JPH0742673B2 - 懸濁液の分配装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、特には繊維素パルプである懸濁液の分配用の
装置に関し、その懸濁液は、例えばパルプ用の塔式漂白
装置のごとき貫流型処理容器の中に連続して供給され
る。かかる塔の中においては、供給されているパルプを
容器内で均一に分配することが非常に重要であるので、
流路を作つて流したり、そこにおける不均一な処理時間
は、パルプの異質な部分ができるので避けねばならな
い。

本発明による装置は、回動自在な駆動軸より成る型のも
のであつて、回動自在な駆動軸は、現行の容器内に入口
開口を通つてある距離突き出ており、容器内に翼あるい
は類似のものを持つ回転子を備えており、その翼は、回
転の間は容器内に入口開口を通つて流入する懸濁液を分
配する。本発明においては、回転子部分を簡単なしかし
懸濁液の分配には極めて効果的なやり方に設計してあ
る。回転している部分と、回転している部分の周りに設
けられた多数の固定された案内シヤベル（掬うもの）と
の組合せにより特別な利点が得られた、その利点は以下
の記述で明らかとなる。別々に二つの出口開口のある一
つの回転子を持つ装置で、繊維素パルプ用塔式漂白装置
の中で懸濁液を分配することは、たとえば米国特許明細
書第3,053,068号と第3,053,069号記載の発明により既に
公知である。本発明による装置は、たとえば、回転子部
分が各出口開口への別々の流路がない広々とした内方部
屋を持つということで、前記の特許発明よりすぐれてい
る。本発明による設計では、一層単純でそして一層安価
なものとなり、そしてそれらのことは、分配されるべき
懸濁液の同量に対して、回転子部分の直径を一層小さく
造ることができることで更に一層強調される。本発明に
よる装置は、引例の米国特許発明による装置と次の点で
更により異なつている、すなわち本発明の場合では、回
転して分配する部分が固定の案内シヤベルにより囲まれ
ており、その固定の案内シヤベルは容器の横断面全搬に
亘り均一に懸濁液の方向の制御と分配を更に保証するの
である。

同様な機能のある装置として、スエーデン国特許第171,
624号と第202,582号（対応する米国特許明細書2,764,01
1号と第3,218,040号）の発明もまた引用される、しか
し、それらは本発明による装置と重要な点で異なつてい
る。

本発明による装置の最も基本的な目的は、容器への供給
の間に懸濁液の可能な限り最も均一な分配を達成するこ
とであり、そして、それによつて問題点を解決すること
であり、その問題点は、本発明による装置でないとき通
常流路に生じる。分配される懸濁液は濃度５〜15％、好
ましくは８〜12％の乾燥物質のある繊維素パルプで成る
ことができる。

本発明の他の目的は、できる限り小さなそして簡単な装
置で良好な分配結果に到達することである。

本発明を適当な設計の例としての添付の図面を参照して
以下に述べる。そして保護されるべき事柄は特許請求の
範囲から明らかになる。

第１図に関して、符号１はパルプ用塔式漂白装置の下方
の凹んだ形をした部分を示す。その底部において中心に
位置して塔は固定フランヂ２のあるパルプ用入口開口を
持ち、そのフランヂには分配装置を固定している板３が
ボルト締めされている。その板は入口開口フランヂ２の
直径より小さい直径の中心開口４を持ち、管のベンド形
部分５に接続しており、その管のント形部分は、その他
端にフランヂ７のある開口６を持つ。通常の場合、板３
とは90゜をなしているフランヂ７を、パルプ用ポンプす
なわちポンプからの管あるいは他の装置に連結すること
ができ、その管から懸濁液が来ている。以下においては
ハウジングと称する部分５へ、垂直な軸９用の軸受部８
が連結されている。軸受部はたとえば二つのローラーベ
アリングとパツキン箱あるいは他の密封装置を含むこと
ができる。軸の下端は適当な駆動装置10に連結され、そ
の駆動装置は軸９にＶベルトで連結している電動機ある
いは減速機と軸９への軸継手より成ることができる。軸
９の先端に固定している板の入口開口４と大体同じかこ
れより若干小さい直径の回転子11が固定されている。回
転子の詳細は第３図より一層明らかである。それは、先
端においては軸９に固定された同心の案内部分15より成
る。案内部分は図示のように軸に90゜をなす平らな先端
面と、円錐形の下方側面16を持ち、入口開口４と大体同
じ外径の囲い板の裾部17を備えることができる。案内部
分の円錐形下方側面16は懸濁液用の入口開口４に面して
おり、流入する懸濁液を容器の中へ、半径方向で外方へ
そして軸方向では内方へと案内している。裾部17には、
軸方向に最大の寸法を持つ、好ましくは長方形である
が、ある形をした二つの直径方向で向い合つた開口18が
ある。ある場合においては、それはただ一つの開口が適
当であることができ、また二つを超える開口が使用し得
ることである。

本装置を上方から見た第２図において、回転子11の周り
に半径方向に六個の固定案内翼20を備えている。案内翼
の数は必要により多くも少なくもすることができ、そし
てまたパルプが、装置から一層螺旋を画いて出されるよ
う若干曲線を画いたり、そして／または半径に関して若
干角度をつけて作られることもでき、そのことはある場
合には有益である。矢印21は、中心から案内翼20の間を
出るパルプの流れ方向を示している。

