その時の周
波数fd を測定することで、伝播時間td は、 td =n・k/fd …(2) により求めることができる。
【0016】基準光パルス信号PL と測定光パルス信号
S をガウス分布で近似し、m系列ビット列をai (=
0あるいは1;1≦i≦n)とすると、 PL =ai ・IL ・exp(−t2 /wL 2 ) …(3) PS =ai-j ・IS ・exp(−(t−Δt)2 /wS 2 )…(4) ここで、IL :基準光信号ピーク強度 IS :測定光信号ピーク強度 wL :基準光信号パルス幅 wS :測定光信号パルス幅 j :基準光信号と測定光信号とのビットずれ Δt:基準光信号と測定光信号との位相差に相当する時
間 t :−T/2≦t≦T/2(T=1/f) となる。ここで、時間基準(t=0)は、m系列の1ビ
ット内の基準光信号中心に取ってある。また、Δtは、
Δpを時間に変換したもので、 Δt=(Δp/2π)/f …(5) の関係にある。
【0017】この時、光EXORの出力Iは、MSMの
感度をGとすると、 I=G(PL −PS ) =G(ai ・IL ・exp(−t2 /wL 2 ) −ai-j ・IS ・exp(−(t−Δt)2 /wS 2 )) …(6) となる。この信号をt=0付近でサンプリングすると、
Δpに応じたEXOR出力を取り出すことができる。
【0018】図2に、サンプリング手段として光ゲート
を用いた場合の構成図を示す。図2において、光ゲート
G1は、光EXORの出力を基準光パルスをゲート信号
としてサンプリングするものであり、その出力は、光E
XORの出力Iに基準光パルスの信号波形に相当するa
i ・IL ・exp(−t2 /wL 2 )を乗ずることで得
られる。ゲート信号として基準光パルス信号を用いるこ
とで、高精度、高速なサンプリングゲートを構成でき
る。この時の積算出力IO は、ビット内を積分し、さら
に擬似ランダム1周期にわたる積算値となるから、
【0019】
【数1】
【0020】となる。ここで、<PL >、<PS >は、
ビット内平均強度であり、
【0021】
【数2】
【0022】
【数3】
【0023】である。ここで、m系列の性質を考慮する
と(7)式は、
【0024】
【数4】
【0025】となる。
【0026】すなわち、光パルス法において必要とされ
る光ピーク強度を(n+1)/2個のパルスに分配する
ことに相当し、1ビット当りの光ピーク強度を下げるこ
とができる。通常<PS >は光路媒質の状態によって変
化するがPS の平均強度をモニタし、その強度変動に応
じてPL の平均強度を調整することは、基準光信号の入
力位置にフィルタ等を置くことによって可能であるの
で、<PL >=<PS >(j=0,Δt=0)とおく
と、
【0027】
【数5】
【0028】
【数6】
【0029】となる。この信号を、もう一つの光ゲート
G2を用いて得られる位相ずれの符号信号により処理す
ることで、VCOに適切な周波数制御信号を入力するこ
とができる。光ゲートG2は、ビット内の前半部のみ測
定光信号を通すもので、m系列のビットレートに同期し
た矩形波光パルスをゲート信号とすればよい。この時、
m系列光信号と光ゲート信号との間に波形ずれを生ずる
可能性があるが、これは重要ではない。なぜなら、VC
Oの位相ロックはあくまでもIO =0の点で完了するの
であり、ロックするまでのVCOの周波数は変化し続け
る。光信号と光ゲート信号の波形ずれは、ロックするま
での所要時間に影響を与えるがロック精度に影響しな
い。
【0030】上記の各信号変化を図3に示す。このよう
な処理を各ビットに対して行い、全体の積算をとる手段
は従来も行われていた。しかし、図3に示した単位処理
は、単純なビット間の相関信号処理ではなく、MSM出
力信号はパルスのピーク位置ずれが相関出力となるた
め、距離(時間)精度は単純なデジタル相関器に精密な
超高周波アナログ相関を加えたことに相当して高精度と
なる。特に、MSMフォトディテクタを使用するときは
簡単であり、精度を高くすることができる。
【0031】上述したプロセスは、光路媒質の状態変化
に対しても有効に動作して追随し、しかも、時間測定精
度は、位相ロックした時の基準クロック周波数の読取り
精度で決定されるため、高安定・高精度な時間測定装置
となる。
【0032】なお、図2に示した光ゲートによる信号サ
ンプリングや位相ずれ符号の取りだしは、VCOに適切
な信号となるように光EXOR出力を処理するための例
であり、光ゲートを使用しなくても同様のことがピーク
ホールド回路等を用いても実現できる。また、擬似ラン
ダム系列としては、直流分残差を除くための反転m系列
等を使用することができる。
