JPH0741491Y2 - 寄せ縁付移動自在の柔道床 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、主に柔道の練習や試合
を行う場合に用いられる畳の下に配設される寄せ縁付移
動自在の柔道床に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、柔道場においては床の下にスプリ
ングを予め配置し、その上に畳を敷いている。しかし、
床の下にスプリングを配置すると、一部で発生した振動
が道場の床全面に広がってしまうので、足元が上下動し
て技を掛ける妨げとなり、落下した後の反撥が大きいの
で負傷の原因となる等の不具合がある。そこで、柔道場
の床の下にスプリングを配置せずに、柔道場の床の上に
クッション部材としてのマット等を敷いてその上に畳を
置くこともできるが、マット等は重くて持ち運びに不便
であり、また保管して置く場合は嵩張るという不具合が
ある。また、柔道の練習や試合中に前記クッション部材
や畳が移動するのを防止するために床に孔や切欠等を穿
設して、これら孔や切欠等にクッション部材や畳の移動
を阻止する移動阻止具を挿入しているが、床に予め孔や
切欠等を穿設する必要があり、柔道場等の床取り付け工
事が煩雑になると共に床の美的外観を低下させるという
不具合がある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】本考案は上記事実に鑑
みなされたものであり、軽量かつ嵩張らないでしかも配
設及び取り外しが簡単であると共に柔道場等の床の美観
を低下させることのない寄せ縁付移動自在の柔道床を提
供することである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】請求項１の考案は、畳の
下に敷かれる複数の板状のクッション体と、これらクッ
ション体に横方向に向かって突設される先端部が基端部
より幅広の第１の突起部と、前記クッション体に形成さ
れ隣り合うクッション体の第１の突起部が嵌合する第１
の凹部と、前記クッション体の周囲に配設されクッショ
ン体の上面より高く立ち上がりクッション体に載置され
た畳の横方向の移動を阻止する畳寄せ縁と、この畳寄せ
縁に横方向に向かって突設され前記クッション体の第１
の凹部に嵌合する先端部が基端部より幅広の第２の突起
部と、前記畳寄せ縁に形成され前記クッション体の第１
の突起部が嵌合する第２の凹部と、を有することを特徴
としている。

【０００５】

【作用】請求項１に係るクッション体同士を結合させる
場合は、クッション体の横に別のクッション体を置く場
合、第１の突起部と第１の凹部が互いに対応するような
状態にする。これにより、前記第１の突起部と前記第１
の凹部とを嵌合させることができる。しかも、第１の突
起部は先端部は長円状で、基端部は矩形状のため先端部
が基端部より幅広に形成されている。また、第１の凹部
の先端部も長円状で、基端部も矩形状のため、先端部が
基端部より幅広に形成されている。このため、嵌合する
と横方向の移動では外れることはない。次に、連結され
た前記クッション体の周囲に畳寄せ縁を配設する場合も
前記クッション体の第１の突起部と畳寄せ縁の第２の凹
部が、前記クッション体の第１の凹部と畳寄せ縁の第２
の突起部が、それぞれ対応するように配設する。そし
て、クッション体の第１の突起部と畳寄せ縁の第２の凹
部が、前記クッション体の第１の凹部と畳寄せ縁の第２
の突起部をそれぞれ嵌合させることができる。しかも、
第２の突起部は先端部は長円状で、基端部は矩形状のた
め先端部が基端部より幅広に形成されている。また、第
２の凹部の先端部も長円状で、基端部も矩形状のため、
先端部が基端部より幅広に形成されている。このため、
クッション体と畳寄せ縁が嵌合すると横方向の移動では
外れることはない。また、クッション体の上に畳を載置
すると畳寄せ縁はクッション体より高く立ち上がるので
畳は横方向に移動することを阻止される。従って、柔道
の練習や試合中に畳の移動を阻止するために柔道場等の
床に穿設された孔や切欠に挿入する移動阻止具を用いる
ことはないため、床に孔や切欠等を穿設することはない
ので、床の美観を低下させることもない。

