JPH0743256A - 車両用異常電流検出装置 - Google Patents

車両用異常電流検出装置

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JPH0743256A
JPH0743256A JP5191359A JP19135993A JPH0743256A JP H0743256 A JPH0743256 A JP H0743256A JP 5191359 A JP5191359 A JP 5191359A JP 19135993 A JP19135993 A JP 19135993A JP H0743256 A JPH0743256 A JP H0743256A
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JP
Japan
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current
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vehicle
operating state
power cable
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Application number
JP5191359A
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English (en)
Inventor
Toshiaki Isobe
敏明 磯部
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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  • Testing Of Short-Circuits, Discontinuities, Leakage, Or Incorrect Line Connections (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は電源ケーブルの断線・短絡、電装品
の異常等により生ずる異常電流の検出に好適な車両用異
常電流検出装置に関し、簡単な構成で高い検出精度で異
常電流を検出することを目的とする。 【構成】 バッテリ11から電装品14a,14bに電
力を供給する電源ケーブル13を流通する電流を電流プ
ローブ19により測定する。スイッチノード16はスイ
ッチ16a,16bの状態に応じた制御信号を多重伝送
路17に供給する。出力ノード15は制御信号に従って
電装品14a,14bを駆動する。判定回路21は多重
伝送路17上の制御信号より検出した電装品14a,1
4bの作動状態に対して電源ケーブル13を流通すべき
電流を予測し、予測値と実測値とを比較して異常判定を
行うと共に、予測値を適宜学習補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両用異常電流検出装置
に係り、特に電源ケーブルの断線・短絡、または電装品
の異常等により生ずる異常電流の検出に好適な車両用異
常電流検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車載用電装品は、充放電自在の蓄電池
(以下バッテリと称す)で駆動できる必要があるため一
般に直流駆動機器として構成される。そして、車両内に
分散配置される各電装品は、バッテリの正極端子に接続
された電源ケーブル、及びバッテリの負極にアースされ
た車体を介して直流電源たるバッテリと接続される。
【0003】ところで、バッテリの正極端子に接続され
る電源ケーブルは、導線を絶縁材で被覆して構成したも
ので、車内に設定された経路に沿って配設される。この
場合、電源ケーブルの配設経路は必ずしも直線的ではな
く、必要に応じて適当な曲率を設けて他の部材との干渉
を避けている。
【0004】このような構成においては、電源ケーブル
が車体に設けられた配設経路によって保持されることに
なり、何らかの原因で電源ケーブルの被覆部に不当なス
トレスが加わる場合がある。かかる状況下で車両に走行