【0033】
【実施例】以下、添付図面を参照して本発明の実施例を
説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同
一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0034】(第1実施例)図4は、本発明に係る高精
度時間間隔測定装置の第1実施例の構成図である。この
装置は、1波長のみの光を用いる。
【0035】図示のように本実施例の装置は、擬似ラン
ダム信号であるm系列デジタル信号を発生する信号発生
部2と、信号発生部2より生成されたデジタル電気信号
を光パルスに変換し、反射部4に測定光信号を、受光・
相関部5に基準光信号を送出する送光部3と、送光部3
より送出された測定光信号パルスを反射し受光・相関部
5に基準光信号を送り返す反射部4と、反射部4から送
り返された測定光信号と送出部3より送出された基準光
信号とを受光し相関演算する受光・相関部5と、受光・
相関部5より出力される相関値を信号発生部2の周波数
制御帰還信号として出力できるように加工処理する信号
処理部6と、信号発生部2の発振器周波数を測定し測定
光信号の伝播時間を算出するとともに、装置全体を制御
する計測制御部1と、を備えている。
【0036】信号発生部2は、信号処理部6から出力さ
れる周波数制御電圧信号により発振周波数を変化させる
電圧制御発振器9と、電圧制御発振器9より出力される
基準クロックを基にm系列デジタル信号を発生させるm
系列信号発生器10と、から構成される。
【0037】送光部3は、信号発生部2より出力される
擬似ランダム信号を光信号に変換するレーザ18と、レ
ーザ18の光出力を分離し、一方を測定光信号として反
射部4へ、もう一方を基準光信号として受光・相関部5
へ送出するミラー12と、から構成される。
【0038】受光・相関部5は、送光部3より送出され
た基準光信号と反射部4より送り返された測定光信号を
受光とし、同時に基準光信号と測定光信号との位相差を
出力する光EXOR+光ゲート回路17と、光EXOR
+光ゲート回路17から出力される位相差を積算する積
算器15と、位相差符号信号を積算する積算器16と、
から構成される。積算時定数は、m系列周期でもよく、
必要によりもっと長くとってもよい。
【0039】信号処理部6は、受光・相関部5より出力
される相関出力と位相差符号積算信号とをA/D変換す
るA/Dコンバータ13、14と、A/Dコンバータ1
3によりデジタル信号に変換された相関出力をデジタル
積算およびフィルタリングを行い、A/Dコンバータ1
4出力による位相差符号に応じて信号処理を行う処理部
12と、処理部12より出力されるデジタル信号を、信
号発生部2の周波数制御電圧信号に変換するD/Aコン
バータ11と、から構成される。
【0040】計測・制御部1は、信号発生部2の基準ク
ロックの周波数を測定する周波数カウンタ7と、周波数
カウンタ7の出力と擬似ランダム系列の周期より測定光
信号の伝播時間を計算する計算機8と、から構成され
る。計算機8は、測定される時間レンジに応じてm系列
信号発生器10の周期や系列を変更したり、周波数カウ
ンター7の出力と処理部12の出力を監視し、装置全体
が適切に動作するように処理部12を制御するコントロ
ーラとしても動作する。
【0041】本実施例の装置における動作は、上記の
「課題を解決するための手段および作用」で説明した通
りであり、基準光パルスと測定光パルスとの位相差は受
光・相関部5および信号処理部6とにより演算処理さ
れ、周波数制御電圧信号として電圧制御発振器9に帰還
される。電圧制御発振器9は、帰還された位相差信号が
「0」に近付く方向に発振周波数を変化させる。これは
更にm系列のビットレートを変更する。このプロセスが
繰り返され、最終的に位相差信号が「0」となったとこ
ろで、計算機8は周波数カウンタ7の出力を読み、測定
光信号の伝播時間を算出する。媒質の状態が変化しても
上述した位相同期機構は自動的に働く。
【0042】本実施例における時間測定精度は、基準ク
ロック周波数の高さとは無関係であり、位相差検出精度
と発振器周波数の短期安定度および周波数カウンタの読
取り精度に依存する。
【0043】周波数カウンタの読取り精度は、一般に測
定時間の長さに左右され、安定した信号が入力されれ
ば、充分高精度な測定が可能となる。したがって、発振
器周波数の短期安定度に左右されるが、電圧制御発振器
は、最近の集積回路技術の向上により高いC/Nが得ら
れるようになってきている。特に、水晶振動子を使った
電圧制御水晶振動子(VCXO)は、10-9〜10-11
