JPH0742915B2 - 可変圧縮比内燃機関の点火時期制御装置 - Google Patents

可変圧縮比内燃機関の点火時期制御装置

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JPH0742915B2
JPH0742915B2 JP60282744A JP28274485A JPH0742915B2 JP H0742915 B2 JPH0742915 B2 JP H0742915B2 JP 60282744 A JP60282744 A JP 60282744A JP 28274485 A JP28274485 A JP 28274485A JP H0742915 B2 JPH0742915 B2 JP H0742915B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は圧縮比を運転条件に応じて可変とした内燃機
関における点火時期制御装置に関する。
〔従来の技術〕
オットーサイクル内燃機関においては圧縮比を上げると
燃焼効率が向上し燃料消費率を改善できると共に、出力
を高くすることができる。しかし、圧縮比を高くすると
ノッキングが発生し易くなる。そこで、ノッキングが発
生しない範囲で圧縮比を可能な限り高くすることが行わ
れる。圧縮比が変わると点火時期の要求値も変わるた
め、圧縮比に応じて点火時期の制御が実行される。ここ
に、圧縮比を可変とする方式としては、色々あるがピス
トンのストローク自体を機械的に変えるものがある(例
えば特開昭58−91340号参照)。
ピストンのストロークを機械的に変えることにより圧縮
比を可変とするものでは、油圧機構等によって駆動され
るのが普通である。これに対して、点火時期は純粋に電
気的制御であるため、圧縮比を変える機構と比較して応
答が速い。そのため、圧縮比を変える場合に点火時期は
直ぐ切り替わるが圧縮比の切替えが遅れ、点火時期が圧
縮比と適合しないことが過渡状態では発生する。そのた
め、ノッキングが発生したり、運転性が不良となったり
する問題点がある。
そこで、特開昭60−230522号公報では可変圧縮比内燃機
関で、圧縮比を検出すし、圧縮比に応じて点火時期を含
むエンジン燃焼状態を制御し、圧縮比に応じた最適な点
火時期に制御を行うとするものを提案している。
〔発明が解決しようとする問題点〕
従来技術では可変圧縮機構(サブピストン)の位置を検
出することで間接的に圧縮比を知り、点火時期を制御し
ている。圧縮比を直接検出しているわけではないため、
適格な点火時期制御を行いえないおそれがある。
この発明は圧縮比を直接的に検出することにより点火時
期をより適格に制御することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
この発明によれば、運転条件に応じて圧縮比を可変とす
る圧縮比制御機構2を有した内燃機関の点火時期制御装
置において、内燃機関の現実の圧縮比の切替えに応じた
信号を発生する圧縮比検知手段3、圧縮比検知手段3に
接続されて機関の圧縮比に応じた点火時期の設定値を演
算する点火時期設定手段4、並びに点火時期設定手段4
に接続され設定された点火時期で点火を行わせる点火時
期制御手段5よりなる内燃機関において、特徴点は、前
記圧縮比検知手段3は機関の最大燃焼圧力を検知する最
大燃焼圧力検知手段3−1と、該最大燃焼圧力検知手段
3−1からの圧力信号のレベルを所定基準値と大小比較
することにより圧縮比の高低を判別する手段3−2とよ
り成ることにある。
〔作用〕
圧縮比検知手段3は、内燃機関の現実の圧縮比の切替え
に応じた信号を発生し、点火時期設定手段4は、機関の
圧縮比に応じた点火時期の設定値を演算し、点火時期制
御手段5は、設定された点火時期で点火を行わせる。圧
縮比検知手段3による圧縮比の検出において、最大燃焼
圧力検出手段3−1は、内燃機関の最大燃焼圧力を検知
し、判別手段3−2は、該最大燃焼圧力検知手段3−1
からの圧力信号のレベルを所定基準値と大小比較するこ
とにより圧縮比の高低を判別する 〔実施例〕 第2図において、10は4気筒の内燃機関の本体、12は燃
焼室、14は点火栓、16は吸気管、18はエアフローメータ
を示す。19はディストリビュータである。
第3図は一つの気筒のエンジン縦方向断面を詳細に示し
ており、20はシリンダブロック、21はシリンダヘッド、
22はピストン、23はコネクティングロッド、24はピスト
