JPH0740693A - 電子部品構成物内蔵インモールド品 - Google Patents
電子部品構成物内蔵インモールド品Info
- Publication number
- JPH0740693A JPH0740693A JP5188225A JP18822593A JPH0740693A JP H0740693 A JPH0740693 A JP H0740693A JP 5188225 A JP5188225 A JP 5188225A JP 18822593 A JP18822593 A JP 18822593A JP H0740693 A JPH0740693 A JP H0740693A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin layer
- electronic component
- mold
- built
- thin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Credit Cards Or The Like (AREA)
- Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)
- Encapsulation Of And Coatings For Semiconductor Or Solid State Devices (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 長繊維強化樹脂層中に電子部品構成物をイン
モールド一体成形してなる電子部品構成物内蔵インモー
ルド品において、電子部品部とインモールド品表面との
間の薄肉樹脂層での成形前プリプレグシート枚数n/樹
脂層厚みtと、該薄肉樹脂層以外の厚肉樹脂層でのn/
tとの比(C1/C2)が2.1 以下であることを特徴とする
電子部品構成物内蔵インモールド品。 【効果】 従来提案されているコンパクト化可能で、強
固で、且つ製造工程低減可能である電子部品構成物内蔵
インモールド品に比し、表面にシワが少なくて平面平滑
性に優れているので、インモールド品表面に転写印刷等
を施す場合の如く平面平滑性が要求される場合に好適に
用いることができる。
モールド一体成形してなる電子部品構成物内蔵インモー
ルド品において、電子部品部とインモールド品表面との
間の薄肉樹脂層での成形前プリプレグシート枚数n/樹
脂層厚みtと、該薄肉樹脂層以外の厚肉樹脂層でのn/
tとの比(C1/C2)が2.1 以下であることを特徴とする
電子部品構成物内蔵インモールド品。 【効果】 従来提案されているコンパクト化可能で、強
固で、且つ製造工程低減可能である電子部品構成物内蔵
インモールド品に比し、表面にシワが少なくて平面平滑
性に優れているので、インモールド品表面に転写印刷等
を施す場合の如く平面平滑性が要求される場合に好適に
用いることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子部品構成物内蔵イ
ンモールド品に関し、詳細には、IC等の電子部品を組合
せ、発振、受信、演算、記憶等の1以上の機能を発現す
る構成物(以降、電子部品構成物という)を長繊維強化
樹脂層中にインモールド(埋め込み)一体成形して内蔵
させてなる電子部品構造物内蔵インモールド品に関す
る。
ンモールド品に関し、詳細には、IC等の電子部品を組合
せ、発振、受信、演算、記憶等の1以上の機能を発現す
る構成物(以降、電子部品構成物という)を長繊維強化
樹脂層中にインモールド(埋め込み)一体成形して内蔵
させてなる電子部品構造物内蔵インモールド品に関す
る。
【0002】
【従来の技術】電気・電子機器においてIC等電子部品を
機器内に固定する方法として、IC等を実装したプリント
配線基板を機器のハウジングの内面に予め形成されたボ
ス内のナットにボルトを用いて固定する方法(以降、ボ
ルト固定法という)、ICモジュールを接着剤により機器
のハウジング内面に接着する方法(以降、接着固定法と
