JPH0740047U - 工具ホルダー - Google Patents

工具ホルダー

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JPH0740047U
JPH0740047U JP7002993U JP7002993U JPH0740047U JP H0740047 U JPH0740047 U JP H0740047U JP 7002993 U JP7002993 U JP 7002993U JP 7002993 U JP7002993 U JP 7002993U JP H0740047 U JPH0740047 U JP H0740047U
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JP
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clamp pin
holder
tool
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support frame
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JP7002993U
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Inventor
宏和 駿河
昌利 厚
Original Assignee
大昭和精機株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 切削加工中に工具ホルダーにかかる負荷の度
合に応じ、ホルダー本体を回転自在に保持する支持枠体
の工作機械側の固定部に対する固定力を調整できる、工
具ホルダーを提供する。 【構成】 工作機械のスピンドルに装着されるホルダー
本体2と、ホルダー本体2を回転自在に保持する支持枠
体5と、切削工具を装着するチャックと、支持枠体5の
径方向一側部に一体に設けられたシリンダ部8と、シリ
ンダ部8に軸方向移動可能に嵌挿されて後方突出し、そ
の突出端部が工作機械側の固定部9の嵌合凹部10に対
して係脱自在なクランプピン11とを備え、シリンダ部
8の内奥側に、ねじによりシリンダ部8の軸方向に進退
するばね受け部材12が設けられ、ばね受け部材12と
クランプピン11との間にクランプピン11を突出側に
付勢する圧縮スプリング13が装填されてなる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、NC工作機械のスピンドルに自動工具交換装置によって取り付けら れる工具ホルダーに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の工具ホルダーとして、マニピュレータ把持用フランジを有し工作機械 のスピンドルに装着されるホルダー本体と、該ホルダー本体を軸受を介して回転 自在に且つ軸方向移動不能に保持する支持枠体と、切削工具を装着するチャック と、該支持枠体の径方向一側部にホルダー本体と平行に一体に設けられたシリン ダ部と、該シリンダ部に一定範囲で軸方向移動可能に嵌挿されて後方突出するク ランプピンとを備えたものが汎用されている。なお、前記チャックは、通常の回 転切削用ホルダーではホルダー本体の先端に設けてあるが、ベベルギヤ等を介し てホルダー本体の回転力を伝達する他の回転軸体に設けた構造もあり、またリブ シェーバー等の非回転切削工具用ホルダーでは支持枠体側に設けられる。
【0003】 これら工具ホルダーは、各種の切削工具を装着した状態でマガジンに収容され ており、指令信号に応じて該マガジンから自動工具交換装置のマニピュレータに よってマニピュレータ把持用フランジを介して取り出され、工作機械のスピンド ルに装着される際にクランプピンが工作機械の固定部の嵌合凹部に嵌入し、もっ て支持枠体が非回転に固定される。しかして、切削時に切削油やクーラントを用 いる工具ホルダーにおいては、クランプピンが中空筒状に形成されて液導入口と なり、該クランプピンが工作機械側の嵌合凹部に嵌入した際、当該嵌合凹部に設 けた液供給口より供給される切削油やクーラントがクランプピン内に導入されて シリンダ部及び支持枠体に設けた液通路を通して必要部位に送られるようになさ れている。