ンピン、25はクランク軸を示している。
この内燃機関は以下説明する圧縮比の可変機構を有して
いる。即ち、コネクティングロッド23の上端に形成され
る開口23aに偏心ベアリング27が回転可能に嵌合され、
この偏心ベアリング27にピストンピン24が挿通される。
偏心ベアリング27は円周方向に肉厚が変化している。偏
心ベアリング27の肉厚が一番厚い部分には半径方向のロ
ックピン係合孔28が形成される。一方、偏心ベアリング
27を収納するコネクティングロッド23の上端の開口23a
には半径方向にロックピン収納孔29が開口される。偏心
ベアリング27のロックピン係合孔28と、コネクティング
ロッド23の上端のロックピン収納孔29とは、偏心ベアリ
ングがその肉厚が最も厚い部分がコネクティングロッド
軸線の下方を向いた図示の位置では、相互に芯合してい
る。ロックピン30はロックピン収納孔29に嵌合され、ロ
ックピン係合孔28に対して出没自在となっている。
ロックピン30をロックピン係合孔28に出没させるため2
系統の油圧通路が設置される。即ち、コネクティングロ
ッド23の下端のクランク軸25が挿通される開口23dの内
面に弓状の油溝31,32が円周方向に間隔をおいて二つ形
成される。一方の油溝31はコネクティングロッド23内の
油孔23eを介してロックピン収納孔29の下部に連通され
る。他方の油溝32は、前記油孔23eとは独立にコネクテ
ィングロッド23に形成された油孔23fを介してコネクテ
ィングロッド上端の開口23aの内周面の弓状油溝34に開
口し、この弓状油溝34は偏心ベアリング27に形成される
半径方向孔27bを介してロックピン係合孔28の上部に連
通される。
クランク軸25に油孔25aが形成され、この油孔25aの一端
25a−1はコネクティングロッド下端の開口23dのところ
まで延設されている。そのため、クランク軸25の回転時
油孔25aは油溝31,32に交互に連通される。油孔25aの他
端25a−2はシリンダブロック20のジャーナル部20′の
開口20aのところまで延設される。この開口20aの部分に
も前記と同様な二つの独立した角度方向の弓状油溝37,3
8が形成され、クランク軸25の回転中に油孔25aは油溝3
7,38に交互に連通されることになる。そして、油孔25の
位置は次のように設定される、即ち、クランク軸25の回
転中に油孔25aはジャーナル部の油溝37とコネクティン
グロッドの油溝31との連通と、ジャーナル部の油溝38と
コネクティングロッドの油溝32との連通とを交互に行な
う。
油溝37,38はシリンダブロック20内に形成される油孔20
b,20cを介して高圧縮比用オイル通路40と、低圧縮比用
オイル通路41とに連通される。
第2図において、高圧縮比用オイル通路40の入口40a及
び低圧縮比用オイル通路41の入口41aは油圧配管43,44を
介してソレノイド駆動の油圧切替弁45に接続される。油
圧切替弁45は高圧縮比オイル通路40又は低圧縮比オイル
通路41に選択的にオイルポンプ46からの油圧を供給する
ものである。47はオイルタンクである。油圧切替弁45は
後述する制御回路によって次のように駆動される。ソレ
ノイド45aが消磁されているときは、オイルポンプ46か
らの油圧は配管43を介して高圧縮比用オイル通路40に導
入され、一方低圧縮比用オイル通路41は配管44を介して
オイルタンク47に連通される。そのため、油圧は油孔20
b(第4図)より、ジャーナル部20′の油溝37がクラン
ク軸25内の油孔25aによってコネクティングロッド23の
油溝31に連通したときに、コネクティングロッド23内の
油孔23eよりロックピン30の下端に作用する。一方、ロ
ックピン30の上端の油圧は次の経路でオイルタンク47に
抜ける。即ち、ロックピン係合孔28は、油孔27b,23fを
介して、コネクティングロッド23の油溝32がクランク軸
25の油孔25aによってジャーナル部の油溝38に連通した
とき、油孔20cに連通され、ここより通路41を介し、配
管44及び切替弁45を経てタンク47に連通される。このよ
うに、ロックピン30の下端に油圧が作用し、上端は圧力
が抜かれるため、ロックピン30はロックピン係合孔28に
向かって上方に付勢され、同孔28に嵌合されるに至り、
ロックピン30によってこの状態に保持される。この状態
では、偏心ベアリング27の最大偏心部は下側の位置をと
るため、ピストンピン24の位置は相対的に高くなり、こ
れはコネクティングロッド23の有効長が大きくなること