いう)、予め機器のハウジング内面にくぼみを形成し、
接着剤を塗布したICモジュールを上記くぼみ内に装着
し、熱溶着する方法(以降、熱溶着固定法という)等が
用いられている。又、上記機器のハウジング材料として
は、 ABS樹脂、塩化ビニール樹脂等の樹脂や、これらの
樹脂にガラス繊維を複合してなるガラス繊維強化樹脂(F
RP) が一般的に用いられている。
機器内に固定する方法として、IC等を実装したプリント
配線基板を機器のハウジングの内面に予め形成されたボ
ス内のナットにボルトを用いて固定する方法(以降、ボ
ルト固定法という)、ICモジュールを接着剤により機器
のハウジング内面に接着する方法(以降、接着固定法と
いう)、予め機器のハウジング内面にくぼみを形成し、
接着剤を塗布したICモジュールを上記くぼみ内に装着
し、熱溶着する方法(以降、熱溶着固定法という)等が
用いられている。又、上記機器のハウジング材料として
は、 ABS樹脂、塩化ビニール樹脂等の樹脂や、これらの
樹脂にガラス繊維を複合してなるガラス繊維強化樹脂(F
RP) が一般的に用いられている。
【0003】ところが、上記固定方法には下記の如き問
題点がある。即ち、ボルト固定法では、少なくともプリ
ント配線基板の固定に必要なスペースを該基板とハウジ
ングとの間に設ける必要があるので、機器のコンパクト
化を図り難い。これに対し、接着固定法及び熱溶着固定
法では、固定に必要なスペースは少なくてよいので機器
のコンパクト化が図り易いが、ハウジングが撓んだ際に
IC等の部品とハウジング材の弾性率の相違に起因して固
着部(接着部又は熱溶着部)近傍に応力が働き、部品の
剥離やICリード線の切断等が生じ易いという問題点があ
る。更には、上記いづれの固定方法も、ICやICリード線
を水分等の湿気、腐食性ガス、薬品などから保護するた
めにモジュール表面を封止樹脂により被覆する必要があ
る。又、少なくともハウジング成型工程と実装基板等の
固定工程とが必要であって製造工程が多く、その低減が
要望される。
題点がある。即ち、ボルト固定法では、少なくともプリ
ント配線基板の固定に必要なスペースを該基板とハウジ
ングとの間に設ける必要があるので、機器のコンパクト
化を図り難い。これに対し、接着固定法及び熱溶着固定
法では、固定に必要なスペースは少なくてよいので機器
のコンパクト化が図り易いが、ハウジングが撓んだ際に
IC等の部品とハウジング材の弾性率の相違に起因して固
着部(接着部又は熱溶着部)近傍に応力が働き、部品の
剥離やICリード線の切断等が生じ易いという問題点があ
る。更には、上記いづれの固定方法も、ICやICリード線
を水分等の湿気、腐食性ガス、薬品などから保護するた
めにモジュール表面を封止樹脂により被覆する必要があ
る。又、少なくともハウジング成型工程と実装基板等の
固定工程とが必要であって製造工程が多く、その低減が
要望される。
【0004】そこで、上記問題点を解消すべく検討が重
ねられ、その結果、電子部品構成物を長繊維強化樹脂層
中にインモールド一体成形して内蔵させてなる電子部品
構成物内蔵インモールド品が提案されている(特願平3-
345181号)。かかるインモールド品は、強化長繊維に樹
脂を含浸させてなる長繊維強化樹脂プリプレグを電子部
品構成物の両側又は片側に(周囲に)積層し、金型によ
り圧縮成形する方法により、製作される。このとき、長
繊維強化樹脂プリプレグは電子部品構成物を内蔵しなが
ら圧縮されると共に硬化し、長繊維強化樹脂層となる。
この長繊維強化樹脂層は強化長繊維及び樹脂を含んでい
る。上記インモールド品の一例を図4に示す。図4にお
いて1は長繊維強化樹脂層、2はプリント配線基板、3
はIC等の電子部品であり、ここで電子部品3は基板2に
実装されて電子部品構成物を構成している。
ねられ、その結果、電子部品構成物を長繊維強化樹脂層
中にインモールド一体成形して内蔵させてなる電子部品
構成物内蔵インモールド品が提案されている(特願平3-
345181号)。かかるインモールド品は、強化長繊維に樹
脂を含浸させてなる長繊維強化樹脂プリプレグを電子部