振動が生ずると、電源ケーブルの被覆部が部分的に破損
して車体と電源ケーブルとに短絡が生ずる場合がある。
【0005】一方、バッテリと電源ケーブルとの接続部
にはかかる異常事態を想定して、過剰電流が流通すると
そのジュール熱によって溶断し、両者の接続を断って電
流を遮断するフュージブルリンクが配設されている。従
って、このフュージブルリンクが溶断する程度に異常電
流が流通した場合には、電源ケーブルとバッテリとの断
線、という形で処置がなされこれにより異常が検出され
ることになる。
【0006】ところが、上記した電源ケーブルと車体と
の短絡は、電源ケーブルの被覆部の絶縁不良が原因であ
り、そもそも車両の走行振動に端を成すものである。従
って、振動の過程で短絡状態と非短絡状態とが繰り返さ
れる事態が想定されると共に、完全な短絡に至る前段階
として、僅かな漏洩電流を伴う程度の短絡状態が生ずる
ことも想定される。
【0007】このような場合にはフュージブルリンクが
溶断に至らず、断続的に、または僅かではあるが継続的
に短絡電流が流通することになり、例えば長期間停車状
態が継続したような場合にはバッテリが放電してしまう
等の不具合を引き起こすことになる。
【0008】かかる点に鑑み、従来より電源ケーブルを
現に流通している電流を測定し、その測定値に基づいて
異常電流の有無を判別する車両用異常電流検出装置が考
案されている。例えば特開昭60−203551号公報
には、電源ケーブルを流通する電流を測定する電流セン
サに加えて、車両に搭載される個々の電装品に現に流通
している電流を測定する検出回路を設け、電源ケーブル
を流通する電流と全ての電装品に流通する電流の加算値
とを比較することによって異常電流の有無を判定する装
置が開示されている。
【0009】電源ケーブルに異常電流が重畳されていな
ければ、電源ケーブルを流通する電流と全電装品に流入
する電流の加算値とが同一となることに着目したもので
ある。従って、上記公報記載の装置によれば、電装品に
流入する電流の加算値に比べて大きな電流が電源ケーブ
ルに流通していれば、その状態を異常として捕らえるこ
とが可能であり、フュージブルリンクでは捕らえること
のできない断続的な短絡や比較的少量の漏洩電流を的確
に異常として検出することが可能である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、電源ケーブ
ルに流通する電流が異常値となるのは、電源ケーブルに
絶縁不良が生じた場合に限られるものではなく、個々の
電装品に異常が生じた場合にも電源ケーブルには異常な
電流が流通する。従って、例えば電装品内において電源
電圧ラインとグランドラインとが短絡した場合には、こ
の電装品を介して電流が漏洩することになる。
【0011】しかしながら、上記従来の装置は、個々の
電装品に流通する電流の総和と電源ケーブルを流通する
電流とにある程度の差が生じて始めて異常を検出するも
のであり、電装品を介して電流が漏洩する場合のよう
に、結果的に両者の同一性が維持される場合には、その
状態を異常として検出することはできない。
【0012】更に、上記従来の装置は、電源ケーブルか
ら電流の供給を受ける全ての電装品について流通電流を
検出する機構を必要とするものである。従って、上記従
来の装置を実現するにあたっては、全ての電装品につい
て流通電流の検出機構を設ける必要があり、大幅なコス
トアップを引き起こすという問題も有していた。
【0013】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、電装品の作動状態に応じて、電源ケーブルを流
通するとして予め設定した基準値と実際の電流値とを比
較して異常電流の有無を判断すると共に、電装品の作動
状態と実際の電流値とに基づいて基準値を適宜学習補正
し、学習値が急激に変動する場合には、その状況をも異
常として捕らえることにより上記の課題を解決し得る車
両用異常電流検出装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の目的は図1の原理
構成図に示す如く、車両に搭載される電装品1a〜1n
に電流を供給する電源ケーブル2を流通する電流を電流
測定手段3によって測定し、該電流測定手段3の測定値
