JPH0740543A - インクジェットヘッドカートリッジ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 特性または色の異なる複数のインクを自在に
使い分けして吐出することができ、そのうちのインクが
無くなった場合に再充填が可能であり、使い勝手がよ
く、延命を図ることのできるインクジェットヘッドカー
トリッジを提供する。 【構成】 複数のインクタンク（４Ａ〜４Ｃ）と、記録
ヘッド部（３）とを有し、個々のインクタンク（４Ａ〜
４Ｃ）に大気連通口（５Ａ〜５Ｃ）と、これらをそれぞ
れ開閉自在とする通気弁（６Ａ〜６Ｃ）とを設け、通気
弁（６Ａ〜６Ｃ）および大気連通口（５Ａ〜５Ｃ）を介
して記録ヘッド（３）へのインクの選択的供給および個
々のインクタンクへのインクの補充を可能とした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、インクジェットヘッド
カートリッジに関し、詳しくは、複数のインクタンク
と、これらのインクタンクから選択的にインクの供給が
可能であって供給されたインクを吐出する記録ヘッド部
とを有し、しかも交換が可能なディスポーザブル型のイ
ンクジェットヘッドカートリッジに関する。

【０００２】

【従来の技術】これまでのディスポーザブルヘッド、す
なわち、インクタンクとインク吐出機能を具えた記録ヘ
ッド部とが一体型のカートリッジとして構成され、イン
クタンク内のインクが消費されると交換可能な形態の記
録ヘッドでは一般に使用されるインクの色もしくは特性
が一種類に限定されていた。従って、異なる色のインク
あるいは特性の異なるインクで被記録材（以下では単に
記録シートという）上に印字なり画像を記録しようとす
る場合は、そのようなインクを個別に保持する複数のデ
ィスポーザブルヘッドを用意しておき、その都度記録装
置に装着換えするしかなかった。また、複数の色のイン
クを個別に収容するインクタンクと記録ヘッド部とを一
体のフルカラー型にした場合は１つの色が消費され切っ
た場合、他のインクタンクでは未だインクが残っている
にかかわらず交換破棄されるという不合理が生じる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、記録シ
ートの種類によってそれぞれ最適とされるインクの特性
が異なるのが通例で、従って、従来例では記録シートの
種類に応じて最適の特性を有するインク用のディスポー
ザブルヘッドに変えなければならず、また、モノカラー
による記録の場合は色の変更の際に同様にして交換が必
要であった。さらにまた、フルカラー用としてのディス
ポーザブルヘッドの場合は先に述べたように１色のイン
クが無くなるだけで全体を無駄にするという問題が生じ
る。

【０００４】本発明の目的は、上述したような従来の問
題に着目し、その解決を図るべく、特性または色の異な
る複数のインクを自在に使い分けして吐出することがで
き、また、そのうちのインクタンクにインクが無くなっ
た場合は再充填が可能であり使い勝手が良く、使い捨て
型にしても延命を図ることができるインクジェットヘッ
ドカートリッジを提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明は、複数のインクタンクと、個々の該イン
クタンクから供給されるインクにより記録が可能な記録
ヘッド部とを有し、個々の前記インクタンクに大気連通
口と、該大気連通口を開閉自在とする通気弁とを設け、
当該通気弁の開弁により個々の前記インクタンクを大気
に連通させて当該インクタンクから前記記録ヘッドへの
インクの供給を可能とすると共に、前記通気弁および大
気連通口を介して個々の前記インクタンクへのインクの
補充が可能であり、交換可能としたことを特徴とするも
のである。

【０００６】

【作用】本発明によれば、通気弁を介して個々のインク
タンクの大気連通口を大気と連通状態に保つことにより
そのインクタンクから記録ヘッド部へのインクの供給お
よびそのインクタンクへのインクの補充を可能とするも
ので、これにより異なるインクをインクタンク別に収容
して選択的にインクを使い分けてインクを記録ヘッドか
ら吐出させ、記録を行うことができると共に、インクが
無くなったインクタンクに対しインクを補充することが
できる。