品構成物の両側又は片側に(周囲に)積層し、金型によ
り圧縮成形する方法により、製作される。このとき、長
繊維強化樹脂プリプレグは電子部品構成物を内蔵しなが
ら圧縮されると共に硬化し、長繊維強化樹脂層となる。
この長繊維強化樹脂層は強化長繊維及び樹脂を含んでい
る。上記インモールド品の一例を図4に示す。図4にお
いて1は長繊維強化樹脂層、2はプリント配線基板、3
はIC等の電子部品であり、ここで電子部品3は基板2に
実装されて電子部品構成物を構成している。
【0005】上記電子部品構成物内蔵インモールド品に
よれば、ハウジングを小さくできるので機器のコンパク
ト化が図り易く、又、撓み難く且つ強度に優れて強固で
あるので部品の剥離やICリード線の切断などが生じ難
く、更には、電子部品構成物を長繊維強化樹脂層中にイ
ンモールドすると共にハウジング形状に一体成形するこ
とにより製造し得るので、製造工程が大幅に低減され
る。
よれば、ハウジングを小さくできるので機器のコンパク
ト化が図り易く、又、撓み難く且つ強度に優れて強固で
あるので部品の剥離やICリード線の切断などが生じ難
く、更には、電子部品構成物を長繊維強化樹脂層中にイ
ンモールドすると共にハウジング形状に一体成形するこ
とにより製造し得るので、製造工程が大幅に低減され
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記従来の
電子部品構成物内蔵インモールド品においては、電子部
品構成物の電子部品部とインモールド品表面との間に位
置する薄肉樹脂層(例えば図3のR,S部)は、該薄肉
樹脂層以外の厚肉樹脂層(例えば図3のA部)に比し
て、厚みが極めて薄いので強化長繊維含有率が高く(即
ち局部的に高く)、そのため線膨張係数(以降、αとい
う)が大きく、薄肉樹脂層と厚肉樹脂層とでαが相違す
るため、これに起因して生じる以下のような問題点があ
る。
電子部品構成物内蔵インモールド品においては、電子部
品構成物の電子部品部とインモールド品表面との間に位
置する薄肉樹脂層(例えば図3のR,S部)は、該薄肉
樹脂層以外の厚肉樹脂層(例えば図3のA部)に比し
て、厚みが極めて薄いので強化長繊維含有率が高く(即
ち局部的に高く)、そのため線膨張係数(以降、αとい
う)が大きく、薄肉樹脂層と厚肉樹脂層とでαが相違す
るため、これに起因して生じる以下のような問題点があ
る。
【0007】即ち、インモールド品製作に際して前述の
如く金型による圧縮成形が行われるが、この成形後にイ
ンモールド品が金型から取り出され、冷却される時に、
上記αの相違(差)により、インモールド品の薄肉樹脂
層と厚肉樹脂層とで収縮量に差が生じる。そのためイン
モールド品表面にはシワが生じ、その程度によっては転
写印刷等をインモールド品表面に施す場合に要求される
平面平滑性を満足することができないことがある。特
に、内蔵される電子部品が厚い場合、上記薄肉樹脂層の
厚みが更に薄くなるので、上記の強化長繊維含有率の
差、引いてはαの差が大きくなり、従って、生じるシワ
の程度がひどくて平面平滑性を満足することができな
い。
如く金型による圧縮成形が行われるが、この成形後にイ
ンモールド品が金型から取り出され、冷却される時に、
上記αの相違(差)により、インモールド品の薄肉樹脂
層と厚肉樹脂層とで収縮量に差が生じる。そのためイン
モールド品表面にはシワが生じ、その程度によっては転
写印刷等をインモールド品表面に施す場合に要求される
平面平滑性を満足することができないことがある。特
に、内蔵される電子部品が厚い場合、上記薄肉樹脂層の
厚みが更に薄くなるので、上記の強化長繊維含有率の
差、引いてはαの差が大きくなり、従って、生じるシワ
の程度がひどくて平面平滑性を満足することができな
い。
【0008】本発明はこの様な事情に着目してなされた
ものであって、その目的は、前記従来の電子部品構成物
内蔵インモールド品の有する問題点を解消し、表面にシ
ワが少なくて平面平滑性に優れた電子部品構成物内蔵イ
ンモールド品を提供しようとするものである。
ものであって、その目的は、前記従来の電子部品構成物