を、異常判定手段4において所定の判定値と比較するこ
とにより異常電流の有無を判別する車両用異常電流検出
装置において、前記電装品1a〜1nの作動状態を検出
する作動状態検出手段5と、該作動状態検出手段5の検
出結果に基づいて、予め前記電送品1a〜1nの作動状
態に対応して設定した基準値を前記判定値として設定す
る判定値設定手段6と、前記作動状態検出手段5の検出
結果と前記電源ケーブル2を流通する電流の測定値とに
基づいて、前記判定値設定手段6の基準値を学習補正す
る基準値学習手段7とを備える車両用異常電流検出手段
により達成される。
【0015】また、上記構成の車両用異常電流検出装置
において、前記電装品1a〜1nの作動制御を多重通信
を用いて行うと共に、前記作動状態検出手段5は、前記
電装品1a〜1nに送信される多重通信信号に基づいて
その作動状態を検出する構成は、ワイヤハーネスの肥大
化防止に有効である。
【0016】
【作用】本発明に係る車両用異常電流検出装置におい
て、前記作動状態検出手段5は、前記電装品1a〜1n
が個々に作動を開始し、または作動を停止する状態を適
宜検知して電装品1a〜1nの作動状態を検出する。
【0017】前記判定値設定手段6は、前記電源ケーブ
ルを流通する電流の予測値に相当する基準値を、前記電
装品1a〜1nの作動状態に対応した形で記憶してい
る。そして、前記作動状態検出手段5によって検出され
た前記電装品1a〜1nの作動状態に対応する基準値を
適宜判定値として選択して前記異常判定手段4に供給す
る。
【0018】前記異常判定手段4は、この判定値と前記
電流測定手段3の測定値、すなわち現実に前記電源ケー
ブル2を流通する電流値とを比較することにより異常電
流の有無を検出する。従って、前記電流ケーブル2の短
絡等に起因して異常電流が発生した場合はもとより、前
記電装品1a〜1nの異常に起因して前記電源ケーブル
2に予測値と大幅に異なる電流が流通した場合にも、そ
の状態が異常として検出されることになる。
【0019】更に、前記判定値設定手段6が記憶してい
る基準値は、前記基準値学習手段7によって適宜学習さ
れるため、前記電装品1a〜1nに流通する電流の正常
な範囲内での変動(例えば経時的または環境温度の変化
に伴う変動)については、適宜前記判定値に反映される
ことになり、適切な判定精度が維持される。
【0020】また、上記構成の車両用異常電流検出装置
を構成するにあたっては、各電装品1a〜1n毎に現実
に流通する電流を測定する必要がなく、その作動状態さ
え検出可能であれば足りる。
【0021】特に前記電装品1a〜1nの作動を多重通
信によって制御する場合には、前記作動状態検出手段5
において電装品1a〜1nに向けて送信される多重通信
信号を監視することにより各電装品1a〜1nの作動状
態が検出可能である。従って、かかる構成においては、
作動状態を検出するためだけに各電装品1a〜1nに追
加工を行う必要がなく実現容易であると共に、ワイヤハ
ーネスの肥大化が抑制されることになる。
【0022】
【実施例】図2は、本発明の一実施例である車両用異常
電流検出装置10のブロック構成図を示す。同図におい
てバッテリ11は、本実施例装置の搭載される車両の電
源であり、その正極にはフュージブルリンク12を介し
て電源ケーブル13が、その負極にはアースを構成する
車体がそれぞれ連結されている。
【0023】電源ケーブル13は、ヘッドライトやスト
ップランプ、若しくはパワーウィンドウ等車両に搭載さ
れる各種電装品14a,14bに所望の電流を流通させ
るケーブルであり、前記したように導線を絶縁体で被覆
してなる構成である。ここで、車両用異常電流検出装置
10においては、車両におけるワイヤハーネスの肥大化
を防止するために電装品14a,14bの作動状態を多
重通信によって制御する構成を採用している。
【0024】図2に示す出力ノード15,スイッチノー
ド16,及び多重伝送路17は、上記した多重通信を司
る各構成要素である。出力ノード15は、電源ケーブル
13を流通する電流をそれぞれの電装品14a,14b
に向けて分岐すると共に、多重伝送路17上に供給され
る制御信号に従って各電装品14a,14bの作動状態