から高圧縮比が設定される。
低圧縮比を選定すべきときには油圧切替弁45のソレノイ
ド45aが励磁される。すると、油圧ポンプ46は今度は配
管44を介して低圧縮比用油圧通路41に連通され、一方高
圧縮比用油圧通路40は配管43を介してオイルタンク47に
連通される。低圧縮比油圧通路41に導入された油圧は油
孔20cを介し、油溝38がクランク軸の油孔25aによって油
溝32に連通されたとき、コネクティングロッドの油孔23
fに連通され、油孔27bを経てロックピン係合孔28よりロ
ックピン30の上面に作用する。一方、ロックピン収納孔
29の油圧は、油孔23eより、油溝31が油孔25aによって油
溝37に連通されたときに、油孔20bに連通され、ここか
ら配管43及び油圧切替弁45を介してオイルタンク47に油
圧が抜ける。このようにしてロックピン30の上端に油圧
が働き下端は減圧されるため、ロックピン30は下降して
ロックピン係合孔28から抜ける。かくして、偏心ベアリ
ング27は、最も力が加わる上死点の付近では、その安定
状態ある、最大の偏心部が上側に位置する。かくして、
ピストンピン24の位置は相対的に下降し、これは有効な
コネクティングロッドの長さを小さくし、その結果圧縮
比は小さい設定になる。
以上のように、この実施例では偏心ベアリング27を設
け、ロックピン30を係脱自在とすることで所望の高低の
圧縮比を得ることができる。尚、圧縮比の制御機構はこ
の実施例に限定されず、他の公知の機構とすることがで
きる。
この発明によれば、エンジンの運転条件を検知すること
により最適な圧縮比となるように可変圧縮比機構を駆動
するとともに、現実の圧縮比を検知することにより点火
時期を制御する制御回路50が設置される(第2図)。こ
の制御回路50はマイクロコンピュータシステムとして構
成され、中央処理装置(CPU)51と、リードオンリメモ
リ(ROM)52と、ランダムアクセスメモリ(RAM)53と、
入出力ポート54と、A/D変換器55と、これらの要素間を
接続するバス57とより成る。
エンジン運転条件を検知するため次のようなセンサ群が
設けられる。ディストリビュータ19に第1クランク角セ
ンサ56、第2クランク角センサ57が設けられる。第1ク
ランク角センサ56はディストリビュータ軸19a上の検知
片58と対面設置されて、クランク軸15の、例えば30゜毎
のパルス信号NEを発生し、これはエンジン回転数を知る
のに利用される。第2のクランク角センサ57はディスト
リビュータ軸19a上の検知片59に対面設置され、クラン
ク角軸15の、例えば720゜毎にパルス信号Gを発生し、
これは基準信号となる。
前述したエアフローメータ18はエンジンに導入される吸
入空気量に応じたアナログ信号Qを発生する。
各気筒の燃焼室12に燃焼圧力センサ61が設置され(第3
図参照)、同センサ61は各気筒の燃焼圧力に応じたアナ
ログ信号Pを発生する。
パルス信号を発生する第1クランク角センサ56及び第2
クランク角センサ57は入出力ポート54に接続され、NE信
号及びG信号が所定のタイミングで入力される。一方、
アナログ信号を発生するエアフローメータ18及び各気筒
の燃焼圧力センサ61はA/D変換器55に接続され、各セン
サからの信号は順次A/D変換処理によって入力される。
各気筒の燃焼圧力センサ61は、その燃焼圧力信号におけ
るピーク値を保持するためのピークホールド回路63を具
備しており、これによって一サイクルにおける最大燃焼
圧力が保持される。
制御回路50は各センサによって検知された運転条件に基
づいて必要な演算を実行し、圧縮比制御信号及び点火信
号を入出力ポート54より出力する。点火制御装置66は点
火制御回路(イグナイタ)とイグニッションコイルとよ
り成り、点火制御回路は入出力ポート54に接続され、点
火信号を受け取るよになっている。一方、イグニッショ
ンコイルはディストリビュータ19の中央電極に接続さ
れ、分配軸19aの回転に従って各気筒の点火栓14に高電
圧が分配される。入出力ポート54はさらに油圧切替弁45
のソレノイド45aに接続され、圧縮比制御信号に応じて
圧縮比の切替え制御が実行される。
以下制御回路50の作動をフローチャートによって説明す
る。この作動を実現するためのプログラムはROM52の所
定領域に格納されている。第5図は圧縮比の制御ルーチ
ンを示している。このルーチンは所定時間間隔毎に実行
される時間割り込みルーチンとすることができる。ステ