【０００６】

【実施例】図１乃至図４には、本考案に係る寄せ縁付移
動自在の柔道床（１０）の一実施例が示されている。図
３に示すように、畳（１２）の下に敷かれるクッション
体（１４）は発泡材料で板状に形成され、しかも上面部
（１４Ａ），中央部（１４Ｂ），裏面部（１４Ｃ）の三
層状に形成されている。前記上面部（１４Ａ），裏面部
（１４Ｃ）は中央部（１４Ｂ）に比べて硬く形成され、
これらは溶着等により一体形成されている。図１に示す
ように、クッション体（１４）の周縁には横方向に向か
って第１の突起部（１６）が突設されている。この第１
の突起部（１６）の先端部（１６Ａ）は長円状に形成さ
れ、基端部（１６Ｂ）は矩形状に形成されている。この
ため、前記先端部（１６Ａ）は前記基端部（１６Ｂ）よ
り幅広に形成されている。また、前記クッション体（１
４）の周縁にはクッション体（１４）の内側方向に向か
って窪む第１の凹部（１８）が切り欠き形成されてい
る。この第１の凹部（１８）の先端部（１８Ａ）は長円
状に、基端部（１８Ｂ）は矩形状に形成されている。し
かも、前記第１の突起部（１６）と前記第１の凹部（１
８）とは同一形状に形成されているため嵌合可能となっ
ている。従って、前記クッション体（１４）の第１の突
起部（１６）は隣り合うクッション体（１４）の第１の
凹部（１８）に嵌合し、また、クッション体（１４）の
第１の凹部（１８）には隣り合うクッション体（１４）
の第１の突起部（１６）が嵌合することにより、隣り合
うクッション体（１４）同士は連結されるようになって
いる。連結された前記クッション体（１４）の周囲には
畳寄せ縁（２０）が配設されるようになっている。この
畳寄せ縁（２０）は木枠（２２）の下部にゴム体（２
４）をボルト等の適宜結合手段を介して一体形成してな
るものである。図１及び図４に示すように前記ゴム体
（２４）には前記クッション体（１４）に形成された第
１の凹部（１８）に嵌合可能な第２の突起部（２６）が
突設されている。この第２の突起部（２６）は前記第１
の突起部（１６）と同一形状であり、先端部（２６Ａ）
は長円状に、基端部（２６Ｂ）は矩形状に形成されてい
る。このため、前記先端部（２６Ａ）は前記基端部（２
６Ｂ）より幅広に形成されている。また、ゴム体（２
４）には前記クッション体（１４）の第１の突起部（１
６）が嵌合可能な第２の凹部（２８）が切り欠き形成さ
れている。この第２の凹部（２８）は前記第１の凹部
（１８）と同一形状であり、先端部（２８Ａ）は長円状
に、基端部（２８Ｂ）は矩形状に形成されている。従っ
て、前記クッション体（１４）の第１の突起部（１６）
が畳寄せ縁（２０）の第２の凹部（２８）に嵌合し、前
記クッション体（１４）の第１の凹部（１６）に畳寄せ
縁（２０）の第２の突起部（２６）が嵌合することによ
り、クッション体（１４）と畳寄せ縁（２０）とは結合
して結合された複数のクッション体（１４）の周囲に畳
寄せ縁（２０）が位置することになる。この結果、クッ
ション体（１４）の上に畳（１２）を載置し、畳（１
２）上で柔道を行うことにより畳（１２）に横方向への
力が作用しても前記畳寄せ縁（２０）により畳（１２）
が横方向へ移動するようなことはない。