【０００７】

【実施例】以下に、図面に基づいて本発明の実施例を詳
細かつ具体的に説明する。

【０００８】図１および図２は本発明の第１の実施例を
示す。これらの図において、１はそのカートリッジ型と
した使い捨てが可能な交換型のインクジェットヘッドカ
ートリッジ（ディスポーザブルヘッド）であり、本例で
は記録シートと対向する側の筐体２の面に記録ヘッド部
３のインク吐出面３Ａが設けられている。４Ａ，４Ｂお
よび４Ｃはそれぞれ筐体２内に配設されたインクタン
ク、５Ａ，５Ｂおよび５Ｃはインクタンク４Ａ，４Ｂお
よび４Ｃのインク吐出面とは反対側となる端部に設けた
大気連通口、６Ａ，６Ｂおよび６Ｃは筐体２に開口する
大気連通口５Ａ，５Ｂおよび５Ｃの開口部を開閉自在と
する通気弁である。なお、インクタンク４Ａ，４Ｂおよ
び４Ｃの他方側の端部と記録ヘッド部３のインク吐出口
７との間には図２に示すように共通のインク供給路８が
設けられている。９は各インクタンク４Ａ，４Ｂ，４Ｃ
内に装填されたインク吸収体である。

【０００９】ついで、以下にこのように構成したディス
ポーザブルヘッド１の適用例について説明する。

【００１０】このように構成したディスポーザブルヘッ
ド１においては、個々のインクタンク４Ａ，４Ｂ，４Ｃ
に異なる色または特性のインクを収容することが可能で
ある。そして、収容されたインクはタンク内に装填され
たインク吸収体９によって保持されており、通気弁６Ａ
〜６Ｃの開弁により大気連通口５Ａ〜５Ｃが開口状態に
ある限り、その大気が連通されるインクタンクからイン
ク供給路８を介して記録ヘッド部３にインクを供給する
ことができる。従って、使いたいと思う種類のインクが
収容されているインクタンクの通気弁を開弁することに
よりそのインクによる記録が可能となる。

【００１１】その第１適用例として、インクタンク４
Ａ，４Ｂおよび４ＣにそれぞれＯＨＰ用，普通紙用およ
びコート用のインクを充填しておくことにより記録シー
トの種類および目的に応じてインクを使い分けして吐出
させることができる。

【００１２】また、第２の適用例としてインクタンク４
Ａ，４Ｂおよび４Ｃにそれぞれ赤（Ｒ），緑（Ｇ）およ
び青（Ｂ）の３色のインクを充填しておくことにより、
個々の色のインクによるモノカラーの記録ならびに混色
によるカラー記録が可能となる。

【００１３】さらにまた、最初から混色によるカラー記
録を念頭におき、例えば、イエロー（Ｙ），マゼンタ
（Ｍ）およびシアン（Ｃ）の色インクをインクタンク４
Ａ，４Ｂおよび４Ｃに充填しておいて、単色による記録
とＹ，Ｍ，Ｃ３色の混色によるブラック（Ｂｋ）の記録
を行うようにすることもできる。かくして、Ｂｋを含む
７色の記録が通気弁６Ａ〜６Ｃの選択的開弁操作により
可能となる。

【００１４】なお、通気弁６Ａ〜６Ｃは上述のような用
途の他に個々のインクタンク４Ａ〜４Ｃへのインクの再
充填をも可能とするものであって、インクの無くなった
インクタンクに対しその通気弁および大気連通口を介し
てその色のインクを補給することができ、ディスポーザ
ブル型でありながらヘッド部３のインク吐出機能が保た
れる限り延命を図ることができる。また、図示はしない
がこれらのインクタンク４Ａ〜４Ｃのうち、もしくはさ
らに別に装備したタンクに洗浄液を装填しておき、不図
示の吸引回復手段と協働して使用インクの種類を変える
たびにインク供給路８およびヘッド部３を洗浄するよう
に構成することも可能である。

【００１５】図３および図４は本発明の第２の実施例を
示す。本例は、本来、フルカラー記録を目的とするカー
トリッジ型のディズポーザブルヘッド１０の例であり、
従って、ヘッド部３のインク吐出面３Ａにはタンク別に
３列のインク吐出口列１３Ａ，１３Ｂおよび１３Ｃが並
列配置されている。また、インク供給路も各インクタン
ク４Ａ，４Ｂおよび４Ｃ別に８Ａ，８Ｂおよび８Ｃが設
けられている。なお、他の構成については第１実施例と
変わりはない。