ップ70ではエンジン回転数NE及びエンジン負荷代表値で
ある吸入空気量−回転数比Q/NEが入力される。エンジン
回転数NEは第1クランク角センサ56からのクランク角30
゜毎のパルス信号の間隔より周知の方法で演算され、吸
入空気量−回転数比Q/NEも別ルーチンで計算されている
ものとする。
ステップ71ではエンジン回転数NE及び吸入空気量−回転
数比Q/NEより設定すべき圧縮比が決定される。即ち、RO
M52の所定領域には回転数NEと吸入空気量−回転数比Q/N
Eとの組合せに対する高低のどちらの圧縮比を設定する
かのマップがある。CPU51は入力された実測NE及びQ/NE
より所望の圧縮比を選定することになる。
ステップ72ではステップ71で決定された圧縮比が高圧縮
比か否か判定される。選定すべき圧縮比が高圧縮比のと
きはステップ71よりステップ73に進み、入出力ポート54
より油圧切替弁45のソレノイド45に加わる信号レベルは
OFFとなる。そのため、油圧切替弁45は第2図における
右側位置をとり、高圧縮比用油圧通路40の入口40aに油
圧を供給し、低圧縮比用油圧通路41の入口41aはタンク4
7に連通される。そのため、前述したようにロックピン3
0は上昇付勢され、ロックピン30はロックピン係合孔28
に係合し、偏心ベアリング27はその最大偏心部が下側を
向いた位置に保持され、コネクティングロッド23の有効
長が大きくなり、圧縮比は大きく設定される。
マップサーチの結果、選択すべき圧縮比が低圧縮比のと
きはステップ72よりステップ74に進み、出力ポート54よ
り油圧切替弁45のソレノイド45aにON信号が印加され
る。そのため、切替弁45は第2図の左側位置を取り、低
圧縮比用オイル通路41の入口41aに油圧が供給され、高
圧縮比用オイル通路40aはタンク47に連通される。その
ため、ロックピン30は下降付勢され、ロックピン係合孔
28より離脱される。その結果、偏心ベアリング27は拘束
状態から外れ、安定状態である最大偏心部が上側に位置
する。斯くして、コネクティングロッド23の有効長が短
縮され、圧縮比は小さく設定される。
第6図は点火時期制御ルーチンを示しており、このルー
チンはこれから点火すべき気筒の点火時期より手前のTD
Cよりの角度XA(第7図(イ)参照)の所定クランク角
度をクランク角センサ56,57によって検知することによ
り実行開始されるクランク角割り込みルーチンである。
ステップ77ではCPU51はその気筒の前回の点火時(720゜
CA手前)の燃焼時の最大圧力を読み取る。即ち、各気筒
に設置した圧力センサ61はその気筒の燃焼圧力を検知す
るが、その検出波形は第7図(ハ)のように変化し、圧
縮上死点(TDC)後の或る角度で最大を呈する。その気
筒の圧力センサ61に接続されるピークホールド回路63は
第7図(ニ)に示すように圧力センサ信号波形(ハ)に
おけるピーク値を順次更新してゆき、最終的には燃焼圧
力の最大値Pがピークホールド回路63に次回の点火まで
保持されており、第4図のステップ77ではこの前回点火
時の燃焼の結果として得られた最大圧力PのデータがA/
D変換器55によってA/D変換される。尚、A/D変換の完了
後にそのピークホールド回路63のリセット(RS)が実行
される。
第6図のステップ78では、そのときの回転数NE、吸入空
気量−回転数比Q/NEより基準最大燃焼圧力Prefの演算が
実行される。この基準値Prefは次のように設定される、
即ち、エンジン回転数NEと吸入空気量−回転数比Q/NEと
の組合せに対し圧縮比を第5図のステップ71のマップに
従って決められる。この設定圧縮比で円転したときの得
られる標準的な最大燃焼圧力値が高圧縮比と低圧縮比と
の夫々についてある。この標準的な最大燃焼圧力に対し
適当な閾値となるように前記基準値Prefは決められるの
である。たとえば、基準値Prefは高圧縮比で運転したと
きにおける標準的な最大燃焼圧力と低圧縮比状態で運転
したときにおける標準的な最大燃焼圧力との中間の値に
設定され、この値より大きいか小さいかにより圧縮比が
高いか低いかの判別が実行される。
ステップ79ではこの基準値Prefに点火時期の遅角補正量
Δθによる補正を加える。即ち、その時の実際の点火時
期はNE及びQ/NEが同じでも、得られる最大燃焼圧力を変
化せしめるので、これに準じて圧縮比が切り替わった否
かの判断の基準となる基準値Prefに修正を加えることに
なる。
ステップ80では燃焼最大圧力Pが基準値Prefより大きい