第１図において、装置の中心から、そして外方へと見た
とき、案内翼の先端は高さが増していることが明らかで
あり、そして案内翼の先端は円錐形の側面環22と接続し
ていることが明らかである。端部24における側面環の最
小直径は、案内部分15の直径と大体に同じであるので、
案内部分と囲んでいる裾部とをつけた回転子の先端部分
は、開口内で回転をする空間を得る。側面環の円錐形状
は案内部分の円錐形状と大体に同じである。

作業中においては、懸濁液は矢印30のところで装置のハ
ウジング５に入り、軸９の周りでハウジングを通り抜
け、そして板３の入口開口４を通つてかんじんの回転子
11の中へその丸い裾部の範囲内で流れ込む。同時に回転
子は軸９と駆動装置10によつて回転しているので、懸濁
液は矢印31と32で図示したように、裾部開口18を通つて
流出し、その裾部開口を出たところで懸濁液は案内翼20
により多かれ少なかれ半径方向で外側に、先の方へ案内
される。回転子の一分間の回転数は比較的低い、それゆ
えに回転子は他の分配装置に較べて少ないエネルギーの
消費である。懸濁液の通り抜けて流れる速度に若干は左
右されるが、回転数は正常の場合には一分間に約10〜25
回転であることができる。

第１図では、分配装置は容器の底に図示されている、し
かし分配装置は、懸濁液を下方向に流れさせるようにし
て容器の上端において使つたり、あるいは傾斜する軸を
使つて容器の側部において使うことが便利であると考え
られたならば、それは可能である。別の表現では、分配
装置の機能はその在る場所あるいは位置に影響されな
い。

本装置を製造するに当つては、本発明の装置は、ハウジ
ングや回転子を簡単な形状の管や板の細部と共に溶接す
ることができるので、非常に有利であることは明白であ
る。別の設計のものとして、本発明の装置を、容器に固
定した案内翼20と側面環22で作ることができる、その場
合ハウジング５は一層小さなフランヂを備えることがで
き、その一層小さなフランヂは容器内のそれに対応して
いる一層小さなフランヂに固定されることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、例えばパルプ用の塔式漂白装置の底部に設備
されたごとき、本発明の装置の縦断面図を図示する。回
転する部分は断面としていない。 第２図は、上方から見た、即ち塔式漂白装置の中から見
た第１図における本装置を図示する。 第３図は、第１図よりも大きな尺度で回転する部分を切
断した縦断面図を図示する。 図中、1;（処理）容器、4;入口開口、5;ハウジング、7;
入口フランヂ、8;軸受部、9;軸、11;回転子、15;案内部
分、17;裾部、18;出口開口、20;案内翼、22;円錐形の側
面環。

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】処理容器（１）に連結するハウジング
   （５）を備え、前記ハウジング（５）が回転子（11）の
   回転軸（９）と軸支するベアリング部材（８）を有し、
   前記回転軸（９）が懸濁液用の入口開口（４）を通って
   容器（１）内に延長するように構成された処理容器
   （１）内に供給される懸濁液を分配する装置であって、
   前記回転子（11）が、回転軸（９）が固定された円形案
   内部材（15）より成り、前記案内部材（15）の外縁が少
   なくとも一つの懸濁液用の出口（18）を備えたスカート
   状部材（17）に固定され、前記スカート状部材（17）が
   円形案内部材（15）から容器（１）の入口開口（４）に
   向かって延長し、前記スカート部材（17）が前記入口開
   口（４）より大きな直径を有し、前記入口開口（４）の
   周りに多数の放射状案内羽根（20）を配置し、前記前記
   案内羽根（20）の上縁が円錐形の側面環（22）に連結さ
   れていることを特徴とする懸濁液の分配装置。
2. 【請求項２】円錐形の側面環（22）の最も小さい直径は
   案内部材（15）の直径と大体同じであることを特徴とす
   る特許請求の範囲第１項に記載の懸濁液の分配装置。
3. 【請求項３】案内部材（15）の、懸濁液の入口開口
   （４）に面している側を円錐形にして、入口開口（４）
   を通り流入する懸濁液が半径方向では外側にそして軸方
   向には内側に向かって容器の中に入るよう構成したこと
   を特徴とする特許請求の範囲第１項に記載の懸濁液の分
   配装置。
4. 【請求項４】円錐形の側面環（22）は案内部材（15）と
   大体同じ円錐形をしていることを特徴とする特許請求の
   範囲第３項に記載の懸濁液の分配装置。
5. 【請求項５】案内部材の、処理容器（１）内方に面して
   いる面が平面であり、軸と90度をなすことを特徴とする
   特許請求の範囲第１項に記載の懸濁液の分配装置。
6. 【請求項６】ハウジング（５）は導管路の形状をしてお
   りそして懸濁液用の入口開口（４）に連結することを特
   徴とする特許請求の範囲第１項に記載の懸濁液の分配装
   置。
7. 【請求項７】ハウジングの入口開口フランジ（７）と入
   口開口（４）とが互いに90度の角度をなすことを特徴と
   する特許請求の範囲第６項に記載の懸濁液の分配装置。
8. 【請求項８】ハウジング（５）の貫流横断面と、回転子
   の開口（18）又は回転子に数個の開口がある場合はそれ
   らの開口の合計面積とが、大体において同じ大きさであ
   ることを特徴とする特許請求の範囲第６項に記載の懸濁
   液の分配装置。
9. 【請求項９】案内翼（20）は若干曲げられて、あるいは
   半径方向に関してある角度で作られていることを特徴と
   する特許請求の範囲第１項に記載の懸濁液分配装置。