JPH0741583A - 表面性状が改良された合成樹脂成形品及びその製造方法 - Google Patents

表面性状が改良された合成樹脂成形品及びその製造方法

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JPH0741583A
JPH0741583A JP5186415A JP18641593A JPH0741583A JP H0741583 A JPH0741583 A JP H0741583A JP 5186415 A JP5186415 A JP 5186415A JP 18641593 A JP18641593 A JP 18641593A JP H0741583 A JPH0741583 A JP H0741583A
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groups
vinyl
resin
resistance
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JP5186415A
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Fumio Matsui
二三雄 松井
Masatoshi Murakami
正敏 村上
Noritoshi Kamoi
徳俊 鴨居
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Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
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  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来の被覆合成樹脂成形品の欠点を克服し、
簡便な操作で表面硬度、耐磨耗性、耐擦傷性、耐候性、
耐汚染性等の表面性状に優れた特性を有する被覆合成樹
脂成形品及びその製造法を提供することを目的とする。 【構成】 全側鎖有機基のうち50〜99.9モル%がメチル
基であり、0.1 〜25モル%がビニル基またはビニル基を
置換基として有する有機基であり、残余の基は炭素原子
数2以上を有するアルキル基または置換もしくは非置換
フェニル基、あるいは末端基と同じ水酸基またはアルコ
キシ基であるポリメチルシルセスキオキサンとビニルモ
ノマーとの共重合体樹脂またはこの樹脂を含有する組成
物の硬化体からなる被覆層を有することを特徴とする合
成樹脂成形品およびその製造方法。 【効果】 本発明による被膜を表面に複合した合成樹脂
成形品は、優れた表面特性、例示するならば、表面硬
度、耐磨耗性、耐擦傷性、耐候性、耐汚染性、透明性を
有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面硬度、耐磨耗性、
耐擦傷性、耐候性、耐汚染性及び透明性等の表面性状が
改良された合成樹脂成形品及びその製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹
脂、メタクリル樹脂、AS樹脂、ABS 樹脂、ポリプロピレ
ン樹脂、ポリエステル樹脂、ナイロン樹脂、ポリアセタ
ール樹脂、ポリスチレン樹脂、ノリル樹脂、PBT 樹脂等
の汎用合成樹脂は、強度、耐水性、耐寒性、耐候性等に
優れた性質を示し、成形材料として広く使用されている
が、表面硬度が小さく、傷つきやすい他に、屋外で用い
た時、大気汚染等による汚れが付着しやすい欠点があ
る。更に一度汚染された表面を洗浄する時に、表面の平
滑性が損なわれるために透明性が低下したり、耐汚染性
が一層劣悪になる。
【0003】これらの欠点を改良する方法としては、合
成樹脂成形品の表面を種々のコーティング材料で被覆す
る方法が提案されているが、必ずしも十分満足できるも
のではない。例えばハードコートの代表的な方法として
は、( メタ) アクリル酸エステルを塗布して紫外線硬化
する方法とシリコーンモノマーを塗布し加熱硬化する方
法が知られている。しかしながら、前者の方法は表面硬
度、耐水性、耐候性等が十分でなく、後者の方法は完全
に調湿した雰囲気で塗布しなければ性能の再現性が得ら
れず、また耐候性は極めて不満なレベルにとどまるだけ
でなく、耐衝撃性が著しく低下する場合も多い。
【0004】近年、家電製品、スポーツ用品、土木、建
築、車両等の幅広い分野において、合成樹脂成形品の利
用が拡大するに伴い、上記の表面性状の改良が強く要望
されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前述
した従来の被覆合成樹脂成形品の欠点を克服し、簡便な
操作で表面硬度、耐磨耗性、耐擦傷性、耐候性、耐汚染
性等の表面性状に優れた特性を有する被覆合成樹脂成形