か否か判定される。肯定的判断の場合は、圧縮比可変機
構によって設定される圧縮比が高圧縮比に切り替わりず
みであること、又は圧縮比の低圧縮比に切り替えるべき
指令がでているがその切替えの途中であることを示す。
このときは、ステップ80よりステップ81に進み、高圧縮
比用の点火時期マップより基本点火時期θBASEの演算が
実行される。周知のように、基本点火時期は回転数NEと
吸入空気量−回転数比Q/NEとの組合せに対して高圧縮比
に適した点火時期の値のマップが組まれており、実測さ
れるNE及びQ/NEに対するθBASEの演算が実行される。
ステップ80で否定的判断のときは圧縮比が低圧縮比に切
り替わり済みであること、または圧縮比が低圧縮比から
高圧縮比に切り替えるべき指令がでていてもその切替え
の途中であることを意味する。このときは、ステップ80
よりステップ82に進み、低圧縮比用の点火時期マップよ
り基本点火時期θBASEの演算が実行される。前記と同様
に、基本点火時期は回転数NEと吸入空気量−回転数比Q/
NEとの組合せに対して低圧縮比に適した点火時期の値の
マップが組まれており、実測されるNE及びQ/NEに対する
θBASEの演算が実行される。
ステップ83では、基本点火時期θBASEより遅角補正量Δ
θを引いたものを点火時期θとする。この補正量Δθは
ノッキングなどにより遅角修正分であり、その修正につ
いてはこの発明の特徴とは関係しないため説明を省略す
る。
ステップ84では点火指令が出力ポート54より点火制御回
路66に出力される。そのため、第7図(ロ)に示すよう
に点火信号が立ち上がり、その立ち下がり時にイグニッ
ションコイルに高電圧が発生し、点火が行われ、これが
演算された点火時期θとなっているのは周知の通りであ
る。
以上述べたように、この実施例では基準値Prefをエンジ
ン運転条件に応じて設定することによって圧縮比が実際
に切り替わったか否かを検知して点火時期を制御してい
るため、点火時期を圧縮比に適合して制御することがで
きる。
また気筒毎に燃焼圧力センサ61を設置していることから
各気筒毎に燃焼圧力の状態を正確に検知することがで
き、気筒間での制御遅れに個別に対処することができ
る。
〔発明の効果〕
この発明によれば、エンジンの実際の圧縮比を代表する
燃焼最大圧力を検知することにより、点火時期を圧縮比
に適合したマップで制御することができる。そのため、
可変圧縮比制御機構の作動が、油圧制御等に伴う遅れが
あっても、常に最適の点火時期に制御することができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の構成図。 第2図は圧縮比を最大燃焼圧力で検知する場合の実施例
の構成図。 第3図は一つの気筒の燃焼室部分の詳細縦断面図。 第4図は第3図のIV−IV線に沿う横断面図。 第5図及び第6図は第2図における制御回路の作動を示
すフローチャート図。 第7図は制御回路の作動を示すタイミングチャート。 10……エンジン本体 12……燃焼室 14……点火栓 18……エアフローメータ 19……ディストリビュータ 22……ピストン 23……コネクティングロッド 24……ピストンピン 25……クランク軸 27……偏心軸受 29……ロックピン係合孔 30……ロックピン 40……高圧縮比用油圧通路 41……低圧縮比用油圧通路 45……油圧切替弁 50……制御回路 56,57……クランク角センサ 61……燃焼圧力センサ 66……点火回路 100……変位センサ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】運転条件に応じて圧縮比を可変とする圧縮
    比制御機構を有した内燃機関の点火時期制御装置におい
    て、内燃機関の現実の圧縮比の切替えに応じた信号を発
    生する圧縮比検知手段、圧縮比検知手段に接続されて機
    関の圧縮比に応じた点火時期の設定値を演算する点火時
    期設定手段、並びに点火時期設定手段に接続され設定さ
    れた点火時期で点火を行わせる点火時期制御手段よりな
    る内燃機関において、前記圧縮比検知手段は機関の最大
    燃焼圧力を検知する圧力検知手段と、該圧力検知手段か
    らの圧力信号のレベルを所定基準値と大小比較すること
    により圧縮比の高低を判別する手段とより成る点火時期
    制御装置。
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