を制御する機能を有している。また、スイッチノード1
6は、それぞれの電装品14a,14bに対応して設け
られたスイッチ16a,16bの状態を適宜監視し、そ
の状態に応じた制御信号を多重伝送路17上に供給す
る。
【0025】この場合において、これら出力ノード15
とスイッチノード16との通信は、予め設定されたプロ
トコルに従って実行される。本実施例においては、この
際スイッチ16a,16bの状態やデータ送信の開始ま
たは終了を表すフラグ信号を適当なビット数のシリアル
信号で構成し、これにより複数の電装品14a,14b
に関する指令を単線の多重伝送路17を介して行うもの
である。
【0026】ところで、車両用異常電流検出装置10の
電源ケーブル13には、フュージブルリンク12の後段
で電源ケーブル13とバッテリ11との導通を必要に応
じて遮断する遮断器18が組み込まれている。電源ケー
ブル13や電装品14a,14bの異常時に流通する過
剰電流を遮断するためである。
【0027】更に電源ケーブル13には、かかる場合に
おける過剰電流を検出すべく、電流流通時における磁界
変動に基づいて電流測定を可能とする電流プローブ19
が巻き付けられている。そして、これら遮断器18及び
電流プローブ19は、インジケータとして機能する警報
ランプ20と共に判定回路21に接続されている。
【0028】判定回路21は、電流プローブ19と共に
前記した電流測定手段3を実現すると共に、測定した電
流値と多重伝送路17上に供給される制御信号とを入力
信号として前記した異常判定手段4,作動状態検出手段
5,判定値設定手段6,及び基準値学習手段7を実現す
る本実施例装置の要部である。以下、図3を参照して判
定回路21の内部構成について説明する。
【0029】図3は、中央処理装置(CPU)22を中
心にして構成した判定回路21の一例のブロック図を示
している。CPU22には、共通バス23を介してリー
ドオンリメモリ(ROM)24,ランダムアクセスメモ
リ(RAM)25,入力ポート26,出力ポート27が
それぞれ接続されている。
【0030】ここで、入力ポート26にはA/D変換器
28及びバッファ29が接続されている。そして、A/
D変換器28には電流プローブ19から電源ケーブル1
3を流通する電流の測定信号が、バッファ29には通信
IC30を介して取り込んだ多重伝送路17上の制御信
号、すなわちスイッチノード16から発せられたスイッ
チ16a,16bの状態を表す信号が供給される。
【0031】この結果入力ポート26には、電流プロー
ブ2を実際に流通する電流の実測値データが供給される
と共に、電装品14a,14bの作動状態を表すデータ
が適宜供給されることになる。このように電装品14
a,14bを元来多重通信によって制御する車両用異常
電流検出装置10においては、多重伝送路17を判定回
路21まで延長して設けるだけで電装品14a,14b
の作動状態を表すデータを取り込むことができる。従っ
て、各電装品14a,14bについては何らの追加工を
施す必要もなく、また新たな信号線としてワイヤハーネ
スを加設する必要もない。
【0032】一方、出力ポート27には、それぞれ警報
ランプ20及び遮断器18を駆動する駆動回路31,3
2が接続されている。このため、出力ポート27からそ
れぞれ駆動回路31,32に適当な制御信号を与えるこ
とにより、警報ランプ20によって車両の運転者に異常
状態を警報することが可能であり、また電源ケーブル1
3をバッテリ11から切り離して電流を遮断することが
可能である。
【0033】CPU22は、ROM24内に格納されて
いるプログラムを実行することにより、入力ポート26
に供給されている電流の実測値データ及び電装品14
a,14bの作動状態データに基づいて異常判定を行
い、異常電流の流通を検出した際には、適宜警報ランプ
20及び遮断器18を駆動するものである。
【0034】図4は、判定回路21が実行する異常検出
ルーチンのフローチャートを示す。本ルーチンは、CP
U22によって前記した異常判定手段4,作動状態検出
手段5,及び判定値設定手段6を実現すべく実行するも
のである。
【0035】すなわち図4に示す異常検出ルーチンが起
動すると、先ずステップ100において入力ポート26
に供給されている電流の実測値データIを取り込む。本