【００１６】このように構成したフルカラー用ディスポ
ーザブルヘッド１０の用途としては従来と変わらず、各
通気弁６Ａ，６Ｂ，６Ｃを開弁しておくことにより３色
のインクによる記録が可能であると共に、個々のインク
タンク４Ａ，４Ｂ，４Ｃに対して通気弁６Ａ，６Ｂ，６
Ｃを介しインクを補充することができ、その延命効果に
より記録装置としてもランニングコストの低減に貢献で
きる。

【００１７】なお、これまでに述べてきた各実施例にお
いては、その内装されるインクタンクの数が３つの場合
についてであったが、インクタンクの数は３つに限られ
るものではなく、例えば４つなど複数のインクタンクを
装備する場合であっても同様に構成することができるの
はいうまでもない。

【００１８】また、使い捨て型に限らず、ヘッド部３の
みの交換を可能とするインクジェットヘッドカートリッ
ジに対して本発明を適用することが可能であり、さらに
はシリアル型のインクジェット記録装置に限らずフルラ
イン型のものに本発明を適用することも可能である。

【００１９】

【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、複数のインクタンクと、個々の該インクタンクから
供給されるインクにより記録が可能な記録ヘッド部とを
有し、個々の前記インクタンクに大気連通口と、該大気
連通口を開閉自在とする通気弁とを設け、当該通気弁の
開弁により個々の前記インクタンクを大気に連通させて
当該インクタンクから前記記録ヘッドへのインクの供給
を可能とすると共に、前記通気弁および大気連通口を介
して個々の前記インクタンクへのインクの補充が可能で
あり、交換可能としたので、多種類のインクを同様に収
容して、自在に使用インクを選択したり混色したりする
ことができ、広い用途に適用できるのみならず、インク
の再補充が可能となり、その延命が図られると共に記録
装置自体のランニングコスト低減に貢献できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例の構成を一部破砕して示す
斜視図である。

【図２】図１に示す第１実施例の構成を模式的に示す断
面図である。

【図３】本発明の第２実施例の構成を一部破砕して示す
斜視図である。

【図４】図３に示す第２実施例の構成を模式的に示す断
面図である。

【符号の説明】

１，１０ インクジェットヘッドカートリッジ（ディス
ポーザブルヘッド） ２ 筐体 ３ 記録ヘッド部 ３Ａ インク吐出面 ４Ａ，４Ｂ，４Ｃ インクタンク ５Ａ，５Ｂ，５Ｃ 大気連通口 ６Ａ，６Ｂ，６Ｃ 通気弁 ７ インク吐出口 ８，８Ａ，８Ｂ，８Ｃ インク供給路 ９ インク吸収体 １３Ａ，１３Ｂ，１３Ｃ インク吐出口列

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野秋 裕昭 東京都大田区下丸子３丁目30番２号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 平久江 利光 東京都大田区下丸子３丁目30番２号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 甕 英一 東京都大田区下丸子３丁目30番２号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 栗田 健治 東京都大田区下丸子３丁目30番２号 キヤ ノン株式会社内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数のインクタンクと、個々の該インク
   タンクから供給されるインクにより記録が可能な記録ヘ
   ッド部とを有し、個々の前記インクタンクに大気連通口
   と、該大気連通口を開閉自在とする通気弁とを設け、当
   該通気弁の開弁により個々の前記インクタンクを大気に
   連通させて当該インクタンクから前記記録ヘッドへのイ
   ンクの供給を可能とすると共に、前記通気弁および大気
   連通口を介して個々の前記インクタンクへのインクの補
   充が可能であり、交換可能としたことを特徴とするイン
   クジェットヘッドカートリッジ。
2. 【請求項２】 前記記録ヘッド部はカラー記録が可能で
   あり、前記複数のインクタンクは異なる色のインクをそ
   れぞれ収容することを特徴とする請求項１に記載のイン
   クジェットヘッドカートリッジ。