【0004】 ところで、従来の工具ホルダーのクランプピンは、シリンダ部に一定範囲で軸 方向移動可能に嵌挿され、且つ圧縮スプリングにより後方つまり突出方向に付勢 されており、工作機械の嵌合凹部に嵌入する際、前記圧縮スプリングの付勢に抗 して退入変位することにより、該嵌入に伴う衝撃を緩和すると共に、工作機械に よる前記嵌合凹部の前後位置の違いにある程度対応できるようになっている。そ して一般的な工具ホルダーでは、このクランプピンに廻り止め部材が取り付けら れており、該工具ホルダーがスピンドルに対して非装着状態であるとき、該廻り 止め部材がホルダー本体に設けた廻り止め用係止部に係嵌することにより、該ホ ルダー本体が支持枠体に相対回転不能に保持される一方、工具ホルダーをスピン ドルに装着した際には、クランプピンの前記嵌合凹部への嵌入による退入変位に 伴い、廻り止め部材がホルダー本体の廻り止め用係止部から離脱し、もってホル ダー本体が回転可能となるように構成されている。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
このような工具ホルダーを用いた切削加工においては、加工精度を高める上で 工具ホルダーのがた付きを防止する必要があり、そのためには工作機械側の固定 部に対して支持枠体を振動しないように固定せねばならないが、支持枠体の固定 力は専らクランプピンを工作機械の嵌合凹部に押し付ける圧縮スプリングのばね 圧に依存している。しかして、切削加工の種類や装着した切削工具の形態及び大 きさ等によって工具ホルダーにかかる負荷は大きく変動し、重負荷切削になるほ ど上記の支持枠体の固定力を強くする必要がある一方、さほど大きな固定力を要 しない軽負荷切削では、マニピュレータにて工具ホルダーをスピンドルに装着す る際の衝撃緩和作用を高めると共に反力による装着操作性の悪化を回避するため に、むしろ前記圧縮スプリングのばね圧は小さい方が望ましい。
【0006】 しかしながら、前記従来の工具ホルダーでは、クランプピンを突出方向に付勢 する圧縮スプリングのばね圧が一定であるため、切削負荷の変動に対応できず、 中負荷ないし重負荷切削において工具ホルダーのがた付きによって加工精度が低 下したり、工具ホルダーをスピンドルに装着する際に大きな衝撃により各部に狂 いを生じたり装着操作に困難をきたすといった問題があった。
【0007】 本考案は、上述の状況に鑑み、切削加工中に工具ホルダーにかかる負荷の度合 に応じて工作機械側の固定部に対する支持枠体の固定力を調整可能であり、もっ て中負荷ないし重負荷切削における工具ホルダーの振動やがた付きを防止して高 い加工精度を達成でき、また軽負荷切削に適用する場合に工具ホルダーをスピン ドルに装着する際の衝撃を充分に緩和できると共に良好な装着操作性が得られる 工具ホルダーを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本考案の請求項1に係る工具ホルダー1は、実施 例の参照符号を付して示せば、マニピュレータ把持用フランジ2cを有し工作機 械Aのスピンドル3に装着されるホルダー本体2と、該ホルダー本体2を軸受4 ,4を介して回転自在に且つ軸方向移動不能に保持する支持枠体5と、切削工具 6を装着するチャック7と、支持枠体5の径方向一側部にホルダー本体2と平行 に一体に設けられたシリンダ部8と、該シリンダ部8に一定範囲で軸方向移動可 能に嵌挿されて後方突出し、その突出端部が工作機械A側の固定部9に設けた嵌 合凹部10に対して係脱自在なクランプピン11とを備え、前記シリンダ部8の 内奥側に、ねじにより当該シリンダ部8の軸方向に進退するばね受け部材12が 設けられ、このばね受け部材12と前記クランプピン11との間に当該クランプ ピン11を突出側に付勢する圧縮スプリング13が装填されてなる構成を採用し たものである。
【0009】 本考案の請求項2は、上記請求項1の工具ホルダー1におけるシリンダ部8に クランプピン11を当該シリンダ部8に対して固定するサイドロックボルト14 が螺着されてなる構成を採用したものである。