品及びその製造法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来技術
の問題点に鑑みて、合成樹脂成形品表面に塗布するコー
ティング材料について鋭意検討を行なった結果、上記目
的を達成しうる被覆合成樹脂成形品が得られることを見
いだし、本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明は、全側鎖有機基のうち50〜
99.9モル%がメチル基であり、0.1〜25モル%がビニル
基またはビニル基を置換基として有する有機基であり、
残余の基は炭素原子数2以上を有するアルキル基または
置換もしくは非置換フェニル基、あるいは末端基と同じ
水酸基またはアルコキシ基であるポリメチルシルセスキ
オキサンとビニルモノマーとの共重合体樹脂またはこの
樹脂を含有する組成物の硬化体からなる被覆層を有する
ことを特徴とする合成樹脂成形品に関する。
【0008】また、本発明は、合成樹脂成形品の表面
に、全側鎖有機基のうち50〜99.9モル%がメチル基であ
り、0.1 〜25モル%がビニル基またはビニル基を置換基
として有する有機基であり、残余の基は炭素原子数2以
上を有するアルキル基または置換もしくは非置換フェニ
ル基、あるいは末端基と同じ水酸基またはアルコキシ基
であるポリメチルシルセスキオキサンとビニルモノマー
との共重合体樹脂またはこの樹脂を含有する組成物の溶
液をコーティングし、溶剤の揮発と三次元硬化を行なう
ことを特徴とする合成樹脂成形品の製造方法に関する。
【0009】本発明の合成樹脂成形品を構成する合成樹
脂としては、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、
メタクリル樹脂、AS樹脂、ABS 樹脂、ポリプロピレン樹
脂、ポリエステル樹脂、ナイロン樹脂、ポリアセタール
樹脂、ポリスチレン樹脂、ノリル樹脂、PBT 樹脂等の汎
用合成樹脂が例示される。特に本発明は、本発明のポリ
メチルシルセスキオキサンを分子構造中に有するビニル
共重合体樹脂またはこの樹脂を用いた組成物の硬化体か
らなる被覆層が極めて透明性が高いだけでなく、被覆す
ることにより、もともとの合成樹脂の透明性より一段高
い透明性が実現しうるため、ポリカーボネート樹脂、塩
化ビニル樹脂、メタクリル樹脂、AS樹脂、ポリスチレン
等の透明性が要求される樹脂に特に有効に適用しうる。
【0010】本発明において用いられるポリメチルシル
セスキオキサンを分子構造中に有するビニル共重合体樹
脂とは、側鎖有機基のうち、少なくとも一分子あたり一
個のビニル基またはビニル基を置換基とする有機基を含
むようなポリメチルシルセスキオキサンとビニルモノマ
ーとの共重合体樹脂である。分子量はジェルパーミエー
ションクロマトグラフィー(GPC) 装置と標準分子量物質
とを用いて測定される数平均分子量(Mn)で3,000〜
500,000、好ましくは10,000〜100,0
00である。分子量が低過ぎると、コーティング時の表
面平滑性が悪くなり、硬化被膜の耐溶剤性も悪くなる。
また、分子量が高過ぎると高粘度となり、塗布作業性に
悪い影響が出てくる。
【0011】本発明の共重合体樹脂中に占めるポリオル
ガノシルセスキオキサンは、1〜50重量%、好ましく
は2〜40重量%である。少なすぎると、表面硬度、耐
候性等の改質が不充分となり、多すぎるともろく、基材
変形への追随性が悪くなる。
【0012】本発明において用いられるポリメチルシル
セスキオキサンは次のような構造を有するものが本発明
の目的に特に有効である。即ち、全側鎖有機基のうち50
〜99.9モル%がメチル基であり、0.1 〜25モル%がビニ
ル基またはビニル基を置換基として有する有機基であ
り、残余の基は炭素原子数2以上を有するアルキル基ま
たは置換もしくは非置フェニル基、あるいは末端基と同
じ水酸基またはアルコキシ基であるような、ポリメチル
シルセスキオキサンとビニルモノマーとの共重合体樹脂
である。全側鎖有機基のうちメチル基が50モル%以下で
は本発明の被覆層の表面硬度、耐磨耗性、耐擦傷性、耐
候性等が不十分となり、また99.9モル%以上ではビニル
基またはビニル基を置換基として有する有機基が相対的
に少なくなり、ビニル共重合体樹脂の主鎖及び/ または
側鎖への導入が不充分となる結果、耐久性、耐汚染性等
への悪影響が生じる。ビニル基またはビニル基を置換基
として有する有機基が25モル%以上では、ビニル共重合
体樹脂を製造するに際してゲル化しやすい難点がある
他、製造できても被膜硬度は高いが、脆く、変形や衝撃
に対する追随性の面で問題が生じる。
【0013】本発明におけるポリメチルシルセスキオキ
サンにおいて、側鎖のメチル基、ビニル基またはビニル
基を置換基として有する有機基以外の残余の基は、炭素
原子数2個以上を有するアルキル基あるいは置換または
非置換フェニル基であり、これらは硬度、耐久性に対し