ルーチンは、電源ケーブル13を実際に流通する電流と
電装品14a,14bの作動状況に対して予測される電
流とを比較して異常判定を行うものであり、比較の前提
として電源ケーブル13を流通する電流の値を検出する
必要があるからである。
【0036】電流の実測データIの読み込みを終了した
ら、次に前記した作動状態検出手段5に相当するステッ
プ102へ進み、同じく入力ポート26に供給されてい
る電装品14a,14bの作動状態を表すデータを取り
込む。電装品14a,14bの作動状態を特定して電流
の実測データIと比較すべき判定値Isを特定するためで
ある。
【0037】そして、現在の作動状態が特定できたら、
前記した判定値設定手段6に相当するステップ104に
おいて、検出した作動状態に応じた判定値Isを設定す
る。
【0038】ここで、判定回路21には、電装品14
a,14bの作動状態に対応して判定値Isの基準となる
複数の基準値が設定されており、例えば本実施例の場合
は電装品14aのみが作動している場合に電源ケーブル
13を流通すると予測される電流Iaを電装品14aに対
する基準値として、同様に電装品14bのみが作動して
いる場合の基準値をIb,電装品14a,14bが共に作
動している場合に基準値を Iabとして設定している。つ
まり、上記ステップ104では、具体的にはこれらIa,I
b,Iab の中から、上記ステップ102において検出され
た電装品14a,14bの作動状態に対応する基準値を
選択し、その値を判定値Isとして設定する処理が実行さ
れている。
【0039】そして、かかる処理を実行することにより
判定値Isを特定したら、前記した異常判定手段4に相当
するステップ106へ進み、測定誤差等の影響を鑑みて
設定した許容幅βに対して、Is−β≦I≦Is+βが成立
しているか否かを見ることで異常電流の有無を判定す
る。
【0040】すなわち、上記判定においてIs−β≦I≦
Is+βが成立していると判別されるのは、作動中の電装
品に流れるべき電流が電源ケーブル13を流通している
場合であり、作動中の電装品、及び電源ケーブル13は
共に正常であると判断できる。これに対してIs−β≦I
≦Is+βが不成立であると判別されるのは、電源ケーブ
ル13に短絡若しくは開放が生じ、または作動中の電装
品に過剰若しくは過少の電流が流通している場合であ
り、いずれにしろ異常な状態である。
【0041】このためステップ106において正常であ
ると判断された場合はそのまま今回の処理を終了し、異
常であると判断された場合には、ステップ108へ進
み、異常処置として警報ランプ20及び遮断器18を駆
動した後に今回の処理を終了することとした。以後、ス
テップ100以降の処理が所定時間毎に繰り返し実行さ
れ、電源ケーブル13と電装品14a,14bとで構成
される電流流通系に何らかの異常が発生した場合には、
即座にその異常が検出されることになる。
【0042】ところで、図5のタイムーチャート中
(A),(B),(C)欄に示すように電装品14a,
14bが時刻t0 ,t1 においてそれぞれオンとなる
と、電装品14a,14bの過渡特性等の影響で時刻t
0 ,t1 直後には、電流のオーバーシュート現象が見ら
れる。これに対して上記ルーチン中ステップ104にお
いて設定される判定値Isは、予め基準値Ia,Ib,Iab とし
て設定された値であり図5(C)に示すように過渡特性
を示すことはない。
【0043】このため、電流プローブの検出する電流の
実測値データIが過渡特性を示す領域で読み込んだIに
対して上記ステップ106の判定が行われた場合には、
電流のオーバーシュートを異常と判定する事態が生じか
ねない。そこで、本実施例においては、電装品14a,
14bの作動状態が変化した後所定の時間は上記ルーチ
ンにおいて電流の実測値データIを取り込まないことと
している。
【0044】このため、図5中時刻t0 ,t1 に示す如
き過渡特性に起因した電流のオーバーシュートによって
異常判別がなされることはない。また、電装品14a,
14bの作動状態が定常的である時刻t2 において図5
(A),(C)に示す如く所定水準を超える異常電流が
流通した際には、図5(E)に示すように即座にその状