内蔵インモールド品の有する問題点を解消し、表面にシ
ワが少なくて平面平滑性に優れた電子部品構成物内蔵イ
ンモールド品を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は次のような構成の電子部品構成物内蔵イ
ンモールド品としている。即ち、本発明に係る電子部品
構成物内蔵インモールド品は、長繊維強化樹脂プリプレ
グシートを電子部品構成物の周囲に積層して加圧するこ
とにより形成される長繊維強化樹脂層中に電子部品構成
物をインモールド一体成形してなる電子部品構成物内蔵
インモールド品において、前記電子部品構成物の電子部
品部とインモールド品表面との間に位置する薄肉樹脂層
での下記式により求められる指数C1 と、前記薄肉樹
脂層以外の厚肉樹脂層での下記式により求められる指
数C2 との比:C1/C2 が2.1 以下であることを特徴と
する電子部品構成物内蔵インモールド品である。 n1 /t1 =C1 ----- n2 /t2 =C2 ----- 但し、上記式、において、n1 は薄肉樹脂層での成
形前プリプレグシートの枚数、t1 は薄肉樹脂層の厚
み、n2 は厚肉樹脂層での成形前プリプレグシートの枚
数、t2 は厚肉樹脂層の厚みである。
めに、本発明は次のような構成の電子部品構成物内蔵イ
ンモールド品としている。即ち、本発明に係る電子部品
構成物内蔵インモールド品は、長繊維強化樹脂プリプレ
グシートを電子部品構成物の周囲に積層して加圧するこ
とにより形成される長繊維強化樹脂層中に電子部品構成
物をインモールド一体成形してなる電子部品構成物内蔵
インモールド品において、前記電子部品構成物の電子部
品部とインモールド品表面との間に位置する薄肉樹脂層
での下記式により求められる指数C1 と、前記薄肉樹
脂層以外の厚肉樹脂層での下記式により求められる指
数C2 との比:C1/C2 が2.1 以下であることを特徴と
する電子部品構成物内蔵インモールド品である。 n1 /t1 =C1 ----- n2 /t2 =C2 ----- 但し、上記式、において、n1 は薄肉樹脂層での成
形前プリプレグシートの枚数、t1 は薄肉樹脂層の厚
み、n2 は厚肉樹脂層での成形前プリプレグシートの枚
数、t2 は厚肉樹脂層の厚みである。
【0010】
【作用】本発明に係る電子部品構成物内蔵インモールド
品は、前記の如く、式により求められる薄肉樹脂層で
の指数C1 と、式により求められる厚肉樹脂層での指
数C2 との比:C1/C2 が2.1 以下であるので、この指
数比:C1/C2 に起因して表面にシワが少なくて平面平
滑性に優れている。
品は、前記の如く、式により求められる薄肉樹脂層で
の指数C1 と、式により求められる厚肉樹脂層での指
数C2 との比:C1/C2 が2.1 以下であるので、この指
数比:C1/C2 に起因して表面にシワが少なくて平面平
滑性に優れている。
【0011】即ち、樹脂層での成形前プリプレグシート
の枚数をn、該樹脂層の厚みをtとし、これらの比:n
/tを指数Cとすると、インモールド品成形の際のプリ
プレグの圧縮の程度と指数Cとは正比例の相関関係にあ
り、該圧縮の程度が大きいほどtが小さくなるので指数
Cは大きい。一方、該圧縮の程度と該圧縮の際にプリプ
レグから流れ出る樹脂量とは正比例の相関関係にあるの
で、該圧縮の程度と成形後の樹脂層中の強化長繊維含有
率とは正比例の相関関係にあり、該圧縮の程度が大きい
ほど樹脂層中の強化長繊維含有率は高い。故に、指数C
と樹脂層中の強化長繊維含有率とは正比例の相関関係に
あり、Cが大きいほど強化長繊維含有率が高く、その逆
にCが小さいほど強化長繊維含有率が低い。従って、指
数Cは樹脂層中の強化長繊維含有率の指標であり、各部
での指数Cの比は樹脂層中の強化長繊維含有率の比とな
るので、前記薄肉樹脂層での指数C1 と厚肉樹脂層での
指数C2 との比:C1/C2 は、薄肉樹脂層での強化長繊
維含有率と厚肉樹脂層での強化長繊維含有率との比に対
応する。
の枚数をn、該樹脂層の厚みをtとし、これらの比:n