てはメチル基のそれよりは劣るため、なるべく少なく止
めるほうが望ましい。
【0014】本発明で用いられるビニル基またはビニル
基を置換基として有する有機基を有するポリメチルシル
セスキオキサンの側鎖及び/ または末端の水酸基及び/
またはアルコキシ基をトリメチルシリル化することによ
り、本発明で用いられるポリメチルシルセスキオキサン
を分子構造中に有するビニル共重合体樹脂の安定性を更
に高めて使用することも可能である。
【0015】本発明におけるポリメチルシルセスキオキ
サンと共重合せしめるビニルモノマーとしては以下のよ
うなものが例示しうる。無論本発明はこれらの例示モノ
マーになんら限定されるものではない。アクリル酸メチ
ル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリ
ル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロピ
ル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル
酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシ
ル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸ラウリル、アク
リル酸ステアリル、メタクリル酸ステアリル等のアクリ
ル酸もしくはメタクリル酸と炭素原子数1〜22の一価
アルコールとのエステル;スチレン、ビニルトルエン、
α−メチルスチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、
塩化ビニル等のその他のビニルモノマー。
【0016】また本発明においてコーティング膜を三次
元硬化せしめるためには、ビニルモノマーの一部とし
て、次の様な架橋性反応基を有するビリルモノマーを共
重合させて用いることができる。アクリル酸ヒドロキシ
エチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒ
ドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、
等のアルコール性水酸基含有ビニルモノマー;アクリル
酸、メタクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸等のカ
ルボキシル基含有ビニルモノマー;アクリル酸グリシジ
ル、メタクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有ビニル
モノマー;アクリルアミド、メタクリルアミド、N-メチ
ロールアミド、N-メチロールメタクリルアミド等のアミ
ド基含有ビニルモノマー;ジメチルアミノエチルメタク
リレート、2−ジエチルアミノエチルメタクリレート、
メタクリル酸tertブチルアミノエチル等のアミン系ビニ
ルモノマー;ビニルスルホン酸、ビニルスルホニルクロ
ライド等のスルホン酸基、クロルスルホン酸基含有ビニ
ルモノマー;その他メルカプト基、アミドオキシム基、
アルデヒド基、アセチルアセトナート基含有ビニルモノ
マー等。
【0017】本発明のポリメチルシルセスキオキサンを
分子構造に有するビニル共重合体樹脂を三次元硬化させ
るには、上記の架橋性反応基と反応して架橋を生成する
ような架橋剤との組成物としてコーテイングした後、所
定の硬化条件で硬化させることができる。硬化方法とし
ては常温硬化、加熱硬化、光重合等一般に用いられてい
る方法を使用することが可能であり、その場合、それぞ
れの硬化方法に適した開始剤、触媒、助剤をを併用して
硬化を促進することができる。
【0018】特に、本発明においては、加熱硬化をおこ
なうことができるため、光重合等が不適当な場合には極
めて好都合であり、さらに耐候性等の向上が可能とな
る。加熱硬化の条件は、反応形式により異なるが、例え
ば常温程度で2〜3時間、80℃で20分間、200℃
で60秒間など各種の条件が適用しうる。
【0019】また上記のような樹脂または樹脂組成物を
合成樹脂成形品の表面にコーティングするに際しては、
各種の溶剤を使用することができる。溶剤としてはプロ
パノール、ブタノール等のアルコール、メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類、セロ
ソルブアセテート、メチルセロソルブのようなエーテル
類、酢酸エチル、酢酸ブチルのようなエステル類、トル
エン、キシレンのような芳香族炭化水素類等が挙げられ
る。勿論これらの溶剤は二種以上を混合して使用しても
よい。
【0020】本発明において、合成樹脂成形品の表面
に、ポリメチルシルセスキオキサンを分子構造中に有す
るビニル共重合体樹脂またはこの樹脂を用いた組成物の
溶液をコーティングする方法としては、スプレーコーテ
ィング、ロールコーティング、ディッピング、フローコ