【0010】 本考案の請求項3は、上記請求項1又は2の工具ホルダー1において、クラン プピン11が中空筒状に形成されると共に、該クランプピン11に嵌合する工作 機械A側のの嵌合凹部10に設けられた液供給口15より供給される切削油又は クーラントを該クランプピン11の内部よりシリンダ部8及び支持枠体5を通し て必要部位に送る液通路16〜20を有してなる構成を採用したものである。
【0011】 本考案の請求項4は、上記請求項1〜3のいずれかの工具ホルダー1において 、ばね受け部材12がシリンダ部8に回転不能に装填されたナットであり、該ナ ットに螺挿する調整ボルト21がシリンダ部8の奥端壁8aにボルト頭部21a を外部に露呈して回転自在に保持されてなる構成を採用したものである。
【0012】 本考案の請求項5は、上記請求項1〜4のいずれかの工具ホルダー1において 、ホルダー本体1に廻り止め用係止部22が形成され、該係止部22に対して係 脱自在な係止片23aを一体形成したスリーブ23がクランプピン11に軸方向 相対移動自在に嵌装されると共に、該スリーブ23をその係止片23aと前記廻 り止め用係止部22との係合方向に付勢する圧縮スプリング24を備え、前記係 止片23aと廻り止め用係止部22との係合によって常時はホルダー本体1が支 持枠体5に相対回転不能に保持される一方、該ホルダー本体1がスピンドル3に 装着された際にスリーブ23が工作機械Aの前記嵌合凹部10の周端縁10aに 当接して圧縮スプリング24の付勢に抗して移動し、その係止片23aが廻り止 め用係止部22より離脱する構成を採用したものである。
【0013】
【作用】
請求項1によれば、自動工具交換装置のマニピュレータによって工具ホルダー 1が工作機械Aのスピンドル3に装着される際、クランプピン11が工作機械A の固定部9の嵌合凹部10に嵌入し、もって支持枠体5が非回転に固定されるが 、ねじにてばね受け部材12をシリンダ部8の軸方向に進退させることにより、 クランプピン11とばね受け部材12との距離が変動するから、前記嵌合凹部1 0に嵌入した当該クランプピン11を突出側に付勢する圧縮スプリング13のば ね圧を強弱に調整できる。従って、例えば中負荷ないし重負荷切削においては該 圧縮スプリング13のばね圧を強くすることにより、工作機械Aの固定部9に対 する支持枠体5の固定力を大きくして加工中の振動やがた付きを防止でき、また 軽負荷切削においては同ばね圧を弱くして、工具ホルダー1をスピンドルに装着 する際の衝撃を充分に緩和すると共に良好な装着操作性を確保できる。
【0014】 請求項2によれば、サイドロックボルト14の締め付けによってクランプピン 11をシリンダ部8に対して固定できるから、このサイドロックボルト14を緩 めてクランプピン11を移動可能とした形でスピンドル3に対する工具ホルダー 1の装着操作を行い、該クランプピン11が工作機械Aの嵌合凹部10に嵌入し た状態でサイドロックボルト14を締め付けてクランプピン11をシリンダ部8 に固定すれば、該クランプピン11が嵌合凹部10に適嵌する突出量に設定され ることになる。従って、以降はクランプピン11が上記固定状態のまま工具ホル ダー1の装着操作を行えばよく、クランプピン11の先端が常に嵌合凹部10に 適嵌するために装着時の衝撃を生じる恐れはなく、しかも該クランプピン11が 移動不能であるから、支持枠体5は工作機械Aの固定部9に対して剛体的に固定 されることになり、特に負荷の大きい重切削加工において工具ホルダー1の振動 やがた付きを確実に防止するのに極めて有効である。なお、クランプピン11の 嵌合凹部10に対する嵌合精度を高めるために、サイドロックボルト14を前記 のように締め付ける前に、クランプピン11が工作機械Aの嵌合凹部10に嵌入 した状態でばね受け部材12を進行させて圧縮スプリング13のばね圧を最大限 まで高めておくことが望ましい。
【0015】 請求項3によれば、クランプピン11を液導入口として、工作機械A側の嵌合 凹部10に設けられた液供給口15より供給される切削油又はクーラントを該ク ランプピン11の内部よりシリンダ部8及び支持枠体5を通して工具先端の切削 部位や軸受部等の必要部位に送り、切り粉排出、潤滑、冷却等の作用を発揮させ ることができる。