の安定度があり、これを用いれば発振器と周波数読取り
精度に関しては、高精度が期待できる。したがって、本
発明の装置の精度を決定するのは、位相差検出精度とな
る。
【0044】この実施例において、位相差は、測定光信
号と基準光信号との2つの波形の重なり面積として出力
されるが、光EXOR回路における2つの光信号の微小
な位相ずれに対しての出力変化は僅かである。分解能を
上げるには、この信号を高いS/Nで増幅する必要があ
るが、通常、高利得を得るにはアンプを多段に接続する
必要があり、S/N上は不利である。本実施例の装置の
場合、擬似ランダム信号を用いて相関演算することによ
り高利得を得ているため、増幅は最小限ですみ高分解能
が可能となる。また、基準クロックを低く設定できるた
め、信号処理部は低速なデジタル回路で構成可能であ
り、高精度、高分解能なA/DコンバータおよびD/A
コンバータが使用でき、量子化誤差以外には原理的に誤
差は発生しない。
【0045】例えば、12ビットA/Dコンバータを用
いた場合の精度を見積もると、サンプリング定理より分
解能は1/2048となる。光EXOR積算出力の最大
値と最小値とは、基準光信号波形によって測定光信号波
形を切り取ったときの最大面積と最小面積とに相当する
ので、その幅はほぼ基準光信号波形のパルス幅と同じで
ある。したがって、この光EXOR積算出力をA/D変
換した時の分解能は、基準光信号パルス幅を100ps
とすると、 100/2048=0.05ps となる。
【0046】これを変調周波数50MHzの単純な光変
調方式と比較した場合、位相分解能として、 (1/(50×108 ))/(0.05×10-12 )=
400000 すなわち、1/400000に相当する。
【0047】(第2実施例)図5は、本発明に係る高精
度時間間隔測定装置の第2実施例の構成図である。この
装置は、大気中伝播路等での温度、気圧変化等の未知の
変動による屈折率変化に起因する測距誤差を消去可能な
ものであり、2波長の光を使用して絶対距離を求めるこ
とができる。
【0048】図5において、計測・制御部1、信号発生
部2、反射部4、受光・相関部5、および信号処理部6
に関しては第1実施例と同様である。
【0049】送光部31は、信号発生部2より出力され
る擬似ランダム信号を光信号に変換するレーザ18と、
レーザ18の光出力を分離し、一方を第2高調波発生部
20(SHG)へ、もう一方を基準光信号としてオプテ
ィカルディレイ21へ送出するミラー19と、レーザ1
8の基本波の一部を第2高調波に変換し、基本波と第2
高調波との2つ波長の光信号パルスを反射部4に送出す
る第2高調波発生部(SHG)20と、基準光信号を分
離し、一方を測定光信号の基本波と第2高調波の分散時
間差に相当する時間だけ遅延させ、もう一方基準光信号
と再び合成し、受光・相関部5へ送出するオプティカル
ディレイ21と、から構成される。なお、基本波の伝播
時間にVCOの周波数をロックさせる目的で、必要によ
り第2高調波発生部(SHG)20には位相整合条件を
ずらして第2高調波を発生させないようにする機構が装
備されており、計測・制御部1により制御できるように
なっている。
【0050】本実施例の装置では、最初に、第2高調波
を止め、レーザ18の基本波に対してVCO周波数をロ
ックし、伝播時間を算出する。ここまでは、第1実施例
の装置と同様である。次に計算機8は第2高調波発生部
20に制御信号を送り、第2高調波を発生させる。ここ
で、第2高調波と遅延基準光信号間で位相差が生じてい
ると、受光・相関部5の出力は「0」でなくなる。計算
機8は、A/Dコンバータ13の出力を監視し、オプテ
ィカルディレイ21に帰還させ遅延基準光信号の遅延量
を調節し、相関出力が「0」となるように制御する。こ
の時、基本波の伝播時間はVCO発振周波数によって決
定され、オプティカルディレイの遅延量は、基本波と第
2高調波の分散時間差の関数として得られる。
【0051】この場合、光路媒質が変化した時、2つの
波長の分散時間差も基本波の伝播時間も変化するため、
上述したプロセスを繰り返すことになり時間送れが問題
となる。本実施例での2つの波長に対する位相同期に要
する時間は、オプティカルディレイを構成するマイクロ
メータの移動速度により決定されるが、通常、伝播時間
の変動に対して、分散時間差の変動は僅かである。した
がって、マイクロメータの移動量は少なくてすみ、光路
媒質の変化がそれほど速くない時には充分実用となる。
【0052】本実施例の高精度時間間隔測定装置を距離
測定に用いた場合の距離精度を見積もると以下のように