【０００７】次に、実施例の作用を説明する。クッショ
ン体（１４）同士を結合させる場合は、まず任意のクッ
ション体（１４）を柔道場の床の上に置く。そして、そ
の横に別のクッション体（１４）を運んできて、第１の
突起部（１６）と第１の凹部（１８）が互いに対応する
ようにしてから、そのクッション体（１４）を床に降ろ
せば、前記第１の突起部（１６）と前記第１の凹部（１
８）とは円滑に嵌合する。しかも、第１の突起部（１
６）の先端部（１６Ａ）は長円状で基端部（１６Ｂ）は
矩形状に、第１の凹部（１８）の先端部（１８Ａ）も長
円状で、基端部（１８Ｂ）も矩形状に形成されているの
で、第１の突起部（１６）と前記第１の凹部（１８）と
が嵌合すると横方向の移動では外れることはない。これ
により、複数のクヅション体（１４）を連続状態で連結
することができる。次に、連結された前記クッション体
（１４）の周囲に畳寄せ縁（２０）を配設する場合は、
畳寄せ縁（２０）の第２の突起部（２６）をクッション
体（１４）の第１の凹部（１８）と、畳寄せ縁（２０）
の第２の凹部（２８）とクッション体（１４）の第１の
突起部（１６）とを、それぞれ対応させる。そして、畳
寄せ縁（２０）を降ろして、畳寄せ縁（２０）の第２の
突起部（２６）とクッション体（１４）の第１の凹部
（１８）を、畳寄せ縁（２０）の第２の凹部（２８）と
クッション体（１４）の第１の突起部（１６）を嵌合さ
せて、複数のクッション体（１４）の周囲に畳寄せ縁
（２０）を連結して配設することができる。従って、本
考案ではクッション体（１４）同士を連結する場合は前
記第１の突起部（１６）と前記第１の凹部（１８）とを
嵌合するだけで、クッション体（１４）同士は横方向に
離間することを阻止でき、クッション体（１４）と畳寄
せ縁（２０）を連結する場合は前記第１の突起部（１
６）と前記第２の凹部（２８）とを嵌合させ、前記第２
の突起部（２６）と前記第１の凹部（１８）とを嵌合さ
せするだけで、クッション体（１４）と畳寄せ縁（２
０）の横方向に離間することを阻止できる。これによ
り、寄せ縁付移動自在の柔道床（１０）の配設が終了
し、後はクッション体（１４）の上に畳（１２）を載置
すればよい。しかも、前記第１の突起部（１６）の先端
部（１６Ａ）は前記基端部（１６Ｂ）より幅広に形成さ
れ、前記第２の突起部（２６）の先端部（２６Ａ）は前
記基端部（２６Ｂ）より幅広に形成されているので、ク
ッション体（１４）同士が離れたりクッション体（１
４）と畳寄せ縁（２０）が離れたりすることを防止でき
る。また、畳寄せ縁（２０）の高さはクッション体（１
４）の上面より高いので、クッション体（１４）に載置
された畳（１２）が横方向に移動することを阻止され
る。なお、クッション体（１４）は発泡体で形成され、
畳寄せ縁（２０）の底はゴム体（２４）で形成されてい
るので、床に寄せ縁付移動自在の柔道床（１０）を配設
しても床に傷が付くことはない。また、寄せ縁付移動自
在の柔道床（１０）を取り外す場合は、まず畳寄せ縁
（２０）を持ち上げれば畳寄せ縁（２０）の第２の突起
部（２６）とクッション体（１４）の第１の凹部（１
８）の嵌合が、畳寄せ縁（２０）の第２の凹部（２８）
とクッション体（１４）の第１の突起部（１６）の嵌合
が解除されて、畳寄せ縁（２０）とクッション体（１
４）を分離できる。そして、隣り合うクッション体（１
４）のどちらか一方を上方に持ち上げれば第１の突起部
（１６）と第１の嵌合部（１８）との嵌合が解除され
て、クッション体（１４）の連結を解除できる。従っ
て、寄せ縁付移動自在の柔道床（１０）は、クッション
体（１４）と畳寄せ縁（２０）とに分解でき、寄せ縁付
移動自在の柔道床（１０）を取り外す場合は寄せ縁付移
動自在の柔道床（１０）をコンパクトにでき、保管する
場合にも嵩張ることはない。また、クッション体（１
４）の１枚の大きさは、畳１枚分の大きと同じで、しか
も発泡部材で形成されているため、クッション体（１
４）は軽量となり持ち運びに便利である。しかも、本考
案においてはクッション体（１４）と連結される畳寄せ
縁（２０）があるので、柔道の練習や試合中に畳（１
２）の移動を阻止するために柔道場等の床に孔や切欠を
穿設して畳（１２）の移動を阻止する移動阻止具を必要
としない。これにより、床に孔や切欠等を穿設すること
はないので、床の美観を低下させることもない。

【０００８】なお、実施例ではクッション体（１４）の
大きさを畳（１２）の大きさと同じにしたが、これに限
定されるものではなく、クッション体（１４）の大きさ
を畳（１２）の大きさより大きくあるいは小さくしても
よいことは勿論である。

【０００９】

【考案の効果】以上説明した如く、本考案に係る寄せ縁
付移動自在の柔道床は、軽量でしかも嵩張ることがない
ので、配設及び取り外しが便利であると共に床の美的外
観を低下させることがないという優れた効果を有する。
また、クッション体に突設された第１の突起部と畳寄せ
縁に突設された第２の突起部は先端部が基端部より幅広
に形成されているので、緊締部材等を用意しなくても、
クッション体同士あるいはクッション体と畳寄せ縁は横
方向に不用意に離間することを防止できるという優れた
効果を有する。更に、畳寄せ縁はクッション体の上面よ
りも高く突設されているので、畳が横方向に移動するの
を阻止できるという優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る寄せ縁付移動自在の柔道床の一部
分解斜視図である。

【図２】本考案に係る寄せ縁付移動自在の柔道床の一部
平面図である。

【図３】本考案に係る寄せ縁付移動自在の柔道床の一部
断面図である。

【図４】本考案に係る寄せ縁付移動自在の柔道床の畳寄
せ縁の一部底面図である。

【符号の説明】

（１０）・・・寄せ縁付移動自在の柔道床 （１４）・・・クッション体 （１６）・・・第１の突起部 （１８）・・・第１の凹部 （２０）・・・畳寄せ縁 （２６）・・・第２の突起部 （２８）・・・第２の凹部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 畳の下に敷かれる複数の板状のクッショ
   ン体と、これらクッション体に横方向に向かって突設さ
   れる先端部が基端部より幅広の第１の突起部と、前記ク
   ッション体に形成され隣り合うクッション体の第１の突
   起部が嵌合する第１の凹部と、前記クッション体の周囲
   に配設されクッション体の上面より高く立ち上がりクッ
   ション体に載置された畳の横方向の移動を阻止する畳寄
   せ縁と、この畳寄せ縁に横方向に向かって突設され前記
   クッション体の第１の凹部に嵌合する先端部が基端部よ
   り幅広の第２の突起部と、前記畳寄せ縁に形成され前記
   クッション体の第１の突起部が嵌合する第２の凹部と、
   を有することを特徴とする寄せ縁付移動自在の柔道床。