/tを指数Cとすると、インモールド品成形の際のプリ
プレグの圧縮の程度と指数Cとは正比例の相関関係にあ
り、該圧縮の程度が大きいほどtが小さくなるので指数
Cは大きい。一方、該圧縮の程度と該圧縮の際にプリプ
レグから流れ出る樹脂量とは正比例の相関関係にあるの
で、該圧縮の程度と成形後の樹脂層中の強化長繊維含有
率とは正比例の相関関係にあり、該圧縮の程度が大きい
ほど樹脂層中の強化長繊維含有率は高い。故に、指数C
と樹脂層中の強化長繊維含有率とは正比例の相関関係に
あり、Cが大きいほど強化長繊維含有率が高く、その逆
にCが小さいほど強化長繊維含有率が低い。従って、指
数Cは樹脂層中の強化長繊維含有率の指標であり、各部
での指数Cの比は樹脂層中の強化長繊維含有率の比とな
るので、前記薄肉樹脂層での指数C1 と厚肉樹脂層での
指数C2 との比:C1/C2 は、薄肉樹脂層での強化長繊
維含有率と厚肉樹脂層での強化長繊維含有率との比に対
応する。
【0012】かかる比:C1/C2 を小さくすると、薄肉
樹脂層での強化長繊維含有率と厚肉樹脂層での強化長繊
維含有率との比が小さくなり、これら両者の強化長繊維
含有率の差が小さくなるので、薄肉樹脂層でのαと厚肉
樹脂層でのαとの差が小さくなる。このとき、かかる
比:C1/C2 が2.1 以下となるようにすると、薄肉樹脂
層でのαと厚肉樹脂層でのαとの差が小さく、前記イン
モールド品製作の際の圧縮成形後の冷却時の薄肉樹脂層
での収縮量と厚肉樹脂層での収縮量との差が、前記従来
のモールド品の場合よりも小さく、インモールド品表面
にはシワが現れ難い。従って、表面にシワが少なくて平
面平滑性に優れている。
樹脂層での強化長繊維含有率と厚肉樹脂層での強化長繊
維含有率との比が小さくなり、これら両者の強化長繊維
含有率の差が小さくなるので、薄肉樹脂層でのαと厚肉
樹脂層でのαとの差が小さくなる。このとき、かかる
比:C1/C2 が2.1 以下となるようにすると、薄肉樹脂
層でのαと厚肉樹脂層でのαとの差が小さく、前記イン
モールド品製作の際の圧縮成形後の冷却時の薄肉樹脂層
での収縮量と厚肉樹脂層での収縮量との差が、前記従来
のモールド品の場合よりも小さく、インモールド品表面
にはシワが現れ難い。従って、表面にシワが少なくて平
面平滑性に優れている。
【0013】尚、前記薄肉樹脂層での指数C1 と厚肉樹
脂層での指数C2 との比:C1/C2を2.1 超にすると、
薄肉樹脂層でのαと厚肉樹脂層でのαとの差が大きく、
インモールド品表面にシワが生じ易くなり、転写印刷等
をインモールド品表面に施す場合に要求される平面平滑
性を満足することができなくなる。従って、C1/C2を
2.1 以下としているのである。
脂層での指数C2 との比:C1/C2を2.1 超にすると、
薄肉樹脂層でのαと厚肉樹脂層でのαとの差が大きく、
インモールド品表面にシワが生じ易くなり、転写印刷等
をインモールド品表面に施す場合に要求される平面平滑
性を満足することができなくなる。従って、C1/C2を
2.1 以下としているのである。
【0014】本発明に係る電子部品構成物内蔵インモー
ルド品は、例えば次のようにして製作し得る。先ず、図
3の4a, 4cに示す如き長繊維強化樹脂プリプレグシー
ト、図3の4bに示す如き一部(電子部品3がはまる大き
さ)を切り抜いた長繊維強化樹脂プリプレグシート(4b)
を作製する。次に、このプリプレグシートを図3に示す
如く電子部品構成物の周囲に積層し、金型の中にセット
した後、下金型6及び上金型5により所定温度、所定面
圧力で圧縮して成形し、しかる後、成形品(インモール
ド品)を金型から取り出し冷却する。尚、この積層に際
し、プリプレグシート4cをプリント配線基板2の下側
に、プリプレグシート4aを電子部品3の上側に積層し、
これらプリプレグシート4c,4aの間に一部切り抜き(穴
開き)プリプレグシート4bを電子部品3にはめて積層す
る。
ルド品は、例えば次のようにして製作し得る。先ず、図
3の4a, 4cに示す如き長繊維強化樹脂プリプレグシー
ト、図3の4bに示す如き一部(電子部品3がはまる大き