【0016】 請求項4によれば、調整ボルト21の回転操作によりばね受け部材であるナッ ト12がシリンダ部8内で軸方向に進退移動するから、圧縮スプリング13のば ね圧を容易に調整できると共に、該調整ボルト21とこれを保持するシリンダ部 8の奥端壁8aとの接合界面部でシールリング等にて液密性を確保できるから、 特に請求項3のようにクランプピン11を液導入口として切削油又はクーラント を必要部位に送る構成の工具ホルダーに好適である。
【0017】 請求項5によれば、ホルダー本体1の廻り止め用係止部22に対して係脱自在 な係止片23aがクランプピン11に軸方向相対移動自在に嵌装するスリーブ2 3に一体形成され、且つ該スリーブ23をその係止片23aと前記廻り止め用係 止部22との係合方向に付勢する圧縮スプリング24を備えるため、工具ホルダ ー1をスピンドル3に装着していない状態では、圧縮スプリング24の付勢によ って前記係止片23aと廻り止め用係止部22とを係合させてホルダー本体1を 支持枠体5に相対回転不能に保持できる一方、該ホルダー本体1がスピンドル3 に装着された際には、スリーブ23が工作機械Aの嵌合凹部10の周端縁10a に当接して圧縮スプリング24の付勢に抗して移動し、その係止片23aが廻り 止め用係止部22より離脱するから、ホルダー本体1はスピンドル3と一体に回 転可能となる。しかして、この場合、係止片23aは、クランプピン11とは独 立して進退作動するから、特に請求項2の工具ホルダーにおいてサイドロックボ ルト14にてクランプピン11をシリンダ部8に固定しても、支障なくホルダー 本体1の廻り止め用係止部23に対する係脱動作を行える。
【0018】
【実施例】
図1は本考案の一実施例に係る工具ホルダー1を工作機械Aのスピンドル3に 装着した状態の一部縦断側面図、図2は該工具ホルダー1のシリンダ部の拡大縦 断側面図、図3は図2のIII −III 線の断面矢視図、図4はクランプピン固定状 態におけるシリンダ部の拡大縦断側面図である。
【0019】 図1に示すように、工具ホルダー1のホルダー本体2は、前部2aが丸軸状を なすと共に、後部にスピンドル3のテーパ状取付孔3aに嵌装するテーパシャン ク部2bとその根元に位置したマニピュレータ把持用フランジ2cを有し、前部 2aにおいて軸受4,4を介して支持枠体5の後部ケース5aに回転自在に保持 されており、また丸軸状の前部より同軸状に延設した突軸部2dが支持枠体5の 後部ケース5aに連結した後部ケース5a内に突入配置し、該突軸部2dの先端 にベベルギヤ25aが固着されている。
【0020】 支持枠体5の前部ケース5bには、ホルダー本体2に対して軸方向が直交する 回転軸体26が軸受27,27を介して回転自在に保持されており、その前部ケ ース5bより外方へ突出した先端部に切削工具6を装着するためのチャック7が 設けられると共に、基端部にホルダー本体2のベベルギヤ25aと噛合するベベ ルギヤ25bが固着されている。
【0021】 支持枠体5の前部ケース5の一側方には、図3に示すように正面視で略T字形 をなすピン保持ブロック28が取付ボルト28a,28aを介して一体的に固着 されており、このピン保持ブロック28に、後方に開放してホルダー本体2の軸 線と平行な軸線のシリンダ部8が設けられている。しかして、このシリンダ部8 内には、前端部外周が先細りのテーパ状をなす中空筒状のクランプピン11が略 半長を後方へ突出する状態に嵌入されている。また図2に示すように、シリンダ 部8の奥端壁8aには調整ボルト21が六角状のボルト頭部21aを前方外部に 露呈した状態で回転自在に保持されており、この調整ボルト21のねじ部21b がクランプピン11の中心孔11aに嵌挿したばね受け部材である断面外形略四 角形の筒状ナット12に螺合すると共に、クランプピン11内にはその中心孔1 1aの中間に設けた環状段部11bと筒状ナット12の後端との間に圧縮スプリ ング13が装填されている。