ーティング等一般に使用されているコーティング方式を
採用することができる。
【0021】本発明において、上記のような樹脂または
樹脂組成物の溶液を合成樹脂成形品の表面にコーティン
グするに際しては、直接コーティングしても密着性、透
明性の良好なものが得られるが、勿論更に密着性を高め
るために、あるいは溶剤による白化があって、透明性が
損なわれるような場合には、合成樹脂成形品の表面に予
めプライマー処理してから、本発明の樹脂溶液をコーテ
ィング、三次元硬化せしめることも可能である。
【0022】本発明のポリメチルシルセスキオキサン構
造を有するビニル共重合体樹脂には、増量材、増粘材、
着色顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、レベリング剤、
消泡剤等を加えた樹脂組成物として使用することもでき
る。
【0023】本発明による表面性状が改良された合成樹
脂成形品は、成型材料、シート類、フィルム類等、幅広
い形態で使用することができる。またこれらの用途も、
家電製品、土木・建築用途、車両、機械類等、広範な展
開が期待しうる。
【0024】
【実施例】以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体
的に説明するが、本発明は下記の例に限定されるもので
はない。なお、実施例及び比較例中の各物性値は下記の
方法に従って測定した。
【0025】[表面硬度]塗料用鉛筆引っかき試験機を用
いて、JIS K5401 に準じて測定した。 [透明性]ヘーズメーターを使用し、 JIS K7105に準じて
光線透過率を測定した。
【0026】[耐候性]JIS B7753の規定に従い、カーボ
ンアークサンシャインウエザーメーター試験を行なっ
た。2000時間後の試験体の表面を観察し、試験前の物と
比較観察して評価した。また実施例及び比較例中に用い
たビニル基を有するポリメチルシルセスキオキサンは次
のようにして合成した。
【0027】[メタクリル反応性ポリメチルシルセスキ
オキサンの合成]温度計、攪拌装置、還流冷却器を取付
けた2 リットルのフラスコに、γ- メタクリロキシルプ
ロピルトリメトキシシラン 50g(0.2 モル) 、メチルト
リエトキシシラン 445g(2.5モル) フェニルトリメト
キシシラン20g(0.1 モル) アセトン200g、 塩酸0.02
モル、水 54g(3 モル) を仕込み、フラスコ内の温度を
60℃まで昇温し、攪拌しながら3 時間保持した。続いて
70℃に昇温して1 時間反応させた後、KOH 0.03モルを滴
下し、更に2 時間反応させた後中和し、水、トルエンを
用いて水洗後、ロータリーエバポレーターを使用して溶
剤、水等を除去したところ、25℃の粘度が1450cps の粘
稠な液体が定量的に得られた。このもののGPC 曲線は単
一のピークとなり、モノマーに由来する残存ピークは全
く見られない。従って、モノマーは完全に共縮合してい
ると見られ、側鎖のメチル基、γ- メタクリロキシプロ
ピル基、フェニル基のモル比は原料モル比に由来し、2
5:2:1であった。またこのものはGPC による分子量
(Mn) は3200であった。これをポリマーA−1とする。
【0028】[ポリメチルシルセスキオキサンを分子構
造中に有するビニル共重合体樹脂の合成]温度計、攪拌
装置、還流冷却器を取付けた2リットルのフラスコに、
以下の組成物を入れ、窒素気流中、還流しながら(85
℃) 5時間反応せしめたところ、GPCによる反応率は
97%となった。 ポリマーA−1 25 重量部 メタクリル酸メチル 18 重量部 メタクリル酸ブチル 11 重量部 アクリル酸2−エチルヘキシル 9 重量部 メタクリル酸ヒドロキシエチル 15 重量部 メタクリル酸 2 重量部 t-ブチルドデカンチオール 2 重量部 アゾビスイソブチロニトリル 1 重量部 酢酸ブチル 80 重量部 こうして数平均分子量21000 、重量平均分子量98000 の
ポリマーA−2が得られた。
【0029】また比較のためにポリマーA−1合成にお
ける原料アルコキシシランの反応モル比を変更する以外
はポリマーA−1と同様な操作、処方によりメチル基、
γ−メタクリロキシプロピル基、フェニル基のモル比が
12:2:14であるようなポリメチルシルセスキオキ
サンを得た。このものは25℃における粘度は 1400cpsで
あり、蒸気圧測定による分子量は2500であった。このポ
リマーをB−1とする。
【0030】またポリマーA−2合成における原料ポリ
マーA−1をB−1に変更する以外はポリマーA−2と
同様な操作、処方により、ラジカル重合を行なったとこ
ろ、数平均分子量19000 、重量平均分子量93000 のポリ
マーB−2が得られた。
【0031】更に比較のためにポリマーA−1合成にお
ける原料アルコキシシランの反応モル比を変更する以外
はポリマーA−1と同様な操作、処方によりメチル基、