さ)を切り抜いた長繊維強化樹脂プリプレグシート(4b)
を作製する。次に、このプリプレグシートを図3に示す
如く電子部品構成物の周囲に積層し、金型の中にセット
した後、下金型6及び上金型5により所定温度、所定面
圧力で圧縮して成形し、しかる後、成形品(インモール
ド品)を金型から取り出し冷却する。尚、この積層に際
し、プリプレグシート4cをプリント配線基板2の下側
に、プリプレグシート4aを電子部品3の上側に積層し、
これらプリプレグシート4c,4aの間に一部切り抜き(穴
開き)プリプレグシート4bを電子部品3にはめて積層す
る。
【0015】このような図3に例示する方法によれば、
インモールド品成形の際のプリプレグ4a,4b, 4cの圧縮
の程度に大きな差はないので、薄肉樹脂層(プリプレグ
4cから形成される樹脂層の中の電子部品3の上側に位置
する部分の樹脂層、及び、プリプレグ4aから形成される
樹脂層の中の基板2の下側に位置する部分の樹脂層)で
のC1(n1/t1)と該薄肉樹脂層以外の樹脂層(厚肉樹脂
層)でのC2(n2/t2)との差が小さくなり、C1/C2 :
2.1 以下のインモールド品が確実に得られる。即ち、プ
リプレグ4a,4b, 4cの圧縮の程度が略同等であるので、
薄肉樹脂層と厚肉樹脂層との両者の間でプリプレグから
流れ出る樹脂量に大きな差はなく、そのため該両者間で
成形後の樹脂層中強化長繊維含有率の大きな差はなく、
従って、C1 とC2 との差が小さく、C1/C2 が略1に
近くて確実に2.1 以下であり、表面にシワが極めて少な
くて平面平滑性に優れたインモールド品が得られる。
インモールド品成形の際のプリプレグ4a,4b, 4cの圧縮
の程度に大きな差はないので、薄肉樹脂層(プリプレグ
4cから形成される樹脂層の中の電子部品3の上側に位置
する部分の樹脂層、及び、プリプレグ4aから形成される
樹脂層の中の基板2の下側に位置する部分の樹脂層)で
のC1(n1/t1)と該薄肉樹脂層以外の樹脂層(厚肉樹脂
層)でのC2(n2/t2)との差が小さくなり、C1/C2 :
2.1 以下のインモールド品が確実に得られる。即ち、プ
リプレグ4a,4b, 4cの圧縮の程度が略同等であるので、
薄肉樹脂層と厚肉樹脂層との両者の間でプリプレグから
流れ出る樹脂量に大きな差はなく、そのため該両者間で
成形後の樹脂層中強化長繊維含有率の大きな差はなく、
従って、C1 とC2 との差が小さく、C1/C2 が略1に
近くて確実に2.1 以下であり、表面にシワが極めて少な
くて平面平滑性に優れたインモールド品が得られる。
【0016】
【実施例】前述の図3に例示の方法と同様の方法によ
り、本発明の実施例に係る電子部品構成物内蔵インモー
ルド品であって、C1/C2 :2.1 以下のものを複数個製
作した。このインモールド品の側断面図を図2に示す。
このインモールド品において、プリント配線基板3の厚
みは0.3mm 、電子部品の厚みは1.6mm 、樹脂層1の全厚
(インモールド品の厚みと等しい樹脂層部の厚み)は2.
8mm である。樹脂層各部の厚みは、電子部品3上側の薄
肉樹脂層T部で0.45mm、基板2の下側の薄肉樹脂層U,
V,W部で0.45mm、基板2の上側の厚肉樹脂層A部で1.
6mm 、電子部品3も基板2もない位置での厚肉樹脂層B
部で樹脂層1の全厚と等しい2.8mm である。ここで、電
子部品構成物の電子部品部は、電子部品3、電子部品3
上側の薄肉樹脂層T部及び基板2の下側の薄肉樹脂層の
中のV部を含む部分である。
り、本発明の実施例に係る電子部品構成物内蔵インモー
ルド品であって、C1/C2 :2.1 以下のものを複数個製
作した。このインモールド品の側断面図を図2に示す。
このインモールド品において、プリント配線基板3の厚
みは0.3mm 、電子部品の厚みは1.6mm 、樹脂層1の全厚
(インモールド品の厚みと等しい樹脂層部の厚み)は2.
8mm である。樹脂層各部の厚みは、電子部品3上側の薄
肉樹脂層T部で0.45mm、基板2の下側の薄肉樹脂層U,
V,W部で0.45mm、基板2の上側の厚肉樹脂層A部で1.