【0022】 筒状ナット12は、外周面一側方に軸方向に沿うキー溝12aが設けてあり、 該キー溝12aにシリンダ部8の側方より螺入したストッパーピン29がクラン プピン11の軸方向の長孔11cを通して係合していることにより、クランプピ ン11内で回転不能に保持されており、調整ボルト21の捻回操作によって軸方 向移動して圧縮スプリング13の圧縮度合を変化させる。なお、この筒状ナット 12の後端(圧縮スプリング13側)には切欠部12bが設けてあり、この切欠 部12bによって中心孔11aの内奥側空間が当該筒状ナット12の外面とクラ ンプピン11の内周面との間隙に連通している。
【0023】 調整ボルト21にはシリンダ部8の奥端壁8aを貫通する位置の外周面にV字 状周溝21cが形成され、該奥端壁8aに穿設された半径方向のねじ孔30aに 装填したゴムや半硬質剛性樹脂等よりなる弾性ボール31が当該ねじ孔30aに 螺入したねじ30bを介して前記V字状周溝21cに押接し、その接圧により調 整ボルト21の回転に対するブレーキ作用を付与しており、また該調整ボルト2 1のねじ部21bの根元にはフランジ部21dが形成され、奥端壁8aの内面と これに対向する該フランジ部21dの端面との間に介在させたシールリング32 aによって奥端壁8aの調整ボルト21の貫通部が液密にシールされている。
【0024】 クランプピン11は、ストッパーピン29によりシリンダ部8に長孔11bの 範囲で軸方向摺動可能且つ回転不能に保持され、自然状態では圧縮スプリング1 3の付勢によって出限姿勢にあるが、シリンダ部8に半径方向に螺入するサイド ロックボルト14,14を締め付けて周面の平坦部11dに圧接させることによ って当該シリンダ部8に固定し得るように設定されている。しかして、このクラ ンプピン11の突出側の中心孔11a内には、半硬質合成樹脂等よりなる筒状の 弁ケース33が外端の吸盤部33aを外方に突出する状態で圧入挿嵌されており 、この弁ケース33内に装填された球弁34aが圧縮スプリング34bに付勢さ れて入口開口33bを封止している。なお、弁ケース33には内端より軸方向に 切り込む複数本の割り溝33c…が形成されており、これら割り溝33c…によ り開弁時に入口開口33bから圧縮スプリング34bの外側を通って中心孔11 aの内奥へ向かうバイパス流路が構成されている。
【0025】 またクランプピン11の外方突出部には、半径方向に突出する係止片23aを 備えたスリーブ23が、軸方向相対摺動自在に、且つピン保持ブロック28に植 設されて係止片23aを貫通するガイドピン35を介して回転不能に外嵌してい る。このスリーブ23は、その軸方向移動により、係止片23aの先端部がホル ダー本体2に設けた前方及び側方に開放する凹所よりなる廻り止め用係止部22 に対して係脱し得るように設定されると共に、係止片23aの背面側にねじ止め したばね受け筒37の内底と、該ばね受け筒37を嵌入させたピン保持ブロック 28側のばね収容孔38との間に装填した圧縮スプリング24の付勢により、自 然状態では該係止片23aが前記廻り止め用係止部22に係合し、もってホルダ ー本体2を支持枠体5の前部ケース5aに回転不能に保持させるようになされて いる。
【0026】 しかして、クランプピン11の内端側には半径方向の透孔16、ピン保持ブロ ック28には一端が前記透孔16に連通して他端が後部ケース5aとの界面に開 口した第一流路孔17、後部ケース5aには一端が第一流路孔17に連通して他 端が前部ケース5bとの界面に開口した第二流路孔18、前部ケース5bには一 端が第二流路孔18に連通して他端がケース内部に開放する第三流路孔19、回 転軸体26には一端が第三流路孔19に連通する中心流路20、がそれぞれ形成 されており、これらによりクランプピン11の中心孔11aよりチャック7に至 る液通路が構成されている。なお、32bはシリンダ部8の内周面とクランプピ ン11の外周面と間で且つ角透孔16よりも外側位置に、32cは第一流路孔1 7と第二流路孔18との接続界面部に、32dは第二流路孔18と第三流路孔1 9との接続界面部に、それぞれ介在させたシールリングである。
【0027】 一方、工作機械A側の固定部9には固定ブロック9aが突設され、この固定ブ ロック9aの先端にクランプピン11の先端部に適嵌し得る奥細テーパ状内周面 を有する嵌合凹部10が設けてあり、且つ該嵌合凹部10の内底には切削油又は クーラントを供給する液供給口15が開口している。