γ−メタクリロキシプロピル基、フェニル基のモル比が
16:10: 2であるようなポリメチルシルセスキオキ
サンを得た。このものは25℃における粘度は 1700cpsで
あり、蒸気圧測定による分子量は3800であった。これを
ポリマーC−1とする。
【0032】またポリマーA−2合成における原料ポリ
マーA−1をC−1に変更する以外はポリマーA−2と
同様な操作、処方により、ラジカル重合を行なったとこ
ろ、反応開始後30分でゲル化を生じたので以後のテスト
は中止した。
【0033】実施例1 下記の成分を均一に混合し、ポリカーボネート樹脂板(
厚み5mm)表面にロールコーターを用いてコーティングし
た後、80℃で30分間キュアーを行なったところ、極めて
透明で密着性の良好な、厚み15ミクロンの被膜が得られ
た。 ポリマーA−2 40重量部 ポリイソシアヌレート(住友バイエル社製 N-3500) 10重量部 酢酸ブチル 50重量部 この硬化被膜の表面鉛筆硬度、光線透過率及び耐候性の
データを表1に示す。
【0034】比較例 1 実施例1におけるポリマーA−2をポリマーB−2とす
る以外は、 実施例1と同様な操作、処方により、ポリ
カーボネート樹脂板( 厚み5mm)表面に透明で密着性の良
好な、厚み15ミクロンの被膜が得た。この硬化被膜の表
面鉛筆硬度、光線透過率及び耐候性のデータを表1に示
す。
【0035】実施例2 実施例1のポリカーボネート樹脂板にかえて、メタクリ
ル樹脂真空成形体の表面に実施例1の樹脂溶液をスプレ
ーコーティング後、80℃で30分間キュアーを行なったと
ころ、極めて透明で密着性の良好な、厚み20ミクロンの
被膜が得られた。この硬化被膜の表面鉛筆硬度、光線透
過率及び耐候性のデータを表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】実施例3 下記の成分を均一に混合し、ポリエステル樹脂フィルム
( 厚み200 ミクロン)表面にディップコーティングした
後、160 ℃で3 分間キュアーを行なったところ、極
めて透明で密着性の良好な、厚み8 ミクロンの被膜が得
られた。 ポリマーA−2 42重量部 ブチル化メラミン 18重量部 酢酸ブチル 50重量部 パラトルエンスルホン酸 0.2重量部 この硬化被膜は耐マジック汚染性に極めて優れた性質を
示し、赤マジックで印したマークが24時間後に、ティッ
シュペーパーで擦るだけで完全にふきとることができ
た。
【0038】
【発明の効果】本発明の効果被膜を表面に複合した合成
樹脂成形品は、合成樹脂成形品では実現困難な優れた表
面特性、例示するならば、表面硬度、耐磨耗性、耐擦傷
性、耐候性、耐汚染性、透明性を有するため、家電製
品、スポーツ用品、土木、建築、車両等の幅広い分野に
おいて、広範な応用展開が期待しうる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 全側鎖有機基のうち50〜99.9モル%がメ
    チル基であり、0.1〜25モル%がビニル基またはビニル
    基を置換基として有する有機基であり、残余の基は炭素
    原子数2以上を有するアルキル基または置換もしくは非
    置換フェニル基、あるいは末端基と同じ水酸基またはア
    ルコキシ基であるポリメチルシルセスキオキサンとビニ
    ルモノマーとの共重合体樹脂またはこの樹脂を含有する
    組成物の硬化体からなる被覆層を有することを特徴とす
    る合成樹脂成形品。
  2. 【請求項2】 合成樹脂成形品の表面に、全側鎖有機基
    のうち50〜99.9モル%がメチル基であり、0.1 〜25モル
    %がビニル基またはビニル基を置換基として有する有機
    基であり、残余の基は炭素原子数2以上を有するアルキ
    ル基または置換もしくは非置換フェニル基、あるいは末
    端基と同じ水酸基またはアルコキシ基であるポリメチル
    シルセスキオキサンとビニルモノマーとの共重合体樹脂
    またはこの樹脂を含有する組成物の溶液をコーティング
    し、溶剤の揮発と三次元硬化を行なうことを特徴とする
    合成樹脂成形品の製造方法。
JP5186415A 1993-07-28 1993-07-28 表面性状が改良された合成樹脂成形品及びその製造方法 Pending JPH0741583A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11537035B2 (en) 2018-09-10 2022-12-27 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Light source apparatus and projection-type image display apparatus
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