6mm 、電子部品3も基板2もない位置での厚肉樹脂層B
部で樹脂層1の全厚と等しい2.8mm である。ここで、電
子部品構成物の電子部品部は、電子部品3、電子部品3
上側の薄肉樹脂層T部及び基板2の下側の薄肉樹脂層の
中のV部を含む部分である。
【0017】一方、比較例としてC1/C2 :2.1 超の電
子部品構成物内蔵インモールド品を製作した。この比較
例に係るインモールド品の製作方法は、上記本発明の実
施例の場合よりも積層する一部切り抜きプリプレグシー
トの枚数を減らす方法、及び、一部切り抜きプリプレグ
シートの枚数を0にし、積層するプリプレグシートとし
て全て切り抜きのないものを用いる方法により行った。
子部品構成物内蔵インモールド品を製作した。この比較
例に係るインモールド品の製作方法は、上記本発明の実
施例の場合よりも積層する一部切り抜きプリプレグシー
トの枚数を減らす方法、及び、一部切り抜きプリプレグ
シートの枚数を0にし、積層するプリプレグシートとし
て全て切り抜きのないものを用いる方法により行った。
【0018】
【表1】
【0019】このようにして製作された本発明の実施例
及び比較例に係るインモールド品について、その表面粗
さの測定及び表面状況の観察を行った。表1に、一部切
り抜き(穴開き)プリプレグシート4bの枚数、C1 、C
2 、C1/C2 と、電子部品3の上側のインモールド品表
面(即ち薄肉樹脂層T部の表面)の近傍での表面粗さR
a(μm)との関係を示す。表1において No.1及び2が比
較例に係るものであり、 No.3及び4が本発明の実施例
に係るものである。前者はC1/C2 が大きいため、表面
粗さRa(μm)が大きく、インモールド品表面にシワが多
く認められたのに対し、後者の本発明の実施例に係るも
のはC1/C2 が小さく、2.1 以下であるため、表面粗さ
Ra(μm)が小さく、インモールド品表面にシワが全く認
められなかった。
及び比較例に係るインモールド品について、その表面粗
さの測定及び表面状況の観察を行った。表1に、一部切
り抜き(穴開き)プリプレグシート4bの枚数、C1 、C
2 、C1/C2 と、電子部品3の上側のインモールド品表
面(即ち薄肉樹脂層T部の表面)の近傍での表面粗さR
a(μm)との関係を示す。表1において No.1及び2が比
較例に係るものであり、 No.3及び4が本発明の実施例
に係るものである。前者はC1/C2 が大きいため、表面
粗さRa(μm)が大きく、インモールド品表面にシワが多
く認められたのに対し、後者の本発明の実施例に係るも
のはC1/C2 が小さく、2.1 以下であるため、表面粗さ
Ra(μm)が小さく、インモールド品表面にシワが全く認
められなかった。
【0020】又、図1に、上記C1/C2 と表面粗さRa
(μm)との関係を示す。この図に示す如く、C1/C2 :
2.1 超のとき、C1/C2 の増大に伴ってRa(μm)が急激
に増大し、同時にインモールド品表面に多くのシワが認
められ、そのシワの程度がひどくなる。これに対し、C
1/C2 :2.1 以下のときは、Ra(μm)が小さく、同時に
インモールド品表面のシワが殆どなくなる。
(μm)との関係を示す。この図に示す如く、C1/C2 :
2.1 超のとき、C1/C2 の増大に伴ってRa(μm)が急激
に増大し、同時にインモールド品表面に多くのシワが認
められ、そのシワの程度がひどくなる。これに対し、C
1/C2 :2.1 以下のときは、Ra(μm)が小さく、同時に
インモールド品表面のシワが殆どなくなる。
【0021】
【発明の効果】本発明に係る電子部品構成物内蔵インモ
ールド品は以上のような構成を有し作用をなすものであ
り、従来提案されている電子部品構成物内蔵インモール
ド品の有する問題点を解消し、インモールド品表面にシ
ワが少なくて平面平滑性に優れており、従って、インモ
ールド品表面に転写印刷等を施す場合の如く、インモー
ルド品として平面平滑性が要求される場合に好適に用い
ることができるようになるという効果を奏する。又、上
記従来提案の電子部品構成物内蔵インモールド品と同様
に、従来の電子部品固定方法に比し、コンパクト化が図
り易く、撓み難く且つ強度に優れて強固であり、更に
は、製造工程の大幅な低減が可能となるという効果も同
時に有している。
ールド品は以上のような構成を有し作用をなすものであ
り、従来提案されている電子部品構成物内蔵インモール
ド品の有する問題点を解消し、インモールド品表面にシ
ワが少なくて平面平滑性に優れており、従って、インモ
ールド品表面に転写印刷等を施す場合の如く、インモー
ルド品として平面平滑性が要求される場合に好適に用い
ることができるようになるという効果を奏する。又、上
記従来提案の電子部品構成物内蔵インモールド品と同様
に、従来の電子部品固定方法に比し、コンパクト化が図
り易く、撓み難く且つ強度に優れて強固であり、更に
は、製造工程の大幅な低減が可能となるという効果も同
時に有している。
【図1】本発明の実施例及び比較例に係る電子部品構成
物内蔵インモールド品についてのC1/C2 と表面粗さR
a(μm)との関係を示す図である。
物内蔵インモールド品についてのC1/C2 と表面粗さR
a(μm)との関係を示す図である。
【図2】本発明の実施例に係る電子部品構成物内蔵イン
モールド品の要部を示す側断面図である。
モールド品の要部を示す側断面図である。
【図3】本発明に係る電子部品構成物内蔵インモールド
品の製作状況の一例を示す側断面図である。
品の製作状況の一例を示す側断面図である。
【図4】従来提案されている電子部品構成物内蔵インモ
ールド品の要部を示す側断面図である。
ールド品の要部を示す側断面図である。
1--長繊維強化樹脂層、2--プリント配線基板、3--電
子部品、4a, 4c--長繊維強化樹脂プリプレグシートの積
層体、4b--一部切り抜き長繊維強化樹脂プリプレグシー
トの積層体、5--上金型、6--下金型。
子部品、4a, 4c--長繊維強化樹脂プリプレグシートの積
層体、4b--一部切り抜き長繊維強化樹脂プリプレグシー
トの積層体、5--上金型、6--下金型。
Claims (1)
- 【請求項1】 長繊維強化樹脂プリプレグシートを電子
部品構成物の周囲に積層して加圧することにより形成さ