【0028】 上記構成の工具ホルダー1は不使用時には切削工具6を装着した状態でマガジ ン(図示略)に収容されるが、この状態では係止片23aがホルダー本体2の廻 り止め用係止部22に係合しており、該ホルダー本体2は支持枠体5の前部ケー ス5aに回転不能に保持されている。しかして、切削加工に供する際、指令信号 に応じてマガジンから自動工具交換装置のマニピュレータ(図示略)によってマ ニピュレータ把持用フランジ2cを介して取り出され、工作機械Aのスピンドル 3に対し、テーパシャンク部2bをテーパ状取付孔3aに挿嵌して、且つマニピ ュレータ把持用フランジ2cの位置決め用凹部2d,2dにスピンドル3の位置 決め用突起3b,3bが係合するように装着されるが、このときにクランプピン 11が固定部9の嵌合凹部10に嵌入して余剰突出分だけ圧縮スプリング13の 付勢に抗して退入し、これによって支持枠体5が工作機械A側に固定されると共 に、スリーブ23が該嵌合凹部10の周端縁10aに当接して圧縮スプリング2 4の付勢に抗して後退移動し、これに伴って係止片23aの先端部が廻り止め用 係止部22から離脱し、もってホルダー本体2はスピンドル3と一体に回転可能 となる。
【0029】 従って、上記の装着状態でスピンドル3を回転駆動すれば、スピンドル3が回 転し、この回転がベベルギヤ25a,25bを介して回転軸体26に伝達され、 切削工具6の回転により所要の切削加工を行える。また、このとき、嵌合凹部1 0の液供給口15より切削油やクーラントを供給すれば、その液圧によってクラ ンプピン11内の球弁34aが後退して開弁し、これら液がクランプピン11の 中心孔11aより透孔16、第一流路孔17、第二流路孔18、第三流路孔19 を順次通り、回転軸体26の中心流路20に流入して工具先端の切削部位へ供給 され、該液による切り粉排出、潤滑、冷却等の所要の作用が発揮される。
【0030】 ここで、上記加工が軽負荷切削である場合は、予め調整ボルト21の捻回操作 で筒状ナット12への螺入度合を深めることにより、図2のように該筒状ナット 12をシリンダ部8の奥端寄りに位置させて圧縮スプリング13のばね圧を弱く しておけば、工具ホルダー1の上記スピンドル3への装着時の衝撃が非常に小さ くなる。一方、中負荷ないし重負荷切削に供するために支持枠体5の固定力を高 める必要がある場合は、逆に調整ボルト21の筒状ナット12に対する螺入度合 を浅くすることにより、該筒状ナット12とクランプピン11の環状段部11b との距離を縮めて圧縮スプリング13のばね圧を強くすればよい。
【0031】 更に、特に負荷の大きい重切削加工等において、加工中の支持枠体5のがた付 きを確実に防止する必要があるときは、一旦、前述同様にクランプピン11が移 動可能な状態でスピンドル3に対する工具ホルダー1の装着操作を行って該クラ ンプピン11を嵌合凹部10に嵌入させ、この嵌入状態で図4の如くサイドロッ クボルト14を締め付けてクランプピン11をシリンダ部8に固定すればよい。 これによって、クランプピン11が嵌合凹部10に適嵌する突出量に設定される ことになるから、以降はクランプピン11が上記固定状態のまま工具ホルダー1 の装着操作を行えばよく、クランプピン11の先端が常に嵌合凹部10に適嵌す るために装着時の衝撃を生じる恐れはなく、しかも該クランプピン11が移動不 能であるから、支持枠体5は工作機械Aの固定部9に対して剛体的に固定されて 振動やがた付きを生じず、もって高い加工精度を達成できる。しかして、スリー ブ23がクランプピン11に対して摺動可能であるから、上述のようにクランプ ピン11をシリンダ部8に固定しても、係止片23aは支障なくホルダー本体1 の廻り止め用係止部23に対して係脱動作する。
【0032】 なお、この場合、サイドロックボルト14を前記のように締め付ける前に、ク ランプピン11が嵌合凹部10に嵌入した状態で調整ボルト21を捻回操作し、 図4のように筒状ナット12をシリンダ部8の開口側へ移動させて圧縮スプリン グ13のばね圧を最大限まで高めるようにすれば、クランプピン11の嵌合凹部 10に対する嵌合精度を充分に高く設定できる。