なる。2波長法による真の距離Dの基本式は、 D=D1 +A・(D1 −D2 ) …(12) ここで、D1 :波長1による見掛けの距離 D2 :波長2による見掛けの距離 A :波長1と波長2との分散関係によって決まる係数 である。2つの波長としてYAGレーザの基本波(λ=
1.06μm)と第2高調波とを用いた場合、係数Aは
約20となる。マイクロメータの精度を50μmとすれ
ば、距離分解能として1mm、すなわち10kmの基線
に対して相対精度1×10-7となる。
【0053】
【発明の効果】以上、詳細に説明した通り、本発明の高
精度時間間隔測定装置によれば、高速処理が必要な位相
差検出は光のレベルで処理することにより、電子回路に
比較的低いクロック周波数を使用できるため、現状技術
で可能なデジタル回路を用いて、信頼性を高め、かつ、
高時間分解可能な高精度時間間隔測定装置を構築するこ
とができる。
【0054】また、2波長の分散関係を利用して大気屈
折率補正を行うことで高精度距離測定が可能となる2波
長光波距離計に本発明の高精度時間間隔測定装置を用い
ると、従来の光波距離計と比べて1桁精度の高い距離計
を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】MSMによる光EXOR回路の構成図である。
【図2】光ゲートを用いたサンプリング回路の構成図で
ある。
【図3】光ゲートを用いたサンプリング回路における信
号変化の説明図である。
【図4】本発明の高精度時間間隔測定装置の第1実施例
の構成図である。
【図5】本発明の高精度時間間隔測定装置の第2実施例
の構成図である。
【符号の説明】
1…計測・制御部、2…信号発生部、3,31…送光
部、4…反射部、5…信号処理部、6…受光・相関部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // G01S 13/28 B 8113−5J (72)発明者 市江 更治 愛知県名古屋市中村区鳥森町1丁目44番地 (72)発明者 武市 盛生 静岡県浜松市市野町1126番地の1 浜松ホ トニクス株式会社内 (72)発明者 小川 一三 静岡県浜松市市野町1126番地の1 浜松ホ トニクス株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周波数を制御できる発振器と、 前記発振器を基に基準クロックを生成する手段と、 前記基準クロックを擬似ランダム信号系列によってデジ
    タル変調する手段と、 前記デジタル変調する手段によって変調された変調信号
    を、前記基準クロックの単位周期よりも半値幅の細い光
    パルス信号系列に変換する手段と、 前記光パルス信号系列に変換する手段によって変換され
    た変調光信号の一部を測定光信号として送出する手段
    と、 伝播した前記測定光信号を収容する手段と、 前記変調光信号の他の一部を基準光信号とし、受光素子
    により構成された光排他論理和演算回路により前記基準
    光信号と前記測定光信号との擬似ランダム変調波形との
    間の位相差信号を出力する手段と、 前記位相差信号を前記発振器周波数の制御信号として帰
    還させ、前記基準クロックの周波数を制御することによ
    って、前記基準光信号と前記測定光信号との擬似ランダ
    ム変調波形との間の位相同期をとる手段と、 前記基準クロックの周波数を計測する手段と、 計測された前記基準クロックの周波数と前記擬似ランダ
    ム信号系列の周期とから、前記測定光信号が伝播するに
    要する時間を計算する手段と、 を備えることを特徴とする高精度時間間隔測定装置。
  2. 【請求項2】 前記受光素子により構成された光排他論
    理和演算回路として、MSMフォトダイオード対による
    光排他論理和回路を用いた、ことを特徴とする請求項1
    記載の高精度時間間隔測定装置。
  3. 【請求項3】 前記位相差信号出力を積算する手段を有
    し、前記積算する手段から出力される位相差積算出力を
    前記発振器の周波数の制御信号とする、ことを特徴とす
    る請求項1記載の高精度時間間隔測定装置。
  4. 【請求項4】 請求項1の高精度時間間隔測定装置の構
    成に加えて、更に、 前記基準光信号に同期した複数の波長の前記測定光信号
    を発生する手段と、 伝播により前記測定光信号に生じた分散時間差を比較に
    あたって前記複数の波長の基準光信号を前記分散時間差
    だけ遅延させる手段と、 を備えることを特徴とする請求項1記載の高精度時間間
    隔測定装置。
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