れる長繊維強化樹脂層中に電子部品構成物をインモール
ド一体成形してなる電子部品構成物内蔵インモールド品
において、前記電子部品構成物の電子部品部とインモー
ルド品表面との間に位置する薄肉樹脂層での下記式に
より求められる指数C1 と、前記薄肉樹脂層以外の厚肉
樹脂層での下記式により求められる指数C2 との比:
C1/C2 が2.1 以下であることを特徴とする電子部品構
成物内蔵インモールド品。 n1 /t1 =C1 ----- n2 /t2 =C2 ----- 但し、上記式、において、n1 は薄肉樹脂層での成
形前プリプレグシートの枚数、t1 は薄肉樹脂層の厚
み、n2 は厚肉樹脂層での成形前プリプレグシートの枚
数、t2 は厚肉樹脂層の厚みである。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5188225A JPH0740693A (ja) | 1993-07-29 | 1993-07-29 | 電子部品構成物内蔵インモールド品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5188225A JPH0740693A (ja) | 1993-07-29 | 1993-07-29 | 電子部品構成物内蔵インモールド品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0740693A true JPH0740693A (ja) | 1995-02-10 |
Family
ID=16219972
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5188225A Withdrawn JPH0740693A (ja) | 1993-07-29 | 1993-07-29 | 電子部品構成物内蔵インモールド品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0740693A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006121861A (ja) * | 2004-10-25 | 2006-05-11 | Fuji Electric Fa Components & Systems Co Ltd | 電力変換装置 |
-
1993
- 1993-07-29 JP JP5188225A patent/JPH0740693A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006121861A (ja) * | 2004-10-25 | 2006-05-11 | Fuji Electric Fa Components & Systems Co Ltd | 電力変換装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0587634B1 (en) | Method of manufacturing a multilayer printed wire board | |
US7470461B2 (en) | Printed circuit board and method of manufacturing the same | |
EP0754567B1 (en) | Component including an electronic part | |
EP1753279B1 (en) | Multilayer circuit board manufacturing method | |
DK1393884T3 (da) | Kompositmaterialer og deraf formede genstande | |
KR960703726A (ko) | 적층판 및 그의 제조방법[laminated plate and method of manufacturing the same] | |
EP0395871A2 (en) | Protected conductive foil and procedure for protecting an electrodeposited metallic foil during further processing | |
JPH0740693A (ja) | 電子部品構成物内蔵インモールド品 | |
US4918812A (en) | Processing of cores for circuit boards or cards | |
JPH077246A (ja) | 電子部品構成物内蔵インモールド品の製造方法 | |
JPH06350231A (ja) | 電子部品構成物内蔵インモールド品 | |
KR930009317B1 (ko) | 매트 필름 | |
WO2006118211A1 (ja) | 回路基板およびその製造方法 | |
JPH06350232A (ja) | 電子部品構成物内蔵インモールド品 | |
JPH0629668A (ja) | 電子部品構成物内蔵インモールド品 | |
US6609294B1 (en) | Method of bulk fabricating printed wiring board laminates | |
JPH05208471A (ja) | 樹脂成形体及びその製造方法 | |
JPH04165690A (ja) | 片面銅張積層板の製造方法 | |
JPH08115933A (ja) | 電子部品構成物内蔵インモールド品 | |
JPH069313B2 (ja) | 金属ベース印刷配線板の製造方法 | |
CN116742240A (zh) | 防护膜片的制造方法和电池壳 | |
JPH02102040A (ja) | 多層プリント配線板の製造法 | |
JPH0298438A (ja) | 片面銅張り積層板の製造方法 | |
JPH0715103A (ja) | 片面銅張り積層板の製造方法 | |
JPH06210754A (ja) | 片面銅張り積層板の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20001003 |