況が異常として判定される。尚、図5中時刻t3 ,t4
に示すように電装品14a,14bがオンからオフへ以
降する場合には過渡特性が問題となることはない。
【0045】このように、本実施例の車両用異常電流検
出装置10によれば、各電装品14a,14bについて
個々に電流センサ等を加設することなく、単線で構成さ
れる多重伝送路17を判定回路21まで延長して設ける
だけで、電源ケーブル13及び電装品14a,14bの
異常に起因して適切な異常電流判定を行うことが可能で
ある。
【0046】この意味で、個々の電装品について電流セ
ンサを設け、全ての電装品に流通する電流の合計値と電
源ケーブルを流通する電流値とを比較して異常判定を行
う従来の装置に比べて構成が極めて簡単である点、及び
電装品の異常に起因して生ずる異常電流をも検出可能で
ある点において優れた特性を有している。
【0047】一方、電装品14a,14bに流通する電
流は、電装品14a,14bが正常に機能している場合
であっても、電装品14a,14bを構成する素子等の
経時変化、温度特性等の影響で変動するものである。従
って、本実施例においてが固定値であるとすれば、上記
ステップ106における異常判定(Is−β≦I≦Is+β
の判別)はかかる変動を無視したものとなり、従来の装
置に比べて判定精度の劣るものとなる。
【0048】そこで、本実施例の車両用異常電流検出装
置10においては、電装品14a,14bに流通する電
流の変動を学習し、その学習結果を基準値Ia,Ib,Iab に
反映させると共に、基準値Ia,Ib,Iab を極端に大きく変
化させる必要が生じた場合には、その状況を異常として
捕らえることとした。
【0049】この結果、上記ステップ106においてIs
−β≦I≦Is+βを判別するに際して、電装品14a,
14bに流通する電流の緩やかな変化に対してはIsが適
当に追従し、常時高水準の検出精度が維持されることと
なる。一方、電装品14a,14bに異常が発生した場
合には、Isに対する大幅な更新要求に基づいて異常が検
出され、Isの追従によりIs−β≦I≦Is+βが成立する
ことはない。
【0050】図6は、本実施例において使用する基準値
Ia,Ib,Iab のうちIaについての学習ルーチンのフローチ
ャートを例示したものである。以下、同図に沿って判定
回路21が、前記した基準値学習手段7を実現すべく実
行する処理の内容について説明する。尚、図6に示す学
習ルーチンは、例えば10sec 毎に起動する定時割り込
みルーチンである。
【0051】図6に示すように、同図に示すルーチンが
起動すると先ずステップ200において電装品14aの
みがオンであるかを見る。本ルーチンは、電装品14a
についての基準値Iaの学習を行うことを目的としたもの
であり、電装品14aのみがオンしている場合に電源ケ
ーブル13を流通する電流IA を検出する必要があるか
らである。
【0052】従って、ステップ200において条件不成
立とされた場合には、以後何ら処理を行うことなく本ル
ーチンを終了する。一方、電装品14aのみがオンして
いると判別された場合は、ステップ202へ進んで電流
プローブ19より電流ケーブル13を流通する電流の実
測値データIを読み込み、その値を前回のIA に加え
る。
【0053】そして、ステップ204において上記の加
算回数を表すカウンタCをインクリメントした後、ステ
ップ206でCが10に達しているかをみる。ここで、
まだCが10に達していないと判別された場合にはその
まま今回の処理を終了し、以後Cが10に達するまで繰
り返し上記ステップ200〜206を実行する。
【0054】つまり、ステップ206を抜けて次のステ
ップ208が実行されるまでには、実測値データIが1
0回累積されるとことになる。ステップ208では、こ
のようにして演算された累積値IA を平均値に変換すべ
くIA /10なる演算を実行し、その値を平均値IAV
して記憶する。本ルーチンが10sec 毎に起動されるこ
とから、IAVは結局100sec に渡る実測値データIの
平均値となる。
【0055】このようにして平均値IAVを求めたら、ス
テップ210でC及びIA をクリアし、次いでステップ
212へ進んで平均値IAVと前回までの基準値Iaとの差