【0033】 上記実施例では切削工具6を装着するチャック7を有する回転軸体26にベベ ルギヤ25a,25bを介してホルダー本体2の回転力を伝達するする構成の工 具ホルダーを示したが、本考案は、ホルダー本体2の先端にチャック7を備えた 通常の回転切削用ホルダーは勿論、該チャック7を支持枠体5側に設けたリブシ ェーバー用やアングルヘッド用等の非回転切削工具用ホルダーにも適用可能であ る。なお、非回転切削工具用ホルダーにあっては加工中にホルダー本体2は回転 する必要はないが、一般的な回転切削加工用の自動制御工作機械では、スピンド ル3の停止状態で位置決め用突起3b,3bが常に定位置にくるように位置決め (オリエンテーション)するために、加工終了後に該スピンドル3が数回回転す るように設定されているから、非回転切削工具用ホルダーであっても本考案のよ うにホルダー本体2が支持枠体5に回転可能に保持される構成であれば、上記の 一般的な回転切削加工用の自動制御工作機械を利用して支障なく非回転切削加工 を行える。
【0034】 更に本考案においては、ホルダー本体や支持枠体の形状、シリンダ部及びクラ ンプピンの細部構造、ばね受け部材の移動機構等、切削油やクーラントを送る液 通路の構成等、細部構成については実施例以外に種々設計変更可能であり、例え ばシリンダ部に液密性を必要としない工具ホルダーでは該シリンダ部の奥端壁に 外側から螺入させたボルト自体をばね受け部材としてもよい。
【0035】
【考案の効果】
請求項1の考案によれば、工作機械のスピンドルに装着されるホルダー本体を 回転自在に保持した支持枠体が、その一側方に設けたシリンダ部より後方突出す るクランプピンを工作機械側の固定部の嵌合凹部に嵌入して固定する構成の工具 ホルダーとして、前記クランプピンを突出側に付勢する圧縮スプリングのばね圧 が容易に調整可能であり、この調整によって切削加工中に工具ホルダーにかかる 負荷の度合に応じて前記支持枠体の固定力を設定できるため、例えば中負荷ない し重負荷切削においては該ばね圧を強くして支持枠体の固定力を高め、もって加 工中の振動やがた付きを防止して高い加工精度を確保できると共に、軽負荷切削 においては同ばね圧を弱くし、工具ホルダーをスピンドルに装着する際の衝撃を 充分に緩和し得ると共に良好な装着操作性を確保できるものが提供される。
【0036】 請求項2の考案によれば、上記の工具ホルダーとして、クランプピンが移動可 能な状態でスピンドルに装着したのち、サイドロックボルトを締め付けることに より、該クランプピンが工作機械の嵌合凹部に適嵌する突出量としてシリンダ部 に固定されるため、以降はクランプピンが固定状態のままスピンドルへの装着操 作を行っても、クランプピンの先端が常に嵌合凹部に適嵌して装着時の衝撃を生 じず、しかも支持枠体が工作機械の固定部に剛体的に固定され、特に負荷の大き い重切削加工においても振動やがた付きを確実に防止でき、もってより高精度の 切削加工を行えるものが提供される。
【0037】 請求項3の考案によれば、上記の工具ホルダーとして、工作機械側の嵌合凹部 に設けられた液供給口より供給される切削油又はクーラントを、クランプピンを 導入口としてシリンダ部及び支持枠体を通して工具先端の切削部位や軸受部等の 必要部位に送り、切り粉排出、潤滑、冷却等の作用を発揮させ得るものが提供さ れる。
【0038】 請求項4の考案によれば、上記の工具ホルダーとして、クランプピンを突出方 向に付勢する圧縮スプリングのばね圧を調整ボルトの回転操作により極めて簡単 に調整できると共に、構造的にシリンダ部の液密性を確保することが容易である ため、特に請求項3のようにクランプピンを液導入口として切削油又はクーラン トを必要部位に送る構成に適したものが提供される。
【0039】 請求項5の考案によれば、上記の工具ホルダーとして、ホルダー本体の廻り止 め用係止部に対して係脱自在な係止片がクランプピンに軸方向相対移動自在に嵌 装したスリーブに一体形成され、且つ該スリーブがばね力により係止片の係合方 向に付勢されているため、スピンドルから離脱した状態ではホルダー本体が支持 枠体に相対回転不能に保持される一方、該スピンドルに装着された際には自動的 にホルダー本体がスピンドルと一体に回転可能となり、しかも前記係止片がクラ ンプピンとは独立して進退作動することから、特に請求項2の工具ホルダーのよ うな構成においてクランプピンをシリンダ部に固定した場合でも支障なく上記係 脱動作できるものが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案の一実施例に係る工具ホルダーを工作
機械のスピンドルに装着した状態を示す一部縦断側面
図。
【図2】 同工具ホルダーのシリンダ部を拡大して示す
縦断側面図。
【図3】 図2のIII −III 線の断面矢視図。
【図4】 同工具ホルダーのクランプピン固定状態にお
けるシリンダ部を拡大して示す縦断側面図。
【符号の説明】
1 工具ホルダー 2 ホルダー本体 2c マニピュレータ把持用フランジ部 3 スピンドル 4 軸受 5 支持枠体 6 切削工具 7 チャック 8 シリンダ部 8a 奥端壁 9 固定部 10 嵌合凹部 10a 周端縁 11 クランプピン 12 筒状ナット(ばね受け部材) 13 圧縮スプリング 14 サイドロックボルト 15 液供給口 16 透孔(液通路) 17 第一流路孔(液通路) 18 第二流路孔(液通路) 19 第三流路孔(液通路) 20 中心流路(液通路) 21 調整ボルト 21a ボルト頭部 22 廻り止め用係止部 23 スリーブ 23a 係止片 24 圧縮スプリング

Claims (5)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マニピュレータ把持用フランジを有し工
    作機械のスピンドルに装着されるホルダー本体と、該ホ
    ルダー本体を軸受を介して回転自在に且つ軸方向移動不
    能に保持する支持枠体と、切削工具を装着するチャック
    と、支持枠体の径方向一側部にホルダー本体と平行に一
    体に設けられたシリンダ部と、該シリンダ部に一定範囲
    で軸方向移動可能に嵌挿されて後方突出し、その突出端
    部が工作機械側の固定部に設けた嵌合凹部に対して係脱
    自在なクランプピンとを備え、前記シリンダ部の内奥側
    に、ねじにより当該シリンダ部の軸方向に進退するばね
    受け部材が設けられ、このばね受け部材と前記クランプ
    ピンとの間に当該クランプピンを突出側に付勢する圧縮
    スプリングが装填されてなる工具ホルダー。
  2. 【請求項2】 シリンダ部にクランプピンを当該シリン
    ダ部に対して固定するサイドロックボルトが螺着されて
    なる請求項1記載の工具ホルダー。
  3. 【請求項3】 クランプピンが中空筒状に形成されると
    共に、該クランプピンに嵌合する工作機械側の嵌合凹部
    に設けられた液供給口より供給される切削油又はクーラ
    ントを該クランプピンの内部よりシリンダ部及び支持枠
    体を通して必要部位に送る液通路を有してなる請求項1
    又は2に記載の工具ホルダー。
  4. 【請求項4】 ばね受け部材がシリンダ部に回転不能に
    装填されたナットであり、該ナットに螺挿する調整ボル
    トがシリンダ部奥端壁にボルト頭部を外部に露呈して回
    転自在に保持されてなる請求項1〜3のいずれかに記載
    の工具ホルダー。
  5. 【請求項5】 ホルダー本体に廻り止め用係止部が形成
    され、該係止部に対して係脱自在な係止片を一体形成し
    たスリーブがクランプピンに軸方向相対移動自在に嵌装
    されると共に、該スリーブをその係止片と前記廻り止め
    用係止部との係合方向に付勢する圧縮スプリングを備
    え、前記係止片と廻り止め用係止部との係合によって常
    時はホルダー本体が支持枠体に相対回転不能に保持され
    る一方、該ホルダー本体がスピンドルに装着された際に
    スリーブが工作機械の前記嵌合凹部の周端縁に当接して
    圧縮スプリングの付勢に抗して移動し、その係止片が廻
    り止め用係止部より離脱するように構成されてなる請求
    項1〜4のいずれかに記載の工具ホルダー。
JP7002993U 1993-12-27 1993-12-27 工具ホルダー Withdrawn JPH0740047U (ja)

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