ΔI A を求める。基準値Iaは元来電装品14aのみがオ
ンとなっている場合に流通する電流値であるから、電装
品14aのインピーダンス特性が不変で、流通する電流
に変化がなければIAV=Iaが成立し、従ってΔIA
“0”となるべきものである。
【0056】言い換えれば、このΔIA は電装品14a
のインピーダンス特性の変化に伴う流通電流の変化量で
あり、ΔIA ≠0である場合にはその値を“0”に近づ
けるべくIaを補正するべきである。
【0057】本ルーチンにおけるIaの学習は、かかる原
理に従ってなされるものであり、上記ステップ212で
ΔIA を算出したら、ステップ214へ進みΔIA /Ia
>0.03の判別を行う。そして、ΔIA /Ia>0.0
3が成立する程度にΔIA が大きな値である場合には、
Iaを更新すべきであると判断してステップ216へ進
む。
【0058】ステップ216は、ΔIA が妥当な範囲で
変化しているか、すなわちΔIA が電装品14aの正常
な動作範囲内での変動であるかを判別するステップであ
り、ΔIA /Ia<0.1が成立するか否かの判別を行
う。ここでΔIA /Ia<0.1が成立しない程度に大き
なΔIA が形成されている場合は、電装品14aに異常
が発生したと判断することができる。
【0059】従って、かかる場合には以後ステップ21
8へ進んで遮断器18及び警報ランプ20についての異
常処置を行い、その後本ルーチンを脱する。一方、ΔI
A がΔIA /Ia<0.1の成立性を妨げない範囲である
場合には、Iaを電装品14aの特性変動に追従させるべ
く、ステップ220へ進んで所定の補正値αを加算する
ことによりIaを更新し、今回の処理を終了する。
【0060】一方、上記ステップ214においてΔIA
/Ia>0.03が不成立とされた場合は、ステップ22
2へ進んでΔIA /Ia<−0.03の成立性を見る。電
装品14aのインピーダンスが増加する方向に変化して
いる場合には流通する電流が減少し、従ってΔIA が負
の値となる場合があるからである。
【0061】そして、この場合も上記ステップ214の
場合と同様にΔIA /Ia<−0.03が成立する程度に
ΔIA が変動している場合にのみIaを更新することと
し、ΔIA /Ia<−0.03が成立しない領域において
は、特に今回の処理において学習補正を行う必要性に乏
しいとしてそのまま今回の処理を終了することとしてい
る。
【0062】また、ΔIA /Ia<−0.03が成立する
場合には、ステップ224へ進み、ΔIA が電装品14
aの正常な動作範囲内における変動に基づくものである
かを判断すべくΔIA /Ia>−0.1の成立性をみる。
そして、この条件を超えてΔIA が変動している場合に
は上記ステップ218の処理を行って今回の処理を終了
する。一方、ΔIA /Ia>−0.1が成立する場合は、
ステップ226へ進んでIaからαを減じることによりIa
を更新して今回の処理を終了する。
【0063】かかるルーチンを実行することとすれば、
電装品14aに対して設定される基準値Iaには、電装品
14aの正常動作範囲内における変動が適切に反映され
ることとなる。従ってこのIaを基準として実行される異
常電流の検出処理には、高い検出精度が維持されること
になる。
【0064】尚、上記図6に示すルーチンと同様の処理
を他の基準値Ib,Iabについても実行することとすれば、
車両用異常電流検出装置10に用いる全ての基準値を適
切に学習することができ、電装品14a,14bの作動
状態によらず、常に適切な検出精度の基に異常検出を行
うことが可能である。但し、この場合において、例えば
基準値Ibについては“ Iab−Ia”を用いる等の簡略化を
行うことは当然に可能である。
【0065】このように、本実施例の車両用異常電流検
出装置10によれば、大幅なコストアップを招くことの
ない簡単な構成により、高い検出精度をもって、電源ケ
ーブル13の異常に起因する異常電流、及び電装品14
a,14bの異常に起因する異常電流を確実に検出する
ことができる。
【0066】また、上記実施例においては、電装品14
a,14bの制御を多重通信によって行うことと相まっ
て、判定回路21も多重伝送路17上の多重通信信号か
ら電装品14a,14bの作動状態を監視する構成を採
用したが、必ずしも多重通信による情報の授受に限定す
るものではない。
【0067】すなわち、電装品14a,14bに対して
スイッチ16a,16bが直接結線される構成が採用さ
れている場合には、スイッチ16a,16bの状態等を
監視することで、電装品14a,14bには何らの追加
工を行うことなく同様の異常電流検出装置を簡単な構成
で実現することが可能である。
【0068】
【発明の効果】上述の如く請求項1記載の発明によれ
ば、車両に搭載される電装品の作動状態から予測される
電流と現実に電源ケーブルを流通する電流とを比較する
ことにより、電源ケーブルの異常に起因して発生する異
常電流に加えて従来検出することができなかった電装品
自体の異常に起因する異常電流をも検出することができ
る。
【0069】また、異常判定の基準となる判定値を設定
するにあたって、従来の装置の如く個々の電装品に流通
する電流を検出する必要がなく、単に電装品が作動して
いるか否かの検出ができれば足り、著しく構成を簡単化
することができる。そして、電装品の作動状態に対応し
て設定される判定値を適宜学習補正することにより、電
装品の経時変化や温度特性の変化を適切に異常検出に反
映させることが可能であり、高い検出精度も維持するこ
とがすることができるという特長を有している。
【0070】更に、請求項2記載の発明によれば、前記
電装品が多重通信によって制御されるため、電装品の作
動状態を多重伝送路上に供給される多重通信信号を監視
するだけで検出することが可能となる。このため、電装
品の作動状態を検出するためには、電装品と電装品の制
御系との間に敷設されている多重伝送路を延長して作動
状態検出手段に導くだけで足り、上記発明に比べて更に
構成が簡単化すると共に、適切にワイヤハーネスの肥大
化を抑制した状態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両用異常電流検出装置の原理構
成図である。
【図2】本実施例の車両用異常電流検出装置のブロック
構成図である。
【図3】本実施例の判定回路のブロック構成図である。
【図4】本実施例の判定回路が実行する異常検出ルーチ
ンのフローチャートである。
【図5】本実施例の車両用異常電流検出装置の動作を表
すタイムチャートである。
【図6】本実施例の判定回路が実行する学習ルーチンの
フローチャートである。
【符号の説明】
1a〜1n,14a,14b 電装品 2,13 電源ケーブル 3 電流測定手段 4 異常判定手段 5 作動状態検出手段 6 判定値設定手段 7 基準値学習手段 10 車両用異常電流検出手段 11 バッテリ 12 フュージブルリンク 15 出力ノード 16 スイッチノード 16a,16b スイッチ 17 多重伝送路 18 遮断器 19 電流プローブ 20 警報ランプ 21 判定回路

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両に搭載される電装品に電流を供給す
    る電源ケーブルを流通する電流を測定し、該測定値を所
    定の判定値と比較することにより異常電流の有無を判定
    する車両用異常電流検出装置において、 前記電装品の作動状態を検出する作動状態検出手段と、 該作動状態検出手段の検出結果に基づいて、予め前記電
    送品の作動状態に対応して設定された基準値を前記判定
    値として設定する判定値設定手段と、 前記作動状態検出手段の検出結果と前記電源ケーブルを
    流通する電流の測定値とに基づいて、前記判定値設定手
    段の基準値を学習補正する基準値学習手段とを備えるこ
    とを特徴とする車両用異常電流検出手段。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の車両用異常電流検出装置
    において、 前記電装品の作動制御を多重通信によって行うと共に、
    前記作動状態検出手段は、前記電装品に送信される多重
    通信信号に基づいてその作動状態を検出することを特徴
    とする車両用異常電流検出装置。
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